イントルード・デイモン   作:捻れ骨子

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今回戦闘BGM、Zガンダムより【激突!】で


30・ストレスの貯まるモグラ叩きさ

 

 

 国外との通信が途絶えて数日。修羅場の中、ほぼ不眠不休で動いていたビスケットが、目の下に隈を作った顔で凄絶に笑みを浮かべた。

 

「……やっと尻尾が掴めたか」

「はい、リモートであの男のタブレットからデータを抜くのは一苦労でしたけど、消された通信ログを復帰させてみたらどんぴしゃでした」

 

 ダンテにハッキング系の技術を習った団員が、隙を見てラディーチェの通信記録を抜き出し解析していたのだ。発覚を恐れ用心しながらの仕事であったため時間はかかったが、何者かと頻繁に連絡を取っているという確認は取れた。

 しかし。

 

「……彼を拘束すれば、情報源の無くなったガランとやらがどう動くか、読めなくなる危険があるな」

 

 襟の汚れが目立ってきたシナプスが唸る。アリアドネの麻痺という形振り構わぬ手段を繰り出してきた相手だ、最悪の場合SAU側を挑発してこちらに侵攻させるという事も考えられる。いや、今だって時間をかけていればそのような手に打って出る可能性は十分にあった。

 

「アリアドネの復旧はどうなっている?」

「は、現在チャダーン副支部長を中核としたチームがアプローチをかけていますが、やはりプロテクトが厳重で難航している模様です」

 

 ダンテほどではないがチャドもその手の技術は得手である。が、さすがに現代の通信インフラが根幹を司るアリアドネのシステム、そのメインフレームに手を付けられるほどの技量があるわけではない。それでも何とかならないかと、彼は自ら先頭に立ち専門家たちを引き連れてアプローチを続けていた。

 このままでは国外に向けて飛行機を飛ばすこともできない。国内はともかく長距離通信は全てアリアドネに頼り切りだった。それが麻痺することがこうも混乱を招くのかと、関係者はほぞをかむ思いである。確かに有効な手段であった。ガラン・モッサ、間違いなくプロの工作員だ。

 だがとっかかりは掴んだ。あとはこれをどうチャンスへと結びつけるかだ。

 

「ラディーチェには制限した情報を伝えていますから、ある程度状況をコントロールできますが……ガランの動きを制限できるほどではありませんね」

 

 もはや本人の前以外では呼び捨てである。それはともかくとして、ガランの動きを鈍らせ、せめて時間稼ぎをしなければならない。そのためにはどうすればいいか。ビスケットたちは額を付き合わせて考える。

 ややあって。

 

「……これで動きを押さえられるかどうかは分からんが、やらないよりマシ、という手段を思いついた」

 

 眉を寄せっぱなしであったマニングスが、唸るように言葉を絞り出す。

 

「それは本当かね?」

 

 藁にも縋るような思いで問うシナプス。それに対してマニングスは頷いてみせた。

 

「問題は、ガラン自身がフリーだということです。であれば『重しを付ける』。……最低でも、堂々と町中を歩けなくするくらいのことはできるでしょう」

 

 マニングスが語った策――ガラン・モッサの指名手配は、討議の末採用されることとなった。果たしてそれは打開策となりうるのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 同じ頃、火星を発ったホタルビは地球へと向かう航路上にあった。

 

「妙な気分だな。堂々と正規航路使えるってのは」

 

 諸々の処理と対応で火星に居残ったオルガに代わって指揮を執るユージンが、渋面で呟いた。

 2年前の因縁からGHというかアリアンロッドあたりから睨まれている関係上、正規航路を使いにくい立場にあった鉄華団は、これまで裏航路を使わざるを得なかった。それをこうもあっさりとという思いがある。勿論船舶の登録データなどは誤魔化してあるが、マクギリスの手配が上手くいったからこそのことだ。あの男、着々と勢力を伸ばしているようだなと、警戒心にも似た思いがよぎった。

 まあそれはいいと、ユージンは思考を切り替える。

 

「あんたがあたしら呼び出すとか珍しいけど、何の用?」

 

 ブリッジにはラフタとアジーの姿。今回の地球行きにも同行していた彼女らに、ユージンは尋ねたいことがあった。

 

「ああ、2人は『あのおっさん』について何かご存じで?」

 

 ユージンが尋ねたのは――

 

「おう、こりゃあ美味い。おじょうちゃん良い腕してるねえ」

「は、はあ……」

 

 食堂でアトラが作った料理を肴に一杯引っかけている薄ら禿げの親父、ジョニー。今回の依頼をテイワズに伝えたところ、マクマードから直々に連れて行けと頼まれたのだ。なんでこんな酔っぱらいの親父を……などと思っていたら、三日月と昭弘がこっそりユージンに告げた。

 

「あのおっさん、『ヤバい』」

 

