これは戦神館とほぼ同じ重さですね。ゲームでありながら154項目分の重さを誇る戦神館に驚くべきか、それとも戦神館に並ぶほどの更新プログラムの多さに驚けばいいのか……まあそれはどうでもいいですね(
負の感情が溜まる空間を、項垂れる者らを掻き分け周りの流れに逆らうかのように進んでいく。やや強引な真似であったがそれを咎める者はいない。あるいは、咎める気力もなかったのだろうか。足取りは重く、自らを支える力もないその姿に亡者を幻視する。
すぐさまその錯覚を振り払い、自分は目的の物がある一角へと足を向ける。そこにあるのは自分よりも背の高い長方形の箱だ。上段は透明なガラス板がありその中には様々な商品が並んでいる。並ぶ品々は色合いは違えどその形には共通項がいくつもあった。下段には箱の端から端まで限られたスペースを贅沢に使った穴が開いている。
箱の前に立ち、ガラス板の中の物を品定めする。妥協は一切しない。舐めるように観察して数秒後、意を決してその中から一つを選び、その品の下にあった小さなボタンを押す。
すると突然、目の前の物が乱暴な音を立てて下段の穴に何かが落ちてくる。と同時に自分の懐からチャリンと小銭同士が擦れあうような電子音が鳴った。その二つの音を気にすることなく落ちて来た物をを取出し小さく笑みを浮かべる。
――またお前と昼を共にするとは。なぁ、ミネラルウォーター。
「なに莫迦なことを言ってるの」
まあ、結局の所自動販売機で水を買いに来ただけだ。
式の呆れを多分に含んだ反応を笑顔で流し、重い空気と嘲笑らしきものを含んだ
自手の手には凛へのせめてものお礼として買った焼きそばパンと自分の昼食のミネラルウォーターが。式の手にははトマトサンドがある。かつてはその安さに助けられた購買の品々ではあるが、値が倍となった今ではこれらも現状は財布に大きなダメージを与えてくれる。
救いがあるとすれば、倍額となっても100PPTと安いミネラルウォーターといった飲み物類と、起きたのがほんのつい先ほどのため朝食の分の費用を浮かせれたという点だろう。何とも小さな救いだ。
――結局、昨夜は日が変わるギリギリまでアリーナで粘り、遺物の回収とPPT稼ぎに勤しみ続けた。その甲斐あって三つの遺物と借金を返済できる額を集めることができたが、その代償に自分たちは体力と気力と魔力を限界まで消耗してしまった。それこそ、後半に至っては何をやっていたのか全く思い出せず、最後にはマイルームに入ってすぐに式と二人して布団も被らず寝転ぶ程度に。
おそらく校舎内で寝るのは危ないと察し、最後の力でマイルームまでたどり着いたはいいが、そこまでが限界で糸が切れるように倒れたのではないのかと察する。
時間が経ったおかげで魔力はそれなりに回復できているが固い床で寝たおかげで全身が痛く、体力のほうはほとんど回復できていない。正直こうして階段を上っていくことすら未だに強張っている体では若干辛くも感じる。この辺りはリアル志向なムーンセルの弊害といえるだろう。
そんな風に昨日は満足に休むこともできなかったのだが、決して悪いことばかりというわけではない。
マイルームの扉は教室のものと同様で、その幅は精々人が一人二人通れる程度でしかない。そしてマイルームと校舎の出入り口をつなげれるのはマスターしかいないのだから、必然的に出るにしろ入るにしろ、まず先に通るのは自分だ。
で、そこから入ってすぐ、二人して寝転げたのだ。
自分は床に、式は自分に覆いかぶさるように。つまりそういうことだ。
背中に柔らかいものが当たるし、いい香りがするし、耳元では式の吐息が――と枚挙すれば切がないほどにあれは良かった。おかげで体力はともかく、気力に関しては完全復活を遂げることができた。
まあ、復活と同時にかなり消費することにもなったが。主に理性と本能の闘争で。
