Grand Order Of Fate   作:レモンの人

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閑話休題をいつもより多めに注入。現在7章の話を書いてます。オリキャラ追加とそれに伴うストーリーの一部変更を予定しています。






閑話休題14 カスミソウ

「さて、久々に回すゾォ」

「よっ!待ってました!」

 

今回はガチャをぶん回すために貯めに貯めていた聖晶石たっぷり300個ぶち込んだ。ロマンへの宣誓通り、負担軽減の為にぶち込んだのだ。強くなくて良いからお利口なサーヴァント…来い!

次々と概念礼装が出て来る中210個…つまり7回目の10連ガチャの際に奴は出て来た。そう、まるでそれが運命であったかのように奴は現れたのだ。

 

 

「こんにちは、カルデアのマスター君。私はマーリン。人呼んで花の魔術師。気さくにマーリンさんと呼んでくれ。堅苦しいのは苦手なんだ」

 

男なのにものすごい色気を放ち、足元に花が咲き乱れている胡散臭い魔術師…マーリンがやって来た。それを見たベディヴィエールは苦笑し、モードレッドは呆れ、アルトリアは豚を見る目で彼を祝福した。

それだけじゃない。

 

 

 

「サーヴァント、セイバー。ランスロット、参上いたしました。ひとときではありますが、我が剣はマスターに捧げましょう」

 

 

 

新しい円卓の騎士を抱えて戻って来たのだ。当たり前だが、円卓の騎士達はモードレッドを見るなり怪訝な表情を浮かべた。

 

「モードレッド……あの叛逆者がなぜ英霊に……!?」

「違ぁう!オレの名はモードレッド・ペンドラゴン!父上からアルトリウムを継承した正統なる騎士王だ!」

「────はい?」

「待て待て待て!?何故モードレッドが……我が王よ!説明して下さい!」

 

ランスロットが混乱し、流石のマーリンも驚く中…アルトリアは笑顔でモードレッドの頭を撫でた。

 

「確かに生前の私はモードレッドの事を嫌っていました。しかし、今は違います。言葉遣いはまだ汚いですが出来の良く可愛い息子です」

「えへへ〜、父上のおかげで幸せだぜ」

 

それを見た彼は無言で壁に手をつくと思いっ切り頭を壁にぶつけた。マーリンに至っては頭を抱えている。

 

「って訳だ。よろしく頼むぞ。お前ら!」

「「は、はぁ……」」

 

結局、ランスロットはレベルがしっかりと上がるまでロマンの手伝いという形で働かせ、マーリンは新たなサポートとしてチームに加える事にした。

 

「しにしても広いね。農業や漁業も行われているなんて…さしずめ『小さな城下町』といった所かな?」

「まぁ、そんな感じか。最近は余った野菜とか魚介類で加工食品を作る施設も用意したんだ。完成した加工食品は食堂にある冷蔵庫に保管。それらが食堂に使われる」

「ふむふむ、折角だけど食べに行っていいかな?」

「いいぜ!オレも腹減ったしちょうどいいや!行こうぜ立香!」

「今日の当番は…『アルトリア・ベディヴィエール・黒ジャンヌ』か。早速行ってみよう」

「アルトリアがかい?これは期待出来るね」

 

 

 

 

 

 

 

「我が王、ミートパイが完成しました」

「ありがとうございます。3番のスタッフさんにミートパイ、5番のスタッフさんに減量セット、7番のブーディカさんにはショートケーキ!よろしくお願いします!」

「はーい、お待たせしました〜」

 

アルトリア達が忙しなく働く中、俺達もテーブルに座った。正直そわそわしてるんだがそこは気にするな。

 

「メニュー表は当番によって変わる。料理の上手い人から研修を受けてからキッチンを担当出来るようになるんだ。だからマズイ飯が出る事は基本無い。ナイチンゲールがカロリーとか栄養素とかの管理をしてるしそういった所もメニューには書いてある」

「じゃあ、私は無難にミートパイで」

「オレはチキンソテー」

「じゃあ俺はナポリタンを頼もう。黒ジャンヌ!注文いいか〜?」

 

 

 

 

************************

 

満腹になった俺は冷蔵庫からジュースを取り出しクーラーボックスに入れて肩に担いで食堂を出て、待たせていたモードレッドとマーリンと合流した。

 

「いや〜、食った食った」

「アルトリアの手料理なんて初めて食べたよ。あんなに美味しかったなんて」

「すげぇ嫌な顔してたけどな。因みにレシピは全部マスターが作ったんだぜ!」

「本当かい!?」

 

 

そんな話をしながら廊下を歩き、暫くして俺はマーリン用の部屋に案内した。

 

「ここがマーリンの部屋だ。家具とかはダ・ヴィンチの工房に依頼すれば用意してくれるからな」

「至れり尽くせりだね。ブリテン時代よりいい暮らしが出来そうだ」

「他のスタッフに迷惑かけんなよ」

 

ここでマーリンと別れた俺とモードレッドは部屋に戻るべく元来た道を歩く。現在拡張工事が行われており、土方の兄ちゃん(サーヴァント)達が熱心に作業をしている。

 

「お疲れさん!差し入れだ!少し休みな!」

「「うぃーっす!!」」

 

キンキンに冷えた飲み物をサーヴァント達に渡して労いの言葉を掛けて俺とモードレッドは2人っきりで足並みを揃えて歩く。

 

「立香」

「ん?」

「オレ、あの時諦めなくてよかったよ」

「…」

「魔神柱に何度も心を折られそうになった。足掻いたって死ぬだけだってオレも何度も諦めそうになった。でも、立香は戻って来てくれた。そこまでオレを思ってくれた……そのおかげでこうして戻って来れた」

「モードレッド…」

「次の特異点さえ突破すればゲーティアを探す手がかりが見つかるだろう………その時は頼むぜ!死亡フラグを叩き割ったんだ!立香さえ居れば何も怖くねぇ!」

「そうだな!生き残ろう!そして、聖杯探索が終わったら一緒に隠居して喫茶店でも経営しようぜ」

「おぅ!約束だかんな!」

 

そして、俺とモードレッドは………




マーリンをじさん及びランスロット参戦。
言い間違えました。女の敵が2人も参戦!




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