Grand Order Of Fate   作:レモンの人

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今回は改築回です。何事も基盤から






閑話休題2 漢ぐだ男 改築する

「以上の決意をもって、作戦名はファーストオーダーから改める。これはカルデア最後にして原初の使命。人理守護指定・(グランド)(オーダー)。魔術世界における最高位の使命を以て、我々は未来を取り戻す!」

 

 

────

 

「って事で、まずカルデアを改築する事にした」

「今の話聞いてたよねキミィ!?」

「そもメインクエスト進むまでサ○エさん状態だし…」

「それ言っちゃう!?」

 

カルデアでの活動宣言の後、俺はフレンドポイントと呼ばれるエネルギーの塊を大量に召喚サークルに突っ込み図面と睨めっこしていた。

 

「現場作業員はサーヴァントに任せればいいとして…で、こっからここまでの部屋は解体…地下を掘り直して施設を増設し人工海水を用意する……人工太陽も設置するか…」ブツブツ

 

召喚サークルの稼働中に新カルデア計画を実行に移すべく、細かく考えた設計図に追加で線やメモを書く。

 

「うわっ!?凄い本格的!?っていうかCAD出来るんだね君!」

「まぁ、小遣い稼ぎに図面描いてたしな」

 

鉛筆を耳に掛けたタイミングで、召喚サークルからサーヴァントが次々と出てきた。彼ら用に既に役割分担と必要な物資は用意している。さぁ、彼らに仕事を任せよう。勿論、対価は相応のものを…。

 

「こことここにメモっと」

「何をしているのですか?マスター」

「遊びに来たぜ!マスター!」

「おぅ!今カルデア大規模改装計画を実行に移そうと思っていてな」

 

訪問してきたブリテン親子に設計図を披露すると、2人とも興味津々といった風でそれを眺めている。

 

「円卓の騎士を駆り出しましょう。ここはキャメロットではありませんので貴重な力仕事要員です。特にガウェインは背中に人工太陽でも背負わせれば年中無敵ですので」

 

さりげなく円卓の騎士を働かせる気満々のアルトリア。モードレッドも力仕事を手伝うと意気揚々と語っている。

 

「そんな事より!まずは特異点を──」

「うるせぇな!!!美味い飯が食える環境になるまで俺はカルデア(ここ)からテコでも動かん!!!」

「賛成!立ち食いはもう嫌だぜ!」

「私も賛成です。反論はありますか?聞きませんが」

「ダメだこりゃ」

 

他のサーヴァント達まで口々に食糧事情の改善を訴え始めた為、ロマンは説得を諦めた………。

 

************************

 

「よし、それぞれ持ち場は理解したな?今配布しているのはそれぞれの設計図だ。納期は1ヶ月だが、正確に丈夫に造り且つ早く出来た班には相応の品を用意する!食糧調達班はダ・ヴィンチの部屋から拝借した袋を持ったな!調達班は俺と共にレイシフト!有精卵や穀物、野菜の種を回収して帰還する。敵さんに気付かれる可能性が否定出来ないから数回しか出来ない!各員の健闘に期待する!」

「「おぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」

 

決起当日、カルデアのスタッフを含めたロマン達は俺とサーヴァント達のかつてない熱狂に怒りと焦りを通り越して呆れていた。非常事態を承知で食糧事情の解決を優先させる…欲望に忠実な発想である。

 

「A班!速攻で元候補生の部屋を破壊して改築するぞ!!!」

「B班!物資を現地に運び急ぎ組み立てるのです!」

「C班!下層の施設の床を引っぺがすよ!調達班が土を持ち帰り次第、田畑を作るのよ!!!」

「D班!人工太陽を用意するぞ!家畜も養殖も農耕も太陽が必須事項だ!ベストな日照時間を考えてオート稼働させる!機械が得意な奴は分かんない奴に教えろ〜!!!」

 

それぞれが食糧庫をチラチラ見ながら作業を急ぐ。

 

