「…もう一度聞く。誰だ、ソイツは?」
誰だソイツ?
「だ、か、ら、一週間前新たに
ビスカさん近い近い!!…ってそうじゃねぇ!!
「…
アイツはエドラスって世界の住人だったんだぞ。そんな奴がこっちの世界で痕跡を残す…心残りを作る様なマネはしねぇ!!…あれ?そう言えば一つ心配してたな―ハッ!?
「そ、そう言えば私達ですら
ソイツ
「
「えぇっと、確かあっちの方角「行ってくる。」ちょ、風!?」
ミストガンが心配する事…それは〝ウェンディちゃん〟の事だ!!アイツ俺に依頼するほど心配してたじゃねぇか!!そんなウェンディちゃんが、
「『メスト』という正体不明の者の為に、S級昇格試験のコンビを組んだだと…危険だ。」
き、危険すぎる!!あの時、手加減の練習せずにギルドでのんびりしとけばよかった!!
■□■□
此処で試験を受ける対象者とパートナーを紹介しよう。
何時も行動を共にするナツ・ドラグニルとハッピー。
以前S級に挑む時パートナーを組むと約束していたグレイ・フルバスターと星霊ロキ。
意外や意外エドラス世界では仲が良かったらしい(リサーナ談)ジュビア・ロクサーとリサーナ。
何故か組むことになったエルフマンとエバーグリーン。
今回のS級に全てを駆けるカナ・アルベローナとそれを手助けすると誓ったルーシィ。
ラクサスを継承するのは俺だ!フリード・ジャスティーンとビックスロー。
敵対していた時、痛めつけてしまった罪滅ぼしか?俺がS級にしてやるとガジル…と被害者レビィ・マクガーデン。
自称ミストガンの弟子メスト・グライダーと巻き込まれヒロイン枠のウェンディ。
一次試験が終わった段階で合格者はナツ・ドラグニルとハッピー、グレイ・フルバスターとロキ、エルフマンとエバーグリーン、カナ・アルベローナとルーシィ、レビィ・マクガーデンとガジルだった。そして、二次試験『初代ギルドマスターメイビスの墓を探す事』が始まり少し経った今…
「総員戦闘配備!!コンディションレッド、撃退態勢に入れ!!」
闇ギルド
「危ない!!」
突然の攻撃で狙われたウェンディ。それを助けたのは風が正体不明と称した
途中ウェンディを心配したシャルルとそれに付き添って来たリリーにギルド員ではない事を見破られたメスト。そして、メストから知らされた彼の正体は、
「戦闘艦?あれの事<
「船が!?」
「真っ二つに!?」
評議院の戦闘艦は船主と船尾の真ん中が何かに切られた様に真っ二つにされてしまった。
「な、何が起きている!?」
「お前がやったんじゃないのか!?」
木の中から現れた
「こ、この声、出鱈目な技の威力…ま、まさか!?」
「あ、アイツが助けに来てくれたの!?」
「風さん…」
~Side 風~
水面を走れない?そもそも、右足が沈む前に左足なんて出せない?ハッ!足りない!!足りないんだよ!!お前に足りないもの、それは!!情熱・思想・理念・頭脳・気品・優雅さ・勤勉さ!そしてなによりもォォォオオオオッ!!速さが足りない!!
「だから、俺は水面を走れなかった。」
「…な、何の話だゾ!?」
フッフッフ。だが、今の俺は〝風様
「
「エンジェルちゃんを抱えながら、変な独り言は止めて欲しいんだゾ!!」
あっれ~?口に出ちゃってた?悪いねエンジェルの嬢ちゃん。
「悪い。」
「もう、良いんだゾ。」
クッソ怪しいメストって奴を取っちめる為に今は
「本当にこっちであってるんだゾ?(役得過ぎるんだゾ!!一緒に行くって言って良かったんだゾ!!)」
「…分からん。」
何故か『お姫様抱っこ』して
「ど、どうするんだゾ!?」
「大丈夫だ、問題ない。」
大丈夫、大丈夫。俺、遭難には慣れてるから。無人島でその島の獣を倒して頂点に上り詰めたり、変な集団に囲まれたと思って撃退したら実はいい人達で丁重に持て成されたりと経験豊富!ムッ!!
