Grand Order Of Fate   作:レモンの人

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水着回(?)です。
だいぶぐだぐだして来たゾォ。






閑話休題7 馬鹿ンス

モードレッドは震えていた…。絶対にあり得ないと信じていたものが揺らぎ、その確かな証拠に触れ…慌てて駆け出した。

 

 

 

 

 

10分前

 

「海水浴ぅ?」

「そう、来週。皆んなでオケアノスを拠点に海水浴をするんだ」

 

俺はモードレッドにその話題を振った。企画者はアルトリア、親子でやりたかった企画の1つらしく、海ではしゃぎたいとのこと。親衛隊こと円卓の騎士を始め、ジャンヌやマシュも加わるらしくバカンスを楽しむには充分だ。

 

「やった〜!マスター愛してるぜ!」

「うおっ!?」

 

モードレッドが喜びのハグをし、俺も彼女の素直な笑みを歓迎した。早速水着を調達してくると言ったモードレッドは勢いよく衣類販売コーナーへと向かった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在

 

「へぇ、ジャンヌは黒い紐ビキニか。大人だな」

「ふふん、そうでしょ?マスターも無難なチョイスで良いと思うわ」

「マスター!私はどうでしょう!円卓の騎士達が選んでくれたものなのですが─」

「「ぶっ!?」」

 

アルトリアがドヤ顔で見せてきたのは白いレオタード風の水着。殆ど尻丸出しのそれに思わず噴き出してしまった。

 

「いや、すげぇ撫で回したくなるケツだなぁ」

「マスター…セクハラ発言しないでよ。キモいわよ」

「///」

「アンタは何で嬉しそうな顔してんのよ!?」

 

ジャンヌがノリノリでツッコミを入れる。まぁ、実際反則級だ。ただでさえ胸がデカイのにそれに加えて尻まで安産型だからもう…反則のオンパレード!サッカーで言えばレッドカードモノだネ!分かるとも!

 

「それにしてもモードレッドは遅いですね。どうしたのでしょう?」

「モードレッドはあのスラッとしたボディを生かすべく動きやすいビキニだろ」

「そうでしょうか?禁断のスク水という選択肢も─」

「スク水なんて概念吹き込んだの誰だ!?ダ・ヴィンチか?分かった、今すぐぶちのめしてやる」

「落ち着きなさいって!ほら、来たわ…よ…?」

 

ジャンヌがモードレッドを指差すが急に口調が弱まった。なんだと思い振り向いた瞬間、思考が停止した。

 

「マスター!父上!おっぱいが!!!でかくなった!!!」

 

トップレスとはたまげたなぁ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんな事ってあるのか…?」

 

取り敢えず、モードレッドに水着を着せた俺はそのサイズに驚いた。2〜3cm増えるならまだ分かる。が、モードレッドの場合73だったバストが85cmまで大きくなったのだ。それどころじゃない。

 

「身長も伸びてきましたね」

「父上に近付いてきたみたいだな!誇らしいぜ!」

 

身長も154cmだったのが166cmまで伸びている。明らかに異常だ。

 

「ロマン、サーヴァントの肉体が突然変化する事ってあるのか?」

「うーん…自己強化や天性の肉体ならあり得るけど……モードレッドにはどれも当てはまらないなぁ」

「じゃあ、聖剣が何らかの変化を起こしているとか?」

 

クラレントには「王の威光を高める」力がある。それが先代の王…つまりアルトリアのイメージを投影してその姿に近付けている…って感じで。

 

「謎だ…」

「まぁ、いいじゃねーか!マスター!オレもグラマー組の仲間入りだ!貧乳なんてもう言わせないぜ!」

 

ハハハと快活な笑みで背中をバシバシ叩くモードレッド。少しは王らしい雰囲気を纏ってきたのかと思ったがあまり変わっていないようで安心した。

 

「……とにかく、荷物を用意して海に行くぞ!!!」

 

それのせいで病気になる訳でもないし、気にせず行こう!それがいい。

 

 

*********************

 

オケアノス

 

レイシフトした先には、綺麗な海が広がっていた。荷物を置き、待機場など簡易的な会場設営、周辺の敵の殲滅。そうして作った安全地帯の中で俺は改めてモードレッド達に海水浴の開催を宣言した。

 

「よーし!海水浴開催だ!英気を養った後は聖杯探索すっぞ!!!」

「「おー!!!」」

 

「それっ!」

「父上!お返しだ〜♪」

 

海水を掛け合って遊ぶブリテン親子や暑さにバテてパラソルの下で水分補給をするジャンヌ、本格的にビーチバレーを開始する円卓men's&マシュ。それぞれ思い思いのバカンスを堪能している。

