東方氷災録   作:魔神王

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閑章
閑話『喚ばれし者』


「おお!勇者たちよ!よくぞ我が呼び声に答えてくれた!」

 

その声に、玉座の間にいるあの学校の生徒たちが騒ぎだす。

彼等は一様に「ここはどごだ」「学校は?」「勇者召喚?」「うほっいい男♂」

等々言い散らす。

混乱しているのがよくわかる。

が、この中で一番混乱しているのは、一人の異物(イレギュラー)だった。

 

(アイエエエエエ?!勇者召喚?!勇者召喚ナンデエエエ?!)

 

ーー彼の名は『材木屋 俊典(ざいもくや としのり)』この世界に居る、数少ない転生者だ。

そして彼は、『東方project』を知っている。

知っているからこそ、転生したのだ。

そして彼を混乱させるもうひとつの要因がーー

 

「ね、ねぇ蓮子、これって…」

 

「ふふ、そうねメリー…」

 

「「異世界キター!」」

 

 

ーー宇佐見蓮子、そしてマエリベリー・ハーンの存在だ。

 

 

(こんな展開原作にナカッタヨネェェェ?!)

 

そう、こんな展開は原作の『東方project』にはないのだ。

そもそも異世界ものなので異世界から異世界へ行く等訳がわからない。

 

「ここでは落ち着かないだろうし、食堂の方へ移動しましょうか」

 

そんな彼の混乱を他所に、大臣らしき人物が、案内を始めた。

 

 

 

 

場面は変わり、食堂へ移る。

といっても学園とかにあるようなものではなく、ながーい机がある、ながーい部屋だ。

室内には松明等がなく、変わりに怪しい…具体的には混乱に陥りそうな光を放つランタンがある。

そして机の上には日本料理らしき物から西洋料理等々。

雑食にも程があるだろうと言いたくなるレパートリーだ。

 

「本題から入ろうか…」

 

国王らしき、なんか髭が生えたおっさんが話す。

 

「この国は今、化け物たちに襲われている!」

 

「「「……は?」」」

 

 

 

ーー国王が話した内容はこうだ。

 

この国は今、悪魔に襲われている。

その悪魔の名は不明。

目的も不明。

が、数多の悪魔、魔物を率いて攻めてきている。

幾つかの大国が滅び、人類滅亡の危機に。

せや、勇者召喚しよう←今ここ。

 

という訳だ。

聞けば聞くほど「ふざけるな」と言いたくなる内容だ。

が、しかし

 

「魔王討伐とか、燃えるじゃねぇか!」

 

「ああ、男のロマンだ!」

 

「異世界転移に魔王討伐とか、燃えるわね!!」

 

等々。

殺る気満々である。

因みに上から。

モブA。

モブB。

宇佐見蓮子。

である。

 

「なにいってんだこいつら…」

 

逆に萎える材木屋。

こんな内容で燃えるとか、頭可笑しいんじゃないか。

若干酷いことをぶつぶつ言う。

まぁ、こんなこと言われて燃える奴が可笑しいだろうが。

 

(まぁ、いざとなれば能力使うか……)

 

等と考える材木屋 俊典であったとさ。


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