「南方向に信号弾だ。」
「信号弾?確か、緊急事態の時使うってエルザが言ってたゾ。」
な、何ぃ緊急事態だぁ!?急がねば!!
「ちょ、風はや「急ぐぞ。」ま、まつんd―!?」
オラオラ、急ぐぜ!!って前方に船発見!!
「邪魔だ。
「あれ?評議院のマーク(小声)…ま、気にしないんだゾ。」
見つけた!!あれがメストに違いない!!エンジェルの嬢ちゃんをリリー達の傍に降ろしてっと。
「お前がメストか?」
風は木から生えている
「お、俺がメストだ。そっちは
「俺は
「黒き風。」
「グ、
ヤッベー、人違いだったぜ。ここは謝って…
「悪い、人ち「タワーバースト!!」…ッ!?」
突如アズマを中心として爆発が起こった。
「ほぅ、アレを躱すか。」
「…。」
しかし、風は瞬時に回避し無傷。
「それに、脱獄した
「エ、エンジェルちゃんが何処に居ようとエンジェルちゃんの勝手なんだゾ!!」
…謝るのは無しだ!此処はみんなを逃がさねぇと。
「…お前は危険だ。本気を出そう。オレの魔法は
「…。」
風の周りの木々の根が、枝が、風を襲いだし葉っぱの集団が追撃を行う。それを風はショットガンで
「す、凄い…」
「此処を離れるんだゾ!!」
「でも、風さんが!!」
「心配は要らない。王子が認めた男だ。」
「早く逃げるのよ!!」
その場にいたエンジェル達は呆然とするドランバルドを引っ張りながら離れていった。
「…行ったか。」
「他人を心配するとは余裕だな。左手のショットガンと右手の黄金、そして異常なまでの身体能力…そうか、お前がウルティアの言っていた〝風〟と云う人物かね。」
は?ウルティアって誰だ?
「…誰だソイツは?」
「気にするな、こっちの話だ。そして、貴様には生半可な攻撃は効かない事も調査済み。仲間にしたかったが、これで貴様は終わりだ!!」
風の周りにある木々から先程とは比べ物にならない量の根や枝が伸び、風を包囲した。
「
木々が風を
~Side Out~
「か、風さん!?」
「あんなモノを喰らって生きては…」
「舐めるんじゃないんだゾ!!風は絶対負けないんだゾ!!」
逃げるエンジェル達にも見えた大きな爆発。心配するウェンディとドランバルド。そんな二人の声を聞き、エンジェルが反論した。
「風は絶対に勝つんだゾ!!」
「魔銃、解凍。」
それは、無感情な言葉。
「な、何ぃ!?あれを喰らって無事なはずは!?」
「
「し、真空刃!?そ、それをあの一瞬でだと!?」
そして、お返しだぜ!!
『お前にふさわしいソイルは決まった!!』
風はアズマへ指を向け静かに叫ぶ。
『灼熱の牙、カーディナルレッド。』
ベルトに刺していたソイル入りの弾丸を顔の前に持って来て、指ではじき一本目を魔銃へ装填する。
「さ、させん!!
「…
風の召喚を止めようとアズマが攻撃するが、数十発の蹴りを放ち攻防両立できるフィールド
『紅蓮の疾風、ダーククリムゾン。』
一本目と同じように二本目を装填。
『そして、鋼の力、バーントシェンナ。』
最後はベルトを叩き、弾丸を勢いよく飛ばしシリンダーに装填した。魔銃にある風の心臓の鼓動が早くなりドリルが唸りを上げる。
『焼き尽くせ、召喚獣…イフリート!!』
<オワァ!!>
召喚された金色の巨人は両手を頭上に掲げ、炎の球体を作る。
「ま、まだだ!!タワーバーストォォォ!!」
「…その程度の火力ではイフリートは止められん。行け、イフリート。」
イフリートの炎はアズマに容赦なく放たれた。
「どうなっているんだこの島は?」
ホント、どうなってんだよこの島は!!でもま、変な奴も倒したし、
「エンジェル達に合流するか。」
エンジェルの嬢ちゃん達と合流して情報交換だぜ。
アズマを倒した風は、空から降って来る