自分はあの時のことをきっと一生忘れないだろう。
などと考えていると屋上と階段を隔てる扉にたどり着く。地下にある購買からといえど、所詮三階建ての建物の高さなどたかが知れてる距離、疲労があっても1分とかからない。
「そういえば……なんでここにいると思ったの?」
――ああ、凛のこと? 単に消去法だよ。
校舎内で見かけることがないということそれは特定の場所に居座っているということであり、図書館や保健室、教会や中庭などよくいく場所でも見かけることはなかった。そうなるとそれ以外に探していない場所はマイルームとアリーナと屋上のみ。しかもその内二つはどうしようもなく、会おうと思っても会える場所ではない。となればあとは屋上しか選択肢はない。そしてそういった理屈以外にも凛はここにいると直感していた。
疑問、というよりは不思議そうな目でこちらを見つめてくる式に説明すると式はへえ、と興味なさ気に生返事を一つ。どうやら大して関心はなかったらしい。それを悲しく思いながら、改めて屋上へと繋がる扉を開けた。
その先の景色は、自分が初めてやって来た時――凛と出会った時と同様の形を保ったままだった。
中天で輝く太陽もどき。
近く感じる澄んだ青空。
空を走る0と1の文字。
膝を抱えて蹲る遠坂凛。
それを宥めるランサー。
――シチュエーションが違った。やはりまだ疲れているのだろうか。そう思い一度眼前の光景から視線を外し、目頭を揉んでもう一度視線を向ける。
「ふん……いいのよ別に……グスッ……今度泣きついて来ても絶対、ヒック……何も教えてやらない、んだから……」
「泣いてるのはどっちだよ……ったく、そんなに気になるんだったら自分から会いに行けばいいだろう」
「ば、莫迦言わないでよっ! 何で私が用事もないのには、白野くんに会いに行かなきゃいけないのよ!」
「(誰もあいつとはいってねえんだけどなぁ……)」
だが結果は変わらない。小さく体操座りをして隅っこで嗚咽を漏らす凛の姿はどう好意的に解釈しても泣いているようにしか見えない。加えて、聞こえてきたセリフがそれをさらに決定づけてしまった。
うん、なんだ。
――ムーンセル。自分だけこの手のイベント、やけに多くないかな。
相手サーヴァントの情報の他に、金銭問題に自分の記憶に対人関係。このムーンセルという隔離された空間でこうも問題を背負っているのはきっと自分だけだろう。何故月海原学園にはカウンセラーがないのだろうか、裁判を作るくらいならそっちを作ってほしいと切に願った。
いっそ今度カレンか神父を通してムーンセルに……いや、やめておこう。万が一懺悔室なんて形で実現してしまったらその役目につくのは確実にその二人になる。触らぬ神に祟りなし。保健室にいって桜に癒されよう。
しかしそれはともかくとして、この状況はいったいどうすればいいのだろうか。あの気丈な凛が泣いているというだけでただ事ではないことは理解できる。ただその原因が自分というのはどういうことなのだろうか、状況がうまく飲み込めない。
じっくりと記憶を思い返してみるが、凛を泣かせるような真似をした覚えはない。特に凜と話しをしている時間とは、自分にとっては掛け替えのない時間であり印象は強く残っている。そんな記憶を高々一週間程度で忘れるほど腑抜けた覚えはない。
――ねえ式。自分はいったい何をしたんだろう。
「私に言われても……」
自分だけならともかく、常に自分と行動を共にしている式ですら分からないとなると、皆目見当がつかない。もしや自分たちが与り知らぬところで何かやってしまったのだろうか。だとするとどうしようもない。少なくとも今すぐ原因を把握することはできない。
かといってこの場を立ち去るわけにはいかない。理由はどうあれ自分が元凶だというのならここで引くわけにはいかない。泣かせてしまったというのなら責任を取らなければならない。そしてさらに言うなら泣いている少女を目にしておきながら立ち去るなんて情けない真似は決してしたくない。
