東方氷災録   作:魔神王

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第十話『天照大神』

「やはり...貴方達でしたか...」

 

ミルザム達が天照を蹴り飛ばした方へ飛んでいくと、既に天照が、万全の状態で

待ち構えていた。

 

「あらら、気づいちゃったかな☆」

 

「ええ、予想はしていましたから」

 

天照は最初から、気づいていたのだ。

ミルザムがこのことに一枚噛んでると。

 

あり得ないからだ。

 

妖怪というのは、基本同種でしか群れない。

いくら強い奴がいても、同種以外には反抗てきだ。

 

故にこそ天照はミルザムが関与していると思ったのだ。

 

人知をこえた力を持つミルザムならば、と。

 

「んーあっているしあってないね★」

 

「え?」

 

「まーそういうのはどうでもいいとして、クロノスちゃん、頼んだ☆」

 

「ふん...」

 

後ろにいた男ーークロノスに指示をだす。

 

青空色の目に髪をしている。

180以上はありそうな身長。

そしてイケメン。

 

そしてなにより驚くのはその男が神の力ーー

 

ーー神力を放っていたからだ。

 

「なっ?!」

 

神が、何故!

 

そう叫びたいのを必死に抑える天照。

 

そしてクロノスは何処からか刀を取りだし、天照に斬りかかる。

咄嗟に天照も剣を作りだし、防御する。

 

「ぬん!」

 

「はっ!」

 

何合も、何合も切り会う。

常人では、いや、たとえ高位の力を持っている存在でも

視認出来ぬ速度で二人は切り会う。

 

「んーと、これでいいかな☆」

 

 

そんな中、ミルザムは手頃な岩を破壊する。

 

創造・石人形(クリエイト・ストーンゴーレム)

 

能力を発動し、砕けた石の欠片一つ一つが、物理法則や質量保存の法則等を無視し、

巨大な人形となる。

 

 

その一体が、天照に向かって、殴りかかった。

 

「ッ」

 

とっさに剣を作り、防ぐ。

 

ーーそれがいけなかった。

 

「ハァッ!」

 

「ガッ」

 

心臓を貫かれた。

防御しち瞬間、クロノスが刺したのだ。

 

たとえ神でも死ぬのは(リスポーン)確実な、致命的な一撃。

だが。

 

「油断...しましたね...」

 

「なっ?!」

 

しかし、彼女はこれでも最高位神。

心臓を貫かれたぐらいでは、死なないのだ。

 

腕を掴む。

心臓が貫かれていると言うのに、もの凄い握力で掴まれる。

 

「燃えろ!」

 

「ガアアアア!!」

 

ーー燃えた。

 

刀を離し、ゴロゴロと転げ回るクロノス。

彼女は天照大神。

太陽を司る神。

故に、燃やすのは動作も無いこと。

 

「あらら、想定外★」

 

何処からかミルザムが宝石を取り出す。

それを捧げると、クロノスが青いドーム状の光に包まれた。

 

「何を..」

 

「俺の役目はここまで☆元々君の足止めしか頼まれてないからね★

じゃ、バイバイ☆」

 

するとミルザムとクロノスは、ボンッと、消えた。

まるで最初から誰も居なかったかのように。

 

消えると同時に、闇に包まれた。

 

「なっ?!」

 

全てが闇に変わった。

暗黒という言葉すら生ぬるい闇に。

 

「これは....いったい...」

 

ーー天照の疑問に答えられる者は、いなかった。




う~む。
やはり文字数が増えない。

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