IS学園での物語   作:トッポの人

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第24話

 右側から左フック、上半身を反らして回避。そこへ今度は左側から放たれる右ストレートは真っ直ぐ俺の顔面へと迫ってくる。フックがやたら避けやすいと思ったらどうやらこちらが本命らしい。

 

「ふっ!」

 

 短く息を吐き、左手の槍を反時計回りに回転させ、柄の部分を手首に当てる事で軌道を外側へとずらす。豪腕が髪を撫でた。

 伸ばされたその豪腕が槍を押し退けて、ラリアットのように俺の頭部を狩ろうとする。

 体勢を持ち直して前宙。飛んでいる間、目の前を右側からやって来ていた蹴りが素通りしていく。ただしゃがむだけだったら一撃もらっていた。

 

 二機から繰り出される連撃と連携を後退しながら何とか防いでいるが非常にまずい。

 何か向こうさんが本気出してきた。恐らく原因はISを展開したからだと思われる。おかげで防戦一方なんですけど。

 

 《受けてばかりでは勝ちはないぞ。攻めろ。出来るな?》

 

 この状態に業を煮やしたのか、ウィンドウに映る織斑先生は厳しい顔付きでこちらを見ている。

 相変わらず無茶言う人だ。ともあれこの人から攻めろと言われたんだ。特段織斑達がピンチという訳でもないがやるしかない。

 

「……やります」

 

 相手の攻撃を捌きながら俺がそう返事すると、厳しい顔から一転してニヤリと好戦的な笑みを浮かべた。

 

 《出来る出来ないではなくやる、か。私好みの返事だ。ならばやってみせろ!》

「……了解」

 

 織斑先生も言っていたが、セオリー通り弱っている方から倒させてもらうとしますかね。

 

「セオリー通りやらせてもらう!」

『君はガンダムマイスターに相応しくない』

 

 俺は……ガンダムになれないのか……。

 

 とか余裕かましてたら左側が破損しているにも関わらず左拳を叩き付けようとしてきた。根性が半端じゃない。もっと他で生かすべき。

 

「遅いっ!」

「――――!!」

 

 と、ここで俺はこの戦い初めての前進をした。というよりは攻撃してきた破損IS……二号に向かって体当たりしたのだ。瞬時加速を使って。

 攻撃を掻い潜り、瞬時加速も使った体当たりは二号の体勢を崩すには充分。そんな状態でも無理矢理もう片方の手でアッパーを仕掛けてくる。顔だけ動かして回避。

 さて、距離を詰めてしまった分、槍を短く持って斬りつけようとすればそこへ最後に現れたIS……三号が追撃はさせまいと背後から俺へ突進。

 

「隙だらけだ、な!」

 

 言葉と共に、短く持った代わりに後ろに長くなった柄を顎下に潜り込ませる。最初から狙いはこっちだ。撃破するにしても、まずはこの二機を離れさせるのが優先だろう。

 後ろを向いたまま槍の真ん中辺りを踵で蹴り上げれば、柄によって三号の顎が強制的に上へと向いた。

 

「悪いなっ!」

 

 蹴り上げた体勢から後ろに飛び上がってぐるりと一回転。そして無防備となった三号の横面へボレーシュート。吹き飛ばされて少しだけ二機が離れた。

 

『二機の腕部より高エネルギー反応! あのビームが来るよ!』

 

 作戦が上手くいったと喜ぶのも束の間、三号は吹き飛ばされながら右腕をこちらへ向けてきやがった。正面からは二号も同様に腕を向けてきて、腕部に備えられた砲口に光が灯る。

 アリーナのシールドさえ突き破る威力のビームだ。もし当たれば、なんて想像もしたくない。

 

 《櫻井、上空へ退避しろ!》

「了解!」

 

 チャージしていた瞬時加速で言われるがままに上空へ離脱。その後を追い掛けるように空へ二本の光が放たれた。

 念のために『ヴァーダント』を展開して外套のようにして顔以外を覆っているが、それでも一溜まりもないだろう。

 

