リインのアトリエーアインクラッドの錬金術師ー   作:kaenn

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前話の続きになります。

相変わらず短いですが読んでもいいよって奇特な方はどうぞ。

後書きに錬金術レシピを追加してみました。


第7話 最初の出会い後編

唖然とした表情で固まる風林火山の面々

そこに平然とアイアンスピアを地面について、フゥ…。と息を吐く私

クラインが1番早く現実に戻ってきて、

 

「いや、どう見てもβテスターじゃねーか!!」

 

くわっ!!という表現が似合う表情で一声、それに対して私は、

 

「いや悪いが本当にVRMMOゲーム自体が初めてなんだが………やった事あるのは妹達とやったキャラクターの叩き合いゲームと髭と鼻が特徴的な人が出てくるレースゲームくらいだよ?」

 

真顔でそう返すと風林火山のメンバーは、

 

「えっ?この人マジデイッテンノ?(・・?)」的な顔になって更に数分動かなくなった。

 

 

全員が再起動してから私も十分戦力になると判断したクラインが「このまま簡易パーティー組んでレベリングしようぜ!」と言ってきたので何故か断る気がしなかった私は快く承諾、レアMOB含むモンスターを薙ぎ倒していき、早くもレベルが上がった。

 

近くの村で休憩する事になり、NPCの店員に料理を注文して待っていると

 

「リインさん!………いや、姐さん!どうか俺を弟子にして下さい!」

アクトと名乗った男が急に私に土下座をして来た。

 

えっと、どうしようか?と悩んでいると

 

「あっ!狡ぃぞ!俺が先にお願いしようとしてたのにぃ……」

 

気がつくと私を師匠と呼ぶ権利を賭けてオプトラとアクトが取っ組み合いの喧嘩を始めてしまった。

 

「おいっ!お前らみっともねぇから止めろ!すまねぇなリインちゃん、こいつらリインちゃんと会うちょっと前までソードスキルの練習してようやったと1人でフレンジーボア倒せるようになったレベル何だよ、俺はもうソードスキル出すのぐらい余裕なんだがな?」

 

クラインが2人を宥めながら自分はできることを自慢するが私には子供が、どうだ!凄いだろ!と言っているように見えて可愛く感じた。

 

「そういえば何で草とか石?のアイテム採ってたんだ?あんなのストレージ埋めちまうだけのゴミアイテムじゃねーのか?」

 

道中採取できるアイテムを拾っていた私にクラインが質問してくる。

 

「うーん…私も分からないんだが何故か拾わなきゃいけない気がしてね?まぁ捨てるのが簡単だからいいんじゃないかな?」

 

私の答えにクラインは「そんなもんか?」と相槌をうつとそこまで気になっていたわけでは無かったのかカルーと次の狩場の話を始めた。

 

食事を終えて始まりの街に戻ろうとするとクラインが私にフレンド登録しないか?と言って来たので風林火山のメンバー全員登録した。

 

「じゃあまた明日な!」

 

と言って手を振るクラインに此方も軽く手を振る。

また明日に始まりの街正面門前で集合して狩りに行く約束をして別れた。

 

宿に入って寛いでいる時に、そういえばスキルスロットが解放されたと表示されてたな?と思い出して習得可能スキル欄を眺めていると1番下の項目に”錬金術”スキルを見つけた。

 

「あれ?こんなの前は無かった気がするけど……図書館の消えた本を読むのが習得条件なのか?」

 

不思議に思いながらも気になり錬金術スキルを習得するとインフォメーションが流れ出す。

 

ー錬金術スキル習得を確認しましたー

ーマイホーム又はマイショップを購入した際に錬金部屋が追加されますー

 

ん?…マイショップかマイホーム買わないといけないの?と考えていると、

 

ーボンッー

 

宿の部屋の壁が煙に包まれ中から扉が出てきた。

 

「は?(・・?)」

 

ー錬金部屋が解放されましたー

ー今後錬金術スキル習得者が宿泊する施設では錬金術の施行が可能になりましたー

 

固まっているとちょうどインフォメーションが補足説明を告げる。

恐る恐る扉を開けるとそこには

大きな釜と作業台の様な物、本棚、大きなアイテムコンテナがあった。

 

「はは…凄いな…魔女殿の部屋にソックリだ…」

 

ベルカ時代に友好関係にあった魔女の部屋に瓜二つの小綺麗な部屋に驚きしかなかった。

 

