主人公無双。
空から、ゆっくりと、一人の女ーー八坂神奈子が降りてくる。
...まさか神奈子だったとは、神が妖怪に下ったのか?
しかし、顔は暗く、下を見ている。
「久し振りですね、神奈子」
「......お久し振りです、天照様」
「何故、こんなことを?」
「....言えません」
「神は人々を妖怪から守る存在ということを、忘れたのですか?」
「.....ダマレェ!!」
デカイ柱ーー御柱だったかをだし、俺に向かって放ってくる。
...いや俺ぇ?!
「ちょ!」
すぐさま氷の剣を生成、それで御柱の軌道をずらし、防いだ。
「...なにをするのですか、神奈子!!」
そしたら天照が一気に神奈子に近づき、腹パン。
神奈子は倒れた。
「「....えっ」」
◆
あのあと、倒れた神奈子を俺が担ぎ、諏訪子の家の空いている部屋まで
運び、布団に寝かせていた。
「で、何であんたが居るんだ?天照」
「なっ...」
諏訪子が驚いているが、キニシナーイ。
「まぁ、単に頼まれたからですね、諏訪子に、妖怪の侵攻が酷いので、助けて欲しい、と」
「あ、天照様!」
うーむ、普通の理由だな。
しかし、美人だなぁ。
腰まで伸びた赤い髪、傷ひとつない肌。
身長は百三十センチ程。
そして赤い目。
更に、赤い服に赤いスカート。
個々まで赤を象徴されると逆に凄いわ、うん。
そしてさっきから諏訪子と言い合いをしている。
内容が「最高神の自覚は」とか「ただの人間に対する態度じゃない」とかあるが
気にしないようにしよう、うん。
「う、うーん」
「あ、起きた」
「「!!」」
◆
「さて神奈子、妖怪に与していた理由を聴かせて貰いましょうか」
「それは、言え「あ、呪いは解いたので問題ないですよ」えっ」
呪いかかっていたんかいワレェ?!
いや、そうじゃないと妖怪に与していないか。
「あれは....5年程前でした」
そして神奈子が、ゆっくりと、語りだしたーー
◆
「...む?」
それは、神奈子が何時もどうり、自分の社で、のんびりだらだらしていた時だ。
神奈子は、もの凄い量の妖怪の反応を捕らえた。
(またか....)
そう、これはいつもの事だ。
最近になり、妖怪が活発化したのか、よく妖怪が町に攻め行っている。
ーーしかしいつもと違った。
妖怪の量は変わらない、約二百匹程。
ーーだが妖力の量が違った。
いつもはただの、そこらにいる雑魚程度の力しか持っていなかった奴ら。
だが、どういう訳か、大妖怪レベルの力を持っている。
「なっ.....」
流石にこれには驚く。
二百近い妖怪全てが、大妖怪なのだから。
「ほう、お前が八坂神奈子.....か、予想以上に
ーー弱いな」
◆
「そのあとは....妖王に呪いをかけられ、僕として使われました...」
「なんと言う......ッ」
神奈子が話した内容は、予想外だった。
いや待って?なんで二百もの大妖怪が一人(一匹?)
の妖怪にしたがってるん?
まさかの妖王とかいうやつの能力?
だとしたら無理くね?
「わかりました.....妖王を倒しましょう!
さぁ行きますよ諏訪子さん氷霧さん!!」
「「えっ」」
ーーこうして俺達は妖王退治に付き合わされるはめになったのだった。
更新できてよかった.....