 ちょっと真面目にやってたけど、まぢもうむり。あんなん死んぢゃう。

 ありったけ打ち込んでやるとか調子こいててすみませんでした。

 

『春人くんのっ! ちょっと良いとこ見てみたいっ!』

 

 飲み会のノリやめろ。俺の良いところは出しきったよ。もう勘弁してくれ。

 ていうか何なんだあいつら。攻撃すれば体勢崩すし、吹っ飛ぶけど、どんな体勢からでも攻撃しようとしてくる熱いガッツを持ってるんだが。あと、どっかで見た事あるフォルムしてるし……デジャヴるんだよなぁ。

 

『GANTZの七回クリアの人が着てたスーツじゃない?』

 

 それだ! おかげでスッキリしたぜ。つまりこいつはピンポンと通信空手をやっていた可能性が出てくる。これは有益な情報だ。

 

『反応、反射! 音速、光速ぅ!!』

 

 その時、腕から発射されるビームが収まると、並んだ二人が肩を張るようにポーズ。すると今度は肩に光が灯った。

 

『春人、広範囲にビームが来るよ! 威力はさっきより下がるからちょっとくらいなら当たっても大丈夫!』

 

 だとしても当たりたくはないな!

 

 ミコトの言った通り、俺がいる方向に手当たり次第にビームがバラ撒かれる。ハイパーセンサーが教えるエネルギー量も今まで見てきたビームと比べると遥かに低い。これなら当たっても多少の無茶は利くかもしれない。

 

 だがその前に……ミコトお前、あいつが何なのか知ってるのか?

 

『うん。アレは私のママンが作ったやつだね』

 

 ……えっ、待って。ミコトって母親いたの? そうとは知らずに俺ってば勝手に名前付けちゃったけどいいの?

 

『別にいいんじゃない? 産まれて直ぐにここに置かれたし』

 

 お、おう。そうか……。

 

 軽いノリで話してきたけど、内容が重い。どうリアクションすればいいのか分からず、微妙な返事をしてしまった。

 と、ともかく、広範囲にバラ撒かれるビームを何の対策もなく突撃するのは避けたいところ。近接武装しかないのが本当に仇になっている。終わったら今度こそ武器追加の提案をしよう。

 

 《もうこちらからリミット解除許可は出してある。お前を縛るのは時間制限以外には何もない。存分にやれ》

「…………はい」

 

 ラファールを受領した時に布仏先輩が言っていた。織斑先生が許可すればリミット解除しても武器の制限等もなくなると。

 確かに使えば一気に楽になるだろう。だがそれはセシリアを怯えさせた力を存分に奮えるのだ。あの時よりも強化された力で。

 

 《不服そうだな。嫌か?》

「……誰だって人殺しは嫌ですよ」

 

 俺の返事に何かを感じ取ったらしく、織斑先生が訊ねてきた。

 当たり前の話だ。敵だからといって喜んで人を殺すなんて異常な趣味は俺にはない。頭は悪いし、馬鹿でもあるが、異常になったつもりはないんだ。

 

 《ああ、そういう事か》

『ああ、あのね春人』

「……ん?」

 

 と、ここで織斑先生とミコトの二人が何かに気付いて、何かを言い出そうとする。何だろうか。

 

『《あれは無人機だ(よ)》』

「えっ」

 

 二人の台詞が重なり、俺の口から何とも間抜けな声が出た。

 

 えっ、無人機って、えっ?

 

 《生体センサーに反応はない。純度百%の機械だ。遠慮する必要はないぞ》

『あれって操縦者を必要としないISなんだよ。だからやっちゃえ、バーサーカー!』

 

 バーサーカーちゃうわ! てかえぇぇぇ!? 俺の苦悩は何だったんだよ!?

 ていうかISって人が乗らないとダメなんじゃないのか?

