リインのアトリエーアインクラッドの錬金術師ー   作:kaenn

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リインのアトリエ感を出すためのオリジナル回的なものを書いてみました。

ユニークスキルが獲得されないと出現しないクエストっていうのもあっても良いかな?と思いまして…

特に生産系の隠しスキルならキーアイテムの生産が条件のクエストがある。

という設定を模造してみました。

では本編をどうぞ。


第10話 ”傷だらけの守り人”前編 *

攻略も40層まで進んだ頃、私は遂に35層ミーシェの主街区にレンタルでは無い自分の店を買った。

 

店は、錬金術やその他スキルで作った装備やアイテムを売るアトリエスペースとその裏手に料理スキルを活かしたカフェスペースを併設した複合施設に挑戦しており、

営業日を月・水・金・日曜日はアトリエスペースの営業日、

その他の火・木・土曜日はカフェスペースの営業日としてどちらも売るものが無くなるか私の用事が入ったら店仕舞いというフリーな営業形態に設定した。

その頃には錬金術スキルも現在作れる物はほぼコンプリートしており後は50層以上に上がらないと作れない物を残すのみとなった。

 

その頃の私の用事とは……

 

「ふむ……後はシエルの葉かな?」

 

【挿絵表示】

 

アルゴの情報提供により発見された特殊クエストのキーアイテムの生成作業だ。

何故私がこの作業を行っているのかと言えば………

 

「はぁー、………リーちゃん…知らないとハ思うけド”アシナラの霊薬”なんてアイテムは知らないよナ?」

 

カフェスペースの営業日の閉店後にアルゴが来たので自家製コーヒーを淹れてやると椅子にもたれかかりグッタリとしながら溜息を吐いた。

 

「”アシナラの霊薬”?何でそのアイテムを知ってるんだ?昨日出来たばかりで誰にも教えてないはずだぞ?」

 

錬金術スキル行使中に偶然出来たアイテム名をアルゴが口にしたので驚いて聞き返す。

 

「?!なっ…なっ……なっ……。」

 

目を点にしたアルゴが”な”を連発するので

 

「な?どうしたアルゴ?」

 

不思議に思ってアルゴの顔の前で手を振ってみたり頬を突いて見たりするが反応が薄い。

 

「何で言ってくれないの!!私そのアイテムの情報探すために15万コルも使ったのにぃ〜〜〜〜!!」

 

椅子からスクッと立ち上がり顔を上げたアルゴは普段の口調も忘れ、私に捲し立て首元を掴んで前後に揺する。

 

「…………………てい!」

 

ちょっと”ムカッ”とした私は暴走するアルゴに手刀をお見舞いして機能を一時停止させる。

 

 

 

「…………………ん?……あレ?オレっちはいつリーちゃんの店に来たんダ?」

 

気絶から復帰したアルゴは良い感じに記憶が飛んでいる様だったので、

 

「さっき入って来たと思ったら椅子に座った瞬間寝息を立てて寝てしまったよ?風邪を引くかは分からないが一応毛布だけはかけておいたよ。」

 

ありがとう。と礼を言うアルゴとの先程のやり取りは無かったことにして会話を続ける。

 

「そう言えばさっきからずっと”アシナラの霊薬”という言葉を言い続けていたがそのアイテムがどうしたんだ?」

 

また暴走されても困るので今度は知らない程でアルゴに質問すると、

 

「そうなんだヨ、今までは居なかったNPCが各地に急に増えてきテそのNPCから受けられるクエストのキーアイテムが見た事も聞いた事も無いもノで困ってるのサ……一体どんなものなのカ……。」

 

アルゴからそのアイテムを欲する理由を聞いた私は、

 

「……全くの偶然だがそのアイテム名に聞き覚えがある、確か錬金術スキルで作れるアイテムにそんな名前のアイテムがあったはずだな……せっかくだし作ろうかと思っていたんだけど幾つ欲しいんだ?」

 

「!?本当カ!助かるヨ。新しく見つかった”傷だらけの守り人”っていうクエストのキーアイテムらしいんだガ情報が見つからなくテ困ってたんだヨ……取り敢えず2つ程頼めないカ?」

 

