もしも楽と双子の兄がニセコイ生活を始めたら。   作:孤独なバカ

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今日は千棘の誕生日ですね!
千棘誕生日おめでとう!
間に合って良かった。


イツモノ

「夕貴。次の土曜日遊園地いかない?」

「次の土曜日か。べつにいいぞ。」

とオレと千棘が話していると

「ゆう兄、今週の土曜日映画いかない?」

れいが話しかけてくる。

「悪い、先約入ってる。」

「あー千棘ちゃんか。」

「そうだけど。」

「うーん。じゃあ日曜日は?」

「別に空いてるけど。」

「なら映画行こう。あの○物語見に行こうよ。」

「それって面白いの?」

すると杏が不思議そうに見てくる。

「面白いよ。戦闘シーンとか多いし。でも原作見ないと難しいよ。」

いつも俺の席はいつもの3人に囲まれる。でも一人一人がレベルが高いのでどうやっても男子から睨まれる。

「ゆう相変わらずうらやましいですなぁ。」

「……」

集の言葉に否定できない。

「楽様ー」

「だから離れろ橘。」

「貴様一条楽から離れろ。」

「………」

「ちょっとるりちゃん押さないで。」

「いつの間にこんなに騒がしくなったんだ?」

おれはため息をつく。

「なんか当たり前になったけどそういえばゆうって休み時間は寝てばっかりだったよね。」

「うん。千棘ちゃんがきてからは明るくなったよね。」

「悪かったな暗くて。」

「そうなんですか?」

「そうなのですか?」

つぐみと万里花が不思議そうにしてる。

「あっ。つぐみと万里花は知らなかったわね。夕貴は最初の頃あまり近づけないような雰囲気だったのよ。」

「まぁ兄貴は俺ん家のことを嫌ってるからな。オレと親父以外家では必要最低限しか話してないからな。」

「まぁ、実際のところヤクザっていうのは嫌いなんだよ。街を守るっていってもやってもいいことダメなことの違いははっきりしたほうがいい。」

正直オレのヤクザ嫌いは父さんも楽も理解している。だから俺に本当に大事なこと以外俺は家のことには無反応だった。

「あんた本当に大丈夫?」

「あぁ。どうせあと2〜3年だ。それからは家からでるつもりだから。」

「凡矢理からも?」

「そうだな。今一番有力なのはアメリカかな。」

「「「アメリカ!!!」」」

「ちょっとコネがあってな。昔から株やっててあっちにはオレの名は有名だからな。」

「本当何者なんですか?」

「誠士郎ちゃんゆうはちょっと常識がずれてるから。」

つぐみがあきれたようにしている。

「まぁしばらくの間は株でなんとかなるしなんとかなるだろ。」

「そっか。」

杏は少し寂しそうにしてる。

「じゃあ私もアメリカ行こうかな。」

「お前はちょっとは自重しろ。」

れいの頭を軽く叩く。

「じゃあ、千棘ちゃんはどうするの?」

「わたし?うーん将来のことなんて考えたことないからなぁ。」

「そうじゃなくて夕貴くんと離れることになっちゃうよ。」

「小咲、千棘ちゃんはもともとアメリカから出身でしょう。」

「あっ、そうだったね。」

「まだ決まったわけじゃないだろ。」

俺はため息をつく。

「俺も未定だけど凡矢理からは離れるだろうな。この街は楽しいことも嫌なことが多かったから。」

「そっか。」

「そんなことより夏休みどっかいかないか?最近全員でどっか行くことなんてないだろう。」

「おっいいね。海にでも行く?」

「どうせ集は水着が見たいだけだろ。」

「どうせあんたは水着がみたいだけでしょ。」

「あっバレた?」

いつもどおりの雰囲気に戻る俺たち。2年後なんて分からないけどせめて一人もかけず卒業できますように。

 

「おーい。千棘おいてくぞ。」

「ちょっと待ってよ夕貴。」

急いで走ってくる千棘。基本つぐみや小野寺などと約束している時以外はオレと帰ることが多い。まぁ放課後デートすることが多いからだけど。

「そういえば、今日はどうする?」

「うーん。少し歩かない?」

「別にいいぞ。」

俺は自転車から降り押して帰ることにする。いつの間にか普通になった日常。

この日常はいつか思い出に変わるものだろう。

「そういえば千棘は将来の夢ってないのか?」

「うん。考えたことはないわね。」

「ふーん。まぁなんでもできそうなきがするけどなぁ。」

「そういうあんたこそなんでもできそうなきがするけど。」

「そうか?」

よくいわれるけどそうみえるのかな?

「でも将来のことなんて考えたこともなかったなー。万里花とつぐみ、れいちゃんは相変わらずだったけど。」

「万里花はともかくつぐみとれいは少しは考えてほしいんだけどな。真剣に言っているから笑えないし。」

意外にも千棘と万里花は案外仲がいい。どうやら言いたいことをいいあえるので喧嘩も多いのだがよく話していた。

「うーん。わたしの将来かぁ?」

千棘はこっちをみると

「………///」

急に顔を真っ赤にしてた。

「なんだよ。急に顔を真っ赤にさせて。」

「ふぇ。」

すると急にあわてはじめる。

「べ、べつになんでもないわよ。」

「なんだよ気になるだろ。別に笑わないし。」

「なんでもないってば。」

「顔をそんなに真っ赤にされてもなぁ」

「うっ」

すると顔をそむけて

「本当に笑わない?」

「俺そんなに信用ねぇのか?」

「ち、違うわよ。ただ、」

すると顔をそむせて

「あ、あんたのお嫁さんになれたらいいなぁなんて。」

恥ずかしそうに小声でそういった。

「えっ?」

オレのお嫁さんになりたい?千棘から言われたことを理解するのに時間がかかった。

「えっと、ダメかな?」

「ダメじゃないけどちょっと恥ずかしいというか。」

「私の方が恥ずかしいわよ!!」

それもそうだな。

「えっと、その。」

オレは千棘の返答に少し戸惑う。本心から言ってくれたことは千棘の方を見ていると分かった。だから

「オレもずっと千棘の隣にいたいな。」

本当の気持ちでそう返した。

「本当?」

「本当だよ」

オレは苦笑してしまう。

すると腕に抱きついてくる。

「ねぇ。これからラーメン食べに行かない?」

「いいけど自転車持ってくる時から抱きついてくるな。あぶねぇから。」

「けち。」

と言いながら離れることはなかった。離れる気はないのだろう。

「ねぇ、夕貴」

「なんだよ?」

「何でもないわよ。」

うれしそうな千棘。

まぁこんな日常はいいか。

彼女がいて友達がいて家族がいる。

「夕貴早く行こう。」

「あぁ。」

この街も少しいいと思うオレは単純なのかもしれない。


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