リインのアトリエーアインクラッドの錬金術師ー   作:kaenn

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久しぶりの投稿です。
最近なんか肩が重かったのですが書いてるうちに軽くなってきた気が……
5話目です。
短いですが良かったら見て暇つぶしてくださいな。


第5話 リインの日常(カフェ編) *

とあるランチタイム終了後

 

「リインさんこのショートソードおいくらですか?」

 

新作ランチメニューの味見を兼ねてホームのカフェゾーンにシリカとリズを呼び感想を聞いた後、私のホームの雑貨屋ゾーンでシリカの新しい装備を選んでいる

 

「シリカ!アンタはあたしの店で買わないくせにリインのトコでは買うの!?その差はなに?」

 

その横で頬っぺたにショートケーキのクリームをつけた鍛治職人がシリカに詰め寄るが、

 

「あぁそれなら9000コルだね」

 

気にせず、値段を告げるとシリカは考え込む様に顎に手をあてて

 

「うーん…9000コル……すいませんリインさん、このショートソード取って置いてもらうことってできますか?」

 

申し訳なさそうに言うシリカに私は

 

「まぁ取置きに関しては私はかまわないよ、もし手持ちが足りないならツケかローンにしても良いがどうする?。」

 

と提案してみる。

 

「……ツケかぁ〜…………なんか大人っぽいですね、うーん……じゃあリインさん!ツケでお願いします!………でもリインさん?”ツケ”ってどういう払いかた何ですか?」

 

私の横でウンウン唸りながら思案した結果如何やらツケ払いにする事にしたシリカは小首を傾げる仕草とともに”ツケ”って何?と聞いてくる。

 

私の考える”ツケ”って事で

・半額だけ取り敢えず払って残りは準備出来次第

・一部だけ払う残りは準備出来次第

・最初は金銭を支払わずに準備出来次第まとめて払う

の3つの支払い方法を提案するとシリカは、

 

「半額払って残りは準備出来次第っていうのでも良いですか?」

 

「分かった、じゃあ支払い期限は来年の今日まででお願いするよ?」

 

私が承諾すると今まで店の天井付近を飛び回っていたピナが私に急降下して私の顔をペロっと舐める

 

【挿絵表示】

 

「ピナ、驚くから急に人の顔を舐めたら駄目だと言っただろう?」

 

私がピナに少し怒りながら注意する、するとシリカが

 

「ごっ、ご迷惑お掛けしました!駄目だよピナ?前にも注意されたでしょう?」

 

私の前に滞空するピナを自身の胸に抱き寄せ全力で謝罪をしてからメッ!とばかりにピナを叱る。

 

怒られてしょんぼりするピナを見て、

 

「いや、怒ったわけではないが知らない人が見たらモンスターに襲われてるって思われてピナが倒されてしまうかもしれないからね、気をつけるんだよ?」

 

フォローされ困惑した様に固まる微笑ましい1人と1匹に苦笑しながら頭を撫でる

 

「ねぇ?2人ともあたしを無視しないでよ〜怒鳴ったことは謝るから〜」

 

微笑ましい空気をぶち壊す様に守銭…おっと、リスベットが声をかけてきた

 

私はもちろん冗談だがシリカは本当に存在を忘れていた様で少し驚いている。

 

「いや、マジで忘れられてたんなら泣くわよ?」

 

若干目を潤ませたリズを見た私は少し罪悪感を感じて、

 

「そうだよリズ、まさか忘れるはず無いだろう?目の前にいるのに」

 

と軽く謝りそれに続いてシリカは急いで

 

「やだなぁリズさんそんな訳無いじゃないですか……ハハハ…。」

 

本当にリズの存在を忘れていた様で目が泳いでいてあからさまな誤魔化しをしていた。

 

おかしな空気になったので流れを変える為、新作のデザートを振舞う事にした私は2人に、

 

「そうだ!良ければ新作のデザートも食べていかないか?」

 

私がそう提案するとシリカもリズも、

 

「「新作!!今度は何を再現したの(んですか)?!!」」

 

目をこれでもか!!と見開きながらカウンター越しに詰め寄ってくる、今から仕上げるからと、ちょっと待ってもらいキッチンに引っ込む。

キッチンにはもう材料が準備してあるので、まず

器にストロベリー風果実を甘味料と煮込んで作ったジャムを引き、次に錬金術で作ったコーンフレーク、アイスクリーム、生クリーム、を順番に載せていく、ストロベリー風の果実と、更にストロベリー風ジャムを載せて完成だ。

 

「さぁ出来たよ、苺パフェだ。」

 

私が2人が座るテーブルにパフェを置くと先にリズベットがスプーンを取って食べ始める。

 

【挿絵表示】

 

「ん〜〜〜〜〜っ美味しい!!」

 

食べるやいなや満面の笑みというか顔がとろけている様にも見える顔で感想を言うリズベット

 