 と。

 戦闘のセンスが図抜けている2人が揃って危険視している。そんな人物がただの親父であるはずがないと睨んだユージンは、ラフタたちにジョニーの人となりを尋ねたのだ。

 

「あたしらも詳しい訳じゃない。ここ1~2年かな? 鉄華団が正式にテイワズに加入したあたりから、内部監察室長って名目であちこちに集ってるらしいね」

「エロ親父だよねー。でもなんかダーリンは愛想よく付き合ってるみたいだけど。ああ見えてマジ監察とかしてるのかも?」

「なるほど……すんません、つまらない話に付き合わせて」

 

 道化を装った食わせ者か。ユージンはそのように見る。こちらが何かやらかさなければ動きを見せることはないだろうが、気には留めておかなければならない。なにしろ今回は『ランディが同行していない』。自分たちだけの力でこなしていかなければならないのだ。

 

「あの人が居ない穴を埋められるかどうかが鍵だな。……アジーさん、ビトーの方は上手くやってますか?」

「ああ、ランディの見込みは間違いなさそうだ。阿頼耶識の調整が終われば機体とのフィッテイングと機種転換訓練をすぐにでも始められるさ」

 

 結局、増えに増えまくった事務仕事からランディは解放されず、彼が地球に向かう事は(メリビットを筆頭にした事務方から)許されなかった。その代わりと言ってはなんだが――

 

「こいつをくれてやる。使いこなしてみろ」

「……へ?」

 

 地球行きの準備でてんてこ舞いの格納庫。そこでビトーを呼び出したランディは、自分の機体――シュヴァルベ・グレイズを前にそう宣った。

 

「阿頼耶識の搭載と調整、機種転換訓練も含めて3週間ありゃあものになるだろ。ランドマン・ロディの方はエンビかエルガーかに任せりゃいい」

「でもこれ……いいのかよ」

 

 戸惑うビトー。ランディは構わず。

 

「どのみち俺は暫く事務から離れられんし、それが終わったらラーズグリーズ――新型を仕上げるので手一杯になる。こいつを遊ばせとくよりは使えるヤツに回した方が良いだろう。……心配すんな。お前はこいつをそこそこ扱える程度の腕前はある」

 

 準エース級で一番伸びがいいのがビトーであると、ランディは見ていた。シュヴァルベ・グレイズを預けるには十分だろうと判断したのだ。

 で。

 

「その代わり、今回の下手人泣かしてこい」

「……え゛?」

 

 わしり、とビトーの両肩が掴まれる。覗き込むように彼と視線を合わせたランディの目は、なんかどす黒く渦巻いていた。

 

「いいね?」

「アッハイ」

 

 あれは最初に声を聞いたときよりもヤバい感じがした。後にそう語ったビトーは、現在全力で機体を乗りこなせるよう打ち込んでいる。確かに今回の件、ランディは相当ストレスをため込んでいるようだ。解決しなければマジでアリアンロッドを単身壊滅させに行ってしまうかも知れない。

 

「ビトーだけじゃなく、俺らも気を引き締めてかからなきゃいかんな。……へまこいたら、あの人暴走するかもわからんしなあ……」

 

 思わず遠い目になってしまうユージンに、同情的な目を向けてしまうアジーとラフタ。と、そこでオペレーターから言葉がかかる。

 

「副団長、テイワズのコロニー支部と通信が繋がりました」

「! そうか、こっちに回してくれ」

 

 覿面に表情を変えて対応するユージン。まずは一歩目、それを踏み出すために彼は気を引き締めた。

 同時刻。三日月は食堂でくつろいでいる……ように見えて、食堂の一角で一杯引っかけてるおっさんを監視していた。

 

(プレッシャーかけてるってのに、欠片も動じない……)

 

 あからさまに敵意を込めた監視の目を、全く気にすることなくジョニーは悠々と杯を傾けている。気付かないはずはないので、かなり図太い神経をしているのだろう。それとも自分ごとき相手にもならないと思っているのか。

 

「ランディよりもやっかいなヤツだな……」

「ランディさんがどうしたって?」

 

 仕事が一段落付いたアトラが、三日月の向かいに腰掛けながら問う。三日月はすました顔でこう答えた。

 

「こっちに来られなくてストレスたまってるだろうなーって」

「ああ、うん。たまってるですまないかも」

 

 そのまま2人は雑談に興じる。そうしながらも三日月はジョニーに対して警戒することを怠っていなかったが。

 と、そこになぜか腿上げをしながら食堂に入ってくるハッシュ。彼はそのまま腿上げしながら三日月たちの元に寄ってきた。

 

「三日月さん! 今日の分のトレーニング終わりました! 次はなにしたらいいっすか!?」

 

 言いながら腿上げは止めない。シュールな光景だった。

 

「いやその前に、なにしてんの」

「はい! 少しでも鍛えようと思って! これなら移動中にでもトレーニングできます!」

「そこまでやったら逆に体痛めるから。……ともかく1時間インターバル取ってからシミュレーション。今日はそれで終わり」

「え!? そ、そんな程度で……地球じゃ何が起こるか分からないってのに……」

 

