リインのアトリエーアインクラッドの錬金術師ー   作:kaenn

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オーディナルスケール編と銘打った日常編です。

オーディナルスケール編はコミックスの方が発売されてから書こうと思っておりますのでこういった話かアインクラッド編の投稿がメインになります。

では、本編をどうぞ


第3話 ダイシーカフェinリインフォース

 

「いらっしゃいませ、何名様ですか?……ではこちらの席にどうぞ……ご注文が決まりましたらそちらのベルでお呼びください。」

 

ペコッとお辞儀をして接客に戻る、

 

今日はエギルことギルバートさんの店を手伝っている。

なぜかと言えば………

 

「「「「子供ーー!!?」」」」

 

私と明日奈と蒼華それと珪子ちゃんがエギルさんの店で新作スイーツを食べていると不意に

 

「お前らの中でバイトしたい奴居ないか?」

 

とエギルさんが聞いて来たので何で?と聞き返すと何と奥さんがおめでたなのだそうだ。

 

「最近はどこかの”風林火山の母親”のおかげで特にランチタイムが大繁盛でな?急にバイト募集しても対応できなそうだし、その点お前らならウチのやつも顔見知りで文字通り命を預け合った仲だからな動きも悪くないしどうだ?」

 

”風林火山の母親”とは私の事だろう……そう言えばアインクラッドで私は攻略組の中でも有名だったらしくいくつかの渾名を付けられていたようだ。その中の一つがこれだった。

 

「そういう事でしたら私は協力させて頂きますわ!高校側が禁止を謳っていませんし…もし、お父様が反対しても論破してみせますわ!」

 

私が思いにふけっていると蒼華がカウンターに身を乗り出して”ふんっ”と興奮気味に参加表明した。

 

「私もやります!里香さんもこの間バイトでもしようかな?って言ってたので聞いておきますね?」

 

「私は時間の都合がつけばになるかもしれないけど…」

 

珪子もカウンターに乗り出してやりたい!と意思表示する中明日奈は出来ればやりたいな……と呟く様に言う。

 

「私のおかげで、と言うなら私が参加しないでどうするんだ?調理なら任せておけ。」

 

 

と、言っていたはずなんだが………

 

 

「あっ!店員さーん!」

 

「はいっ、ただいま伺いますので少々お待ちください。」

 

私が手伝っている時にエギルさんが電話を取ると血相を変えて

 

「悪いリイン!後はまかした!!」

 

と、叫んで飛び出して行って2時間……

私1人で店を切り盛りしているがお客さんが途切れない………

何でだろう前にもこんなことがあった様な……

そしてその時は確か……

 

「何だよ!美人店員がいる店ってエギルんとこかよ!期待してそ……えっ?リインさん?何でメイド服???………」

 

あれ?なんかデジャブ……

店に入って来たクラインこと壷井遼太郎も同じ事を思っているのかキョトンとして私を見ている。

メイド服?………ハッ!、そう言えば私今…蒼華が

 

「喫茶店ならばメイド服ですわ!コレ皆さんの分ですの!」

 

と嬉しそうに渡してきた、流石にこれは……と思って断ろうとするとエギルさんが、

 

「私服のままだと衛生的に問題あるしちょうどいいじゃないか、まぁ一時的なものだしバイト中は着てもらうとするかな?」

 

蒼華の話に乗ってしまい結果として私達が働く時はメイド服が制服になってしまった。

 

 

そうだ…私は今……メイド服……遼太郎に見られてる……

カァーーと顔が赤くなるのが自覚できる……

 

そんな時に、

 

「おう!悪かったなリイン!いやぁ〜仲間から去年出た限定版が中古で売ってるって聞いて……って、何だこりゃ……。」

 

遼太郎に続いてこの店の店主であるエギルが帰って着た。

 

「2人とも!とにかく手伝って!」

 

私の剣幕に推されたのか

 

「「ハッ、ハイ!!」」

 

とエギルと遼太郎は速やかに動き出した。

 

 

 

 

「全く、私だったから良かったものの…これが明日奈や蒼華や里香や珪子ちゃんだったら………あぁ…明日奈と蒼華は出来そうだな…」

 

”ハァー”と溜息をつきながらエギルに話しているとあの2人は難無くこなせそうだなぁと思う。

 

