リインのアトリエーアインクラッドの錬金術師ー   作:kaenn

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こんな深夜にテンション上がって書いた………

おやすみなさい 

本……ぺ……ん……で……



第11話 ”傷だらけの守り人”後編*

アルゴに霊薬を渡した数日後、

 

「ふむ…ステラ、今日は店を閉めてダンジョンに潜ろうか?」

 

「そうですね、そろそろ次の階層のボス部屋が見つかりそうですし……あっ!いらっしゃいま…せ?………どうなさっなのですか?アルゴさん?」

 

カフェ営業日だったがお客さんも珍しく疎らで早めに閉めてダンジョンでレベル上げしようかとステラと相談していると、ふらふらと先日の状態を巻戻して再生した様な動きでアルゴが椅子に座りぐったりとする。

 

「いらっしゃい、問題が解決したってゆうのに元気が無いな?……ステラーーちょうど良いから看板を中に入れてcloseしちゃって良いよ!」

 

アルゴの席にお冷を置きステラに閉店作業をお願いする。

 

それを聞いたステラは手早く外に出ている看板を中に入れて、扉にcloseの札を貼る。

そして店の奥に向かう途中私とアルゴのところに近づくと、

 

「じゃあ店長、私は裏を片付けてますので…ではアルゴさんごゆっくり………あっ!何かご要望があればお申し付け下さいね?」

 

と、行って来たので、

 

「あぁ…頼むよ。………で?何があったんだ?あのクエスト絡みか?」

 

ステラに片付けをお願いして見送って少し間を空けてからアルゴに問いただす。

 

するとアルゴは俯いていた顔を上げ、

 

「その通りダ……実はあの”傷だらけの守り人”ってクエストにハ続きがあってナ……ディー坊達のギルド”軍団”ニ依頼して調査してもらったんだガ…どうやらあのクエストはNPCエルフに薬を渡して終わりじゃなくテその原因となったモンスターのスローター系クエストだったみたいなんダ……。」

 

アルゴの話に違和感を感じ、

 

「スローター系?討伐系じゃなくて?」

 

と、質問する。

その質問にアルゴは、

 

「その通りだヨ……そこに出現するレアモンスターのエルフイーターっテ名前のモンスターでそいつが1体でも結構強いんだガ時間でリポップするからどーやってモでい坊達じゃ倒し切れないみたいでナ?何匹倒さなきゃいけないのかも分からなイ………幸いなのはエルフイーターってモンスターがプレイヤーを積極的に攻撃して来ないってとこだけだナ、逃げるのは簡単なんダ。」

 

それを聞いた私と皿洗いなどの片付けが終わってテーブルに座っていたステラが顔を見合わせる。

 

「……アルゴ?そのエルフイーターってモンスターが出るのって第20層ひだまりの森の隠しエリアじゃないか?」

 

「……そうだヨ〜〜…………?ん?オレっちクエストの情報リーちゃんとスーちゃんに教えたっけか?」

 

私がフィールドの場所を言うと、アレ?教えたっけか?と不思議そうに聞き返すアルゴにステラが、

 

「いいえアルゴさん、アルゴさんから教わってはおりませんが先日店長の錬金術素材採取の時にそのエルフイーターと戦いましたのでそのせいかと……」

 

説明した。

 

「本当カ!……結果は?結果はどうなっタ?」

 

その答えに、目を見開いて立ち上がり目の前のステラの両肩をガシッと掴み興奮気味に前後に振る。

あまりに急に揺さぶられた為ステラは、

 

「キュ〜〜〜…………」

 

と声にならない声をあげながら目を回している。

 

見かねた私が止めるとアルゴは視線をこちらに向けて、

 

「で?どうだったんだ?勝てたのカ?」

 

興奮覚めやらぬ様子で私に聞く。

 

「あぁ……勝ちはしたが殺してはいない、殺す理由が無かったからな…お前達エルフイーター達と話はしたのか?」

 

