リインのアトリエーアインクラッドの錬金術師ー   作:kaenn

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本編進めようと思ったらいつの間にかできた……アレ?

番外編なのに続きです。

おそらくSAOのアニメマラソンがいけない、ちょうどGGO編だったし…

と言う言い訳をしながら本編です。


番外編 ステラのGGO 第2話 傭兵スコードロン”ヴォルケンリッター*”

【ヴォルケンリッターside】

 

廃墟の建ち並ぶ荒廃した都市部で3人の少女が建物の影に隠れて敵チームの様子を探っている。

 

「フム……、やはり主が居ない内に奇襲を仕掛けて来たか……さて、ステラ…参謀としては如何する?私個人的には我比戦力が3倍では撤退を愚考するが?」

 

金髪に白を基調とした装備の少女が右隣で顎に手を当てて考え込む蒼髪の少女”ステラ”に質問すると、

 

「………確かにマイルの言う通り…戦力差を数だけで捉えるなら3倍ですが、地形と私達3人の戦力を鑑みれば戦力差など無いも同然です。此処は徹底抗戦を提案致しますわ…メイルは如何でしょう?」

 

金髪の少女”マイル”にステラと呼ばれた少女は対面に座って拳銃を弄んでいるマイルと殆ど同じ顔の”メイル”に確認を取る。

 

「ンーー?私はマイルちゃんとステラちゃんがヤるなら付き合うだけだよ〜〜、だって私マイルちゃんの奴隷だもの?」

 

ステラの問い掛けにンーー、と伸びをすると首を傾げながら人差し指を顎に当てて可愛く返事を言う。

 

「メイル!あの時の約束はもう無効だろう!いつ迄も蒸し返すんじゃ無い!」

 

「ちょっとマイル!撃たれますわよ!」

 

ーチュイン……ー

 

顔を真っ赤にしたマイルが現状を忘れて立ち上がった為、ステラが急いで頭を下げさせるとマイルの頭部があった場所に狙撃銃の銃弾が撃ち込まれる。

それを光景を見たメイルは一瞬目を見開くと、

 

「………へぇ……マイルちゃんを殺そうと……ステラ?…作戦は?」

 

何時もの戯けた感じの喋り方ではなく平坦で温度を感じさせない冷たい口調で冷めた目をしながら作戦を話すように促す。

 

「え?……ええ、マイルもよろしい?」

 

態度を豹変させたメイルを不審に思いながらあまり乗り気でなさそうなマイルに如何します?と最終確認をしようと横を見ると諦めた顔をしながら、

 

「はぁー〜………しょうがない、ステラ宜しく頼む。」

 

溜息と共にそう呟いた。

 

「先ずは先手を取って参りましょう、メイルとマイルは先行してA3地点の建物の影に隠れて合図を待って下さい。敵が射程内に入ったら無線で合図を送ります…そして敵を引きつけている間に私が敵主力をD1地点のビルから狙い撃ちます。」

 

話し合いの最中に考えた作戦を2人に伝えると、

 

「フム、A3地点か……A1地点では駄目なのか?その方が射角も取れるし何より近いだろう?相手が差し迫っている現状ではそちらからの方が効率が良い気がするのだが?」

 

マイルがもっと素早く準備出来る地点に変更しないのか聞いてきたので答えようとすると横からメイルが、

 

「駄目だよーマイルちゃん♪マイルちゃんが考えつくってことは相手も予想してるだろうし予想していれば対策も練っているだろうし。」

 

「ねっ?」と清々しい笑顔でステラを見ながら答える。

 

「そうですね…それなりに考えているひとがいるのでしたら私がA1地点にいると考えてC2地点からの長距離狙撃で倒そうとして来るはずですわ、それにあそこからなら下にいるとメンバーに指示が出しやすそうな場所でもありますしね。」

 

ステラの説明に頭に疑問マークを浮かべたマイルが地図を再度確認する。

 