まさか私が作れるとは思わなかったらしく珍しくおずおずと頼んでくるアルゴに、

 

「ああ、今日の夜閉店後に作ろうかと思っていたんだがそれでも良いかい?直ぐにというなら今から作るが?」

 

と、聞くとアルゴは嬉しそうに私の手を握りながら飛び跳ねる。

代金は20000コルくらいでいいか?と聞いて来たので材料費込みで半分で良いよ?と返すと、

 

「じゃあ明日ノ朝イチで受け取りにくるからナ!頼んだゾ、リーちゃん!」

 

と言ってコーヒーの代金を置いて帰って行った。

 

ここで冒頭のシーンに戻る。

 

錬金術スキルを使用して釜に入れた材料をカッシの木でできた棒で、ぐるぐるしてピタッ!ぐるぐるしてからまたぐるぐると回す。

こういう表現はロロナは天才的だったな?アストリッド殿は理論派だったのでロロナのこういった表現は理解出来なかった様だが私には何故かピッタリ嵌ってアストリッド殿にこう言われたのを思い出す。

 

「チッッ!……チートな上に天才か……さすがベルカの最終兵器の1つだな……おいっ!ジャマル!!貴様は触るな!私のアトリエを破壊する気か!!」

 

「私はシャマルです〜、そんな…私だって錬金術やってみたいんですからお願いしま〜す!」

 

「馬鹿か貴様?普通の料理すら作れんくせに錬金術など500年早い!!少なくともまともに食べられる料理を作って出直してこい!!」

 

おっと、余計な記憶まで出てきた様だ……そう言えばアストリッド殿…シャマルの料理は500年ではまともにならなかった様です…稀代の天才で万能な貴方でも予測のつかない事があったんですね?

 

【挿絵表示】

 

などと考えていると釜から青い稲妻のライトエフェクトが出て成功した。

取り出してみると薬瓶に入ったエメラルドグリーンの液体が見えた。

 

「コレが”アシナラの霊薬”か?どれどれ?効果は……。」

 

アイテムの説明欄と効果欄に目を向けると、

 

ー錬金術専用アイテムー

アイテム名

アシナラの霊薬

 

材料

治癒草+オーガの血+ユニコーンの角+シエルの葉

 

効果

回復速度が回復ポーションの2倍で状態異常の全てを癒す

 

説明

回復ポーションの2倍の効果があるエルフの霊薬で状態異常も全てを癒す魔法の薬

*クエストキーアイテム

 

「おおっ……これはまた……凄いな。」

 

できあがった薬の効果を見て驚いた。

 

そして翌日の朝、

 

「おーイ、リーちゃん!来たゾ!」

 

アルゴが本当に朝イチで受け取りに来た、まだ日が昇る前に………

 

「オー、コレが”アシナラの霊薬”カ?綺麗な色だナー…………で?この効果で本当に10000コルで良いのカ?」

 

興奮気味に話すアルゴ

その反面、寝起きでまだ完全に目が覚めていない私はぼや〜っとしながら相槌をうつ。

 

「じゃあコレは仮にしとくゼ!ありがとうナ、リーちゃん!スーちゃんにもよろしくナ!」

 

と、言って無駄にテンションの高い鼠は去って行った。

 

「さて……目も覚めてしまった事だし、今日はアトリエのアイテムでも作るとするか。」

 

そしてアイテムを作り始めた私はその後寝坊したステラに、

 

「店長!大変です!!お客様が外にいっぱいならんでます!!」

 

と、言われるまで錬金術をしていた。

その後開店したアトリエは昼過ぎまで大混雑だった。




リインのアトリエ
錬金術スキル専用アイテム設定
ー錬金術専用アイテムー
アイテム名
アシナラの霊薬

材料
治癒草+オーガの血+ユニコーンの角+シエルの葉

効果
回復速度が回復ポーションの2倍で状態異常の全てを癒す

説明
回復ポーションの2倍の効果があるエルフの霊薬で状態異常も全てを癒す魔法の薬
*クエストキーアイテム



というのを考えてみました。

後半はスローター系クエストを予定しておりますがストックが切れた為、更新が遅くなる可能性があるのでご容赦を……

ではまた次回。

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