うたわれるツナ   作:ロナード

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 最近、モチベーションが上がらないんだ…だから、この作品で一応モチベーションを上げようかと思います。リハビリに近いので、そんなに優先して投稿しないかもしれないですがよろしくお願いいたします。

 うたわれるものは三作ともプレイしてクリアしておりますし、アニメもOVAと合わせて全て見ています。二人の白皇のアニメ化は有るのかな…


第1話 境界を越えた出会い

 俺は沢田(さわだ)綱吉(つなよし)。並盛中学校に通う中学三年生なんだけど…三学期になって俺が入ろうとした高校の入試テストの結果を見た俺の家庭教師を勤める見た目は赤ん坊の殺し屋であるリボーンが激怒しているので、明らかにヤバイ状況の中にいた…

 

「おい…ダメツナ!!お前、何だこの結果は?第一志望が落ちるのはまだいい…だが、第二第三志望の高校までの入試結果が全て不合格ってどういう事か説明してもらおうじゃねえか!!」

「ええと…あの、その…と、とりあえずさ、落ち着いて話し合おうよリボーン…」

「この結果を見て落ち着ける訳が無いだろ!何で俺がわざわざ入試テストで出るであろう問題を予め考えて解き方とかを色々と教えてやったのに…何故、それでお前が受けた高校の入試結果が全て不合格になったんだ?」

「それは俺の勉強不足かと思います…」

「解っている様だな、ダメツナ。じゃあ、高校にいけないお前は中学卒業した後直ぐにボンゴレのボスになるしかねえよな?」

「だからマフィアのボスにならないって言っているだろ!!」

「受験に落ちたくせに相変わらずボンゴレのボスになる気だけは無い様だな。だがな、中卒の奴を雇うところは早々に見つからないぞ?もし、このまま就職出来ない様だったらどうする気だ?もしかしてニートにでもなる気か?」

「ニートには絶対ならない!多分…」

 

 俺は高校の受験に失敗した上にリボーンに正論を言われてぐぅの音も出ない…確かに中卒だと就職出来る可能性が低いし、最悪一生無職という可能性も否定出来ないのは事実だし、嫌だけどボンゴレのボスになる事も考えないといけないな…

 

「とりあえずお前がボンゴレのボスになるかどうかは保留する事にするが…この結果を見て目を瞑る程に俺は甘くないからな、だからお仕置きを開始させてもらうぞ!!」

「お仕置きって何をする気だよ!?」

「ちょっとした実験に付き合ってもらうぞ!」

 

 リボーンが俺にお仕置きをすると宣言すると巨大なカプセルみたいな装置を部屋に設置し始めたので俺はその装置が何なのか聞く事にした。

 

「リボーン、その装置って一体?」

「これはな、ワープマシーンだ!ボンゴレの技術力と正一やスパナの知識も有って完成したワープマシーン試作機だ!」

「それって、十年後の世界で白蘭が使っていた装置と同じって事?」

「まあ、そうだ。と言ってもこれはあの装置と違って死ぬ気の炎を必要としないワープマシーンだ。これさえ有れば好きな場所に行ける様になるって事だ。だけど、まだ試作機だから飛ばす事は出来ても戻す事は出来ない。だからこそツナ、お前を戦争の真っ只中の国の戦場のど真ん中に飛ばす。そこで色々と学んでこい!」

「ふざけるな!!?受験に落ちたからって、戦場のど真ん中に生徒を飛ばす家庭教師がいるかよ!?しかも送ったら戻せないワープマシーンって…只の欠陥品だろ!!?ってか、戦場に行って何を学べって言うんだよ!?」

「うるせえな。つべこべ言わずさっさと入れ!!」

「ヤメロォォッーーー!!?この不安要素しかないワープマシーンの中に俺を押し込むなぁぁ!!?」

 

 俺はリボーンによって無理矢理ワープマシーンの中に押し込まれると、ワープマシーンのドアを閉められると同時に機械音が響き始めたので俺はリボーンに一応尋ねた。

 

「待てリボーン!?ワープマシーンはまだ起動してないよな…」

「もう起動してるぞ」

「ですよね…」

 