 唖然とするハッシュだが、三日月はいつものようにぼんやりとした様子で。

 

「だから余計な疲れが残るようなことはしない。……地球に着いたら、休む暇なんてないから。多分」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アリアンロッド旗艦スキップジャック。ラスタルの執務室にて、ジュリエッタはガラン指名手配の話を聞かされていた。

 

「そんな……おじさまが……」

「事実のようだ。流石に詳しい状況までは分からないがな」

 

 ラスタルもアリアドネに頼らない独自の情報網を持っている。しかし情報の精度や伝達の速度はどうしても低下してしまう。ガランの件がラスタルの元に伝えられたのは、指名手配から数日経ってからのことであった。

 

「思い切った手を打ったものだ。私の元に伝わったということは、恐らくSAU側――マクギリスの耳にも入っていることだろうな。ガランの動きはかなり限定されることになる」

「ではおじさまの支援をするべきです! 指名手配などと、そんな不名誉を晴らし……」

 

 激昂したように訴えようとするジュリエッタの言葉が力無く尻すぼみとなる。彼女も気付いたようだ。『ガランの行っていることが露見すれば、指名手配など当然である』と。

 なにしろ『非合法』工作である。法を犯しているのだから犯罪者扱いされてしかるべきであった。

 

「恐らくははったりではあろうが、『容疑が事実である』事には違いない。ガランも早々捕縛されるものではないし、いざというときは『心得ている』が、最低でもこちらからアクションを起こすことは出来んな。自力で何とか乗り越えられることを祈るのみだ」

「おじさま……」

 

 ジュリエッタは意気消沈したように見える。何も出来ない己をふがいなく思ったのだろうか。それを余所にラスタルは思考を巡らせていた。

 ガランに対する支援を行わないどころではない。彼との関係を徹底的に断ち切りこちらに累が及ばないようにしなければならなかった。ガランとラスタルが繋がっている決定的な証拠はない。だが僅かでも関係を匂わすようなものがあれば、マクギリスはそこを突いてくるだろう。アーヴラウもそれに便乗するのは間違いない。

 2年前以降の失策と言って良い。ラスタルの擁護をするわけではないが、彼もまたある意味優位に慣れすぎていた。新設の組織に手練れの部下が遅れは取るまいと甘く見ていた部分がある。

 しかしまだ勝負は決まっていないと思っていた。己の盟友であれば、困難は乗り切れるであろう、最悪でも証拠を残さず散ってくれるだろうと。その上で、全ての繋がりを断つ。それがどういう意味を持つのか、彼は自覚していない。

 

(すまんな、ガラン……)

 

 己が『諦めた』事にすら気付かず、ラスタルは冷徹に友を切り捨てた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ガラン・モッサが指名手配されてから2週間。アーヴラウを取り巻く状況は徐々に好転しつつあった。

 まず国境での入出国が緩和された。とは言ってもIDなどの身分証明は厳しくチェックされ、少しでも不審な点がある者は拘束されるという厳しいものではあったが。(これによりいくつかの密輸入業者が摘発されたがそれは置いておく)

 それに便乗する形で限定的ながらもSAUとの情報のやりとりが行われる。タイムラグや情報の制限がある面倒くさく手間がかかる手段であったが、ここで蒔苗は大胆な手段に打って出る。

 『アーヴラウ防衛組織に所属する全てのMSを含む兵器、兵員の登録情報を丸々SAU側に伝えた』のだ。かてて加えて彼は。

 

「この情報にないMSとか兵器類とか兵士とかは、テロリストだから撃っちゃっていいよ」

 

 要約するとこのようなメッセージを付け加えていた。国境付近でのSAUに対する暗躍を封じるためである。

 これによりSAU側に越境して挑発行為を行おうとしたガランたちは、国境付近で展開していた地球外縁軌道統制統合艦隊地上部隊による熱烈な弾雨のおもてなしを受けることとなった。この段階で地上部隊の指揮を執っていたのがコーリス・ステンジャであったというのが彼らの不幸を増長する。

 アーヴラウにとって自分たちが受け入れがたい存在だと自覚しているコーリスは、状況を冷静に判断し決して配下に国境を越えさせることを許さなかった。一歩でもアーヴラウ側に立ち入れば即座に国際問題となる。ゆえに国境付近に現れた不審機を深追いせず、追い払うのみに留まらせたのだ。

 もちろんSAU側にもラスタルの息がかかった工作員はいる。が、それらの動きはSAU政府に直接働きかけているマクギリスによって封じられていた。

 現状でアーヴラウが国外との情報通信を自ら断絶する理由はなく、またSAUとの武力衝突を望むはずはない。マクギリスはこう各所に訴え冷静さを保つよう尽力した。その成果もあってSAUは緊張を保ちつつも浅慮な行動は慎んでいる。国境付近の警備をGHに任せているのはそのためであった。

