もしも楽と双子の兄がニセコイ生活を始めたら。   作:孤独なバカ

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ホンシン

「いやー、楽とゆうの弁当って相変わらず健康的だな。」

と昼休憩の時間集が行ってくる。

俺たちの弁当は鮭の塩焼きとかひじきの煮物とか和食重視の弁当だった。

「作ってくれてるから言い辛いけど俺と楽ってかなり好き嫌いが分かれてるよな、俺は洋食が好きだし。」

「昔から女の子の好きなタイプも違ったよな。夕貴は明るい女の子、楽はおとなしく優しい女の子だったよな?」

「俺集に好きな女の子のタイプ言ったことないんだけどなぁ。」

と俺は苦笑してしまう。しかもあっているから。そして桐崎の方を見てしまう。今桐崎は宮本と小野寺と飯を食べている。ちょっと前まで俺と食べていたので大きな進歩がみられた。昨日の件があってから桐崎とは話しづらくなっていた。桐崎も俺を避けているのか、今日は一緒に登校していない。

「……やっぱり気になるのか兄貴。」

「まぁな、昨日から訳がわからなくてな。」

と昨日水泳で一位になっても、久しぶりに授業をまともにうけても何だか違和感があった。ずっと桐崎がいないのが少し寂しく思う。

「……やっぱりそうなのかな?」

「ほう、ゆうには心当たりが」

と集がちゃかしてくるが

「多分ある。ずっと考えていたからな」

と飯を食べおわる。水筒の水を飲もうとするとすでに空っぽだった。多分今日の体育で水をがぶ飲みしたからだろう。

「楽ごちそうさん。飲み物買いに行ってくるわ」

と俺は立ち上がる。そして自動販売機の方に歩いていく。ジュース一本くらい飲んで気分をかえよう。

でもいつからこんなに桐崎のことが気になるようになったんだ?最初は突き放したはずなのに今じゃあ自然と桐崎を見てしまう。

「ちょっと夕貴」

「ひゃい」

と桐崎に呼ばれて少しビックリしてしまった。

「……何変な声出してるのよ。」

「いや、ちょっとびっくりして。」

と少し離れる。正直急にきたからびっくりしていた。そして一瞬だけ嬉しくなる。

「んで、なんのようだ?」

「あ…あのさ…んっんー…昨日のことなんだけど。」

「あぁ、気にすんなよ、俺も気付かなかったのが悪かったし。」

「えっなんのこと」

「溺れた原因、お前準備体操せずに泳いだだろう。俺と話していたから桐崎が溺れたのは俺にも責任あるってことだよ。すまんな、気づいてやれなくて。」

「……それは私の責任よ。後助けてくれてありがとう。」

「どういたしまして。」

となんだかたわいのない話をしているのが楽しい。少しだけ浮かれているのかもしれない。

「夕貴は何が好きなの?」

「肉とラーメン。後スイートピーかな。」

「スイートピーって花の?」

「あぁ、母さんに教えてもらったんだ花言葉をその花言葉が昔から好きで今でも家に飾ってある。」

スイートピーの花言葉は優しい思い出、その一言が好きだった。

「花は基本興味ないけどな。でも何か好きなんだよ。」

「ふーん。意外ね。」

「俺でもそう思う。」

何で気に入ったのかまったくわからないけど

「んじゃ、今度お礼にラーメン奢ってあげるわ。」

「了解。あっそう言えば今日バイト早めに来てくれって言われたから家まで送れないわ。だから明日でいいか?」

「了解。じゃあね」

と桐崎が走って行った。まぁデートできると思ったら安いもんか

「んでそこに隠れている二人はなんのようだ。」

と少したった後、

「気づいていたの?」

と宮本と小野寺が出てくる。

「あぁ、多分桐崎を助けたのも伝えたのもお前らだろ。」

「うん、迷惑だった?」

「別に、それよりもなんのようだよ。ただ桐崎を心配して付いて来ただけじゃないだろ。」

「えっ違うの?」

と小野寺はびっくりしていたけど、謝るくらいなら桐崎でも普通にできることを知っているはずだ。

「えぇそうね。じゃあずっと気になっていたんだけど、本当に付き合ってないのあんた達。」

と宮本は行ってくる。人は誰もいないから別に気にすることじゃないか。

「付き合ってないけど。」

「そう、なら」

「でも俺は桐崎のことが好きだよ。」

と小野寺が驚き過ぎて凍っている。

「……」

と宮本も同じように驚いていた。

「なんだよ。宮本はわかってたんじゃねーのか。」

「いや、そこまでキッパリ言われると思わなかったから。」

「別に俺は気にしないけどな。気にしたらこの気持ちが偽物だと思ってしまいそうだからな。特に偽の恋人なんかやってるとな。」

すると二人が俺の方を見る。

「俺はこの関係を終わらせたい。んで新しくやり直したいんだ。偽物じゃなく本物の関係にな。まぁ桐崎には内緒にしといてくれ。小野寺は顔にでやすいから心配だけど。」

「だ、大丈夫だよ。」

と言っているけど、ほとんどクラス中に楽のことが好きってバレている人には信用0だけどな。

キーンコーンカーンコーン

と予鈴がなる、もうそんな時間だったのか。

「さて戻るか」

「そうね。でもあんた飲み物買いに行ったんじゃないの。」

「……あっ」

と俺は今さら教室から出て行った理由を思い出した。

結局喉がカラカラな状態で次の授業を受けることになった。


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