「あ〜〜ずっ、ずるいですよリズさん〜〜じゃあリインさん、私も頂きまーす………本当に美味しいです!苺パフェの味がします!!……ガツガツガツ……リインさん!!!おかわりありますか?」

 

2人とも瞬く間に食べ終わると、同じ様に器を差し出しておかわりを要求してくる。

 

「悪いが今回はそれだけでね、感想を聞いてから量産しようかと思って作ったんだが……感想を聞くまでも無い様だね?」

 

おかわりが無いとわかった2人は「もっと味わえば……」やら「久しぶりのパフェ………パフェ……」

などと呟きながら空になった器を恨めしそうに眺めていた。

 

 

 

後日

 

ーカラカラーンー

カフェの営業時間終了間際、そろそろ休憩中の札を掛けようと表に出ると騎士団服のままのアスナが走ってきたのか息を切らせながら店の前に立っていた。

 

「如何したアスナ?そんなに料理が食べたいなら作ってあげるから入りなよ。」

 

「……うん……リインさんありがとう。」

 

一呼吸置くとアスナは礼を言うと私に促されてカフェ内に入った。

 

 

取り敢えず奥の席に座らせて注文を聞く。

 

「久しぶりだね?今日は何にしようか?」

 

私は何か思いつめた様な様子のアスナに敢えていつも通りの対応をとる。

 

「…………ェ…が……たいです。」

 

するとアスナはうつむいたまま絞り出す様に私に何かを言った。

聞こえなかった私は何度かアスナに聞くが要領を得ない、如何しようか顎に手を添えて考えているとアスナが今までの蚊の鳴くような声とは違う確かな言葉を発した。

 

「リインさんお願いします!私にも苺パフェ作ってください!」

 

赤い顔で目を潤ませながらパフェが食べたい、と言ってきた。

納得した私は

 

「ふふっ……リズから聞いたのかい?大丈夫、そんなに恥ずかしがらなくてもちゃんとアスナの分もとってあるよ。」

 

何時もの凜としたKOB副団長とは思えない程に女の子らしいアスナに苦笑が漏れる、そして来るだろうと思って1個だけ確保して置いた苺パフェをアイテムストレージから取り出してアスナの前に置く。

 

「…わぁぁ〜〜……ホントだ……………」

 

【挿絵表示】

 

目の前に出された苺パフェを嬉しそうに眺めるアスナにスプーンを渡すとリズベットやシリカとは比べ物にならない程の速度で食べきった。

食べ終えたアスナの顔は満足そうで年相応の少女に見えた。

 

 

 

 

 

更に後日

 

「ありがとうございましたー。」

 

今日もランチタイムの終了時間になったので休憩中の札を外に掛ける、そして店内には私とステラと”もう1人”だけになったので奥の席に座る様に声を掛ける。

 

「ふぅ、今日はお客さん多かったですねー!”アスナさん”どうぞこちらへ。」

 

ステラが裏から案内してきたのはアスナで、席に座らせて少し遅めのランチタイムにした。

 

「はい、ステラがハンバーグでアスナがサンドウィッチだね?」

 

奥の席に座る2人に予め決めてもらったメニューを置く、私の前にもサンドウィッチを置くと三人同時に

 

「「「いただきます。」」」

 

と言い食べ始めた。

 

 

「ごちそうさまでした、リインさんありがとうございます我儘を聞いてもらって。」

 

食べ終えたアスナがペコリとおじぎして感謝を述べてくる。

 

「いや、此方こそ皿洗いとか調理を手伝ってくれて助かってるからね、こんなのは我儘とは言わないよ。」

 

あの日パフェを完食したアスナから持ちかけられた”我儘”とは落ち着いて食事をしたいので一般客が捌けた後に食事をさせてもらえないか?というものだった、理由を聞くとなんでも”周りから注目されて落ち着かない”らしいので私が快く引き受けると

 

「ありがとうございます!あっそうだ、じゃあ私皿洗いとか手伝いますね!」

 

と言う具合に落ち着いて最近は3人で食べる事があるのだ、来るのは週に3日ほどでその時は2時間くらい前から来て裏で皿洗いや調理の手伝いをしてくれている。

 

おや?2人とも食べ終わった様だ。

では、

 

「じゃあデザートはコレでいいかな?」

 

と言って2人の前にパフェを置くと、キラキラした目で目の前のパフェを見ていた。




カフェ回と言うかパフェ回
アスナの反応はウチの姪っ子の反応を見て書いてみた。
異論は認める。


ではまた次回


3月29日ご指摘によりツケ払いの期限を追記

お気に入りが50を突破!!ありがとうございます^_^

励みになるので増えてくれる事を期待して完結目指して書き続けたいと思います。
引き続き誤字や脱字、おや?と思った表現があれば教えてください。
気付き次第修正いたしますのでお願いします。

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