移しました
「○○!!」
そんな俺の叫びを前に、轢かれる○○
「そんな…」
昨日も、今日も、明日も。
ずっと普通の毎日が続くと思っていた。
なのにーー何で。
何で死んだんだよ、○○
■
「ねぇ、聞いた?この前の話」
「えぇ、聞いたわよ、何でも運転手が居ないトラックに轢かれたとか」
「最近妙にそんな話を聞くわねぇ」
「警察が犯罪組織がなにかやってるんじゃないかって、調査してるらしいわよ」
「そりゃ一ヶ月で1000人も誰も乗っていないトラックに轢かれたんだからねぇ」
ヒソヒソと、近所の人達がこの前の事故を話している。
最近妙に事故が多くなっている。
しかもその大半がトラックによる事故。
更には運転手も誰も居ないときた。
こんな話を聞くと、あいつが話していたアニメを思い出す。
そうだ、あの時もあいつと事故の話をしていて「もしかしたら引かれれば転生できるんじゃないか」
って、バカみたいな話をして……
…あいつは俺の、唯一無二の親友だった。
なのになぜ。
そんな暗い事を考えていたからだろうか。
何故かあったバナナの皮を踏み、転んでしまう。
追い討ちをかける様に、赤子が乗っていないベビーカーに轢かれる。
そして、トラック・・・・に轢かれる。
『そんなに彼に会いたいのなら、会わせてあげよう』
最後にそんな声が聞こえたーー気がする。
■
「………何処だここ」
一人、なにもない空間で呟く。
俺の記憶が正しければ俺は死んだはず。
というか、ここまで白い空間、見たことがない。
いや、まて。
これは、まさか。
「最近の若者は察しがよいのう」
そんな声に、過剰に反応し、振り向く。
「…ダン〇ルドア先生?」
「なんじゃ、お主もあやつと同じ反応をするんじゃな」
そこに居たのは、どこぞの魔法学校の校長のような姿をした、老人だった。
「さて、本題から入らせてもらおう、お主には「転生か?」…ホントに察しが良いな、お主」
「うーむ、これは予想外」
と、虚空から、赤い服を着た男が現れる。
もう、驚かない。
こんなに現実実が無いことが起きてるんだ、多少のことでは驚かん。
「さて、なにから話そうかーー」
赤い服を着た男が、急に語り始めたーー
ーー全ての話を聞いたとき、気ずいたらゼロと名乗った男の胸ぐらを掴んでいた。
「てメぇ!!ふざけんなよ!何でそんな理由で!」
「これこれ、落ち着かんか」
ダン〇ルドア擬きがなにか言ってくるが、無視する。
「まー君の言葉こそ最もだと思うんだけど、あのジジイ共が」
「そもそもお前が原因だろうが!」
「いや、確かにそうだけども」
大声で怒鳴り散らすも、まだ怒りは収まらない。
なんで、そんな理由で、あいつが殺されなきゃいけない。
「てメぇの尻は自分でふけ!それが大人だろうが!」
「うーむ、見事なまでの正論」
ハァハァと、息をきらす。
あれだけ怒鳴り散らしたんだ、息がきれるのも当たり前か。
「して、どうするんじゃ?転生するのか?しないのか?」
「するに決まってんだろ!」
「ふむ、では、始めるぞーー」
急に視界がぼやけ始め、俺の意識が消えていくーー
ーー待ってろよ、氷霧。
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