「いや!本当に悪かった!SAO事件の所為でドタバタしてて買えなかったんだが、友人が近くで見つけて今持ってるんだが?って電話して来ていてもたってもいられなくてな?………いや!ホント悪かった!クラインもすまん!」

 

色黒の巨漢が私と遼太郎にひたすら謝る。

そこに私はトドメを刺すべくある言葉を贈る。

 

「いや、いいんだよエギル…この事はしっかりと奥さんに伝えておくからね♪」

 

その答えが色黒の巨漢エギルにトドメを刺した様で膝から崩れ落ちる。

 

「まぁ自業自得と思って奥様からしっかりとお説教してもらうんだね?………よいしょっ…っと、さぁ…遼太郎とエギルさん、賄いだよ。」

 

ガックリと崩れ落ちているエギルさんと椅子に座ってくつろぐ遼太郎の前に熱々の丼を置く。

 

「今日はハワイで流行ったロコモコだよ、ランチで余ったハンバーグとほぼ同じ材料しか使ってないから経費もかからないしね?さぁ!暖かいうちに食べようか。」

 

遼太郎は目の前に置かれたロコモコを見てロコモコ?っといった顔でみている。

私がハンバーグ丼みたいなものだよ、と言うと

 

「まぁいいや、リインちゃんが作ったものなら何でも美味いからな!熱っ!半熟玉子のとろけ具合と熱々のハンバーグでメシが進む!!」

 

と、言ってがっつき始めた。

 

「お代わりもあるしそんなに急いで食べると喉を詰まらせるよ?それと…飲み物も飲み放題…だよね?エギルさん?」

 

私の言葉を聞いたエギルさんは俯きながら、どうにでもしてくれ…とばかりに片手を上げた。

 

少ししてエギルさんも食べ始めると

 

「コレは良いな!ランチタイムの皿洗いも減るし何よりスプーン1つで食べられるって言うのがイイ!」

 

と、ロコモコを絶賛した。

ダイシーカフェのメニューがまた1つ”リイン印のメニュー”に変わった瞬間だった。

 

食べ終わり皿洗いも終わった頃、そう言えば何故遼太郎はここに来たのだろう?と思い、エギルさんに用事でもあったのか?と聞いてみると遼太郎はバツの悪そうに、

 

「いやぁ………そのな?……カルーの奴がよ?美人店員の居る店特集ってぇのを見つけて付いてったらここだったんだよな〜、ホント世の中は広い様で狭いのな?ハハハ。」

 

皿洗いをしながら遼太郎の言葉を聞いてピクッとしてから固まった私を”見てしまった”エギルは見えていないであろう遼太郎に無言で合掌する。

 

「……な?……何で俺を拝んでんだエギル?………おっ!どうやらようやく俺の有り難さが身にしみたってことか?ははは、よせやい照れるじゃねえか………ん?」

 

何を勘違いしているのか笑い出す遼太郎の背後に忍び寄り”ポンッ”と私が肩に手を置くとやっと状況を悟ったのか”ギギギ”と擬音が鳴りそうな動きでゆっくりと振り返る。

 

「へえ?美人店員?そのハナシ…クワシクオシエテクレナイカ?…………エギルサン?オクノヘヤカリルヨ?」

 

無言で頷くエギルさんに礼を言うと遼太郎の首根っこを掴み連行する。

 

「待って!リインさん!あれはカルーの奴が!!……エギル!男はそういうもんだよな?!」

 

遼太郎はエギルさんに助けを求めるが、

 

「クライン…諦めろ、惚れた弱みだ。」

 

エギルさんが遼太郎にそう声を掛けると、

 

「うおぉ〜〜裏切り者ー〜!!いや、待ってリインさん!目のハイライト消えてるから!首絞まってるから〜〜〜………」

 

と、私に引きずられながら叫んでいたが奥の部屋に入ると静かになった。

その後30分程してから出て来たリインの顔は清々しい笑顔だったとエギルは語った。

 




今回の料理はロコモコ

巷ではロコモコ丼と銘打った物が多い様ですが”丼”を付けなくてもいいそうです。

野菜も載っていて混ぜながら食べても美味しいですよ。日本人は混ぜない人多いそうですが。

ではまた次回

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