もしも楽と双子の兄がニセコイ生活を始めたら。   作:孤独なバカ

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ヤクソク

10年前夢が敗れた女の子が泣いていた。

目の前には僕の弟と友達の女の子が結婚の約束をしていた。

……ゴメン。○○ちゃん楽が

……大丈夫。もう会うことないから。

でも俺はこのいじけている女の子がずっと好きだった。明るくて、泣き虫で、そして優しい女の子が

「○○行くよ」

「うん。じゃあねゆうくん」

と女の子の名前が呼ばれていた。

「待って!!」

と僕は女の子の手を握る。でもその手は届かない。だから大声で叫ぶ。最近アニメで見たセリフだけど再開を願う時に言う言葉

「またね。○○ちゃん」

するとその人が少し笑っていたように感じた。

 

「おい兄貴起きろ!!」

「……後一日」

「学校休んで寝る気かよ!!」

と弟の声がする。仕方なく起きる。

「おはよう楽」

「はぁ…飯できているからさっさと食べろよ。」

と制服を着て学校にいく楽。そして俺も起き制服に着替え

える。

俺の名前は一条夕貴。この春から高校に通うどこでもいる高校生だ。ただ一点をのぞいては

「おはよう皆」

「「「おはようこぜぇます!!坊っちゃん」」」

と厳つい男たちがたくさんいる。

そう俺の家はヤクザだ。

「とりあえず飯」

と楽の飯はおいしい。まぁだからいくらでも食べられる訳なんだけど。和食ばっかりなんだよなぁ……そして食べ終わる。

「ご馳走さまでした。」

「あいかわらずのんびりしているな。」

「あっ、父さんおはよう。」

と俺はとりあえず挨拶する。

「おはよう夕貴。そうだ、近いうちてめーに大事な話があっから覚えときな。」

「……?」

「それにお前時間は大丈夫なのか?」

「大丈夫。俺は自転車登校だから。」

と俺はのんびり立ち上がりあくびする。

「んじゃいってきます!!」

と自転車をこぎ始める。

そして今日見た夢を思い出した。

あれから10年か。あの女の子は元気かな?

と何度も見続けた夢を思い出す。

あれから俺はずっと楽と暮らしてた訳だか楽も結婚した約束の女の子が気になっているらしい。

「ザクシャ イン ラブか」

とずっと気になっていることばを言う。

もしも、あの時の少女に言えなかったこと

好きです。

って言えたら俺は何か変われたのかな?

「げ」

と言う声が聞こえた後に隣から衝撃をくらう。自転車から落ちて数メートル飛ばされた。

「いたた」

と見ると金髪の女の子が俺の上にのっている。

「お前、大丈夫か?」

「えっ、あっ、うん大丈夫だけど。」

でもとんできた方を見ると2メートルはある壁があるのだけど。

「あっ、ゴメン急いでたから」

と金髪の女の子は立ち上がる

「……別にいいよ。なんなら後ろ乗るか。」

と自転車を立ち上げるとパンクもなし、そして故障もしてなかった。

「えっ?」

「急いでたんだろ。乗れよ。うちの制服だから目的地は多分同じだからな。」

と自転車にまたがる。焦っても仕方ないし。

「じゃあうん。お言葉に甘えて。」

「んじゃいくぞ」

と自転車をこぎ始める。皆からの視線が痛いけど気にしない。そして本当に1分くらいでつく。

「んじゃ着いたぞ。んじゃ俺は自転車置き場でこれ置いてくるから。」

「うん、ありがとー!!」

と走って校舎の中に入っていく。

何か面白い女の子だったな。

「……名前聞いておけばよかった」

と俺は苦笑してしまった。

 