 こうなると途端にガランたちは追い込まれていく。指名手配の影響でアーヴラウ各所の警戒が強まり、『見覚えのない人物』は疑念の目で見られるようになった。アーヴラウ内部ではガラン本人だけでなく配下も身動きが取りにくくなったのだ。その上でSAU側がこの反応。MSでの越境は難しく、偽造のIDと身分証明を使っても経歴が怪しいのは変わりないため正規の出国も困難だろう。結果アーヴラウから脱出することも市井に紛れることも出来なくなっていく。

 しかしガランにはまだ勝算があった。ラディーチェからもたらされる情報により、アーヴラウ防衛組織の行動はある程度把握できており、その裏をかいて物資の集積所などを襲撃し混乱を招くと同時に物資を補給して糊口を凌ぐ。また裏で取引のある闇商人などを利用して物資や情報を集め戦力の維持を図っていた。アリアドネの復帰にはGHが専門の技術者と、セブンスターズクラスの高官の立ち会いが必要となる。となれば必ずマクギリス本人がアーヴラウを訪れなければならない。それまでゲリラ戦を展開して粘り、マクギリスの首を取ることが出来ればこちらの目的は果たせると、そう目論んでいた。

 だが、彼は知らない。ラディーチェからもたらされる情報が制御されたものであることに。そしてすでにマクギリスと鉄華団地上支部が綿密な打ち合わせを行い、対策を練っていることに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しかし上手いことを考えついたものだ、彼らは」

 

 『ビスケットから送られてきたメール』を読み終え、マクギリスはふふ、と微笑を浮かべる。

 通常の通信手段が回復したわけではなく、また入国監査を経たものでもない。これは『静止軌道上に待機したテイワズ所有の船舶を利用した、大出力LCSを仲介としたもの』であった。

 マクマードのお墨付きを得てテイワズのコロニー支部に連絡を取ったユージンは、近接コロニー間の連絡に使われる大型LCSシステムを積んだ船舶の借用を要請し、衛星軌道上からダイレクトに鉄華団地上支部へ連絡を取らせたのだ。そしてエイハブウェーブ下での戦闘を想定して展開していたLCS通信網を介し、地上支部とのコンタクトを取ることに成功。以降晴れ間限定ではあるがかなり詳細な情報のやりとりが可能となった。

 これにより、LCS、超光速通信、ホタルビと遠回しではあるがアーヴラウとSAUは連絡を取り合い、はびこるテロリストに対して反撃の準備を整えつつあった。その中核となるマクギリスは、目の回るような忙しさでありつつも高揚感のようなものを覚えている。

 

「彼ら自身で決着を付けることも可能であっただろうに。気を使われたかな、これは」

 

 自分を関わらせることによって、アーヴラウとの関係を保たせようというのだろう。勿論ただの厚意ではなく打算がある。それでも相応の信用はしてくれているようだ。ならば応えなければなるまい。

 

「准将、そろそろお時間です」

「そうか、今行く」

 

 部下に答えマクギリスは席を立った。これから行うのは命を賭けた綱渡り。だがそれを渡りきってみせると、彼は決意を新たにする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ええ、そう言うことです。くれぐれもこの話は内密に。まだ確定したことではありませんから」

 

 支部事務との通信を終えるビスケット。勿論相手はラディーチェである。鼻を鳴らしてビスケットは振り返り、注視していた皆に告げた。

 

「これで向こうに計画の概要が伝わるはずです。前線から戦力を引き、集結を始める様子なら引っかかったということでしょう」

 

 ほう、と誰かの呼気が漏れる。対策本部の中に蔓延していた緊張が、僅かながらも和らいでいた。

 

「ここまで、長かったな……」

「しかしここから先が本番と言っても良いでしょう。事には細心の注意を払わなければ」

 

 疲労の色が濃いシナプスとマニングスが言葉を交わす。ガランたちの暗躍を食い止め、なおかつアーヴラウ国外への逃亡を防ぐのに、彼らは尽力していた。そのために少なくない代償を払うこととなったが。

 死者こそ出ていないものの負傷者は多数、そしてMSを始めとする兵器の破損、物資の損失など決して安くない損害が生じている。向こうのゲリラ戦術が上手くいっていると誤解させるため、わざと被害を受けるようし向けたのだ。その上で、ラディーチェが漏らした情報通りに襲撃が行えるよう、手筈を整える念の入りようであった。

 指名手配により、ガランたちは市井に潜り込んでの補給や情報収集が困難になっているはずだ。であれば疑わしい面があろうともラディーチェの情報に頼る部分が多くなる。それがほぼ間違いなく襲撃のためになったとなれば、疑念も少しずつ解けていくことだろう。まさかこちらがある程度の大損害覚悟で策を巡らせているとは思うまい。

