もしも楽と双子の兄がニセコイ生活を始めたら。 作:孤独なバカ
正直ここまで伸びると思ってなかったので一人でびっくりしてました。
これからもよろしくお願いします!
買い物をし終えていつもは自転車で送る道を上がる。
「えっとここが桐崎さんの家なの?」
「まぁ、そうなんだけど。」
「大きくない?」
とオレは目線をそらす。
「もしかして千棘ちゃんってお嬢様なの?」
「まぁ、そういうところっていうか。俺の同類なんだよ。あいつアメリカ番ヤクザの一人娘。」
「……えっ。嘘。」
と村杉は固まっている。
「ガチだよ。でもオレだってヤクザの長男なんだけど。」
「違うよ!私大した物持ってきてないのに」
あっそこなの?
「大丈夫だよ。私だって大した物じゃないし。」
「ってかオレもそこまで高いものじゃないし大丈夫じゃないか?」
「おっゆうじゃん。お前も呼ばれたのか?」
と集が来る。
「一応彼氏だぞ。呼ばれないわけがないだろ。」
と苦笑する。
「それよりも集が呼ばれてるのがびっくりだわ。」
つぐみにきらわれていたのに
「俺呼ばれてないけど。」
「ゴメン!完全に忘れてた。誘おうとは思っていたんだけど、」
楽が誘うと思ってたからな。
「まぁ、れいちゃんから聞いただけだけどね。」
「れいよく覚えてたな~」
と感心してしまう。そしてそこから三十分ぐらいでみんなが集まる。ただ
「おっきいね~!」
「本当千棘ちゃんの親って何をやっている人なんだろー」
「楽ちゃんと伝えとけって俺言ったよな。」
とため息をつく。
「とりあえず、千棘の家はアメリカのヤクザのドンだと考えておけばいいさ。つまりギャングの家の跡取り娘ってことだよ。」
「へぇ~やっぱり千棘ちゃんすっごいお嬢様なんだー」
と小野寺が言う。まぁそういうことでいいか
そして奥から千棘がやってくる。
「あ千棘ちゃん今日はお誕生日おめでとう!」
「な、な」
珍しく千棘が驚いている。
「ってなんで夕貴までいるの?今日は」
「バカか。彼女の誕生日をすっぽかしてまでバイトする彼氏がいるか。もともとクロードから誕生日は聞いてあったからな。どうしても驚かせたいって言っていたから協力しただけ。」
と苦笑する。
「とりあえず千棘誕生日おめでとうさん」
「ちょっと夕貴私、」
「大丈夫だよ。全部説明してある。お前の心配してたこともな。でも俺に付き合っているメンバーだぞ。ヤクザの子どもの俺の友達なのに驚く方がおかしいだろう。」
と苦笑する。
「だから気にしなくて大丈夫だよ。つぐみ案内よろしく。」
「あぁわかった。」
と俺たちはパーティー会場に向かっていった。
「「「ハッピーバースデーお嬢~!!」」」
とギャングの野太い声が聞こえる。クラッカーの音が鳴り響いた。
「ねぇ~ゆう兄もうごはん食べてもいい?」
「お前本当に変わってないな。ほら行ってこい。」
と送りだす。まったくあいつはこどもぽいな。
「そういえば、夕貴君は桐崎さんの家には?」
「送っていく程度だ。入ったこともなかったな。オレの家にはきたことあるけど」
「じゃあ夕貴君の部屋行ったことがあるの?」
と村杉はわくわくしているけど
「入ったことあるけどキタネーぞ。本ばっかりだし。」
「じゃあ片付けてあげ」
「絶対やめろ。」
と絶対やらせない。男子には見られたくないものもあるのだ。
「おや、一条夕貴お坊ちゃんじゃないですか?」
と後ろを向くとクロードがいた。
「ひさしぶりだな。クロードさん。」
「あぁ…ところでそちらの女性は?」
「村杉さんって言って千棘の友達」
「は、はじめまして!」
「そんなに怖い人じゃないから大丈夫だよ。」
「あっ……そうなの?」
「あの……夕貴お坊ちゃん、そちらの女性とは?」
「オレからしたら友達だよ」
すると言葉の意味に気づいたらしい。
「もしかして愛人ってことですか?」
「今は違う!」
「まぁそうでしょうね!お嬢のこと泣かせたりしたら殺すどころじゃすみませんよ」
「わかってるさ。」
