リインのアトリエーアインクラッドの錬金術師ー   作:kaenn

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突破記念小説で完全にSAOのキャラがそっちのけの番外編です。

みなさんご期待のあの方も出て来ますが、今回は直ぐに消えてしまいます。

またSAO編が終わったら出て来そうですが………

では、本編をどうぞ。


番外編
UA通算10000突破記念 番外編 SAO開発者達の打ち上げ


 

私はとあるゲームの開発者の1人だ、1人と言っても背景のグラフィックなどを調整したりするだけの仕事で基幹プログラムなどには携わっていないのだが………。

 

ー「……であるからナーブギアは利便性と快適さを追求した仮想現実の世界に入るための扉を開く鍵だと………」ー

 

βテスト後の最終のデバッグ作業も終わり、後は4日後の正式サービス開始を待つのみとなった私達開発者チームは集まれる人だけで慰労会の様なものを執り行うことになった。

 

人より協調性と社交性が高かった私は幹事を任され会場となる都内の某居酒屋に前のりしていた。

 

「お疲れ様〜〜、って私が一番乗り?」

 

茅場博士とナーブギアのメインシステムを構築した1人の倉橋さんが笑顔で入って来ると私に挨拶をしてくれた。

 

それから時間が経つにつれてだんだんと人が集まり、ほとんど全員が来たんじゃないかと思った時……

 

「やぁ、みんなご無沙汰していますね?」

 

と言いながら茅場博士が姿を現した。

 

一同起立して迎えようとすると茅場博士はそれを手で制して座る様に促す。

 

そして、

 

「皆さんのおかげで漸く3日後にSAO正式サービス開始に漕ぎ着ける事が出来ました!皆さん本当にありがとう。ナーブギアを手に入れた人も、手に入らなかった人も何らかの形で浮遊城アインクラッドを見ることになるでしょう……とにかくお疲れ様でした!では、乾杯!!」

 

茅場博士が乾杯の音頭をとるとそこら彼処でグラスを重ねる音が聞こえる。

 

私は取り敢えず中程の席に腰を落ち着け飲み始める。

 

「おい、今日は飲み放題と聞いたが本当か?」

 

チビチビと中ジョッキビールを飲んでいるとSAOプロジェクトでも特に謎の人物となっていた女性

”アストリード”女史が質問してくる。

 

「はい、今日は貸切で食べ物飲み物全メニュー頼み放題で閉店まで大丈夫ですよ?」

 

聞かれた事に素直に答えると「そうか…よし!」と言い歩いて行ってしまった。

ほとんど話などした事は無いが綺麗な人だなぁ〜と思った………口調は怖いが……

 

飲み放題の2時間というのは人が酔っ払うのに必要な時間という事を聞いた事がある気がする……

あと3時間程あるのだが最早素面の人はいないのでは無いか?横の人を除けば…………

 

「おぉ!!このジンジャーガフと言うのはなかなか良いじゃないか、……ん?なんだ貴様?飲まんのか?しょうがない私が飲んでやろう!……ん、おかわり!」

 

「師匠〜〜飲み過ぎですよ〜〜アレ?師匠が3人いるぅ〜〜〜♪あははー♪」

 

女史の右隣に私が座っているが左隣に座っているのは女史の弟子だという”ローナ”という成人してるかもわからない外見を持つ女性が座っている。

”.ローナちゃん”と開発チームでは呼ばれて親しまれていた彼女は、パソコンのパの字も知らなかったが女史の教育や色々な人の手ほどきを受けるといつの間にか開発チームの中心メンバーになっていた。

 

「世の中に天才っているんだなぁ……」

 

「ン?おい、貴様?今天才がどうとか言っただろ?」

 

私の呟きが聞こえていたのか女史が睨みつける様に私を見る。

 

「フン!馬鹿め!本当の天才って奴は何も教えなくても勝手に学んで育つ奴のことだ!私やロロナは自ら学ばなくてはできる様にならんから秀才という奴だ!」

 

機嫌が悪そうだが少し嬉しそうという不思議な表情で言葉を吐き捨てる女史に、

 

「という事はアストリードさんは本当の天才に会ったことがあるんですか?」

 

私が気軽に聞いた質問は如何やら禁句だった様で女史の隣のローナちゃんが顔を青ざめさせて全力で首を横に振っていた。

 

