投票、全然来ませんでしたので、あと1週間だけ伸ばします。
皆さん投票お願いします(泣)
ゲームのボス戦は比較的良心的だ。なぜなら予めボスの出現が予測できるから。
それに対して現実は恐ろしく容赦がない。突発的な戦い、勝利条件の不明な争い。挙句の果てには買ったら負けのイベント。
ストーリーは分岐が複雑怪奇で伏線すら張られずにイベント即突入。そしてやり直しにセーブ地点は無し。
キャラメイクは運ゲーでやり直しは部分的にしか不可。それすらもキャラの立ち位置によってはできない。
天は二物を与えないというが、あれはある意味正解だ。キャラのステ振りの際に所持ポイントが偏ったもの、それが才能だと思えばいい。そして一方に偏れば当然どこかで釣り合いを取らねばならない。そこで短所が調整役として登場する。
ただし、ここで大事なのは天は人の上に人を創るということだ。
さっきの例でいくと所持ポイントの個人差。ある少年は30ポイント持っていて、それをランダムで振られる。その際、大抵は均等に分けられ、役に立たない死にスキルが多く出た。結果、クラスで最底辺のカーストとなった。
もう一人の少年は100持っていて、同じく均等に分けたけれど一個あたりのポイントが高いから優秀となってクラスカースト上位となった。
これが格差の原因。つまり何が言いたいかというと、神様の乱数表は偏りすぎている。いい加減アップデートしろ。詫び石配れ。同じイニシャルでここまで差が開くとは乱数表の設計ミスだろ。誰とは言わないけどな!
結論。人生はクソゲー。
「で、そんなことをずっと考えていたんですか。ここまでの道中ずっと。」
「ゲームのキャラクターにだけは言われたくないな。」
所はダンジョン。地下大迷宮古墳(仮称)。さっきからゾンビが大量に湧いてきていて正直もううんざりだ。
「お仲間をそう言っては可哀そうですよ。せっかくですから仲良くしましょうよ。」
「仲良くしてください(棒)」
ゾンビたちは仲良く土に帰った。合掌。
「ていうか、さっきから大量にお金落ちてますけど結構な額になってますよ?」
「は?いや、そんなに強敵倒した覚えは...」
「デュラハンを18体、エンシェントゴースト30体、ゾンビ50。ゴーストも50。ちょうど今3時間経過しましたよ。そろそろ休憩を挟まれたらどうです?リアルの体にも負荷がかかる頃合いですし。」
言われて時間を確認してみれば、そろそろ夕食の時間だった。危ない危ない。危うく飯を食いはぐれるところだった。我が家では、夕食に遅れたものに追加の慈悲はない。自力で作るか、買って来るしかない。ただし男性に限る。
「んじゃ、次のセーブポイントでいったん落ちる。案何を頼む。」
「すみません、次のセーブポイントはこの先のボスを倒した後です。」
「内容は?」
「鬼のように固いゴーレムですね。」
「」
結局、進撃になった。まあ、部屋に
ああ、この後で小町に文句を言われるんだろうな...。
そう考えると、さっさと進撃して片付けるべきだな。
「戦闘開始だ。セレビス、援護を頼む。」
一方そのころキリト達はと言えば。
「きゃっ!お、お化け...」
「...所詮、0と1でできた存在よ。なにも、怖がることなんて...っ。」
「キリト君。先行よろしくね?」
「...わかったよ。義輝も頼む。」
「うむ。承知した。」
「き、キリトさん!あそこにゾンビの死体が転がって...」
「「「うわああああああ!?」」」
阿鼻叫喚の地獄絵図だった。
もうダンジョン進行どころではなく、明らかに人選を間違えていた。
「...なあ、義輝。もういっそ何人か帰すか?」
「いや、今更戻したところで迷子が増えるだけだ。諦めて進むしかない。幸い、俺たちが盾になれば女性陣はそこまで怯えなくて済む。」
「ああ、そうだな...。仕方ない、進むか。」
しかし、ゾンビの死体が一定区間ごとに女性陣の目に入り進行はたびたび中断された。
1時間もすると、最初にシリカが違和感に気づいた。
「あ、あれ?そういえば、さっきからゾンビの死体って、定期的に落ちてますよね?」
「ああ。言われてみればそうだが、それがどうかしたか?」
「いえ、普通モンスターの死体はすぐに消えるから、オブジェクトなのかなーって。だとしたら相当悪趣味ですよね。」
「ああ...。ん?待てよ。あれは確かにこのダンジョンに出没するゾンビだった。オブジェクトはしたいじゃなくて白骨ばかり。...そうか!ユイ、この死体を調べてくれ。もしかしたら、80000たちの向かった先がわかるかもしれない。」
「はい!えっと...あ、ビンゴです!明らかにモンスターの死体がオブジェクトとして固定されてます。これを操作したのは、きっとセレビスさんですね。帰り道の目印代わりでしょうか?」
「ああ。きっとそうだ。追われてることを考慮すれば、きっとセレビスの独断だろうな。」
「.........死体を使ってヘンゼルとグレーデルの真似事なんて、悪趣味ね。さすがゾンビの妖精というだけはあるわね。」
「ゆきのん、セレビスちゃんは悪くないよ。気づかなかったヒッキーが悪い。」
「そもそもこんなところに逃げた80000君が悪いわね。」
「その前に喧嘩を売っておきながら逃げ出した80000さんの態度と性格と容姿が悪いですね。」
「それなら一つ提案なのだけれど。いいかしら?」
何やら雪ノ下が酷薄そうな笑みを浮かべる。
「これから、このゾンビたちを比企谷君だとおもって倒していかないかしら?そうすれば怖くないし、きっと本気を出せるでしょう?」
「「「さんせーい」」」
三人とも乗り気に武器を取り出す。その目は殺意にらんらんと燃えていて、男子勢は身震いをし、心の中で80000に合掌した。
その後、彼女たちが通った後には延々とゾンビの死体が続いていた。その時の様子は、今でもユイの記憶データーベースの最深層に厳重にロックがかけられたいる。
ところ変わって80000たちは。
「!?」
「どうしたんですか?急に顔を青くして。」
「いや、急に寒気が...」
「...これは、ちょっと急いだほうがいいかもしれませんね。」
「ああ。先を急ごう。」
結局、ペースを上げて30分ほどかけてボスを倒した80000たちは、急いでセーブポイントに入ってログアウトした。その間、80000の体はセレビスが厳重に隠ぺいしていた。
そのせいで、幸か不幸か雪ノ下達が通り過ぎて行ったのには、互いに気づくことはなかった。
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