俺は教室に入るといつものメンバーがそろっていた。

「オースゆう珍しいな。遅刻ギリギリじゃないなんて」

と俺の友達であり幼馴染みの集が言う。

「まぁちょっと面白いことがあって」

「面白いこと?」

と俺と楽に話かけてくる少ない女子代表の小野寺が話かけてきた。

「何か失礼なこと考えてないか?」

「楽うるさい」

「ひどいな」

「まぁ金髪の女の子が2メートル以上ある壁から跳び蹴りしてきてそして一緒に登校した」

「「「はい?」」」

と皆が首をかしげた。

「だから金髪の女の子が2メートル以上ある壁から跳び蹴りしてきて、一緒に登校したんだよ。」

「……突っ込みどころが多すぎなんだがそれ嘘だろ」

「嘘じゃねぇよ。」

とため息をつく。

「ってか冗談が嫌いって知ってるだろ。」

「そうだけどさぁ。」

「さすがに信じたくないよね。」

「ってか兄貴何でその後一緒に登校してきたんだよ。」

「急いでいたから。チャリで後ろに乗っけてあげただけだよ。」

「……お人好しすぎるだろ!」

そうか?楽だって同じことしそうだけど。

「ほら席につけ、HR始めるぞ。」

と担任の先生がくる。でも眠いなとうつぶせになると

「おい一条兄寝るな」

するとクラス中から笑い声が聞こえる。

「だって眠いし?」

「まったくお前は……でも今日は転校生がくるから起きておけ。」

「ふぁ~い」

「あくびと返事を混ぜるな。」

するとまたクラス中から笑い声が起こる。

「じゃあ入って桐崎さん」

「はい」

とするとざわっとクラスの雰囲気がかわる。

「初めまして!桐崎千棘です。母が日本人で父がアメリカ人のハーフですが日本語はこの通りバッチリなのでみなさん気さくに接してくださいね。」

とどこかで聞いたことがある声だけど。気にせずに眠ろうとすると

「おい一条兄寝るな!」

「……眠いんだよ。」

と前を見ると、今日一緒に登校してきた女の子が立っていた。

「「あーーーーーー!!」」

と俺は立ち上がってしまう。

「あなたさっきの」

「あぁ、間に合ったか?」

「うん、お陰さまで。」

「兄貴知ってるのか?」

「あぁ、今日遅刻すれすれだったらしく送っていった女の子だよ。えっと、桐崎だっけ。」

「うん。でも自転車は?」

「いや、壊れてないから平気。」

「もしかしてさっき言ってた暴力女か?」

楽が失礼なことを言った。するとクラスが固まる。

「おいバカそれ俺が暴力女って言ったみたいになってるじゃあねぇか!!」

「だって金髪の女の子が2メートル以上ある壁から跳び蹴りしてきたって言っただろ!」

「俺一言も暴力女って言ってないだろうが!!」

「あの、そういえば誰?」

あっ悪い

「ゴメンあのバカな弟で、俺は一条夕貴そこにいるバカの双子の兄だ。だから夕貴か一条兄っていえば基本は俺だ。これから1年よろしくな」

「うん、よろしく」

「後俺に余り関わらない方がいいぞ。」

と小さい声で忠告する。するとえっと言っていたが寝るモードに入る。

「そうか?転校生とお前って知り合いだったのか!」

……何か落ちが読めた。

 

あの後席が隣になり桐崎が話してきたが。寝ている振りをして誤魔化しながら放課後に入る。楽は飼育係なので遅れるらしい。

そして自転車置き場に行くと

「……」

桐崎が座っていた。俺はその前を通ろうとすると

「……ねぇ、どういうこと?」

と服を掴まれる。

「……何のこと?」

「関わらないない方がいいって」

「あぁ、……お前って集英組って知ってるか?」

「……まだ引っ越したばっかりだから知らないけど」

「……ここを守っているヤクザなんだよ。アメリカ風にいえばギャング。」

すると桐崎の笑顔が固まる。

「そこの長男なんだよ。俺はだから皆からは怯えられるんだ。友達作るのも俺と一緒だと大変だろうしな。お前も学校生活は楽しみたいだろうし、」

「……それって本当なの?」

「残念だけど本当だよ。俺は昔からそのせいでほとんど友達が作れなかったからな。んじゃ俺に近づかない方がいいぞ。お前可愛いんだからすぐに友達もできるだろ。」

「ちょっとあんた何言ってるのよ。」

「んじゃな。」

と俺は桐崎の前を通り自転車をこぎだす。それいこう桐崎は俺に話かけてこなかった。数日後のある事件が起こるまでは。


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