「あの時気紛れでロロナと一緒に教わった知識と経験が役に立つとは思わなかったよ………ん!そうだ!せっかくだし回復ポーションでも作ってみようかな?」

 

アストリッド殿が「初歩の初歩だ、出来なきゃ教えん!」と言っていたが、私が見様見真似で作ると「チッ、これだから自覚の無いチートは嫌いだ!」と文句を言いながらも錬金術を教えてくれたのを思い出し、この世界で該当する物を探そうとすると目の前のウィンドウに

 

ーポーンー

 

という音と共に材料が表示される。

 

「何々?……治草と普通の水と……フレンジーボアの脂?こんな物でできるのか?……今日手に入れた物ばかりだし駄目元で作って見るか…」

 

不思議に思いながらも大釜に材料を入れて、ロロナ曰く”ぐるぐるっ”と回して反応を見る。

 

そうして数分混ぜていると青い稲妻のエフェクトが発生して中を覗くと回復ポーションが3つ出来ていた。

 

【挿絵表示】

 

「はは…本当に出来た…」

 

出来た回復ポーションは街のNPCが売っている物より回復スピードが5%早い、とのコメントも付いている。

 

ゲーム内での死が現実の死と直結するこの世界では回復スピードが早いのは大きなアドバンテージだと思われる。

しかし、この”錬金術”というスキルはどうやら他の人には習得できない様だ。

何故そんな事を知っているかと言えば先日知り合ったアルゴと呼ばれる情報屋に聞いたのだ。

 

 

 

ディアベルに会った翌日の事だった

 

「図書館の有益な情報を売ってくれないカ?」

 

と、急に言われて

 

「何故私が図書館の情報を知っているのを知っているんだ?」

 

と、聞き返す。

 

「いヤ、君ガ2ランク上の武器を手に入れる方法ヲ見つけタと聞いてネ?それを広めテもいいとモ聞いていル。」

 

ディアベルの情報から辿り着いたのか?

だとしたら私の事は広まっていると考えるべきか?…と考えているとアルゴが、

 

「ちょっといいかイ?オレっちはアルゴっていうプレイヤーでネ?βテストで友好関係にあったディー坊からリーちゃんにオンラインゲームのイロハを教えてくレって頼まれてネ、女性同士じゃないとわからない事ヤ不便な事があると思ってネ?」

 

その言葉と目を見ると嘘は言っていないと分かったので素直に話を聴く。

 

「いヤー、助かったヨ!クエストによってハ特定のアイテムが必要な事があってネ!おかげデいくつカの攻略法が解ったヨ!」

 

解けなかった問題が解けたのか嬉しそうに私の肩を叩きながら声を掛けて来るアルゴに、

 

「そう言えばアルゴに聞きたい事が有るんだが良いかな?」

 

それを聞いたアルゴは

 

「ンー?何だイ聞きたいことっテ?今なラ機嫌もいいシ情報の対価としテ何でも答えるヨ。」

 

嬉しそうに抱きついているアルゴに、

 

「錬金術っていうスキルの詳細を確認したいんだが…一体どういうスキル何だ?」

 

と、聞くと、嬉しそうに抱きついていたアルゴが急に真剣な顔になって

 

「……リインさんその話詳しく教えてくれない?」

 

と言った。

その時私が思ったのは………口調は演技だったのか?だった。

 

ともかくそこで錬金術スキルに関して情報交換した結果、どうやっても”あの本”に出会えた人がいない為ゲーム内でたった1人しか習得出来ない”ユニークスキル”だろうとの結論に至った。

口外しない様にキツくアルゴに言われたのでアルゴ以外に知っている者はいない。

 

まぁアイテムが作れるなら生産職として支援に回っても良いだろうし、などと考えながら錬金術を続けているといつの間にか自分の周りには回復ポーションの山が…

 

「はは…どうしようコレ……」

 

再起動した私は取り敢えず出来たポーションをそそくさとコンテナに詰め込むのであった。




リインの錬金術レシピ

アイテム名
回復ポーション

材料
治草+普通の水+フレンジーボアの脂

説明
言わずと知れたSAOの回復アイテムただし錬金術で作られた物で通常の物より回復スピードが5%早い




アルゴを出してみましたが口調が難しいですねーー。

相変わらずクライン要素は薄いですが一応クライン×リインフォースです。

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