私の答えを聞いたアルゴは「は?何を言っているんだコイツ」とでも良いそうな顔でこちらを見てから

 

「話?何言ってんダ、リーちゃんあんなどう見てもモンスターな外見の奴らが話なんか出来んのカ?」

 

と、言うと

 

「モンスター?どう見ても小動物のヒト型がいいところのような気がしたが?」

 

「そうですわね…アレは昔絵本などで見た覚えがあります…どう見たってそんな恐ろしいものには見えませんわ。」

 

と、言い返しステラも同意する。

双方とも(・・?)といった表現が似合う顔で見つめあった。

 

 

 

「つまりはリーちゃんとスーちゃんガ会ったエルフイーターは大きめの二本足で歩くウサギだったト?オレっちやディー坊の見たエルフイーターは幽霊みたいな外見でよく剣がすりぬけたりするモンスターだったって事だナ?」

 

3人の話を纏めたアルゴが不思議そうにしながらもこう結論づけるとその横でずっと考え込んでいたステラがおもむろに顔を上げて呟いた。

 

「ふむ……………そうゆう事ですか……店長、アルゴさん、今から行きましょうか。」

 

私とアルゴは何時もと違った雰囲気を纏うステラに驚きながら何処へ?と聞くと、

 

「決まってますわ?ひだまりの森の”傷だらけの守り人”さんに会いに参りましょう。」

 

さも当然の様にそう言い放つと「装備を取ってきます。」と言って2階に上がって行った。

 

私も取り敢えずレベル上げになるか?と考えて装備を取りに2階に上がった。

 

 

 

第20層ひだまりの森に着いた私達3人はまずアルゴの知るクエストNPCのエルフにクエスト内容を聞くため会いに行った。

 

「確かこの辺りニ………アレ?居ない?誰かがクエストクリアしたのかナ?……それとも場所を間違えたカ?」

 

アルゴが場所を間違えたか疑問に思っているとステラが、

 

「店長のハイディングスキル再現アイテムのおかげでそのクエストNPCに気付かれなかったからでしょうね……では、このままエルフイーターの里まで行きましょうか。」

 

と言って先行して行く。

私とアルゴは顔を見合わせて、この人誰?と思っていた。

 

 

 

そしてエルフイーターの里に着いた私達を待っていたのはどう見てもピーター○ビットの様な生き物がエルフの様な男性?に捕まえられている光景だった。

 

フードを目深に被り黒いマントを纏った私達に気付いたエルフイーター達が騒ぎ出す。

 

「わぁーアイツの仲間だー」

 

「駄目だー皆んな食べられるー」

 

「怖いよぅ…怖いよぅ…」

 

その騒ぎに驚いたのはエルフイーターだけじゃなく、

 

「仲間だと?!そんな馬鹿な!俺にそんなのは居ねぇし、近くにプレイヤーの反応は無かったはずだぞ!!」

 

と、私達が思うエルフ像をした男性?が驚きの声を上げる。

そこにステラがマントとフードを脱ぎ捨てて姿を現わしその姿を見たエルフイーター達が声を上げる。

 

「ステラー」

 

「ホントだーステラー」

 

「助けてステラー」

 

「リインもいるのー?」

 

「リイン助けてー」

 

エルフイーター達の姿を見たアルゴは固まっていて、時々「えっ?オレっちはもしかしてあんな小動物みたいのニ怯えてたのカ?」などと呟いている。

 

らちがあかないので私もマントとフードを脱いでステラの横に立つ。

 

「貴女方はプレイヤーですか?私はエルフのアシュタロンと言いまして……私達を苦しめるエルフイーターどもの住処を見つけて処分しに来たのです、宜しければ手伝って頂けませ…ん!何をするのです!」

 

アシュタロンと名乗った男性はバツの悪そうな顔で私達に依頼してくるアイコンが出ている様だが何かおかしい、そう思いながら話を聞いているとステラがいつの間にかエルフイーターを掴むアシュタロンの右手を居合い一閃で斬り落とした。

激昂しながら狼狽えるアシュタロンにステラは、

 