 既にワープマシーンは起動している様なので俺は諦めて大人しく戦場に送られる事を覚悟する事にしたのだが…

 

「ランボさん登場!!ありゃ、これ何?玩具かな?玩具だな!」

「うるせえなアホ牛!!お前はお呼びじゃないぞ!」

「ランボさんはうるさくないもんね!!うるさいって言った奴がうるさいんだもんね!思い出したもんね、ランボさんはリボーンを殺さないといけなかったもんね。死ねリボーン!!」

 

 モジャモジャ頭の子供であるランボが部屋に入って来たので事態は急変する事になるとはこの時は思っていなかった。

 リボーンがランボを煙たがるが、ランボはそんなリボーンにムカついたのが原因かいきなり自分の使命を思い出した様で手榴弾を取り出してリボーンに向けて投げたのだが…

 

「星になれ!」

「グピャァッ!!?」

 

 リボーンがその一言を発すると同時にランボの手榴弾をテニスラケットで打ち返すとランボに向かっていき手榴弾はランボの目の前で爆発し、ランボは何処か遠くに吹き飛んで行った…

 だが、ランボの手榴弾が爆発した場所が悪かった様でワープマシーンの様子がおかしくなった様でリボーンは少し慌てた様子で俺に向けて発言した。

 

「すまんツナ…アホ牛のせいでワープマシーンの座標がおかしくなったみたいだ。お前が飛ばされる場所が何処になるかは俺も解らねえ…だからワープマシーンが完成して迎えに来るまでは何とか生き延びろよ!」

「待って!!?俺をこの中から出せば済む話じゃないのか!?」

「すまねえな、時は既に遅しだ。ワープマシーンが完全にワープの開始を始めた。だからツナ、諦めてくれ。一応、食料とかが入ったバッグも有るからな。ワープマシーンが完全に完成次第に迎えに行くから、それまでは頑張って生き延びろよ!グッドラック!」

「他人事だと思ってふざけるなぁぁっ!!?」

 

 あまりにも理不尽な展開に思わず俺は叫んだが、その声がリボーンに届く前に俺はワープマシーンによって異空間を漂いながら何処か別の場所へと飛ばされたのだった…

 

 

 

 

 

 

 ここはある村。そこに有る宿の前に一人の青年が女性に仕事をやらされる事になっていた。

 

 

 

「ハク、今日の仕事なんだけど、この袋を全部倉にまで運ぶくらいはさすがに一人でも頑張れば出来るよね?」

「はいはい、やりゃいいんだろ。やりゃ…」

 

 自分の名前はハク。と言ってもこれは本当の名前じゃなくてな、自分は記憶喪失で自分の名前すら思い出せずにいたから、今目の前にいる紺色の長髪で白くて長い尻尾を持つ顔だけは可愛らしい女クオンに名付けられた名前だ。本当は前向きに思い出せないなら自分が自分で格好いい名前を考えようとしたんだがクオンにハクって決められたから仕方なくこの名前で定着している。

 まあ、クオンが言うにはハクという名前はクオンの故郷に伝わる由緒伝わる神聖な存在から取った名前らしい。自分からするとただ簡潔ななまえにしか思えないけどな…

 それと自分以外のクオンを含めたこの世界のヒト達は皆が自分が知る人とは違い、耳が特徴的だったり、クオンの様に尻尾が有る様なので最初は驚いた。まあ、慣れるとそんなに気にしなくなったけどな。

 とりあえず、今はクオンに言われた通りの事を面倒だかしよう。今泊まっている宿の女将さんにクオンが頼んで仕事を自分にやらせる様にしたお陰で自分は今、こんな麻袋に入った穀物を運ばされる事になった訳だ…

 はあっ、文句は言わずにさっさと済ませるか。この大量の麻袋を運び終えた後、もしクオンにまた仕事をやらされそうになると困るし、何処か人があまり出入りしない場所でも見付けてのんびり過ごす事にしよう。

 そう誓った自分は麻袋を持ち上げようとしたんだが…

 

「クッソ…重い!?」

 

