゚*。:゚ .゚*。:゚ 姫ノ語 .゚*。:゚ .゚*。:゚   作:ロベオン

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こんにちは
久しぶりの投稿です

あてんしょん

前回と同じくです
新キャラ登場


九章
緑お嬢様はやっぱり乙女


「と、とりあえず行くわよ?」

 

「いやぁ、あの時なんか……なんだ、もう行くのか?つまんねェの。」

 

「行くもんは行くのよ!」

 

「何カッカしてンだよ。嫉妬か?見苦s……」

 

「うるさいっ!」

 

「へい、へい。行きゃいいンですね、行きゃ。」

 

〜移動中〜

 

(何だったのかしら?あの夢は?)

 

.☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆*:..

 

緑は寝ている間夢を見た。まだ9歳位の少女が涙を流しながら体を引きずっている所を。

 

「いや、嫌あぁぁぁぁぁぁ!」

 

そこへ7歳位の優雅なネグリジェを着た少女が現れた。肌は白く、長い黒髪をリボンで結んでいた

 

!?

 

「あっ、えっ、へっ?」

 

「だ、誰かぁぁぁぁ!だ、助けてぇぇぇぇ!」

 

ネグリジェを着た少女はあまりにも異様な光景に声をうまく発せずにいる。

 

「…ちゃん、た、助けてぇぇぇぇ!」

 

9歳位の少女は必死にしがみつこうとしている。

 

 

「嫌ぁぁぁぁぁぁ!」

 

ズルズルズルズル

 

少女は何者かに引きずられて行った。

 

!?

 

「……あ、足が…な…なぃ…、…あ、あのこ…足……が……。」

 

あまりにも唐突で、恐ろしい出来事にネグリジェの少女の目からは雫が流れていた。しかし、そんな中でもその少女には足が無いことに気がついていた。

 

☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆*:..

 

(とても…恐ろしい…夢を…)

 

恐ろしいとは思っていても、どうしても思い出してしまう。

 

(あの女の子…見た事あるような…。)

 

「何ボーッとしてンだ。熱でもあンのか?」

 

 

「い、いえ。大丈夫ですわ。」

 

「無理はすンなよ?何だったら俺が背負ってやるからよ。」

 

「えっ?」

 

「ちょっと。内緒にしなさいよ!(ボソッ)」

 

「…。まあ、アレだ。緑一人担いだ所で、鉛筆一本持つのと変わらねェンだ。馬鹿力だけなら自信あっからよ!」

 

「ちょっ、馬鹿っ!あんたがおぶっていたのがバレてしまうじゃないの!?」

 

「わ、私はおぶって頂いていたのですか?」

 

事実を知るなり緑の頬は真っ赤になっていた。

 

「も、申し…訳ありません…わ、わ、私が倒れたばかりに…お、重かった…で、ですよねっ…」

 

赤面しながら頭を抱えてうずくまっている。

 

(お嬢様…。照れるお姿がまるで姫りんごのよう…。)

 

「おー、真っ赤真っ赤!やっぱ女はこうじゃなくちゃあな!だいじょーぶだいじょーぶ!鉛筆持つのと変わらねぇからよ!」

 

「あ…、ぁぁぁぁ…。わ、…た…くし…と…した…事…が……。」

 

レオが余計な事を言ったせいで、緑の顔は林檎以上に真っ赤だった。今にも『ボンッ 』と音を立てて爆発しそうな程だった。

 

「うわめっちゃいいわー、この反応!まさにお嬢様!って感じで!緑のそーいう所、俺結構好み〜♪(獲物的な意味で)」

 

ぷしゅー!

 

!?

 

ドッ!

 

「グフぉぁぁぁ!」

 

「あ、あんたァァ、い、いい加減にしなさいよねぇ?ふ、ふざけんなァァァァァ!お嬢様に触れやがってぇ!」

 

「いだだだ…別にいいだろー?頭撫でる位。…ったく、お前はもう少しお淑やかにした方がいいぞ?サイコパスメイド。俺の中のお前に対する好感度落ちちまうぜ?」

 

「うるさいっっ!てを、手を離せぇぇぇ!いい加減にしろぉ!お前がいままで何してたか知らないけど、これ以上お嬢様を侮辱したら…」

 

ザシュッ!