 

 

 

 

「レイシフト完了。マシュ〜!モニターしてるか〜?」

『はい、先輩を見失わないよう頑張ります!』

『こうなったら僕も手伝うよ、マシュのサポートは任せてくれ』

「うぃーす、よし!お前ら!袋に物を分けて入れろ!運べる程度だぞ!だが、バーサーカー!お前は例外だ!持てる限り有りっ丈土を運べ!魔力供給は惜しまん!現地人にバレないようにな!」

 

俺もレイシフトしたメンバーに指示を送りながらも双眼鏡で周囲を確認する。安全を確認しながら有りっ丈物資を集めた俺は、速攻で帰還した。

 

「C班!土が届いたぞ!!!」

「よしっ!良いタイミングだマスター!」

「B班!気張れ〜!報酬が待ってるぞ!」

「「はいっ!!!」」

 

戻った後も声を飛ばし続ける。モードレッドとアルトリアはC班で土まみれになりながら土を撒いて田畑を作り耕していた。カルデアに作った農業プラントは、水捌けの良い畑を目指して良質な土を用意。下層に溜まった水は下に引いた排水路を介して施設内の下水に混ざる。下水し、良質な水に濾過出来るカルデア内のシステムを逆利用して濾過し残った廃棄物は内部の自動処理施設によって分解。肥料に変換して田畑に撒く(因みにこの機構の開発にはダ・ヴィンチが関わっているのはナイショ)。

 

「一旦休憩だ!軽食を用意したから食え!」

 

炊き出し式になってしまったが、焼き立てのピザを用意した。すぐに出来る軽食且つカロリーの塊の為、ちょうどよかった。ダ・ヴィンチが開発していた即席ピザ釜で焼いたそれを皆美味そうに食べていた。飲み物もアルコールは無いが惜しみなく提供。それぞれに譲り合い分け合いをしながら食事を済ませたグループから急いで仕事に戻った。

この勢いなら完成も早くなるだろう…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3週間後…

 

「では皆さん、施設の復旧及び改築を祝して〜!」

「「かんぱ〜い!!!」」

 

食糧庫の中身を殆ど引っ張り出し、完成したばかりの食堂で盛大に宴会を開いた。結局、美味い汁に全員が集まってきた為総出の作業となり、サーヴァント達の士気が高かった事も相俟って予定より1週間早く完成した。

農業プラントは既に稼働しており、現在は夜の為人工太陽は停止し気温も調節されている。また、養鶏場も卵の自動孵化装置が稼働しており、もう少しすれば雛が孵るだろう。

 

「かーっ!!!久々の酒は美味い!五臓六腑に染み渡るぜ!」

「だろだろ!オレの酒のセンスは中々だろ?」

「しろ〜おかわりれす〜」

 

モードレッドとアルトリアを交えて飲酒した俺は、敵味方関係無く酒を飲み、ご馳走に舌鼓を打つ姿にホッとした。なんだかんだで皆飯の席では仲良くなる。今回の一件でサーヴァントやスタッフ同士で仲良くなれば、こりゃ嬉しい話だ。

 

「よっしゃ!一気飲みキメるか!」

「待ってました!」

「駄目です先輩!未成年ですよね!?」

「あ?俺ぁ小学3年の頃からダチと飲んで馴れてんだよ!ちょっとイイトコ見せたるわぁ!!!」

 

余談だが、この後ウィスキーを一気飲みした俺は何か色々しでかしたらしく、朝起きた時にはベッドの横にアルトリアとモードレッドが寝ていたという……。




ロマニ・アーキマン
愛称:Dr.ロマン・ロマン
以下プロフィール不明
概要:カルデアの医療チームスタッフ。毎日多忙の生活を送っている。最近、サーヴァント達が多くの仕事を手伝うようになった為他のスタッフを含め仕事が減り楽になった。マギ☆マリのホームページを覗くのが趣味らしいが実際は不明。

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