 1ヶ月に満たない時間、しかし恐ろしく長く感じられる中、彼らは神経を削る思いで忍耐の時を過ごしていた。ようやくそれが報われようとしている。

 

「政府からの人員が送られてくれば、用意は整う。後は勝負を賭けるのみか。……それで、ラディーチェ・リロトの処遇は決まったかね?」

 

 シナプスの言葉に、ビスケットは渋面となった。あれでもラディーチェは一応曲がりなりにも『鉄華団に所属している』。そんな人物がテロに協力していたと公に知らしめれば、鉄華団はおろかテイワズにも累が及ぶ。つまりあの男がやらかした事は絶対に公表するわけにはいかない。アーヴラウとしても、そんなことが露見すればとてつもなく面倒なことになるのは目に見えていたので是非とも避けたいことだ。とことんまで迷惑な男である。

 結局内々で処理しなければならないのだが。

 

「それに関しては、テイワズから送られてくる内部監察室長に対処させたいとのことです。もちろんアーヴラウ側が納得し許可を得られればの話ですが」

「どのみちこちらで密かに処刑、というわけにもいかんだろう。一応は法治国家だ、我々が処理するのであればどうしても法的手続きが必要となるし、記録に残ればどこから情報が漏れるか分からん。テイワズ社内の問題として、『適切に処分』してもらうしかあるまいよ」

 

 つまりは私刑など行っても目を瞑るということである。実際シナプス以下アーヴラウ関係者たちも八つ裂きにしてやりたいほどの苛立ちがあったが、先も言ったとおり立場というものがある。苦汁を飲む思いで『裏社会の流儀』に任せるより他無かった。

 ともかくSAU側のマクギリスとも協力しあい、反撃の準備は整いつつある。あとはこれまでの鬱憤を晴らすまでだ。

 ……とか思ってたらまさか『もう一悶着』あるとは、流石に誰も予測してなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(やっとか。首尾よく行けばこんなところからはおさらばだ)

 

 ビスケットからの連絡を受けたラディーチェは、周囲に見られぬようひっそりとほくそ笑んだ。

 ガランの指名手配からこっち、自身も拘束されるのではないかと怯えていたラディーチェであったが、一向にその様子はなく何の変化もなかった。誰も彼もがテロ対策で殺気立っていたが、自分に構う様子など無く平常通りであったのだ。(※注 もちろん皆今すぐぼてくり回したいのを堪えてる)

 それと成しにガランの事を調べてみれば、出自の怪しい傭兵がうろちょろしているということで目を付けられたらしい。幸いにして、自分との繋がりは露見していないようだ。(※注 してる)

 ガランの方でも疑念を抱いていたようだが、流した情報によって成果が上がるとそれも薄らいだ。どちらにしろ現状でラディーチェは数少ない情報源の一つである。頼らざるを得ない部分は多いのだろう。

 己の背信が露見せず、なおかつガランにとって利用価値が残っているうちに決着が付くのが望ましい。そしてその機会は巡ってきた。

 事がなれば混乱に乗じてこの地を脱し、報酬である金銭と偽造IDを受け取って別人として生きる。そしてそこから新たな人生を始めるのだ。

 

(こんな自分を認めないヤクザものと、いつまでも付き合っていられるか。私は抜けさせて貰うぞ)

 

 壮大なフラグがどかんと立った。そりゃもうこれ以上ないってくらいに立った。

 そしてそれが折れることはない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 テロ対策及びアリアドネ通信網の回復を図るため、マクギリス・ファリド准将が極秘にアーヴラウに入国し、アーヴラウ要人が国境付近まで出迎える。そしてその護衛を鉄華団が務めるという情報が漏れた。当然ながら故意である。

 マクギリスは己の命が狙われていると言うことは承知であり、それ故にテロリストたちをおびき寄せる格好の餌になると自ら申し出たのだ。色々と思惑は見え隠れしていたが、そこまでやるとなればアーヴラウの方もある程度信用せざるを得ない。またビスケットからの取りなしもあり、彼の申し出は受け入れられる事となった。

 そしてアーヴラウ側であるが。

 

「……え!? あなたが!?」

「はい、父の名代として私が参ります」

 

 アーヴラウ側の要人として現れたのは、なんと動きやすい服を纏ったイアンナである。これには鉄華団の面々はおろか、シナプスやマニングスなど防衛組織の面々も唖然とした表情だ。イアンナお付きらしいSPはもうなんか色々と諦めた様子であった。

 

「い、いや! 政府重鎮のお嬢さんを戦場に連れて行くなんて真似は……」

「あら? クーデリア・藍那・バーンスタイン氏もかなりお若い女性ですけど、修羅場を潜ってらっしゃいますわよね? 2年前」

 

 はたと我を取り戻し、思いとどまらせようとするビスケットであったが、イアンナは勝ち気な笑みをにっと浮かべて返した。

 

「彼女がよくて私が駄目、などという話は通らないでしょう? それに私はアレジの末の娘。それなりの立場にありますが同時に『失っても痛手のない人間』でもあります。今回の作戦にはうってつけの人物だと思いますよ?」