「ああ!あぁあるとも!教えてもいないのに私が長年掛けて作り上げたものを一瞬で創り上げる悪魔の様な巫山戯た奴だ!全くもって腹がたつ!!だいたい無限書庫のリーディング能力とか巫山戯た能力とか、他にも…………………」

 

その後、閉店時間が過ぎても私が解放される事はなく…アストリード女史の家に連行され、ローナちゃんと共にリィンフォースと言う女性の愚痴を延々と聞かされる事になった………解放されたのはローナちゃんの弟子だというトトリちゃんが帰って来てアストリード女史の首筋に手刀を叩き込み気絶させた後だった。

 

 

ー3時間後 自宅ー

 

ーガチャッ…バタンー

 

「なぁーに…アンタ、朝帰りなんて嫁入り前の女があんまりするんじゃないよ?」

 

母の小言に曖昧に相槌をうちリビングのソファーに倒れ込む。

 

ー「……は、次のニュースで………」ー

 

朝の定番のニュース番組がかかっていて昨日のフェンシングの大会の様子を放送している。

 

ー「………こで、リィンフォース選手が仕掛けるのですが相手は反応すらできなかった様ですね、何せスピードカメラで見ているのにスローにしかならないんですからその最高速度が………」

 

リィンフォース…って名前は……天才が………多いんだなぁ…………(( _ _ ))..zzzZZ

と思いながら寝て、起きた時にはリィンフォースと言う名前をスッカリ忘れていた。

 

 

 

 

 

 

ーその頃 ”アストリッド”宅ー

 

「茅場の若造共め!とうとう私の作った錬金術スキルに気付かず正式サービス開始にふみきったか!ハッハッハー!!ザマアミロ〜♪」

 

「もう!師匠ってば!人の話を聞がないんだから………もういいや、トトリちゃん行こうか?」

 

「でも……良いんですか先生?アストリッドさんに言っとかないとまたステルクさんとジーノ君が被害を受けちゃう気がするんですけど?…………でも…行っちゃいますか!」

 

2日後にSAO正式サービス開始というニュースを見た”アストリッド”はまた酒を煽りながら高笑いを続ける。

その横で”ロロナ”とトトリが必死に呼び掛けるが聞いておらず、ロロナは行っちゃおうか?とトトリに相談する。

 

相談されたトトリは早く両親や姉のツェツィ、夫のジーノ、娘のエリーに逢いたくなった為、迷いながらも同意してしまった。

 

じゃあ書き置きだけ残しておこう!と言うロロナの意見に賛成して

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ステルクさんとリリーに会う為、実家に帰ってまーす! ロロナ

 

すいませんアストリッドさん、ジーノ君だけじゃエリーのお世話できないと思うので1度戻って来ますね? トトリ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

と書き置きを残した。

 

 

ー「ハーッハッハッハー………」ー

 

尚も笑い続けるアストリッドを他所に転移の為の特別なトラベルゲートを取り出すとロロナは呪文を唱え始める。

 

「「転移!アーランド!」」

 

その言葉と共にトラベルゲートが虹色に輝くと2人はまるで転移結晶を使ったプレイヤーの様にアーランド共和国に転移して行った。

 

 

 

「ふぅ…、まぁ錬金術スキルは80層のボスが持っているLAbonusのアーランド語翻訳辞典が無ければ習得出来んしな、まぁ当分習得する事は不可能だろうし……ん?……ロロナ?トトリ?どこへ行っ……………」

 

優越感に浸った後我に返ったアストリッドはロロナとトトリの書き置きを見つけるとすぐさまトラベルゲートを取り出し追いかけに行った。

 

 

……………そう、稀代の大魔女でも予想外の出来事だったのだ……第1層の図書館に置いた古ぼけたアーランド語の本を読める人物がいる事など……………そして大魔女が唯一心の底から”格上”と認める魔道書が生まれ変わっていることなど………。

 




転移のプログラムは全てアストリッドとロロナが作ったと言うオリジナル設定に変更しております。

魔法的要素は実際に使える人の方がリアリティが出るんじゃないか?というのと、アトリエのゲーム中に、「アレ?コレSAOの転移に似てる?」という私の考えから派生した意見ですので異論は認めます。

アストリッドさん達はALO編辺りからまた出現しそうな気が……

ではまた次回。

ー追記ー

アーランド王国→アーランド共和国

御指摘あり修正しました。
他にも誤り見つけたら御指摘お願いします。

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