リインのアトリエーアインクラッドの錬金術師ー   作:kaenn

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未だクラインの要素出てきておりませんが一応クラインとリインフォースさんがキリトとアスナに負けないぐらいになる予定の本作です。
ドイツから日本に留学したリインフォースは持ち前のハイスペックな能力で凄く有名になっているが本人にあまり自覚はありません。


第0話 始まりの物語

 

 

私の意識が深く深く潜っていく………

此処は私の終わりの記憶……長年共に歩んだ騎士達と優しい主との別れの記憶……

 

もうこの光景を見るのも数え切れないほどであり見るたび涙が溢れる様だ……

 

最後の時だ……私が空に還っていく………。

 

目が覚めた、今は共に歩んだ騎士達も優しい主も優しく強い子供達も居ないが、頼り甲斐のある父親と危なっかしくて目を離せない母親、それと可愛い妹がいる。

 

 

ドイツのハンブルグという所で私は三ツ星シェフと有名なパティシエの娘に生まれた………そう”産まれた”のだ、本来融合機である私が人の子として母親から産まれたその事実に驚いたが、この新しい人生は神様からの贈り物としてありがたく生きている。

 

話が逸れた、兎に角今の私は”普通の”女子大生として青春を謳歌している。

 

「リインさん、申し訳ないんだけど今度の陸上の大会に団体戦出る予定なんだけど怪我しちゃった娘がいて1人足りないの!如何にかして出られないかな?」

 

「待て!陸上部!!リインちゃんはウチのソフトボール部に助っ人に来てもらうんだからあぁぁぁ!!!」

 

「いやいや、フェンシング部のエースが負けたんだからリインさんが今のフェンシング部エースだよ?だからフェンシング部の試合に出てもらうに決まってるじゃないか?これだから脳筋どもは。」

 

「いえ、是非弓道部に!!あんな見事な射は見た事ないです!教えて下さい!お願いします!!」

 

この光景もいつもの事だ、どうやら私は俗に言うチート?持ちであるらしい。

何せ夜天の書の知識に加え守護騎士達の動きもトレースできた事で身体能力の高さも跳ね上がった様だ。

なので、走ればとあるマラソン大会では上位入賞Level、ソフトボールの試合に出ては完全試合の全打席安打、フェンシング部のエースをひょんな事から負かしてしまいいつの間にかエース扱い、弓道は将とベルカ時代に競っていた為に的の真ん中に当てるだけなら造作も無いし何より形が綺麗なのだと言う。

といった感じで大学のほぼ全てのサークルから助っ人を頼まれる。

しかし今日は、

 

「みんな、誘ってくれている所に申し訳ないが今日は家庭教師先の家の娘さんと買い物に行く約束をしていてね?悪いがもう帰らせてもらうよ?」

 

私は心苦しく思いながら今日の予定を伝えるとみんな渋々諦めて活動場所に返って行った。

 

 

2時間後

 

「…どうかな?リインさん似合うと思う?」

 

「うーん”明日奈”にはもっと明るい色が似合いそうな気がするが……………これはどうだい?」

 

「ありがとうございます、じゃあコレ合わせてきますね?」

 

そう言って明日奈は私が選んだ服を試着室に持っていき着替え始めた。

 

私が選んだパステルブルーでタートルネックのセーターと落ち着いた濃い青色のフレアスカートが気に入った様だったので、それを購入してプレゼントする事にした。

 

「良いんですか?!」

 

と喜ぶ明日奈に全教科90点越えのご褒美だよ、

と言って受け取り先に店を出ていてもらう。

実は明日奈の父親である彰三から驚くほどボーナスが出たので頑張った明日奈にも少し還元したくなったのだった。

 

 

明日奈を店の外に出して会計をする。

 

「……万五千円になります、お支払い方法は如何なさいますか?」

 

「あっ、それじゃあコレでお願いします。」

 

店員さんにちょうどの現金を渡し支払いを済ます。

すると、

 

「此方がレシートと本日までの福引券です、本当は1万円で1枚なんですが本日で最後ですのでどうぞ♪」

 

と、ウインクしながら小声で福引券を4枚渡してくれた店員さんにお礼を言って店を後にする。

 

店の外に待たせていた明日奈に服を渡すと

 

「わぁ…ありがとうございます!……でも、本当に良かったんですか?」

 

嬉しそうに受け取った後伺う様に上目遣いで申し訳なさそうに聞いてくる明日奈に私は、

 

「私もこれで明日奈の成績が上がれば家庭教師を続けられるし、何より明日奈に教えるのはスポンジが水を吸う様で楽しいからね。」

 

笑顔でそう言うと明日奈はもう一度お礼を言って顔を上げると、

 

「じゃあ今日はデザート代は私が出します!異論は認めません。」

 