 

「ウグォ!」

 

「ご… ろ …す…っ!」

 

「ゲホゲホ て、テメェマジで殺すつもりがよっ!?俺はシリアルキラーであって殺される側じゃねェ!!!殺す側なんだよサイコパスメイド!!!」

 

「うるっさいっ!離れろっ!離れろっ!」

 

「ぷ、黄熊…。落ち着いて…。わ、私が悪いのですわ…。わた、くしが…倒れた…から…。」

 

未だに顔を真っ赤にして、緑が言った。

 

(あぁ。お嬢様…リアル天使…。何てお優しい…。)

 

「何ニヤけながら怒ってンだよ気持ち悪ィ!!!どこの妄想癖持ちだ!!!」

 

「うるっさいっ!お嬢様のお優しさがわからないのっ?許して下さったんだから大人しくしろっ!この変態っ!」

 

「はあぁぁぁッ!!?ちょっと触っただけで変態扱いとかテメェの頭は腐ってンのか!?え"っ!?」

 

「お嬢様はあんたが付き合ってた様な下品な女じゃ無いのよっ!しかもちょっとって言うなぁァ!旦那様に見つかったらあんたこの世にいないわよぉ?」

 

「下品??テメェが言えンのかよテメェがよ!!!女のクセして散々暴力振るう野蛮なやつが!!!」

 

「しっ…静かに…なさって…下さい…。」

 

「あ"っ!?……おいおい、何つー殺気だ。背中がゾクゾクしちまうじゃねェか?」

 

後ろを振り向くとそこに居たのは緑では無かった。

 

「…へぇ。俺に銃向けるたァ、中々肝座ってンじゃねェかよ、テメェ。…名乗れ。」

 

「わたしぃ?あらぁ、こういう時は男性から名乗るもんじゃ無いのぉ?まぁ、知ってるけどね。レオ君。」

 

「…はっ?ンで知ってンだよテメェ。ストーカーか?」

 

「あらぁ、まぁ、その内分かるわよ。」

 

「…。お前、名乗りやがれ。」

 

「はぁ…。本当に忘れちゃってるのね。私は桜舞(さくま)よ?」

 

桜舞と名乗ったその女性は身長はレオより5センチ程低く、髪の毛は明るい茶髪をしていた。服装は薄ピンクのシャツに紺色のブレザー、鎖骨の辺りまで軽く波打つ髪の毛はハーフアップにされて、蝶や花弁の飾りが付いたバレッタで留めていた。

 

「桜舞…?…待てよ、どっかで聞いたことあった気が……」

 

「思い出して来た?」

 

「いや…、やっぱり分からん。」

 

「はぁ…、まぁ、思い出せないなら仕方無いわ。」

 

「んー…。なんかお前のこと見た事ある気がすンだよなァ……。」

 

「とりあえず…。この銃外して欲しい?」

 

「何当たり前の事聞いてンだ。俺はシリアルキラーであって殺す側なンだよ(二回目)」

 

«二回目だな…»

 

「…(無視)」

 

「当たり前…なの?」

 

「ああ?銃向けられて気分いい奴なんざ居ねェだろ?中にはそーいう奴も居るかもしんねェけど、俺はマゾじゃねェ。普通のシリアルキラーだ。」

 

「そう…。珍しい事言うのね。」

 

「珍しい…?何を言いやがる。テメェ、俺がいつもこんなんじゃねェって言いてェのか?」

 

「違うわよ。あなたは前からそうよ。でも…」

 

!?

 

桜舞は今まで閉じていた瞳を開いた。

 

「そうじゃない人の方が多いのよ?」

 

桜舞の瞳は綺麗な空色だった。しかし

 

「あ、あなた……左眼が…」

 

左眼の中心が桃色でハートになっていた。

 

「気付くの早いわね…。」

 

「…ふぅん、テメェは左眼がおかしいのか。つーか何だ、俺の銃向けられたリアクションが少数派ってのは。」

 

「おかしい訳じゃ無いわよ。取られちゃったのよ。」

 

「取られた、ねェ……。あのガキの右腕も取られたっつってたかんなー。グロいのが多い事で。」

 

「……。皆私を見たら殺してって言うのにね。あなたは本当に珍しいわ。皆お金を払ったり、物を渡したりしてまで私のところに頼みに来るのに。私の方から銃を向けて喜ばなかった人はあなたとあの人だけよ?」

 

「…生憎、俺は殺したい衝動は持ち合わせてても、殺されたい衝動は持ち合わせてないンでね。金や物渡してまでテメェに殺されたがる奴らの気なんざ到底理解できねェわ。」

 

「…そうよね。やっぱりそういう人よね!」

 

「何嬉しそうにニヤついてやがンだ気持ち悪ィ。殺すぞ?」

 

「あら、はにかんだのよ。」

 

「はにかむぅ?ンなお上品な仕草には全く見えねェよ、オッドアイ野郎。」

 

ポロッ

 

!?

 

「っ酷い…酷いわ…。好きでこうなった訳じゃ無いのに……。」

 

カラン

 

音を立ててレオの背中から銃が外れた。気づくと桜舞は目から雫を流していた。とても綺麗な桜色の透き通った雫だった。

 

「お、おい、泣くな!悪かったって、言い過ぎたよ!!」

 

ポロッ ポロッ

 

「ピンク色の涙?」

 

「あー、もう、泣くな!泣きやめっての!!!」

 

桜舞の流した雫は次第に集まって行った。

 

「涙が…。」

 

そして、ある物に変わった。




相変わらず抜け抜けの小説を読んでくださりありがとうございます!
今回は新キャラを登場させました。
どうでしょうか?次話では桜舞についても話します。
色々と足りない所があったと思いますが、10章もよろしくお願いします!

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