しかし泣いていることから凛が自分に対して抱いている感情は何にしろ相当なものだとが察せられるし、そうなると普通に話しかけていいものなのだろうか。そう頭を悩ませていると、胡坐をかきながら凛を慰めているランサーが左の人差し指を前後に動かし、こちらを誘うような仕草を向けてくる。
……当たり前だが、ばれていたらしい。
やはり英霊と言う存在は格が違うのだと思い知らされる。
しかし、その判断には承諾しかねる。
「あの空気で来いって、中々に無茶振りするわね。あのタイツ」
――ああ、しかも中心人物をだぞ。あの青タイツの恰好も含めて正気かといいたい。
「お前らなんか以前と反応違わねえか!?」
小声で会話していたのだが、やはりこれも英霊には聞こえていたらしい。といっても隠す気は無かったが。
――いや、以前は初めて見たということもあって英霊の威厳というのを感じてたけど……この一週間で色んな英霊を見て慣れてくるとどうしてもそのタイツの違和感が拭えないんだ。
「……そんなに変かよ、これ。あとタイツじゃねえから」
「……それよりも隣りはいいの?」
式の呟きはもっともだ。泣いている凛たちと自分たちの距離感は結構広い。にも関わらず常人たる自分たちでも聞き取れるほどの声量で話しかければ――、
「ふえ?」
当然、隣りにいる凛もこちらの存在に気付くに決まっている。凛は可愛らしい声を上げ、座ったままの体勢で緩やかにこちらに振り向く。
こちらを見つめる凛の顔と瞳はやや赤みを帯びており、平素とは逆に自分よりも幼い顔つきをしているように見えた。そのままじっと見つめているとようやくこちらを認識したのか、瞬きを何度か繰り返す。
「え、え……えっ!?」
驚愕、怒り、羞恥。と一言ごとに感情を変化させながら凛はより一層、顔を紅潮させていく。同時に狼狽えている姿はまるで子供がはしゃいでいるように思えた。しかし自分はその仕草を可愛いと思う前に、何故か身の危険を感じていた。この本能が叫ぶ信号は以前も感じたことがある。具体的にいうと一昨日入ったアリーナに入った時に。
次の瞬間、理解した。彼女の中で渦巻いている感情の坩堝が、怒気によって征されていくのを。信号が発された元凶はこれであると。危険から身を守るためにすぐさま身を翻し、この場から一時離脱しようと軋む肉体を叱咤して力を込める。
「何であんたがいるのよーっ!」
が、どうやら自分の速さは一歩遅かったらしい。凛の攻撃は自分の後頭部にヒット。その一撃は的確に自分の意識を刈り取り、地面が近づくのを他人事のように眺めながら自分は闇へ落ちて行った。
※※※
――……結局そっちは何があったの?
「え、えっと……それは……」
ほかの三人同様に、全身を苛む痛みに堪えながら腰を据え、口を開く。問われた凛は先ほど泣いていたことは勿論、やらかしてしまったこともあり顔を合わせにくいのか間誤付くばかりだ。
こちらにも非があるのだから、できれば根気強くいきたいところだがこちらも時間に余裕があるわけでもない。さすがにこのままでは埒が明かないので、問いかける相手を凛からランサーに変える。
――ランサー。
「端的に説明すればお前らに会えなくて寂しかったんだボォ!?」
ランサーが問いに答えた瞬間、横から飛んできた拳が彼の頬にめり込んだ。完璧に振り抜いた時、ランサーの顎が90度ほど回転したことからかなりの威力が籠っていたことが窺い知れる。その光景に先ほど受けた攻撃が物理攻撃でなかったことと、怒っている原因の把握に成功したことで思わず安堵の溜息をつく。
確か最後に会ったのは決闘前、自分は凛が負けるはずがないと思っていたから考えてもいなかったが、凛からすれば他人の勝敗結果が見えないため自分がどうなったのか不安だっただろう。自分と凛は敵同士であるが、親交のある相手だ。その生死が気にならないはずがない。
