赤色の魔法陣です。更新が1週間近く遅れてしまい、ごめんなさい。言い訳を言わせてもらいますと、4月の始め頃にこの話を作っていたのですが、春と言うこともあり、いろいろあって、書いていませんでした。楽しみにしていた方申し訳ありません。
謝罪はこれまで。本題です。今回は某有名ゲームなどにも出ているあの神様が出ます。
ではどうぞ。
「始まったんだよ...天岩戸の事件が」
ウィッチさんは低い声でそう言った。太陽が沈み、視界が圧倒的に悪くなった。かろうじて近くにいたスサはわかるのだが、夜と言うより、暗闇の中にいるようだった。
「ウィッチさん、
「もちろんあるよ。『ライト』のボタンを押せばいいはず」
俺は
……こう見ると普通のケータイだよな
しかし普通のケータイとは比べものにならないほどの強い光だった。俺はこの光に見覚えがあった。
「この光って...」
「浴びたことあるよね、さっき」
この光は俺とウィッチさんが占い館から
「この光はちょっと特殊でね。普通の光より強いの。だからこっちでマップを見て案内するから須佐之男命と一緒に聞いて」
「わかりました。スサ!」
俺はスサに今言われたことを説明した。スサはそれを零矢が信じるなら俺は信じると言って承諾した。
俺達は案内に従い、まずさっきの集落まで行った。その集落はいくつかの灯篭に火がついていて思ったより明るかった。しかし、そこにいた人々は家にこもっている様子だった。
「どうなってる?何が起きてるんだ?」
意味がわからないと言う様子でスサが呟く。
……そうか、スサは知らないんだ
俺は説明した。スサの姉の天照大御神がスサが原因で天岩戸に引きこもったことを。
「俺のせいで、アマ姉が...悪い零矢、先に行く‼」
「おい‼待てって」
もう声は聞こえてないのだろう。須佐之男命は近くに落ちていた枝を灯篭の火につけ、松明のようにして行ってしまった。
「追って‼後輩クン」
「はい‼」
スサを追おうとしたその時、横目に何か光っているものが映った気がした。
……何だ?
振り向くと、いくつかの光が集まっているように見えた。灯篭ではないだろう。俺は光っている方に向かって走った。
「ち、ちょっと。後輩クン?」
「すみません、ちょっと気になるものがあって」
だんだん近づくとそれは何人かの人が持っていた松明の火の光だった。その人達は誰か座り込んでる人を囲み、声を掛けていた。
「どうかしたんですか?」
俺はその一人に話しかけた。
「あなたは?まぁいいや、ここにいる天宇受売命が天岩戸の件で呼ばれ、向かう途中で転んでしまって」
……え、天宇受売命?
天宇受売命といえば天岩戸の事件の際に踊って神々を楽しませた神である。
「えっと、あなたは?」
髪が長く、顔が整った天宇受売命らしき女の人が話しかけてきた。
「えーっと...」
この状況で別の次元から来ました、なんて言ったら怪しまれるだろうし、混乱させてしまう。俺はしばらく考えた後で答えた。
「通りすがりだ」
この後、その回りにいた人や天宇受売命が、は?という顔でかたまってしまったのは言うまでもない。
いや、なんで前回暗くなったばっかなのにもう情報が伝わってるんだよ、と思った人。神様です。情報収集能力が人知を越えているんです。ご了承ください。そして最後ボケて終わってしまいましたね。この台詞わかった人いますか?
では次回予告。
──天宇受売命と共に、岩戸へ向かう零矢。そこに新たな刺客が──
お楽しみに。