「そんな! 危険が分かっていて!」

「誰が行っても危険なことには変わりありません。それに、『護って下さるのでしょう』? ビスケット・グリフォン支部長」

 

 強気な表情に真剣な眼差し。これがこの女性の本性なのか。これでは梃子でも動きそうにない。

 

(多分これはラスカー氏や蒔苗代表も説き伏せられたんだろうなあ……)

 

 またどうにもあくの強い人間が関わってきたようだ。ビスケットは色々と諦めざるを得なかった。

 

「……分かりました。ですが作戦中はこちらの指示に従って貰います」

「ビスケットさん!? いいんですか!?」

 

 護衛を務める一人であるタカキがビスケットに問うた。応えるビスケットは肩をすくめて。

 

「確かに彼女の言うとおり、誰が来たってやることは一緒だ。ここでもめるよりは腹を決めてかかったほうがいい。多分彼女は梃子でも動かない。分かるね?」

「……なんかすっごくわかりました」

 

 ビスケットの目に諦めというか疲労というか、澱んだ色を見てタカキは得心した。抵抗しても無駄だこれ。

 

「……その、なんだ、すまんね支部長」

「大丈夫です。慣れてますからこういうの」

 

 居心地悪そうに言うシナプスに対し力無く返すビスケット。イアンナが背後で「……どういう意味かしら」と笑顔にお怒りマーク貼り付けて呟いているが無視だ無視。

 

「ともかく後は任せるよチャド。面倒かけて済まないけど」

「ああ、こっちは任せてくれ。……みんな、気を付けろよ?」

 

 ビスケットを筆頭に護衛を担当するものたちは力強く頷く。実際には護衛というよりテロリストどもとの交戦を前提とした精鋭だ。その中にはタカキとアストンの姿もあった。

 

(俺がどうなっても、タカキだけはフウカの元に無事帰さなきゃな)

 

 密かに決意を固めて拳を力強く握りしめるアストン。己の命を賭けて共を護る覚悟を彼は持っている。そのことが果たしていかなる結果を招くのか、いずれにしても後悔するつもりはさらさら無かった。

 とにもかくにも、一悶着ありはしたがイアンナを中核とした一行は国境付近の合流地点に向かって発つ。

 1ヶ月に及ぶ混乱。それは一気にクライマックスを迎えつつあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アーヴラウとSAUが国境付近の一角。森林の狭間に草原が点在する地帯に、ガランたちは散開して潜んでいた。

 各所で挑発行為を繰り返していた部下たちを一堂に集めた、必勝の構えである。今日この時こそが起死回生の一打になると、ガランは勢い込んでいた。最初の指名手配でこそ動揺したが、その後の立ち回りは何とかこなしてきた。向こうもアリアドネの沈黙という予想外のアクシデントがあったせいで対応が甘くなっていたのだろうが、それを差し引いても相応の損害は与えてきている。追いつめてきているという手応えはあった。

 その上で今回のマクギリスの動きである。順当といえば順当であるが、やっとかという思いがないわけでもない。それほどに今回の任務はプレッシャーを感じていた。ともかく機会は巡ってきた。ここで決着を付けるとガランは決意を新たにする。

 

「隊長、確認しました。アーヴラウ側の交渉役です。装甲車2台にMWが8。MSが2個小隊」

 

 合流ポイントを監視していた部下から有線の通信が入る。情報に間違いはないようだ。

 

「よし、そのまま待機。監視を続けてSAU側が現れるのを……」

「っ! 来ました! ヘイルダムのMS部隊です! 1個小隊!」

 

 森林の影で監視を続けている部下の眼前に、森を割ってスタークグレイズの小隊が姿を現す。先頭の青い機体がアーヴラウ側の前へと進み、跪いた。そのコクピットが開くと同時にアーヴラウ側の装甲車の上部ハッチが開いた。

 

「確認しました。マクギリス・ファリドと鉄華団地上支部支部長です。間違いありません!」

「よし、貴様も後退して戦闘に加われ。……無線封鎖解除! 総員機体を起こせ、これより我々は目標の殲滅に入る!」

 

 命じるが早いか、ガランは己の機体に火を入れた。

 スリープしていたリアクターが次々と目覚める。そしてそれは即座に察知されていた。

 

「支部長来ました! 数は24、2個中隊規模です!」

「総員応戦! 第2小隊は装甲車の直衛に! タカキ、第1小隊は任せる! 防戦に努めて時間を稼ぐんだ! ファリド准将!」

「心得た! こちらは気にするな、そちらの自衛に努めてくれ!」

 

 襲撃を読んでいたビスケットたちは即座に反応。四方から迫る襲撃者に相対する。数の上では倍、その上相手は手練れだ。状況は不利であったが、しかし誰一人として気圧されるものはいない。