 

『んー……まぁ作ったママンがぼっち街道まっしぐらだからね。無人のを作るしかなかったんだよ』

 

 やだ……凄い親近感湧く……。

 でもそんな事を言っている余裕も時間もない。それなら俺がやる事をさっさとやるだけだ。

 

 《Complete》

 

 俺の意志を汲み取り、ラファールの各部装甲が展開されていきアイドリングモードへ移行しようとする。

 それを機に身体を覆っていたバインダーは再び背中に仕舞われる。もう『ヴァーダント』に頼る必要もない。槍も身軽な方がいいので仕舞った。

 

「……そうだ」

 

 ビームを避けながらアリーナの屋根へ向かい、そこで水泳でターンを決めるように足を着けると二機へと身体を向ける。狙いはあの二機の前方。

 更識会長には読みやすいとされていた通り、二機も次の予測が付きやすいのか威力の高い腕の方で照準を合わせてきた。

 

 でもそれさえも関係ない。

 

「ああ……そうだ!」

 

 そうだ。たとえビームの雨に晒されようと、二機がかりでの連撃を浴びせられようとも。

 

「振り切ってみせる!」

 《Start up》

 

 ビームが放たれる瞬間、アリーナの屋根を足場に瞬時加速も併用しての移動は屋根を犠牲に爆発的な加速力を生んだ。

 入れ違いになったビームを横目に見つつ、トップスピードから制止状態に戻ろうとブレーキを掛けながら二機の前に降り立つ。まだ二機の照準はこちらへ向けられていない。

 

 《Fang! MaximumDrive!》

「刻む!! ぜやぁ!!」

 

 その隙に右足を三号へと振り抜いた。距離は空いているため蹴り自体は当たらないが、発生した『牙』が大気を裂いて襲い掛かる。だがこれだけでは終わらない。

 

「おおぁぁぁ!!」

 

 中段蹴りを放った右足を地面に叩き付けるようにすると、その勢いを利用して今度は左足を上へと振り上げた。これにより縦に裂く『牙』が生まれ、これまた無傷の三号の元へ。

 これまでの戦いから向こうもこっちが遠距離攻撃の手段を持っていると考えてなかったのだろう。避ける暇も腕の照準を合わせる余裕もなかったらしく、十字に放たれた『牙』を両手で抑えるので精一杯のようだ。

 

「……確認させてもらうぞ」

「――――」

 

 三号が十字の『牙』、『Gigaers Cross』と遊んでいる間に二号でさっきの確認をするとしよう。

 一気に二号の目前まで踏み込むと、向けてきた腕を払い除けて顔の仮面を強引に剥がした。

 

「…………本当に機械なのか」

『だから無人機なんだって』

 

 引き剥がした仮面には無数のコードが繋がれており、漸く見えた素顔は数多の部品で構成された冷たい機械そのもの。ISは人にしか扱えないという常識を覆すものだった。

 

「……なら今度は嘘吐かなくて済みそうだ」

「――――!」

 

 それは同時に本当に遠慮なんかしなくていいという証明にもなる。二号が右拳を繰り出すのを皮切りに反撃開始。

 

「……一」

『あ、やばい。音がやばい』

 

 右拳にこちらの左拳を重ね、相手の攻撃を上へと逸らして懐に踏み込んだ。その際に踏み込んだコンクリートが粉砕したが気にせず、左肘を腹部に叩き込む。陸奥圓明流、裏蛇破山朔光。

 

「逃がさん」

 

 鈍い音と共に二号の身体がくの字に折れ曲がり、また後ろへ飛ぼうとするがそうはさせない。

 

「二」

 

 右腕を掴んで無理矢理引き寄せてから二撃目。引き寄せるのに加えて、こちらから更に踏み込んで胸部へ右の掌底。再び踏み込んだ先のコンクリートが砕けた。

 

「三っ」

 

 そのまま右手でまた引き寄せて腹部へ右膝蹴り。

 