「残念ながらアシュタロン様?貴方の正体は私全てお見通しですわ!まずは本性を暴いて差し上げます!」

 

と言い放ちおそらく鑑定系のスキルを使ったのかと思われるがアシュタロンの姿がみるみる変化して行き人狼になってしまった。

驚く私を尻目に更にステラが続ける。

 

「貴方が本当はモンスターだと言うことは分かっていましたの、加えて幻術の様な技を使う事も想定して来ましたので貴方の力は脅威になり得ないですわ!!」

 

それを聞いたアシュタロンのネームがボヤけて行く………そして私の視界にはmiragetheAstarothというネームに変わった人狼が写る。

人狼は、バレたか!と大声を出すと醜悪な顔で、

 

「まぁ……ここで全員殺してしまえば関係ないしな?…貴様ら!生きて帰れると思うなョォ!!」

 

と叫ぶとネームの横にHPゲージが4本現れる、そして右手の大爪をステラに叩きつける。

 

「ふんっ!大きいだけの人狼なんて相手になりませんわ!」

 

ステラは居合い斬りで大爪を相殺すると距離を取り”パチン”と刀を鞘に収める。

 

私もガンランスを装備してアシュタロンに向け突きを放つ、ステラに夢中で気がつかなかったのかアシュタロンの右肩に直撃してたじろぐ。

 

「貴様ぁーー!!よくも!!ヤりやがったなぁ!!」

 

激昂したアシュタロンは攻撃が単調になってきている、大振りの攻撃をいなしながら右肘の関節に追撃を加える。

 

私とステラの狩りのコンビネーションの1つでステラが敵の周りをクルクルと舞う様に斬りつけながらヘイトを稼ぎ、私が要所で大技を叩き込む。

このコンビネーションでフィールドボスの素材を荒稼ぎした事もあった。

本来は幻術を使われて苦戦するのだろうがステラの対策のおかげで全く幻術の様な攻撃が来ない。

 

「クソッ!!……クソッォ!!ゴミの分際でこの人狼族最強のオレを馬鹿にしやがってえぇ!!!」

 

最早HPゲージが1本でレッドゾーンに突入しているアシュタロンは私達に悪態を投げつけるが私もステラも容赦無く攻撃を叩き込む。

 

「ステラ!…スイッチ!」

 

【挿絵表示】

 

ステラが居合いのソードスキルを発動して最後の一撃をお見舞いすると、ついにアシュタロンのHPが無くなる。

 

大きな人狼は怨嗟の声を上げ、ポリゴン片になって消えていく。

 

「ステラがアイツ倒したー」

 

「リインもいるのー」

 

「アイツは居ないー」

 

「もう食べられないー」

 

「黄色はやくたたずー」

 

私達3人の周りをぴょんぴょんするエルフイーター達

 

「役立たずは酷いナ……君ら助けたのはオレっちの情報なんだゼ?」

 

「黄色は恩人ー?」

 

「黄色ー名前はー?」

 

「リインもいるのー?」

 

と騒ぎ出したので私は

 

「黄色の名前はアルゴと言うんだよ」

 

と名前を教えると、

 

「アルゴー」

 

「アルゴーありがとー」

 

「リインもいるのー?」

 

「お礼ーー」

 

髭の生えたエルフイーターがアイテムBOXを差し出してきたので受け取るとエルフイーター達の姿が消えて行く。

 

 

その後アルゴや私やステラが何度か検証の為このクエストをやろうと試みたが一度も遭遇することは出来なかった。

 

因みに報酬は各個人の得意武器と………ミートパイだった、ミートパイを見たアルゴと私は、

 

「食べづらいゼ(よ)!!!」

 

と声を揃えて言った。

ステラはΣ(・□・;?)と言う顔で固まっていた。




分かる人にはミートパイを見たアルゴとリインの反応が分かるはずです

分からなくても誰かに聞いちゃダメだ!!………悲しくなるからね。

ではまた次回

ー追記ー

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