 車内に飛び込んで装甲車のハッチを閉じながら、ビスケットはオペレーターと言葉を交わす。

 

「通信の状況は?」

「広域LCSはジャミングされました。向こうもドローンを展開しているようです」

「友軍機との通信だけは確保して。それと常時敵の位置を把握。向こうはSAU側には展開できない、いざとなればそっちに逃げ込むよ」

「了解。現在SAU側の機体が交戦を始めたようです。第1小隊も接敵。散発的に反撃しています」

「深追いはさせないで。数だけは多いから囲まれないように」

 

 いつもの穏やかな様子とは違い、鋭い眼差しで矢継ぎ早に指示を飛ばすビスケット。その様子を見やりつつ、イアンナは微かに笑みを浮かべた。

 

(不謹慎だけど、こういう場の方が生き生きして見えるわね)

 

 この1ヶ月足らずの修羅場より、命を賭けたこの場の方が映えて見える。全身全霊を込め、必死だからだろう。これほどまでに自分が必死になったことがあっただろうか。いや、ありはしない。

 体を張って生き抜き、そして自分たちの国のため命を賭けてくれる彼ら。それに対し自分は何が出来るのだろうという密かな考えが、イアンナの中にあった。

 まずは彼らを知らなければならないと思う。伝え聞いた英雄がごとき彼らではなく、そのものの彼らを。まだ少女の面影を色濃く残した女性は、期待を込めた目で少年たちの働きを見守る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「反応は良い! だがその数ではなあ!」

 

 一気果敢に攻め込むガランの部隊。鉄華団とマクギリスたちは無理に立ち向かおうとせず、防戦に努めていた。

 

「さすがに、やる。攻め込まれないようにするのが精一杯か」

 

 こまめに位置を変え、囲まれないよう留意しながら反撃を行っているタカキ。彼も相応に訓練をこなし技量を上げているが、いかんせん地上支部で人の世話ばかりしていることが多く、実戦からは少々遠のいていた。それでも倍以上の数を相手取って五分に持っていけるのは大したものだが。

 

「手慣れてやがる。裏でこそこそするだけのゴキブリ野郎ってわけじゃねえか」

 

 タカキとバディを組んで応戦しているアストンは、冷静に敵を観察している。彼の技量は地上支部の中でも頭一つ図抜けているが、三日月や昭弘などのトップエースのように無双ごっこができるほどではない。そのあたりは彼も自覚している。

 しかし。

 

(タカキを前に出させないようにしないとな)

 

 友を気遣う心が、無自覚に己の中の優先順位を決めつけている。その範疇に『自分の命はない』。我知らず死兵となりかけているアストンは、その全能力をタカキを護るためだけに振り分けていた。

 幸い、と言ってはなんだがガランたちの目的はタカキを仕留める事ではない。

 

「そうだろう。私を亡き者にすれば、すべての片は付くのだからな!」

 

 自分に向かって集中的に群がる敵兵に対し、マクギリスは不敵な笑みを見せる。

 アーヴラウで起こした混乱は、最終的にはマクギリスを戦場に引きずり出すため『だけ』にあった。ここで彼を仕留められれば最上。成らずとも失態に価する損害を与えればいい。ガランたちの任務はそれで達成される。マクギリスを引きつけ、その隙を突いてアーヴラウの要人を始末するだけでも十分であるが、自分たちが有利なこの状況であれば積極的にマクギリスの命を狙うであろう。

 

「もっとも、簡単に討ち取られてやる気はないがね」

 

 するりと青いスタークグレイズが二本の剣を抜く。彼の機体は外見こそ配下のものと変わらないが、中身はフルチューニングを施した別物である。ガランたちが用いる旧世代のMS【ゲイレール】もその実態は現用機と変わらないが、すでにこの時点で差が生じていた。

 かてて加えて。

 

「遅い」

 

 ゆらりと舞うように、双剣が奔る。打ちかかってきたゲイレールの1体、その得物を左で弾き飛ばし返す刀でコクピットを一突き。流れるようなその動作だけで1体が地に伏した。

 一切の無駄がない。ランディのように超絶の反応を追求するのではなく、最小限の動作だけで最大の効率を引き出す技術。以前から高い技量を持つマクギリスであったが、さらにその腕は磨かれているようである。

 機体も乗り手も格が違う。その上彼が引き連れている配下も相当の技量を持っているようで、マクギリスほどではないにしろ優位を保って敵と相対している。彼らに襲いかかったものたちは、一方的な苦戦を強いられることとなった。

 

「くっ、これほどとは」

 

 次々と葬られていく部下の様子に、顔を顰めるガラン。想像以上の技量を持つマクギリスの立ち回りに戦慄を覚えずにはいられない。まだ数の上では有利であるが、イニシアチブは向こうが握っている形だ。このままでは形勢逆転と言うこともあり得るだろう。

 

「ならば……第1小隊、俺に続け。アーヴラウ側の装甲車を始末する」

『了解』

 