自分のことを考えるあまり、知らず知らずにとんでもない不義理をしていたことを深く反省する。そしてもし自分が何食わぬ顔で、普通に話しかけていたらきっと自分もランサーと同じようになっていただろう。ランサーの尊い犠牲に深く感謝する。
「何アンタ勝手なこと言ってんの!? 殴ッ血KILLわよ!」
――既にやってる。
そう言いかけたのを何とか自制する。感謝の念はあるが、さすがに命を賭すほどのものではないのだ。それにランサーも腐っても英霊。腫れや痣といった目に見える負傷が出来てない時点でさほどダメージは受けていないだろう。
「す……既にやってるじゃねえカッ!?」
「五月蠅い、ダ マ レ」
先ほどの拳で床に倒れながらもなお言葉を紡ごうとするランサーの顔を容赦なく、荒々しく踏みつけて強引に黙らせる。顔を赤らめ怒気に身を震わせながらも黒い笑顔を見せるその姿は、どちらが主でどちらが従者かを万人に否応なく理解させるものだった。
しかしこれはいったいどういうわけなのだろうか。ムーンセルが選ぶサーヴァントはマスターとの相性を考えて選出されているはずなのに、どれも一方的な関係になっている。
凛とランサーはご覧の通りだし、レオとガウェインはガウェインが忠誠を誓う形であり、慎二とライダーはライダーが慎二を振り回しているイメージが強く、ダンと緑衣のサーヴァントに至っては両者ともに一方的なため非常に仲が悪い。まあそれでもサーヴァントの方は一応ダンのことを尊重しているらしいが。残る藤乃とランサーの関係もどこかレオとガウェインの関係に似ている。
これが英霊との
「それで、何の用なの? 言っておくけど私だって暇じゃないんだから」
ようやくランサーへの折檻を終えいつも通りの振る舞いを取り戻した凛が、今度は運動直後による赤みを残したままにこちらを睨みつけてくる。明らかに暇そうだったが、それは言わないのが花だろう。
しかしそうだ。改めて問われてみれば自分は大したことをしにきたわけではないのだから、話を切り出すことにさほど気負う必要はなかっただろうに。原因ということに囚われてそんな事にすら気付けなかった自分は、やはりまだまだ未熟なのだろう。全身の疲労も忘れてリラックス、身軽な気持ちで、
――とりあえず、一緒にお昼どう?
買ってきた焼きそばパンを差し出して、気軽にそう声をかけた。
※※※
「そう……そっちは大変ね」
――まあ、ね。ほとんどが私事なんだけどね……。
食事を素早く終えて、屋上のフェンスにもたれつつ近況を話し合う。
式とランサーは少し離れた場所で素手で組み手をしている。当然どちらも本気ではない、軽いものだ。何故そんなことをし始めたのか、仕掛けた式の理由もそれを受けたランサーの理由も分からない。とはいえ凛とランサーなら問題はないだろう。
凛の近況は逃げてばかりの対戦相手、大したことのないサーヴァント、簡単に判明した相手の真名と、順調そうで何よりだ。羨ましくて涙すら出そうになる。
自分の近況は熟練の対戦相手、狡猾なサーヴァント、情報のための遺物探し、進展のない自分の記憶探し、そして自分と式の不仲。どれもこれも一筋縄ではいかないものばかりで、それを聞いた凛は哀れみに似た視線をくれた。
「ただでさえダン・ブラックモアが相手なのにこれじゃあ、先が思いやられるわね」
――ああ、まったくだよ。にしてもやっぱり凛も知ってたんだね。
「そりゃあダン・ブラックモアって言ったら有名人よ。軍属でありながら『サー』の称号を賜った現代の騎士で女王様の懐刀。ウィザードとしての実力も申し分ないし、優勝候補の一角よ」
――……ちなみに、凛の相手は有名だったりするの?
「さぁ? アバターは
――……一回戦の相手は?
