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「ところで、材木座。ちょっと特訓付けくれ」
「うむ。それは別によいのだが...」
「だが?」
「その、ほかの門下生たちが黙ってないと思うぞ...?」
「大丈夫だ。そこは何とかする。」
...なんて思ってた時期が俺にもありました。
「死ねええええええええ!!!」
気勢を上げて飛び込んできた相手を間一髪でかわす。と、そこに新手が飛び込んでくる。
とっさに煙幕を張って離脱しようとしたが、煙幕の外にも敵がいた。
こうなったら上...と思うがとっくに制空権は取られている。むしろ空対地攻撃が雨あられのように降り注ぐ。
「ちっ!!」
仕方なく武器を奪って足止めをしているが...正直此処まで数が多いとあまり意味がない。一対一で無効化しても即座に援護が入る。
しかし、少しでも手持ちにできるなら応用のしようがある。
例えば、こんな風に。
一瞬、敵の上空に飛ぶ。そして、ストレージを一気にばらまく!
名付けて疑似UBW。もっとも、武器をばら撒いているだけだが。
一瞬下のやつらの勢いがそれる。そして上空から降ってくるものに対して、とっさに頭を守ろうとする。
後は、がら空きになった側面を突き崩す。
「吹 き 飛 べ !」
小刀から出した突風で吹き飛ばす...が、やはり何人かは残ってしまい、仕方なく再び逃走開始。
これの延々繰り返しで、先に力尽きるのは絶対に俺が先なんだよなあ...
「セレビス。こっから非戦闘地帯への最短ルートは。」
「はいはーい。200メートル先を右折。そっからは遮蔽物が多いところを一気に駆け抜けますよん。...ってか、まだ逃げるんですか。」
「当然だろ。捕まったら一巻の終わりだぞ!?」
「別にホントに死ぬわけじゃないからいいでしょーに。あ、上から使い魔一匹発見。こっちに接近中ですね。」
「くそっ!?あいつら予想外に連携が取れてる!もっとこう横のつながりが薄いと思ってたのに!」
必死に走りまくって山道を一直線に駆け抜ける。と、そこで突如後方が爆発した。
「何だよ今度は!?」
「空爆部隊の到着ですね。ちなみに、ヒーラーが中に3人ほど混ざってますね。帯刀してますけど。」
「あいつら全員アスナの知り合いとかじゃないだろうな!?なんでヒーラーが杖も持たず刀持ってんだ!」
悪態を吐いてもこの差を埋めることは難しい。こうなったら一か八か...。
「セレビス!この付近にダンジョンはあるか。出来れば高難易度がいい!」
「あー、近くにちょうどいいのが一件ありますけど...やめといたほうがいいですよ?」
「今はそれどころじゃないんだ!早く逃げるぞ!」
「はあ...。わかりました。じゃ、そこを左に100メートル。後、直進200メートルで到着です。」
「わか...。くそっ!なんで揃いも揃って頭ばかり狙ってくるんだ!」
「ゾンビに有効だからでは?」
とっさに飛び込んだダンジョンは、石室のような場所だった。
「ここは...古墳か?」
「はい。マスターのお仲間の寝室で...痛っ!」
「事実だとしてもあまり言うな。生まれつきだ。」
「事実なのは認めるんですね...。ちなみに、マスターの子供はヘルみたいになるんでしょうかね?」
神話の神様が生まれるのかよ。すげーな。ただし、おまけでフェンリルとヨルムンガルドあたりが世界滅ぼしそうだけど。
「で、責任をとらされるまでがお約束ですね。」
「言うな。ほんとにそうなったらどうする。」
「マスターが、今のマスターの親御さんみたいになるのでは?」
「社畜じゃねえか!」
セレビスはご愁傷さまですというかのように瞑目すると、先を先導し始めた。
ダンジョンの中は暗くじめじめしていて、ゾンビとスケルトンであふれかえっていた。
「マスター。初めてのお友達候補ですよ?なんで倒しちゃうんですか。」
「友達候補とかいうな。しかもこいつら無駄に強い...!」
「こざかしいデバフ使うあたり、マスターの将来説に一票。私的にポイント高いですね。」
「小町の真似をするな。あいつはそんなことを言うような奴じゃない。」
まあ、ごみいちゃんとか言われる当たり反論は難しいが...。
...しかし、本当にこのダンジョンは難易度が著しく高いな。緊急で避難したとはいえ、かなりきつい。まあ、さっきの信者たちに比べたらましだが...
