リインのアトリエーアインクラッドの錬金術師ー   作:kaenn

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お待たせ致しました。(待ってないか?)

オーディナルスケール編と題した日常編第5話です。

遂に彼女を出してしまいました、アインクラッド編を大幅に修正しなければ……

では、本編をどうぞ。


第5話 妹来たる後編

飛行機内日本近海上空

 

「……それにしてもアタシはいつ搭乗手続きしたのかしら?まったく覚えてないんだけど?」

 

アリサが不思議そうにすずかに尋ねる。

 

「私もそうだったけど昨日興奮して眠れなかったでしょ?ウトウトしてたみたいだからしょうがないよ、私もそうだったもん。」

 

すずかは晴れやかな笑顔でアリサに返事を返すと徐に窓の外を見る。

 

「………わぁ!!アリサちゃん!見て見て!見えたよ!」

 

ボンヤリと外の景色を眺めていたすずかが興奮気味にアリサに外を見る様に言うので、アリサは子供じゃあるまいし……と思って断ろうとしたが、断ればこの双子の姉は力尽くで事を成そうとするのが予想できる……仕方なく外を覗くと、

 

「わぁ………ビルがみんな大きい……ニューヨークみたい……………はっ!…違うのよ!違うんだからね?!」

 

アリサの反応に満足したすずかはもうそろそろ着くよ?と声を掛ける。

 

「ちょっとすずか?!聞いてるの?今のは不意打ちだからノーカンだからね?!ホントになんでもないんだからーーー!!」

 

顔を真っ赤に染めたアリサを見たすずかはホクホクとした笑顔で「そうだね?そうだよね。」と言いながら恥ずかしがるアリサを堪能した。

 

新羽田空港発着ロビーで銀色の髪を靡かせた美人がそわそわしながら待っている。

 

「ねぇ、お姉さん誰か待ってんの?ならその人来るまでお茶しない?」

 

チャラチャラした男がその女性に声を掛けるのは必然だった様だ。

 

「えっ?私ですか?…悪いがもうそろそろ来るはずなので遠慮しておくよ。」

 

声を掛けられたリインフォースはそう遇らうがチャラ男は諦められないのかなおも食い下がる。

 

「おい…にいちゃん?俺の連れになんか…用かい?」

 

サングラスを掛けた遼太郎がリインフォースに声を掛けていた男に近づくと声は静かだが凄い剣幕で睨みつけていた。

 

「遼太郎遅かったじゃないか?おかげで知らない人にナンパ?されたよ。」

 

リインフォースからは遼太郎の後ろ姿しか見えていなかったので男が怯える様に逃げて行ったのを不思議そうに眺めながら遼太郎に抗議する。

 

「おう!悪りぃな、駐車場が奥の方しか空いてなくてな?何だか今日は有名人が来るみたいだな、来る途中に何度か話を聞いたぜ。」

 

軽い謝罪をした遼太郎はリインフォースに道すがら聞いた話をしていると、大きなスーツケースをガラガラと引いた少女が走って来る。

 

走って来る人物の気配を感じたリインフォースは振り向くと紫色が飛び込んで来たので受け止める。

 

「久しぶりだねお姉ちゃん!……えっと…貴方がリョウタロウさん?ですよね。初めまして、私はリインフォースの妹ですずか・アーランドといいますよろしくお願いします!」

 

紫色が顔を上げるとそれは双子の姉の方のすずかで私の胸に顔を埋めてから遼太郎に向き直り挨拶をした。

 

「あぁ…久し振り、アリサはどうしたんだ?」

 

一緒に居るはずのもう1人の妹の姿が見えない為すずかに聞いていると、

 

「もう!すずか!急に走ったら危ないじゃない!…ってリイン姉さん?もう!すずかったら、姉さん見えたなら教えてくれればいいのに!」

 

人混みの中から人を掻き分けアリサが出て来る。

私に抱かれているすずかに「抜けがけ禁止!」と怒った様子のアリサを

 

「やぁ!アリサも久し振りだな!……元気にしていたかい?」

 

と、言い微笑みかけながら抱き締める。

 

「…………うん……元気……。」

 

アリサは抱き締められると蕩けた顔で私の胸に埋まって返事をした。

 

そんな私とアリサの横では遼太郎とすずかが羨ましそうに指をくわえて見ていた。

ちょっと?!すずかは可愛いけど遼太郎は何で?感染ったの?すずかの動きが感染ったのか?

