捻くれぼっちプレイヤー   作:異教徒

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 ようやくヒロイン回です。
 ヒロイン誰にするか悩んだ末に選んだんですけど...
 もしかしたらもう一人追加するかもしれません

 ではでは、どうぞ


第16.5話:ガールズトークsideシリカ

          キリトと八幡が話をしていた頃、別なテーブルにて

 

 

「いやー。それにしてもあれには驚いたわね。ま、まさか、あのPoHの趣味が、お、お菓子作りだなんて...ぷくくく。」

「もう!リズさんさっきから笑いすぎですよ!確かに面白いのはわかりますけど...」

「そうは言ってもさー。シリカだってジンジャエール吹いてたじゃん。あれはないと思うよ?」

「ううっ...なんであの時の私は飲み物を飲んで...」

「あーあ。こりゃあキリトからはどん引かれたんじゃない?花の女子があれはさすがに...」

 ケラケラ笑うリズベットにほほを膨らませたシリカはささやかな復讐を試みる。

「あー。そういえば、SAOでは確か龍の巣に行ってインゴットをとってきたんでしたよね?でも、あの時のインゴットって...」

「うわー!それ以上は言うなー!あれはノーカン!ノーカンだから!あくまでデータ!数字の羅列!」

「ふふっ。そういうことにしておいてあげましょう。」

 しかし、ここでリズベットは得意満面のシリカに爆弾を投下する。

「だけど、最近シリカってキリトと話す回数減ったよね?もしかして距離置かれてる?」

「ひ、ひいっ!?そ、そんなことないですよ!ただ...」

「ただ...?」

「なんか...直葉ちゃんと、キャラかぶりがするっていうか...むしろあっちは胸もあるし...」

「ああー。完全に下位互換にされちゃったと。」

「断言しなくてもいいじゃないですかー!ひどいです!」

 すると、ぷんすか怒るシリカを見ていたリズベットはふと名案をひらめいた。

「あっ。じゃあさ、たまには別な人にも目を向けてみたらどう?」

「そうやってライバル減らそうとする...」

「い、いやあ、そういうわけじゃなくてさ、ほら、八幡ってすごく暗いじゃん?それを治すのにちょうどいいかなあって...」

「まあ、確かにちょっと影がありますね。目が腐ってるし。」

「うん。ついでに性格も腐ってるらしいよ。ゆいゆい達曰く。」

「余計駄目じゃないですか...」

「まあまあ。ひとまず話してみたらイメージ変わるかもよ?」

 そう言ってシリカの背中をぐいぐい押していく。シリカは嫌がるそぶりを見せてはいるが、一応八幡には挨拶はしておきたかったので顔会わせのつもりで向かってみる。

「ねえ、八幡。ちょっといい?」

「なんだ?今ちょっと忙しいんだが。」

「うん。すぐ終わるから。ちょっとこの子を紹介しておきたくってね。」

「シリカです。これからよろしくお願いします。」

「ああ。雪ノ下に狙われてた。悪いな。雪ノ下は猫を見ると突っ込む癖があるから...」

「い、いえ。気にしてないですから大丈夫です。」

 意外と礼儀正しいようで一安心__________

「それにしても、キリトハーレムも随分とそろってるんだな。そりゃクラインもうらやましがるはずだ。」

 していたら突然手榴弾を投げられた。

「キ、キリトハーレムって何ですか!」

「クラインが言ってたぞ?アスナが正妻で浮気防止にキリトの体にGPS付けてるって。それに懲りずに妹や幼馴染系やクーデレに手を出して折檻されてるって。」

「誤解だよ!」

 あらぬ中傷にキリトが慌てて立ち上がると、その背後にアスナが能面のような笑みで立っていた。キリトの腕をがしっと掴むとそのまま外へ引っ張っていった。

「ちょ!?明日奈?やめ、誤解だって!まだだれにも手を出してないって!」

「まだ?ってことはいずれはそうするつもりだったの?」

「ちがっ!それは言葉の綾で...」

「ちょっとゆっくり話を聞かせてもらおうかな?久しぶりに、二人きりで、仲良く、内緒の話をね♬」

「だーれーかー!助けてくれー!くそっ!クラインのやつ覚えてろよ!」

「クラインなら寝てるよ。」

 果たしてその言葉が届いたのかはわからないが、キリトは悲鳴を上げて連行されていった。

「あー。その、なんだ。あれは不幸な事故。キリトの自己責任。俺たちは何も悪くない。オーケー?」

 八幡の言葉に皆神妙な顔でうなずくのだった。

 何も知らず眠りこけているクラインを除いて...

 

 

 

「それで、シリカは陽動を頼みたいんだけどいいか?」

「陽動ですか...?」

「ああ。グレーゾーンの面子を引っ張ってくる。多分シリカならいけると思うんだが...」

「でも、それって狙われたりしますよね...」

「ああ。そうだな。それなりに危険を伴う。」

 その言葉に、シリカはSAO時代の一件を思い出す。周りにちやほやされて舞い上がって、結果としてピナを失いかけた。二度は同じことを繰り返さない。けれど、ストーカーという存在はやはり恐怖の対象だ。どうしても足がすくんでしまう。

 そんなシリカを見かねてか、八幡は作戦の変更を提案する。

「いや、無理ならべつにいいんだ。最悪こっちで何とかする。」

「でも...」

 これ以上、足手まといになったら、本当にキリトに見放されるかもしれない。

 そんな思いから、彼女はある提案をする。

「じゃあ、八幡さんが私を守ってください。」

「ん?」

「私のボディーガードになってください。それなら、大丈夫です。」

「いや、いっても俺弱いぞ?」

「大丈夫ですよ。初心者なのにPKを撃退して、おまけにレアアイテムまで持ってるなら十分です。それに、最低限は自分で守れるので、そこにいるだけでいいですよ。」

「まあ、それぐらいなら、いい、のか?」

「じゃあ、よろしくお願いしますね。八幡さん!」

「お、おう。よろしく...」

 たまには活躍してキリトさんにいい所見せてやるんだ!そう思いながら、シリカは少しだけ八幡を見てみる。

 (ちょっとだけキリトさんに似てる、かも?)

 そんなことを一瞬考えてみるシリカだった。 

 

 

 

 

 

 

 

                ~ちなみにそのころキリトは~

 

 

「で?具体的に誰に何をしたか教えてもらいましょうか?」

『パパ、浮気は駄目ですよ!」

「いや、別に誰とも何ともない...」

「ダウト。心拍数と体温上がってる。」

「いや、そのアプリ使うのやめてもらえませんかね!?」

「まず、直葉ちゃんとは何かあったの?」

「なにもな『心拍数と体温、急上昇しました!』ちょっと!?まだ何も言ってな____」

「キリト君?」

「はい、すみませんでした。」

 

 

 このあと、3時間ほど説教されました。

 

 

 

 




 と、言うわけでヒロインはシリカになりました。
 完全に自分の好みで決めました。
 もしかしたら、あと一回ぐらいヒロイン回を作るかもしれないです。
 
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