東方氷災録   作:魔神王

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久し振りの投稿

今回のあらすじ:
主人公チート回


第十二話『死』

時間停止。

 

それは、能力バトル物の作品によくでる、チート能力である。

どこぞの吸血鬼の様に数秒しか停められなかったり。

あるいは、幾らでも止められたりする。

 

チートといえばこれ、と言われる位には有名なやつである。

 

実際、この東方projectにも時止める奴がいるくらいには。

 

そして、何が言いたいのかというとーー時間を止めたということである。

俺の『氷を司り 氷らせる程度の能力』で。

 

無論デメリットはある。

バカみたいな霊力を使うため、数秒しか止められないのだ。

あと、霊力の使用量が多いため、これを使ったあとは能力も、霊術も使えなくなる。

関係ないが、世界が灰色になったりする。

と、中々に使いにくい。

 

が、これしかないのだ。

いや、あいつの速度と身体能力、無限妖力(仮)を考えればこれくらいしか打つ手がないのだ。

 

さて、じゃあ始めますか。

 

 

一気に妖王まで近づき、殴る。

 

殴る。

殴る殴る殴る殴る殴る!

 

拳打、裏拳、膝蹴り、肘打ち、蹴り上げて踵落とし。

回り蹴りにダブルハンマースレッジ。

 

更に殴る殴る殴る!!

 

結果、傷やらアザやら腫れやら、原形がわからなくなった。

けど殴る。

 

殴るのを一回やめ、離れる。

そして氷らせ、霊力の玉をぶつけ、完全に粉々にする。

 

と、同時に灰色だった世界が色を取り戻す。

時間停止が切れたのだ。

更に膝をつく。

 

これだ。

 

先程言ったとおり、時間停止は霊力をバカみたいな量使うため、足っていられなくなるのである。

急激な脱力感に襲われ、立つこともままならない。

 

まぁ、後で諏訪子達がここにくるだろうから、大丈夫だとは思うが。

 

ドスン、となにかが落ちる音が聞こえた。

 

嫌な予感がしながらも、見る。

 

そこにはーー無傷の妖王がいた。

 

「な…ぜ…」

 

あり得ない。

 

姿態を完全に破壊したはず。

蘇る能力はカズキが持っているから、蘇ったのもあり得ない。

 

なぜ?

 

ありえない。

そんな思考で埋め尽くされる。

 

「貴様は邪魔だ、死ね」

 

あ、これ死んだーー

 

ーー死んでもらったら、困るんダヨナァ?

 

最後に、そんな声が聞こえた、気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「………何者だ」

 

そう、死体の氷霧に、問い掛ける。

先程妖王は氷霧の頭を砕き、殺した。

しかし、妖王はなにかがいると、謎の確信があった。

 

『何者ダァ…?』

 

死んだ筈の氷霧が、動いた。

グチャグチャと、気持ち悪い音をたてながら。

まるで壊れた人形を、無理矢理動かしているかのような、ぎこちない動きで立ちながら。

 

『そうだナァ……耳の穴かッぽじっテよぉくキケェ!』

 

まるで頭に直接声をいれているような、気持ち悪い声で言う。

そして、ぐちゃぐちゃと、嫌悪感しか感じない音をたてながら。頭が再生されていく。

 

『俺ハ六神魔将が一人!デスペア様ダァァ!!』

 

 

 

ーー絶望の始まりダァ

 

 

 


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