乗り鉄探偵南 達仁短編俊作集  高原列車殺人事件   作:新庄雄太郎

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くろしお 振り子電車の別名を持つ381系の電車。カーブでも速度を落とさずに曲がれるように、車両の重心をレール方向に引き付ける構造をもつ。天王寺から白浜や紀伊勝浦を走る特急である


振り子電車殺人事件

南紀白浜は、東の熱海や、九州の別府と共に、日本を代表する温泉地である。

温泉のほかに、海水浴場や、ゴルフコース等もあり、四季を通じて、観光客が絶えない

今日、達仁は、穂乃果とことりとにこと花陽を誘い、白浜へやって来た。

実は、にこが商店街の福引で1等を引き当て、南紀白浜の旅行を引き当てたのだ。

東京から0系新幹線に乗り、新大阪に止まりそして天王寺から紀勢本線に乗ります。

天王寺から紀勢本線経由のL特急くろしお、またこの列車を振り子電車と呼ばれ、にこのお気に入りの特急列車です。

「みんな、感謝してよ、この黄金の右腕に。」

「へぇー、本当に天才なんだねにこは、福引にかけちゃ。」

「本当は男子禁制なのに、達仁君は乗り鉄オタクなんだから。」

「にこちゃん、この振り子電車好きなの。」

「うん、大好き、前に希と乗ったのよ。」

「へぇーっ、希とね。」

でも、私はこの電車は私は大好き、まるでジェットコースターに乗っているみたいで爽快な気分です

とこるが、その振り子電車が、恐ろしい殺人事件の舞台になるなんて、この時達仁達は思ってもいませんでした

 

「あらっ、あなた達も白浜へ行くんですか。」

「そうですよ、であなた達は。」

「私、戸山香澄よろしくね達仁君。」

「あっ、よろしくね香澄ちゃん。」

「同じく香澄ちゃんの友達の牛込りみです。」

「よっ、よろしくお願いします。」

「ちょっと、誰なのよ、香澄とりみって。」

にこは、達仁に怒った。

「にこちゃん、そう怒るなよ、旅は道連れルものさ、」

「そうね、」

381系くろしお 車内(普通車)

達仁は、穂乃果とことりと花陽とトランプでババ抜きをしていた。

にこは、香澄とりみと白浜の観光ガイドを見ていた。

まもなく、白浜駅に着いたくろしお、達仁達は白浜海岸へ行くためここで下車

今日は、海水浴開き、海に入ったり、ビーチボールもしました。

その時、くろしおに乗っていた、中年の男が苦しそうにしていた。

「うっ、ううううがーっ。」

「大丈夫ですか、しっかりしてください。」

「くっくく、下りの、下りのグリーン車の男に、」

「下りが、どうしたんですか?え?」

男は、その場て倒れた。

まもなく、和歌山県警のパトカーが到着した。

「被害者は、北岡物産の営業部係長、野沢啓介さん46歳か。」

「殺人ですかね。」

「よしっ、周辺の聞き込みをしてくれ、後不審者はいなかったかのも頼む。」

「了解」

「渡辺警部、害者はこのカプセルを飲んでいたそうです、調べた結果、水銀系の農薬だと判明しました。」

「そうか、発見者は。」

「こちらです。」

「どうも、和歌山県警捜査一課の渡辺です。」

「白浜署の室沢です、あなたは、」

「私は、南 達仁です。」

「南、あっ、あの高校生探偵の。」

「死因は、毒物死ですか。」

「ええっ、その可能性もあります。」

「警部さん、ボストンバックの中にこんな物が。」

「これは、旅行雑誌に時刻表、これだけかな。」

 

「達仁、大変なことになったね。」

「ああっ、犯人は下りのグリーン車に男が乗っていたと。」

「俺たちは、白浜で降りたから、くろしお8号だから、白浜着は12時04分だ。」

「その犯人は、くろしお7号で引き返すことができるんじゃない。」

「そうか、上り列車を使ったんだ、犯人は会社の内部にいるんだ、きっと次の日に現れるんだ。」

「そうだ、達仁君、私ね犯人を見たような気がする。」

「えっ、香澄ちゃんそれ本当、どこで、」

「うん、私がお手洗いに行ったときに、すれ違ったの。」

達仁は、渡辺警部に連絡し、達仁と香澄の証言で犯人が割れた。

白浜海岸に来ると、犯人らしきに会うことに。

「あなたが、犯人だったな、くろしお8号から7号に引き換え乗車をしたってことだ。」

「誰だ、お前は。」

「南 達仁、探偵さ。」

「探偵。」

「社長の指示で奴を殺せと命じた、その列車トリックを見破るなんて。」

犯人の名前は、牧村誠二 北岡物産の社員で、裏金汚職によって野沢さんを毒殺したと自供した。

達仁とにこと香澄にとって、スリルなサスペンスの旅行だった。

三日後、収賄と殺人教唆で関社長が逮捕された、その後、北岡物産は東京地検特捜部に強制捜査された。野沢啓介の急死についても追及され、新聞は書き立てた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




万事万々歳かと思いきや、にこと穂乃果は白浜の次は紀州名物も食べたいと紀州田辺へ行った。くろしおと言えば白浜と紀州田辺の旅、やれやれ。
「うーん、おいしい。」
「本当ね。」
「ああっ、海はいいな。」


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