「一回戦も同様。おまけにゲーム気分だったからお世辞にも強い、なんて言えなかったわ」
あれなら初日で終わらせてもよかったかも、と付け加えるように口にする。
現在最弱のマスターの対戦相手が一回戦、二回戦ともに優勝候補の猛者。
優勝候補のマスターの対戦相手が一回戦、二回戦ともに平均的な魔術師。
……バランス明らかに可笑しくないか、ムーンセルよ。
トーナメントである以上、先へ進めばより強い相手が出てくるのは当然だろう。しかし、だ。自分だけその度合いが大きすぎる。周りが一段ずつ徐々に強くなっていくのに対して自分だけ二段、いや三段ほど飛んだ実力の相手が出てきている。
目を伏せて深く嘆息する。まさかこの後の五戦すべてこんな調子ではないよな、と。
優勝候補が何人いるのか分からないが、少なくともレオと凛、ラニに藤乃、そして葛木先生は確かだろう。……あれ、残り五人埋まった?
まだ決まったとは限らないのに、途端に全身に嫌な汗が噴き出してきた。
いやいや、まさか全員優勝候補はないよね?
だって確率的には、えーと……小数第二位で切り下げて計算すると0.000051%?
うん、これはさすがにないだろう。でも二人の時点でも確率は0.0052%と結構稀有な数字を叩き出しており、しかもこの二つは統計学的には0とは言えない数字である。
ああ、頭を抱えたくなる……。
「……何悩んでるのよ? どうせあなた一人で考え込んだって解決しないわよ」
――え? あ、いや、まあそうだけど……。
唐突に言われたので咄嗟に肯定してしまったが、凛は何を考えてたのか分かっているのだろうか……?
「こういうのは異性には分からないものよ。それに白野君、自分のことに関しては滅法鈍いからそのままじゃ一生かかっても解決しないわよ。だからほら、式のこと教えてみなさい」
やはり分かってなかったようだ。見惚れそうになるほど得意げな顔も台無しである。
しかし嬉しい申し出であるのは確かだ。どうにもこの手のことは苦手なのか、式のことに関しては全く好転していなかったのも事実だし、相談に乗ってもらえるのなら乗ってもらいたいところでもある。自分で解決したい、という思いは今もあるが意地を張っていてもしょうがない。
そしてなにより、したり顔の凛に違いますというのも断るのも危険だからだ。
「今なんか馬鹿にされた気がするけど」
――気のせいです。
一瞬だけ凛の笑顔に凄みが増した。本当に、こういうところには察しがいいのになぜ分からないのか。ただ、こういうどこか抜けているところも凛の魅力の一つなのだろう。
そうして若干押し切られる形で式のことを包み隠さず話すと、何故か自分は呆れた目で見られていた。
「それ、あなたが胸中をしっかり語ってないからだと思うわよ。式が気にしてるのはそこだからさっさと解決しちゃいなさい」
胸中、と言われても早々に整理はつかず、肝心なことがどれなのか判別ができない。
真意を汲み取ることができずにいる自分を尻目に、凛は心配して損したと言わんばかりに嘆息する。これで話は終わり、ということなのだろう。
未だに戸惑いを隠せないが、何から何まで聞いてしまっては助言してもらった意味もないし、指針は貰えたのだ。あとは自分で解決すべきだ。
ちょうど式とランサーの手合せの決着も付いた所なのでそろそろお暇するとしよう。凛に感謝の言葉を告げて立ち上がり、式の元へ移動する。火照った体を冷やすため、自分が買って未だ飲まずにいたミネラルウォーターを差し伸べると一瞬躊躇ったのち手を伸ばし、そして気恥ずかしいのか視線を斜め下に向けてペットボトルのキャップを捻る。
自分もそれに合わせて視線を逸らすように上に向ける。
今日の天気は曇りひとつない快晴。気持ちのいい空を見上げ、自分の悩みも晴れることを期待しながら式と共に屋上から去っていく。
ライダー:酒飲み
アーチャー:反抗期
ランサー先生:好々翁
……現時点で威厳があるのランサー先生以外にいないな。
そして毎週投稿とか一日二回更新とかできていたころが懐かしい。それもこれもフィーリングで面倒くさいこと加えてしまったからだなあ……。もう二度とこんな面倒なこと起こさない。
と、思うがフラグの回収率に定評のある私なのできっと回収してしまうのだろう。