「…………………うん?…ああっ!そうか!A3地点ならばC2地点に敵が居ても見つからないし広場を見渡す事が出来るのだな?」

 

地図と格闘する事数秒でマイルは理解したようだ。

満足そうなマイルを微笑ましく見守るメイルは

 

「理解出来たところで行きましょうかマイルちゃん?ほらほら…」

 

「待て!まだ装備が…おいメイル、引っ張るな……」

 

と、言いながら引きずっていく。

 

いつもながらの光景を眺めていると、

 

「いけない!私も急がなきゃ!」

 

と言いながら愛銃であるMK57突撃支援砲を担いで出て行く。

 

【襲撃者side】

 

「おい、ギンロウ?ここが本当に”あの”傭兵スコードロン”ヴォルケンリッター”のアジトなんだろうな?」

 

テンガロンハットに胡散臭い髭を生やした男”ダイン”が横に居るギンロウに話し掛ける。

 

「確実ですよ〜ダインさん、だってあの大手ギルドが賞金掛けてまで探し出した相手っすよ?」

 

「高かったんですよ?この情報。」と言いながら信憑性を疑うダインに文句を言う。

 

「まぁ良い、何かいるのは確実のようだしな……シノンは配置に着いたのか?………おい、シノン聴こえるか?」

 

 

「こちらシノン…C2地点に到着…現在敵勢力に動き無し。」

 

ダインが通信を入れるとシノンと呼ばれた女性は身の丈に合わない大きなアンチマテリアルライフルを敵が居るであろう地点に向けてスコープを覗いていた。

 

「頼むぜシノン、今日はヴォルケンのリインは大学のテニスの大会に出ているからログイン出来ねぇ筈だからな、他のやつを仕留めて賞金を頂くっていうのが俺たちの作戦だからな?」

 

ダインの消極的な考えを鬱陶しく思いながらも敵に動きが無いか見続けているとA3地点のビルの影から白い物体が2つ飛び出してきた。

 

「ダイン来た!ホワイトデビルだ!2人とも居る!装備迄は分からないけど其方に向かってる!」

 

 

ーA1【ヴォルケンリッターside】

 

「………ステラちゃんからだ………C2.S1……A4.?15だとさ?マイルちゃん、どうしようか?私が突っ込んで撹乱する?それとも2人で壊滅させちゃう?」

 

まるで今日のおやつ何にする?と言うように気軽な感じで物騒なことを言う姉に、

 

「メイル?作戦はあくまで陽動だぞ?私達2人で壊滅させる必要は無いんだが………」

 

戸惑いながら諭すと、

 

「だってあの人達……ゲームとはいえ私の大事な……大事なマイルちゃんを撃ち殺そうとしたんだよ?…許せるわけ…ないじゃない……特に…スナイパーは生きてるのを後悔するぐらいまで痛めつけてやるんだから……」

 

「フフッ、フフフ…」と暗い笑いをする双子の姉にマイルは、

 

「ていっ!!」

 

ードカッー

 

と言いながら手刀を打ち込む。

 

「痛ったーーーい!!………何するのマイルちゃん!圏外だからダメージ入っちゃったよ。」

 

手刀を頭に打ち込まれたメイルは打たれた所をさすりながら涙目でマイルを睨み文句を言う。

 

 

「メイルが悪い……おっと合図だ、行くぞメイル!」

 

「ちょっと待ってよ〜、マイルちゃ〜〜ん……」

 

そして2人は敵の待ち構える広場跡へと走って行く。

 

ーD1地点ビル最上階ー

 

「風向きは北東に1mかな?まぁこの子にはあんまり関係ないんだけどね。」

 

合図を送ったステラは突撃支援砲を敵の中心部に合わせるとメイルとマイルの出方を待った。

 

「…………………!動いた!メイル!マイル!聞こえまして?貴方方の前に居る一団が動きましたわよ!」

 

