リインのアトリエーアインクラッドの錬金術師ー   作:kaenn

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何故だろう此方の方が筆が進む?
短いですが書けたので第2話です。


第2話リインの日常(探索編) *

第2話

リインの日常(探索編)

 

店を始めてから稀にあるお客さんの来ない日

カウンターで3時間程座っていたが2人しかお客さんが来なかった。

「うーーん、お客さん来ないなー……そうだ!今日はもう閉店してしまおう」

そう決めるやいなや扉の外に【店主外出の為臨時休業】の札を掛ける

店の入り口に鍵を掛けた後速やかに準備をして部屋に戻った私は追加ストレージ機能付のバックを持ち戦闘用装備(外観は全く同じ)に着替えてドアを開け店の外に出た

 

【挿絵表示】

 

扉を閉めると外は少し雲があるが良い天気の様だ、私は攻略組にも属している為店を持ってからはこうして暇な時に不定期に素材収集を兼ねたレベリングを行うのが習慣になっている

忘れ物が無いか?鍵を閉め忘れてないかを確認して私は転移門でいま開かれている最上層の主街区迄転移した。

この層は私が拠点にしている35層のフィールドに似ているが出てくるモンスターのレベルが高く”普通の”プレイヤーでは安全マージンを取っていても危険の伴うエリアになっている。

今日のフィールドワークでは動物系の素材採取とこのフィールドにしか出現しないレアモンスターの素材を集めるのが目的だ

「後はアレの大牙が一本だけ何だがなかなか出ないなぁ…はっ!もしやこれがキリト君が言っていた物欲センサーって奴なのか?」

アスナやリズの知り合いでウチの常連さんでも有る黒の剣士の言葉を思い出していた。

 

 

その頃リインのアトリエ

リインが出掛けて1時間ほど後

「あーあぁ、今日は残念だったな?」

「まぁしゃーねよ」

「あんだけ倒してレアドロ無しとかありえねぇよ普通……」

赤を基調とした侍風の男達が今日の成果を悔やみながら歩いていく

「まぁ良いじゃねぇか?それより早く行ってリインちゃんの優しい笑顔と美味しい料理に癒やされようぜ!」

その集団の先頭に野武士ヅラ、良く言えばワイルド?な男が仲間を励ましながら歩いている。

目当ての店が見えたのか駆け出すと大声を出しドアに掛けてあるものを見て止まる。

「おーい、リインちゃーん!……ん?なになに…げっ、今日は暇だったのか!しくった〜もっと早く来れば一緒に行けたかもしれねぇのに………帰るか……ハァ〜〜」

野武士ヅラの男は残念そうに肩を落としながらアトリエを後にして

「えっ?リーダー!どこ行くんすか!飯食うんじゃなかったんですか!」

良く言えばぽっちゃり系のギルメンが声を掛けると

「ばぁーか!リインちゃんの飯以外ならどこで食っても一緒だよ!俺はもうホームに帰って寝る!今日は解散だ、解散!」

リーダーと呼ばれた男は投げ遣りな返事をするとアトリエを後にした。

 

フィールドワークを続けるリインはやっと目当てのレアMOBを見つけたのでリズ特製のメイス”グランディス”を装備して戦闘態勢に入った

「さぁ暁の大狼よ、今度こそ大牙を戴くよ!」

自分を目掛けて駆けてくる狼に対しソードスキルの予備モーションをとった。

狼が私に飛びかかろうとした瞬間を見極め、”両手槌”のSSストライク・ハートを現在進行形で近づく暁の大狼の脳天に叩き込む

 

【挿絵表示】

 

最早30回目となれば慣れたものでcriticalの表示が出て更にはスタン状態になった

トドメを刺すとやっと目当ての大牙が1本出た。

「フゥ……やっとか……もうこの1本だけの為に6体もたおしたんだが…疲れた。」

私は前世?の影響なのか戦闘相手のモーションを盗むのがかなり上手い、具体的に言えば階層BOSSクラスより下の存在に関しては3体くらい倒せばほぼ完璧に動きを読む事が出来る。

なのでこの暁の大狼討伐も最早作業に成り下がっていたが、ドロップアイテムは運次第なので仕方ない。

「ともあれコレで素材は揃ったしリズの所で造ってもらうとするか♪ふふっ♪」

集めた素材で造った刀を”あの人”にプレゼントする光景を想い描くと自然な笑みが溢れる。

リインはモンスターの出ない安全圏で一時間程その光景を想像し想いふけっていた。

 

「…………ぇ……っと……ねぇ、ちょっと!リイン!聴こえてる!?」

耳元で大きな声で呼ばれると

「わぁ!……なんだリズ?急に大声出して、驚くじゃないか。」

驚いて抗議すると呆れた顔のリズに

「ねぇ?リインさん?こんな時間に訪ねてきてさ、さっきからずっと出来たよ!って言ってるのに「ふふっ♪」とか「クライン…ダメっ…」とか自分の世界に浸るのも良いけどここ!私の工房!後!口に出すのもはばかられる様な言葉を妄想全開で垂れ流すの禁止!!!」

と怒られた。

…というか私はそんな事を口走っていたのか…そう思うと顔が熱くなっていくのが感じられる、恐らくは今鏡を見たら真っ赤なリンゴより赤い自分の顔が映るだろう。

「すっ、……すまない、あっ、とコレで良かったよね?……あー、ありがとう!それじゃまた!」

恥ずかしさを堪え、出来上がった刀を受け取り代金を支払い御礼を言い、私は脱兎の如くリズの工房から飛び出した。

 

 

その日のリンダースでは局所的な突風が発生したとかしないとか………。




作中のモンスターの暁の大狼はオリジナルのレアMOBです
ミニチュアハウス的なものも面白いですよね?
アウトドア系の趣味とインドア系の趣味の両方を兼ね備える
残念な大人になった作者ですが良ければまた見てくださいな。

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