「四っ!」

 

 浮き上がったところへ四撃目。左の手刀を肩に叩き込んで地面に押し付けるようにする。四つん這いになった二号の両手両足が地面に陥没した。

 

「五っ!!」

 

 叩き込んでいた手刀から少し手首を動かしてほぼ零距離からの掌底。俯せになるように叩き付けられて今度は身体丸ごと陥没させる。

 

「六……ん?」

 

 六撃目を繰り出そうとしたところで二号からパソコンの電源を強制的に落としたような音がして、僅かに上がっていた腕が力尽きたように落ちた。

 少しだけ様子を見るが、ピクリとも動かない。試しに槍を呼び出して突っついてみても結果は同じ。どうやら機能停止になったようだ。

 

『ご、五発でIS壊したの?』

 

 何か……そうなんのかな? 脆すぎワロタなんだが。俺氏五発殴ってIS壊すでスレが賑わいそうだ。

 ああ、でも展開する前にも殴ってるから六発か。まぁどっちにせよ脆いけど。

 

「……さぁ、っ!?」

 《良くやった! あとは――――!?》

 

 制限時間残り四〇秒。

 残りもう一機と織斑先生も言おうとしたところで通信ウィンドウ越しにこの異様な空気に気付いたらしい。

 

 その発生源は三号からだった。『Gigaers Cross』を打ち破ったにも関わらず、襲って来ないでただこちらを見ているだけ。

 ただそれだけなのに直ぐにでもこの場から逃げ出したくなるようなやばさがあった。

 

「――――」

『春人!』

「っ、ぐぉ!?」

 

 三号が放つ異様な空気に呑まれていたからか、反応が遅れて接近を許してしまう。同時に腹へ身体ごと浮かせるようなアッパーで上空へと強制的に移動させられた。

 

「う、ぐっ……! まずい、な……」

『また来る!』

「ちぃっ!」

 

 こちらの状況なんてお構い無しに追撃を始める三号。さっきまでとは比べものにならない早さで近寄り、拳を振りかぶる。

 

「おォォォ!!」

「――――」

 

 気合いで腹部に走る痛みを誤魔化し、こちらも拳で応戦。右拳同士がぶつかり合い、轟音が鳴り響いた。

 

「ぐっ、く……!?」

「――――」

『力で春人と互角……!?』

 

 互角だったらどれだけ良かったろうな……! こっちは必死こいてるってのによ……!

 

 ぶつかり合ったまま、どれだけ拳を押そうとしても向こうはビクともしない。全く同じ力で押しているからだ。それどころかこちらの様子を伺っている余裕さえある。

 

「ぐおぁ!?」

 《Reformation》

 

 押し込もうとしていると、何もなかったかのようにあっさりと腕を振り切られて織斑達がいるグラウンドまで吹き飛ばされた。

 恐らくミコトがやったのだろう、地面に激突すると強制的に装甲が閉じられる。

 

 正直な話ありがたい。貴重な制限時間を立て直す間もなんて使いたくなかった。

 

「春人!!」

「あんた、大丈夫なの!?」

 《櫻井くん、無事ですか!?》

「なん、とか……」

 

 起き上がると織斑と鈴が駆け寄ってきた。それまで戦っていた相手を放置して。

 幾ら二人来たとはいえ、今この状況で二機同時に戦うのは厳しすぎる。

 

「こっちはいい……! それよりそっちは――――?」

 

 意識を一号の方に向けると何故かじっと三号を見ていた。今さっきここに来たばかりの俺は勿論の事、戦っていた織斑や鈴なんてもうどうでもいいと言わんばかり。

 

「春人と上空でぶつかった時くらいからあっちも様子がおかしくなったんだよ」

「…………なるほどな」

「何かいやーな予感するわね……」

 

 鈴に同意見だ。というか予感ではなく、嫌というほど実感させられた。

 俺ではあいつに勝てないと。あいつはまだまだ余力を残してる。俺ではお話にもならない。そんなレベルだった。

 

