この小説の明日はどっちだ(困惑)!?
「アメリカよ、俺様は帰って来たッ!!!」
俺はいつも以上にギラギラした目で遠くに広がる戦場を見ていた。最新鋭の装備を纏った円卓の騎士達とスタッフ2人(黒ジャンヌとナイチンゲール)がその光景を見据え、武器を構える。
「もう大丈夫だ。今度はヘマしない」
モードレッドは胸の前でクラレントを掲げるとライフルモードに変形させて戦場のど真ん中に狙いを定めた。武力介入の挨拶だ。
「活路を開く!───
極太のビームが照射され、戦場に穴が開く。それを見たアルトリアがロンの槍を天に掲げた。
「卓袱台の騎士団、突撃だッ!!!」
「「卓袱台!?」」
アルトリアは号令と同時にブースターを一斉に噴かせて突撃を敢行した。それに気付いた双方が機銃や矢の雨で応戦するが、シールドで次々と防ぎ抜き槍の突撃をかます。そのまま加速し続けたアルトリアは射線上の敵を次々と轢き潰していく。
そこにテールブースターを使って斬り込むのは、ライフルモードに変形させたガラティーンを乱射しながら接近するガウェイン…そして義手の指先から機銃を掃射するベディヴィエール。
「引っ掻き回します!ベディヴィエール卿、援護を!」
「了解ッ!」
近接では剣、離れたら銃で…そうした機動力も火力も優位となった円卓の騎士団はあっという間に敵を総崩れにさせた。その空間を俺とトリスタンはドゥン・スタリオン、黒ジャンヌとナイチンゲールはテールブースターを使って突破した。
「ヒャッホー!相手のアウトレンジから一方的に攻撃するのってサイコー!!!」
黒ジャンヌはライフルモードの出力を抑え連射性能を高めたマシンガンモードで次々にケルト兵の体を蜂の巣にしながら何故か爆笑していた。アヴェンジャーだから大目に見てやろう。
「これで終わりです」
最後にベディヴィエールが総崩れとなった集団に手榴弾を投げ付けて逃走。遠くから爆発音と共に戦いが終わった事を察した。
「一旦補給地を探しましょう」
「補給地か…それは名案だ。恐らく、機械兵を作っている工廠が近くにある筈だ。これより、敵の工廠を奪取する!」
工廠であれば、敵の動きを探る事で自ずと居場所は分かる。
「取り敢えず、撤退戦に追い込む程度に攻め込んで逃走したら後を追うぞ」
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「思ったより早く見つかったな」
俺は工廠にあった一般普及品の拳銃を手に施設内を物色する。
制圧は男子組の活躍で既に完了しており、残りのグループで工廠内部の捜索を行っていた。黒ジャンヌは注意深く周囲を見回しながらある物を発見した。
「へぇ、この時代にパソコンなんてまだ早いんじゃないの?しかもフロッピータイプとか…」
一通り舐め回すように構造を確認した後、彼女は手をニギニギしすぐにキーボードを叩き始めた。いつ習ったのか知らないが、凄まじいタイプスピードで機械兵のOSを書き換える様子を一瞥し、他のサーヴァント達の様子を伺う。
「この工廠では、ほぼ全てを機械に任せて製造していたようですね」
「こいつさえコントロール出来れば材料を用意するだけで武器が半無限に作れる訳だ」
「そういう事よ、見てなさい…ジャンヌちゃん頑張っちゃうわよ〜!」
黒ジャンヌはやや乱暴だが次々と文字を画面に叩き込んでいく。どこでそんな特技を覚えたのか知らないが、まるでアメリカのハッカーみたいだ。フランス人の癖に。
「ミスジャンヌ、こちらハンバーガーになります」
「気が利くじゃない。あ、ピクルス抜いてるよね?」
「抜いております」
「上出来」
もうツッコミどころしかない。まぁ、掌握出来ればいい!過程はこの際無視しよう。
「システム掌握完了。後は製造ラインを切り替えていくわ。」
「──材料の質が悪いですね。推進器の製造はしない方が良いかもしれません」
「大量生産するから質は悪いって奴か」
取り敢えず、生産ラインを切り替えながら俺達は補給地点を確保した。どうもこの近くにも霊脈があるらしく、取り敢えずここから吸い上げる方式にした。ダ・ヴィンチの協力を得て召喚サークルの製作に成功。物資の補給も可能となった。
「今日はここまでだ。交代制で見張りをやってもらうぞ。俺が最初に担当しよう」
明日に備え、今回はここで休息を取ろう。今度こそ…このアメリカを攻略してやる。
以上、円卓の騎士団改め「卓袱台の騎士団」でした。
無駄にフェイルノートの性能が高過ぎる故に強化イベを逃すトリスタンェ…