「マスター!見てくれ!新しいクラレントだ!」
ある日、のんびりと養殖場で大量発生しているアメリカザリガニを釣っていると、モードレッドが駆け寄ってきた。
「何だそりゃ」
「見てくれよ!新しくライフルモードを作ってもらったんだ!!!」
彼女がスライドギミックで柄を折るとそれが銃のメイングリップになり、それに併せて鍔からフォアグリップが展開される。変形したクラレントはビームライフルのような外見になり、結構カッコいい。
「早速試し撃ちしていいか?」
「オッケー、試し撃ちな。シミュレーターがある筈だからそっちに行くぞ」
取り敢えず、釣ったザリガニは用意した綺麗な水道水満杯のバケツの中に突っ込み蓋を閉じてからシミュレーターに向かった。
シミュレーターによって仮想空間へとワープしたモードレッドはクラレントを手に駆け出した。
『まずは何を出して欲しい?』
「ヘルタースケルター50体だ!」
『無茶するなぁ…』
要望通りに荒野のフィールドがヘルタースケルターで埋め尽くされる。モードレッドはライフルモードに変形させたクラレントを向けて魔力を装填し、フォアグリップを握ってヘルタースケルターの軍勢目掛けて放った。スパークを纏った白銀の粒子ビームが水鉄砲のように発射され、射線上のヘルタースケルターを蒸発させる。
「チッ、流石にこの出力じゃ連射にラグが出るか……なら!」
ライフルモードからソードモードに変形させたクラレントを手にモードレッドはテールブースターを噴かせる。複雑な動きで攻撃を回避しながら剣を振るい、次々と斬り伏せる。或いは蹴り飛ばしてからライフルモードで撃ち抜くといった動きも見せるようになった。順応性の高さこそモードレッドの専売特許なのだ。
「───遅いッ!」
逆噴射による炎で視界を潰し背後に回ったモードレッドがクラレントを逆手持ちにしてヘルタースケルターの頭を貫く。そのまま薙ぐように引き抜き、ライフルモードに変形させると出力を落とした状態で連射する。
「これで50ッ!!!」
最後にクラレントを投擲してトドメを刺したモードレッドはそれを引き抜き、フゥッと剣を杖に休んだ。ん?アルトリア、どうした。何…?模擬戦をやりたい?分かった。転送するぞ!
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「乱入者…?……って父上!?」
「モードレッドの戦いぶりを見ていたら私も体を動かしたくなったのです。いいですよね?」
「あぁ、構わないぜ。一度手合わせしたかったんだ!」
互いに得物を胸の前に構える。儀礼的な行為を行ってから双方共に武器を構える。モードレッドが鎧からコインを取り出す。
「こいつが落ちた瞬間、試合開始だ。いいか?」
「了解です」
「じゃあ行くぜ。言っとくがオレは容赦しないぜ」
そう挑発してからモードレッドはコインを放った。
大きく空中で回転するコインが大地に落ちた瞬間…モードレッドが仕掛けた。
「バーチャルだからここで死んでも大丈夫…だから本気で行くぜ!!!」
ライフルモードに変形させたクラレントと機銃を一斉射して初手から決めにかかる。対するアルトリアは早々に馬から降りてドゥン・スタリオンを身代わりにしつつ身を屈め突撃を仕掛ける。ドゥン・スタリオンを逆噴射で威嚇し戦意喪失させた直後。視界にアルトリアが飛び込む。
「はぁあああああああああああっ!!!」
「───ッ」
ロンの槍がクラレントを弾き飛ばす。しかし、連続した突きを身を捩って避けたモードレッドはテールブースターを噴かせ、その加速を使ってアルトリアの顔面にフックを叩き込んだ。バランスを崩すアルトリアからロンを捥ぎ取り、振り下ろす。
「お死に───!!!」
「─っ」
それに対してアルトリアは鈍剣を抜いてフェイルセーフする。だが距離を取れば機銃が待っている為、距離を取ろうとはせずあくまで接近戦に持ち込む。
「まだまだ温い!!!」
「ヘッ…ロンを奪われて何言ってんだか!」
だが、アルトリアは振り下ろすロンを鈍剣でいなすと回し蹴りを放ってそれを叩き飛ばした。
「ちっ───」
「もらった!!!」
連続した鈍剣の突きをモードレッドは鎧の分厚い装甲でそれを何とか受け流し続ける。そして、一瞬の隙を突いて逆噴射を起こした。
「!?」
距離を取られてしまった。アルトリアは即座に勝率を1パーセントでも上げるべくロンの槍を取りに走った。だが、その背中に次々と機銃がぶつかる。鎧がひしゃげ鈍い衝撃が何度も襲う中、何とか槍を握って振り返った時にはモードレッドがクラレントを手に大きく旋回しながら剣を向けていた。
「やはり現代兵器には────」
「行くぞぉおおおおおおおおおおおお!!!父上ぇえええええええ!!!」
テールブースターを最大加速させたモードレッドの突き、アルトリアもそれに対抗するようにロンの槍から極太のビームを放った。モードレッドもまた、剣先から宝具を放つ。
「ぉおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」
「だぁあああああああああありゃあああああああああああ!!!」
だが、背中を負傷しているアルトリアには拮抗させる程度で限界だった。ビームが霧散する中、突進するモードレッドのビームに焼かれながらアルトリアは最期の一突きを繰り出した。
2つの一撃が交錯し─────────。
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シミュレーションが終わり、ブリテン親子が現実世界に戻って来た。
「お疲れさーん」
「いい手合わせでした。でも焼かれるのは2度と御免です」
「父上も現代兵器装備すればいいのに」
「そうですね…そろそろ検討しないと」
「
「早速だけどイケメンバイク100選って本があるんだけどさ!あれに武器ゴテゴテくっ付けてロンで一撃離脱なんてどうだ?」
「いいですね!早速読みましょう!その後でダ・ヴィンチさんにリクエストしましょう!」
一言言わせて欲しい。誰かドゥン・スタリオンの事労えや!!!
因みにクラレントをビームライフルにする発想は「OOガンダム」のGNソードがキッカケです。出力を落として連射すれば強くね?という妄想から生み出された産物となっております