とクロードは千棘のところに歩いていく
「……今はって私も将来、愛人にしてくれるの?」
「さあな~」
とオレはごまかした。
「ほら最後は坊ちゃんだぞ。」
「あぁわかっているさ。」
とオレは花束をだした。
「お誕生日おめでとう!千棘。」
すると周りが盛り上がる。
「やるじゃないか坊主。」
とどうやら良かったらしく背中を叩かれる。
オレが選んだのはカランコエという花だ。
ピンク色の花はなぜかオレが目をとめた。
「らしくないけど受け取ってもられると嬉しい。」
「ううん…嬉しい。」
と俺に近づいてくる。
「ありがと。いつも一緒にいてくれて。それとこれからもよろしくね。」
「おう」
すると周りから口笛やヒューとからかう声が聞こえると少しだけ照れる千棘。
「後これ」
と俺は一つ箱を渡す。
「えっ…開けてみてもいい?」
俺は頷く。千棘が開けると
「うわー」とガラス細工で作られたネックレスをい手にとる千棘
「これもいいの?」
「あぁ…安物だけど似合うかなって思って」
「つけてみてもいい?」
「もちろん!」
と千棘は首にかけるとガラス細工を見る。
「千棘ちゃん似合ってるよ。」
「えへへ、そうかな~。」
と小野寺が誉めていた。
どうやらプレゼントは成功に終わったらしい。
あれからパーティーは順調に進んでいた。
食事を食べたり友達と話したり、色々みんなが慌てている。その中でオレはトイレの為、少し席を外していた。千棘もみんなと楽しそうに話している。
少しちょっと寂しいけどな。
「おっ兄貴なんでこんなところにいるんだ。」
と楽が歩いてきた。
「ちょっとトイレに行ってきただけ。」
とオレはあることに気づいた。
「あれ、楽そのペンダントなんで何か変じゃないか?」
「あ、あぁちょっと色々あって壊れてしまったんだよ。」
「おまえなぁそれ大事なものだろ。もっと大事にしろや。」
「返す言葉もねぇよ。」
まったくお前にとったら大切な思い出なんだから。
「おや、ひさしぶりだね夕貴君、楽君。」
すると、千棘の父さんがやってくる。
「お久しぶりです。」
「誕生日を祝いに来てくれたのかい?どうもありがとう。」
と笑う。
「いやー本当に恋人同士になったんだって。千棘から聞いたよ。」
「まぁ色々ありまして」
「まぁ夕貴君なら任せられるよ。千棘は本当に日本に来てから楽しそうだから。」
元々ギャングのせいだからなぁ~
「まぁクロードとかのせいだと思いますよ。過保護もよくないので。」
「そうだね。それに子どものときも、夕貴君は千棘のことが好きだったからね」
「……はい?」
オレは固まってしまった。
「ちょっとどういうこと何ですか?」
「ハハ…やっぱり覚えてないだろうねぇ。」
「もしかして兄貴あの後にまたねって旅行先で言った女の子がいたか?」
「なっ」
とオレは少し固まっていた。
「ってことは千棘が……」
オレの初恋の相手だったのか?
「まぁ、千棘は気づいてなかったけどね。でもずっと再会したいと思っていたよ。」
「………?」
「でもね。あの子まで一緒にいるとは思わなかったよ。」
「あの子?」
と懐かしそうにしながら言う。
「それってオレのことですか。」
「いや違うよ。覚えてなかったのかい?同時はの君たちはよく4人で遊んでいたんだけど、ほら今日君と一緒にいたあの子だよ。」
楽と一緒にいた?それって
すると
ゆう君遊びにきたよ。
ゆう君らっくんどこにおると?
わたしらく君のことが好きなんだ。
ゆう、遊ぼー
4人の女の子が思い出した。そして
「アハハマジか。そういうことだったのか。」
笑いがこみあげてくる。
「ちょっと兄貴」
「なんで忘れてたんだろ。あんなに楽しかったのに。」
そうだ。思い出した!
「夕貴君は思い出したのかい?」
オレは頷く。そうだ、思い出した。
十年前のことも、楽の約束の相手も
「んじゃ。ぼくはもう行くよ。」
と千棘の父さんは去っていく。ただ呆然とオレと楽は見送るしかなかった。