「くっ――――」

 

 全員が全員、警戒してまだ上空にいる三号を黙って見ていた。その沈黙を破ったのは三号自身。何かを堪えきれないといった風に吹き出すともう止まらなかった。

 

「は、ははは、ははははっ!! やっぱりお前だ、お前だったんだ!!」

「「「『っ!?』」」」

「ついでに確認するだけだったが最高だ! 生まれて初めて神に感謝したくなったぞ!!」

 《……まさか》

 

 静まり返ったアリーナに、この場にそぐわない馬鹿笑いが木霊する。

 

「何よ……何なのよ、あいつ……」

「っ……!」

 

 鈴の震える声で小さく呟いたにも関わらず、やたら良く聞こえる。それが虚勢なのは言うまでもない。鈴も本能的に勝てないと悟ったのだろう。

 織斑は険しい表情で見ているが、刀を持つ手が震えていた。険しい表情も恐怖に耐えるためなのかもしれない。

 

「っ!」

 

 あいつの織り成す空気に呑まれそうになっていると、一号が仲間のはずの三号へ腕を向けているのに気付いた。その腕に備えられた砲口に眩い光を灯らせて。

 未だあの三号は笑っていてそんな事になってるなんて気付いていないようだった。

 

「おい、馬鹿笑いしてないで逃げろ!」

『春人、あれは無人機で……』

 

 気付けば無人機という事も忘れて三号へ叫んでいた。どういう事か分からないが、ともかくあのビームを仲間に撃つ気らしい。

 ISでもあんなものが当たったらどうなるかなんて、考えたくもなくなるようなものだ。しかし、遅かった。

 

「ああ? 何言って――――」

 

 瞬間、三号が言い切る前に放たれた光がその前方でまるで華を咲かせたように幾つにも別れた。

 アリーナのシールドを破ったビームでさえ三号は微動だにしない。

 

「ああ、兎の玩具か。そういえばいたな」

『何、あれ……シールド……?』

 

 ISには当然のようにある機能。だが同じISでも桁が違いすぎる。ミコトの反応から言葉にしなくても充分過ぎるほど伝わってきた。

 そんな状況で漸く一号のやってる事に気付いた三号は少し落ち着いた風に話し出す。

 

「こんなにいい気分は初めてなんだ。邪魔しないでくれ」

 

 今もビームに照射され続けているのに全く意に介さない三号はゆっくり一号へ腕を向けると、砲口から赤黒い稲妻が迸り――――。

 

「――――!!」

 

 馬鹿げた出力のビームが押し返して一号を光の中へ呑み込んだ。欠片も残さず、一号はこの世界から消え失せた。拮抗する間もなく、実にあっさりと。

 さっきから信じられない事の連続だ。夢なら早く覚めてほしい。そう願うくらいには逃げ出したかった。

 

 《全機、そいつから逃げろ!!》

「千冬姉……?」

 《いいか、絶対に戦おうとするな! そいつは――――》

 

 さっきまでの好戦的な態度は何処へやら。いつになく弱気の織斑先生から撤退命令が下るも、最後まで言うことなく通信は閉じられる。

 

「黙っていろ織斑千冬……もうお前に用はないんだよ……!」

『通信を切った? そんな事も出来るの?』

 

 犯人は言うまでもなく、目の前に降りてきたこいつだった。僅かに後退りながらそれぞれの武器を構える。

 

 それにしてもこいつの狙いはなんだ。何かの別件でここに来て、この場にいるのはそのついででしかない。

 つまりそのついでを達成させれば大人しく帰る可能性が出てきた。それが分かれば――――。

 

「さぁ、もっとお前の力を見せてくれ。櫻井春人!」

 

 ――――俺と戦う事かよ。

 

「ラウンドⅡ……!」

 

 頭が真っ白になりそうなのを知らず、向こうはやる気満々でそう口にした。

 


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