通話を送ると一呼吸遅れて2人が飛び出す。

 

するとその瞬間

 

ーチュイン……チューン……ー

 

2人が狙撃を受けて被弾し、すぐさま物陰に隠れる。

弾道から狙撃地点を割り出したステラは突撃支援砲をその方向に構えると此方からは丸見えな敵のスナイパーへ対人ではoverkillになること請け合いの砲弾を発射する。

放たれた砲弾は敵のスナイパーへ一直線に進んでいき着弾、するとC2地点にあったビルの上階部分が爆音をあげながら崩れ落ちる。

 

「終わりましたわ、では私も参りましょうか。」

 

着弾を確認するとステラは突撃支援砲を担いで下に降りていった。

 

 

【シノンside】

 

「もうっ!何なのよアレ!」

 

ステラの放った砲弾により崩壊したビルの壁にしがみついたシノンはあまりに突然の出来事に憤慨していた。

 

「撃ってる奴は分からなかったけどあの銃は大型アンチマテリアルライフルクラスの超重量級の筈……どんな化け物が居るのよ……ホントに…」

 

この場所から戦線復帰は無理そうだなぁなどと考えながら、眼下に見える戦闘を見物する事にしたシノンは、せめて白い奴の正体だけでも見ようと双眼鏡を取り出す。

 

「どれどれ?ダイン達が彼処だから………居た!………えっ?」

 

シノンの眼下で繰り広げられているのは戦闘ではなく”蹂躙”であった。

3倍どころか5倍もあった戦力差は意味を成さず、金髪を右側だけサイドテールに結った少女がHK416Dのカスタムで牽制するなかを、前後左右縦横無尽に飛び跳ねる左サイドテールの少女が2丁拳銃でダイン達スコードロンメンバーを文字通り蹂躙する光景だった。

 

少しすると弾が切れたのか少女達が後退する。

生き残ったダイン達6人が追撃の為追い掛けるのが見える。

通信機が生きていれば私はこう叫んだだろう…「罠だ!行ってはいけない!」と……

 

【挿絵表示】

 

ードウッッ………ドカーーーッンー

 

多分私を砲撃したスナイパー?が戻ってきたのだろう…バズーカを構えた人物が煉瓦の隙間から見えた、良く見えないがアレは女性ではないか?…………あの人達を”シノン”が倒せば”私”も強くなれる気がした。

 

「傭兵”ヴォルケンリッター”憶えておくわ……」

 

目を細くして睨むように見て呟く。

 

……そしてその後、シノンとステラというスナイパーがGGOで一躍有名になり”ある事件”を経て親友とも言える仲になる事は、まだ本人達ですら知らない。

 

 

 

 

戦闘後、

 

「ねぇ?ステラちゃん…マイルちゃんを撃とうとした奴はちゃんと仕留めたんだよね?」

 

メイルが不思議そうにステラに確認する。

 

「えぇ…私のケルちゃんが直撃した筈ですが?如何してでしょうか?」

 

ステラがそう答えるとメイルは、

 

「でもさ?今回の戦闘のリザルトで相手側が1人戦線離脱になってるの。で…時間的にステラが最初に撃った時殺しているのならFirstkillbonusはステラのものになる筈なのにbonusは私に付いてるの……と、言うことは?」

 

ステラはメイルが言葉を言いきる前に逃亡を始めていた、それに気がついたメイルが全速力で追いかけて行く。

さらにその後方からマイルが溜息を吐きながらトボトボと追い掛ける。

ステラとメイルの壮絶な鬼ごっこは、リアルでテニス大会の助っ人が終わったリインが来るまで続けられたそうだ。




作中でメイルが使っている銃はSIGP226MK25という対テロ特殊部隊が使用する拳銃です。

マイルが使っているのも同じ特殊部隊が使用する銃です。

何故かって?それは………友人に貰ったガチャガチャの景品だからさ……って聞いてないか?

ではまた次回

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