と、言い私の手を引いて歩き出した。

 

 

 

「…じゃあリインさんの大学の学食が美味しいのはリインさんのおかげなんですね。」

 

ケーキ屋に入るとなんとなく私の大学の話になり、私が両親の影響からか、料理が趣味という事で、人気がなかった学食のメニュー監修を当時の教授に頼まれて行った話になったのだ。

そうしてその数日後には近くのファミレスより安くて美味しいと評判になり今では地方から学食目当てで来校する人が出るくらいだ。

 

「私も偶に厨房に入って作っていることもあるし、私は大学院に進むつもりだから明日奈が入ったとしてもまだ居るかもね?」

 

志望校の1つとして考えていると言うので学部やサークルから教授の性格まで色々話した。

 

ープルルルル………プルルッ、ガチャッー

 

「ハイ!もしもし?あっ!分かりました、今すぐ行きます!…………ごめんなさいリインさん、この後ピアノの稽古が入ってしまったみたいで……」

 

申し訳なさそうに言う明日奈に、

 

「今の電話京子さんでしょう?私は良いから早く行った方がいいよ。」

 

と言って送り出そうとすると、

 

「じゃあ会計済ませておきますのでごゆっくりどうぞ、じゃあまた来週お願いします。」

 

と言い、伝票を持って走っていった。

 

「明日奈も大変だな………?如何したんだい明日奈?忘れ物でもあったかな?」

 

少しすると明日奈が戻って来て私に何かを手渡した。

 

「福引券です、今日までだからって店員さんがサービスでくれたんですけど私は出来ないのでリインさん使ってください。」

 

と言い、受け取ると同じ方向に走り去っていった。

 

「そう言えばさっき貰ったのも含めて5枚か……まぁティファー○のセットが当たると嬉しいかな?」

 

福引の商品一覧を見ながら有名メーカーの調理器具セットが当たればいいなぁと思いながらモール三階の福引会場に向かうため、店を出た。

 

「わぁ……混んでるな…さすが最終日。」

 

何処にこんなに人がいたんだ?と思うくらいの人集りで帰ろうかな?と考えていると、

 

「お姉さん最後尾はこちらですのでこちらに並んでください!」

 

福引券を持っているのを見られたのか係の男性に最後尾に並ばされてしまった。

 

「さぁさぁ!特等のナーブギアとSAOのセットはまだ1組残っておりますので並んでいる方全員にチャンスが有りますよーーー!」

 

くじ引きの機械の前の男の人が大声で宣伝する。

確かSAOって大学の友人や明日奈の兄である浩一郎さんがベータテストをしていたゲームだったはず……

フルダイブ型のロールプレイングゲームだったか?などと考えていると、

 

「おおっと?ここでテ○ファールのセットは終了致しましたーー!ですがまだナーブギアセットは出ていない!他にも………や………など……」

 

あぁ、終わってしまったか……さすがにそう上手くはいかないか……残りのボーナスで買って帰るか?

と考えていると、いつのまにか私の番が来た。

 

福引券を係の人に渡すと大きなコインを貰った、如何やらこのコインをくじ引きの機械に入れて回す形式みたいだ。

 

ボックスティッシュ3箱と食用油が当たり明日奈から貰った最後の一枚分のコインを機械に入れて回す。

 

ーガチャガガチャガチャッ………コロンー

 

「おおっ!大当たり〜〜〜!!!特等のナーブギアセットは此方のお姉さんがGETだぁーー!」

 

カラカラカラーーン、と鐘を鳴らしながら係の人が大きな声で叫ぶ。

如何やら当たった様だ、そう言えば妹も手に入ればやってみたいと言っていたのを思い出したので今度日本に来る時にでも渡そうか?と思いながら福引会場の裏手で手続きをする。

正式サービス開始日の午前中配達されるそうだ。

偶々その日は予定が何もない為、せっかくだから1度プレイしてみよう。

 

2022年11月6日

配達されてきたナーブギアの説明書を読んで装着する、キャラクターメイキングというのがよくわからない為、デフォルトでほぼ自分のままの姿でやってみることにした。

 

「おっ?そろそろ時間か?ギルバートさんやリリアナ達と逢えればいいな。」

 

時間が迫って来ると、SAOをやると言っていた行きつけのカフェのマスターや友人達を思い浮かべながら私もそろそろとベッドに横たわり始まりの言葉を口にする。

 

「リンク、スタート」

 

これが世界を揺るがす、SAOと言う名のデスゲームの始まりだと知らずに……




更新は遅いと思いますが、続けていく気は有りますのでどうぞよろしく。
誤字やこの表現違うんじゃないか?と言うご指摘があればお願いします。
確認次第直していきますので。

では、また次回に

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