と、私は普段と違う遼太郎を見て動揺していた。

 

 

車に乗る時アリサが頑なに助手席に座ると言って譲った。

遼太郎は車が発車してから一時間程質問責めに合っていた、最初は不機嫌そうにしていたアリサだったが遼太郎と話しが合う様で、もう打ち解けたようだ、今はゲームの話で盛り上がっているようだ。

すずかが私の横で俯いたまま静かな事が気になり声を掛けようとすると良く聞こえないが何か呟いている。

 

「………お姉ちゃんだけじゃ無くアリサちゃんまで取る気なの?………ふふ、ふふふふ……そういう事なら容赦は………。」

 

私は良く聞こえなかったので、

 

「すずか?大丈夫か?」

 

と声を掛ける。

するとすずかは顔を上げて笑顔で、

 

「大丈夫だよお姉ちゃん!でもすこし疲れちゃったから今日はお姉ちゃんの部屋に行きたいな?」

 

と言った。

その時の笑顔があまりに綺麗で私は恐怖を覚える程だった。

 

そして私の部屋に着くと遼太郎の電話が鳴る。

 

ー♪〜〜♪〜ガチャッー

「…はい、もしもし?……何だ母ちゃんか?何か用か?……………うん?………マジ!……ハァーーー、分かったよ…行くよ、じゃあな。」

 

義母様からだったのだろう遼太郎は溜息を吐いて電話を切る。

 

「悪りぃなリインちゃん、アリサちゃん、すずかちゃん、俺の実家からでな?人手が足りないみたいだから手伝って来るわ……ゴメンなせっかく観光日和だったのに……。」

 

申し訳なさそうな遼太郎を気遣うようにアリサが、

 

「大丈夫よ!私達は私達でやってるからリョウ兄は早く行って上げなさいよ!」

 

と声を掛けると、

 

「お?おう、明日はちゃーんと案内すっからな?期待してろよ!」

 

と返事を返すと、

 

「ホント悪りぃなリイン…じゃ、行ってくんぜっ…………ぷはっ…おい、妹達見てるぞ?」

 

私と妹達を交互に見てなかなか出発しない遼太郎の唇を塞ぐ。

妹達はあっけにとられたようで顔を手で隠している……まぁ指の隙間から見ているのだろうが……。

 

オドオドする遼太郎に、

 

「ほら、義母様達が待っているんだろう?早く行ってくるといい。」

 

何食わぬ顔でそう返すと、

 

「あぁ………行ってくる。じゃ…戸締まりちゃんとしとけよ?」

 

”ぼけー”とした顔で女3人なんだから気を付けろよ、と注意して出て行く。

 

「わーー、お姉ちゃん(姉さん)大胆〜〜♪」

 

後ろを振り返るとやはり2人とも見ていたようでからかってくる。

 

そんな時、私のスマートフォンにテレビ電話が来る。

もうそんな時間か?と思いながら、

 

「そう言えば2人に紹介したい人が居るんだけど良いかな?」

 

と、2人に聞くと(・・?)といった顔で私を見ている。

 

無言を肯定と受け取った私はおもむろに通話ボタンを押して相手と接続する。

 

「ユイ?まだ繋がらんのか?………キリト殿!アスナ殿、コレで合ってる………」

 

「…お父様、お母様、2人とも見えていますか?……王よ?まだうまく見えていない様ですが……」

 

「パパーー!!ママーー!!ボク達見えてるぅ〜?」

 

ナビゲーションピクシー姿のディアーチェとシュテルがプログラムを弄りながら調整していると、

レヴィが私に気づき嬉しそうに手を振るが遼太郎が居ないので、キョロキョロと周りを見回すが結局見つからず、私の背後に知らない人物を見つけキョトンとした顔でこちらを見ていた。

 

それを見たアリサとすずかはプルプル震えると、

 

「「可愛い〜〜♪」」

 

私からスマートフォンを奪った2人は質問責めにする。

 