 目標を変更。マクギリス本人が手強いのであれば、弱いところを切り崩す。幸いにして鉄華団の方はマクギリスたちほどの技量ではないようだ。こちらは数で一気に押し込めばいけると、機体を方向転換させるガラン。

 

「あれは、隊長機か。一気に押し込んでくる気だな」

「……俺が前に出て引っかき回す。援護を頼む」

「アストン!? ちょっと待って……」

 

 タカキの静止を振り切ってアストンは機体を加速させる。

 地を這うようにホバリングする機体を蛇行させつつマシンガンを散発的にばらまく。そうしながら彼は左腕でナタのような武器を引き抜いた。

 

「阿頼耶識付きか。宇宙ネズミにしても良い動きだが!」

 

 突っこんでくるランドマン・ロディに対し、ガランは部下を四方から襲いかからせた。鈍重そうに見えて機敏に動く機体は、四方からの打ち込みを危なげなく回避する。大振りで振り抜かれたツルハシのような得物をすり抜けざまに、相手の手首あたりをナタで強かに打ち付け得物を取り落とさせた。同時に極至近距離からマシンガンをゲイレールの顔面に叩き込み、乗り手が怯んだところを蹴倒す。

 次いで襲いかかってきた敵の得物をナタで受け止め、そのままスラスターを全開で吹かし真正面から体当たり。装甲の厚いマン・ロディだからこそできる荒技だ。吹っ飛んだ機体が転倒するのを見向きもせず、アストンは次の敵に襲いかかる。

 型も何もあったものではない、荒々しいその戦いぶりは野生の獣がごとく戦場を蹂躙する。しかしそれはまだ青く荒削りなもので、勢いに任せたものだ。そして焦りにも似た死兵の鍍金は、ガランほどの技量があれば見抜ける。

 

「流石の錬度ではある! しかしなあ!」

 

 ガランは倒された僚機を踏み台にして跳躍した。そしてそこから大上段に打ちかかり――

 

「そんな大振りが!」

「通じないだろうな!」

 

 『打ち込みが払いのけられる寸前で、スラスターを全開にして真横に跳んだ』。

 真っ向からの技量は己に迫るかそれ以上だろう。そんな相手とまともに勝負してやるような真似はしない。単純ではあるが不意を突くその動きは、一瞬とは言え鉄華団の少年の虚を突いた。それを逃さず着地と同時に強引な機動で得物を振るう。

 ガランの笑みが深まる。

 

「獲った!」

「させない!」

 

 たたらを踏んだランドマン・ロディのコクピット目がけて振り下ろされるツルハシ。それが届く寸前で、横合いからの体当たりがアストンの機体を吹っ飛ばした。

 それを成したのはタカキ。アストンがタカキを護ろうとしていたのと同様に、タカキもアストンを護りたいと思っていた。我を忘れて身代わりになろうとするくらいには。

 だめだ、いけない。吹っ飛ばされる機体の中、アストンの時間は引き延ばされていた。己の手が届かない、ゆっくりと流れる景色の中で、ゲイレールの得物が体勢を崩したタカキの機体に叩き込まれる――

 寸前で『ゲイレールが吹っ飛ばされた』。

 

「……え?」

 

 時間の流れが戻り、尻餅をついた機体の中で アストンは現状が把握できないまま眼前の景色を唖然と見るしかない。

 ゲイレールを吹っ飛ばしたのは、『上空から叩き込まれた砲弾の爆発』。その爆煙を吹き飛ばし、落下してきたものが着地の衝撃波をまき散らす。

 即座に身を起こした機体から、威勢の良い声が響いた。

 

「待たせたな、兄弟!」

 

 咆吼し牙を剥く昭弘は、グシオンが手に持つハルバードを振り抜く。

 同時に次々と着地する獅電を主にした鉄華団本部のMS部隊。その中核となる白い機体が、穿ったクレーターの中で身を起こし、モニターアイを光らせる。

 

「早速だけど、潰すよお前ら」

 

 地獄の番犬が、その牙を剥く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ※今回のえぬじい

 

 ならば……答えは一つだっ!

 ↑特に意味もなく内海っぽくアストンのフラグをへし折る筆者。

 びーどばーびーどばー♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 いや意外とびるどが面白くてですね? おいこの勢いで最終話まで保つのかこれ捻れ骨子です。

 それはそれとして……ああうん、アストンのフラグ折りは予定通りだったんですよ本当ですよ? 大丈夫だヒゲとダメのフラグは折れない安心してくれ。ホントダヨーホントダヨーウソツカナイヨー。ってかここから逆にやつらのフラグ折る方が難しくありません? 最低でも白旗上げたところでこいつら無事じゃすまないと思いますが。
 というわけで次回は逆転劇です。さてさてガランとラディーチェは一体どんな酷い目に遭うのか。お前ら覚悟せいや(志摩感)

 そんなこんなで今回はこのあたりで。

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