「あ、マスター。この先をしばらく進むとボス部屋ですよ。」
「...回避はできるか?」
「可能ですけど、帰るのが大変ですよ?サクッとボスに殺されたほうがましですね。」
...ここで死んで復活したら、それこそ雪ノ下あたりに本物ゾンビ扱いされかねないな...
そして今以上にゾンビキャラが板につきそうだしな。最悪、戸塚あたりにまで言われたら俺も泣きそうになる。
「よし、何としても突破するぞ。生還は絶対。支援は任せた。」
「はいはーい。わかりましたよーっと。」
「(ところで、この先って迷路みたいですけど...ま、大丈夫か!何せ私がいますし!口調変えてから調子いいですし、これはユイ先輩に感謝ですね。)」
「うん?どうした、お前たち。確かここに80000が来るはずだったが...?なに?追い払った?で、どこに逃げ...近くのダンジョン!?...あそこは、高難易度かつ迷子率の高さで一部にしか知られていない厄介な奴なんだがな...」
弟子からの報告に、材木座は頭を抱えるとすぐさまキリトに連絡を取った。
「うむ。キリトか。少し、我の弟子が80000を追いかけて、ダンジョンに潜らせてしまったようでな。それもとびきりの複雑な地形のに。で、我と汝であいつを探したいのだが、今から暇か?」
「ああ。大丈夫だ。ついでに、何人か呼んでいいか?人が大いに越したことはないだろうし。」
「ああ、かまわんぞ。こっちも何人か弟子を連れていく。じゃあ、よろしく頼むぞ。」
「で、今から80000を救出に行きたいんだけど...。シリカ、頼めるか?」
キリトの頼みに、シリカはうなずきかけるが、80000との別れを思い出して、渋い顔になる。
「...80000さんですか。」
「あれ?シリカちゃんヒッキーに何かされたの?」
「被害受けたことは前提なのね...」
由比ヶ浜の問いにアスナが少し苦笑いする。一緒にいた雪ノ下はいつものこととでもいうように慣れた様子でお茶を飲んでいる。
「いや、80000が入ったのって、ゾンビ多発地帯なんだよな。だからいやなら無理強いはしないけど...。」
「いえ、それぐらいは別に...って、ゆきのんさん!?どうしたんですか急に!?」
突然雪ノ下は机に突っ伏して、必死に口からお茶が零れるのをこらえて悶絶していた。
「比企谷君が、ゾンビに追われ...くくっ。」
「あー。うん。確かにシュールだね...」
二人とも、ゾンビ同士の鬼ごっこを想像して笑いがこぼれる。
「...まあ、80000さんの醜態が見れるなら私は行きますよ。」
「そうね。こんなの一生に一度見れるかどうかの貴重な光景、見逃すわけにはいかないものね。」
「シリカちゃんとゆきのんが怖い...!」
そのやり取りを見ていたキリトは、手早く装備を固めると早速出発しようといった。
「今回は多分かなりギミックが複雑だと思うけど、先に何か質問はあるか?」
「あ、そういえば、一つ前々から疑問に思ってたこと聞いていいかな?攻略とは全然関係ないんだけど。」
「何かな、ゆいゆいさん?答えられる範囲なら答えるわよ。」
アスナが静かに微笑むと由比ヶ浜はかねてからの疑問をぶつけた。
「リビングデットって、なんで家でもないのにリビングなんですか?」
その質問に、立ち上がりかけた雪ノ下がよろけてずっこけた。
アスナはどう答えたらいいのか迷っているようで、キリトとシリカはおなかを抱えて床を転げまわっていた。
どうやら、救助はもう少し先になりそうだ。
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