因みに俺は即席で作られた海の家の屋内にいる。近くで採れたコークスを火力に料理をしているのだ。料理は中華鍋を使った炒飯やあんかけ焼きそばなど一般的な中華。味は保証出来る。マズくはないぞ。

 

「あら、マスター。料理作ってるの?」

「まぁな。食べるか?」

「じゃああんかけ焼きそばでも」

 

興味ありげに覗いてきたジャンヌにあんかけ焼きそばの入った皿を手渡すと、その光景を見たブリテン親子も駆け寄ってきた。

 

「マスター、炒飯を」

「じゃあオレはあんかけ焼きそば!」

「フォウ!」

「フォウが食えそうなモンかぁ…うーん……取り敢えず、炒飯でも食べてろ」

「フォウ!フォフォウ!」

 

飯を食わせている間にも俺は壁に掛けた魔力センサーに目を光らせていた。一応、敵地の中で祭りをやってるんだ。ホイホイついて来る奴も少なからず居るはずだ。

 

「ごちそーさん!父上!潮干狩りでもやろうぜ!」

「いいですね!やりましょう!」

「私はパス。同じ熱さでもこういう平和臭い熱さは苦手なのよ」

 

ジャンヌが海の家に居座り、俺は黙々と料理を作る。実は一度試してみようと思ってたんだ……マンボウ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勿論、海賊ことエドワード・ティーチはバカンスの様子をバッチリ見ていた。

 

「美味そうな匂いにつられてやって来てみたら美女とイケメンの楽園だったでござるの巻wwww」

「船長!どうしますか?」

「男は殺し女は持ち帰る!これぞ海賊のお約束。ものども!略奪の時間でござる〜!」

 

背後で2人の女性と1人のオッサンが呆れ返る中、彼は標的目掛けて船を走らせた。目眩く妄想の世界に一時身を委ねようとしたその時……突然音の矢が飛んで来た。

 

「どわっ!?」

 

慌てて避けるティーチだったが、振り返るとオッサンが真っ二つにされて海に落ちていた。

 

「て、敵襲!!!各自戦闘体勢を取れ!」

「──痛みを歌い、嘆きを奏でる…痛哭の幻奏(フェイルノート)

 

だが、全てが遅かった。次々と不可視の矢が襲い来る。帆を引き裂き、船員が細切れになり、2人の女性の持つ武器がバラバラになった。

 

「ヒィッ!?」

「──楽園に踏み入った罪、償っていただきます」

 

見上げると、マストの天辺には海パン一丁のトリスタンが立っていた。それどころではない。海パン一丁のガウェインとベディヴィエールも剣を構えていた。

 

「退却……は出来ませんよねぇ〜!詰みだ詰み!『突然の死』とはこの事でござる…」

「さて、そちらお二方は…なるほど、サーヴァントですか。今なら自害すれば私達の手に掛かる事もありませんが如何なさいますか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「マスター、朗報です!」

「ん…?」

 

モードレッドと2人でかき氷を食べていると、何故かびしょ濡れの円卓men'sがやって来た……その手に聖杯を携えて。

 

「それ聖杯じゃん」

「はい、聖杯です!」

「ちょっと待った。聖杯…?特異点修復?」

「……あ」

 

嘘だろ。特異点修復って事は強制レイシフトじゃねぇか!?

 

「証拠隠滅だ!ジャンヌ!俺達がいた痕跡を焼き払ってくれ!中華鍋とかを拾われちゃ溜まったモンじゃない!!!」

「オッケー、派手に燃やしてあげる!!!」

 

 

 

結局、レイシフトまでに間に合ったものの…全然バカンスを楽しめなかった。悔しい。

 

*********************

 

「………」

「まぁ、元気出しなよ。特異点だって修復出来たんだ。この戦いが終わればまた行けるよ」

「………ぁぁ」

 

ガックリと肩を落としたまま、俺は海パン一丁のまま部屋に戻った。が、養殖室を通ると………

 

「なんだこれ!?なんで養殖室にビニールプールが!?」

「マスター、お待ちしておりました!」

 

ガウェインが笑顔で迎えてくれた。そこには円卓の騎士達とアルトリアが水着姿で待っていた。お前ら………!

 

「さぁ、続きですよ!食堂に作りましたので料理も本格的に作れますし!屋内でのビニールプールですので気楽に遊べますよ!」

「お前ら……大好きだ〜!!!!」

 

 

 

 

この後、丸一日かけてプールを堪能した。やっぱり行ってよかった…と俺は心の底から感動した瞬間であった。




オケアノス編、怒りのショートカット。
縁が結べない?なんとかなるだろ(すっとぼけ)


※オケアノス編好きな人…マジすんません!告白しますと、ネタが思い浮かばなかったんです(それとティーチのロジカル用語が書けませんでした)…ロンドン編で汚名返上します。

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