「ねぇ、ねぇ?ママってリイン姉の事?ならアタシは?リイン姉の妹だから姉さんって呼んでくれない?」

 

「わぁー可愛い〜、今いくつ?何でお姉ちゃんの事ママって呼んでるの?…………おとーさんの名前ってクラインさんだったりしないかな?かな?かな?」

 

 

ひとしきり質問したがレヴィはえっ?え…とパニック状態で殆ど受け答えができていなかった、そこにディアーチェが助け船を出す。

 

「お初にお目にかかります、我はディアーチェと申します。そこにいる水色がレヴィで我の横に居るのがシュテルと言います、以後お見知り置きを。」

 

最近はキリト君とアスナのお願いでユイちゃんの手伝いを行なっていた3人が私達に会いたい、と言ったようで折角なのでアリサとすずかにも会わせようと思い企画したのだ……遼太郎は行ってしまったが………ちなみに遼太郎と私の家族で3人の事を知っているのは義母様とウチの母のみで父親達は存在すら知らない。

 

「……じゃあ2人とも3人に会いに行こうか?………はい、コレ。」

 

話に夢中になっている2人に向けて背中に隠していたアミュスフィアを差し出すと、

 

「え?(・・?)……やって良いの?やってみたかったけど………「ありがとうお姉ちゃん!」……。」

 

アリサが受け取ろうか迷っていると、すずかは我関せずとアミュスフィアを装着して初期設定を行う。

 

「大丈夫だよアリサ、母さんには許可もらっているからね。」

 

と言うとそそくさと受け取り初期設定を始めた。

 

ふたりの準備が終わると私もナーブギアを被ってベッドに横になり、

 

「「「リンク・スタート!」」」

 

そしてALO内

 

「わー…凄い!!凄いよすずか!外にいるみたい!」

 

「アリサちゃん!川もちゃんと冷たい…これがVRMMOの世界……」

 

2人とも初めての経験に興奮気味のようだ。

 

「ママーー♪」

 

2人を追いかけているとレヴィが私の顔の前に飛んできて頬に抱き着きキスをしてくる。

 

「やぁレヴィ、元気だったか?クラインも寂しがってたぞ。」

 

「うん♪元気溌剌!全力全開!!」

 

人差し指でレヴィの頭を撫でながら会話していると、そこにディアーチェがシュテルを伴って飛んできた。

 

「こらレヴィ、母上が来るからと言って我とシュテルを置いて行くでない、何かあったらどうするのだ。お前の攻撃力と速度は高い故要らぬ世話が掛かるであろう?」

 

「…とレヴィを嗜めながらも、私!しっかりやってますアピール。流石王、あざとい。」

 

アリサとすずかが3人に気がついたようで文字通り飛んで来る。

 

レヴィが私の肩に隠れて2人の様子を伺う。

そこで私が、

 

「じゃあ…先ずはディアーチェ?私の妹のアリサとすずかだ宜しくな。」

 

「では、改めて、ディアーチェ・アーランド故あって母上と父上の世話になって居ります。お二人共仲良くして頂けると幸いです。」

 

と、丁寧な挨拶をして、続いてシュテルが

 

「と、丁寧な挨拶をしている王がレヴィより甘えん坊だとは誰が思うでしょうか……あっ、私はシュテルと申します。プレイヤーとしては焔と火力、後防御力を主体とした槍使いをしています。」

 

シュテルの発言に顔を真っ赤にして追いかけっこを初めたディアーチェとシュテルを尻目に

 

「じゃあ、最後にレヴィ?」

 

とリインが言うとレヴィは嬉しそうに、

 

「アリサ姉とすずか姉だね?僕はレヴィ!ママとパパの娘でナビゲーションピクシーやってます!プレイヤーとしては攻撃力と速度特化の疾風迅雷!をモットーとしてるんだ♪」

 

 

 

その後、キリト君達が来るまで3人はすずかとアリサにもみくちゃにされて目を回していたがまんざらでもなかったのか嬉しそうにしており、時々私の頭の上や肩を離れてはアリサやすずかの肩に飛んで行って談笑していた。




ツヴァイからのマテリアルズでした。

一応今までは寝ていたり、ユイの手伝いに行っていたという設定

苦しいか?

ではまた次回。

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