 そう重いのだ。思わず自分が声を挙げてしまう程に重いんだよ、この袋…こんなのを倉にまで運ぶとなると袋の数からして相当時間が掛かる事に気付いた。だから自分はクオンに手伝ってくれる様に頼もうと思ったのだが、既にクオンは何処かに行っていたので結局自分だけでこの穀物が詰まった袋を運ばないとダメな様だ…

 結局自分だけでこの穀物が詰まった袋を運ぶ事になり、必死に持ち上げてやっと一つを倉に運び終えたのだが…正直言って全ての袋を終わる頃には自分は筋肉痛で魘される事になっているのではないかと思う。うん、絶対そうだ。そうに違いない!クオンや女将さんは子供でも出来る仕事だと言ったが、それはきっとこの村の子供が力持ちなだけだ。そう思わないと、自分が子供より力の無い軟弱な大人の様で情けなく思えてしまうからな…

 まあ、とりあえず今は次の袋を運ぶ事にしよう。仕事をやらずにほっつき歩いていたらクオンに絞められるからな…そう思いながら自分は次の袋を運ぼうとした時だった。

 

「うわあぁぁっ!!?そ、そこの人、危ない!避けてください!」

「はあっ?」

 

 自分の上から声が聞こえたので自分は上を向くと、空から茶髪の独特な髪型をした少年が落ちてきたのが見えたので自分は思わず避けてしまい、少年は顔面から地面に思い切り衝突し、その衝撃でかピクリとも動かないでいる…思わず避けてしまったけど、これって、自分のせいじゃないよな?何で空から落ちてきたか知らないが、少年の方が先に自分に避けてくださいって言ったから別に自分は悪くないよな?そうだよな?って、こんなふざけた自問自答をしている場合じゃねえ!?

 

「大丈夫か、少年!?生きているか、生きていますよね?生きていてくれよ…お願いだから…」

「生きています…何とかね…でも、やっぱり避けないで受け止めてほしかったよ…」

 

 良かった…この少年は何とか生きていた様だ。少年の姿を見るからに、どうやら自分が知る人間としての人らしい。やっと会えたぜ、耳が普通に丸くて尻尾も無い普通の人間にな。とりあえず少年が起き上がったところで謝ると同時に自分は少年に尋ねた。

 

「うん、本当にすまん。つい条件反射で避けてしまった…それに空から落ちて顔面から思い切り地面に衝突した割にはよく生きていたな…それと少年、何故空から落ちてきた?」

「ええと、それは…言っても信じてもらえないかと思いますけど…俺はワープマシーンで飛ばされてきたんですよ」

「ワープマシーン?すげぇな、そんな物が出来ているのかよ、この世界は!?」

「いえ、正しくはその試作機で飛ばされてきたのでワープマシーンは完全には完成していないです」

 

 少年がワープマシーンで飛ばされてきたと言うので自分は驚きを隠せないでいた。そんなに技術が進んでいたんだな…てっきり、この世界は機械が無いのではないかと考えていたんだが、少年が言う事が本当なら何処かに自分とこの少年の様な人が住む場所が有るって事か?

 自分がそう思っていると、少年が自分に何か聞きたい事が有るっぽいので自分は少年の話を聞く事にした。

 

「あの、ちょっといいですか?ここって何処ですか?あなたは見る限りでは和服を着ていますけど、ここって日本じゃないですよね?」

「日本!?少年、君は日本人なのか?」

「えっ?は、はい。俺は日本の並盛から来たんですけど…どうしてそんなに驚いているんですか?」

「そりゃな…てっきり、この世界には日本なんか無いと思っていたんだよ。記憶が正しければ自分も少年と同じ日本人の筈だしな。だから日本がちゃんと有るって聞いて安心したんだ」

「記憶が正しければって…どういう事です?」

「ん?ああ、すまん。自分は記憶喪失になっていてな、それで微かに残った記憶から考えて自分は日本人じゃないのかって思っているってところさ」

「記憶喪失だったんですか…じゃあ、ここが何処の国かも解らないって事ですか?」

「いや、一応聞いているからそこは大丈夫だ。ここはヤマトっていう国だ。もうちょっと詳しく言えばそれに属する国であるクジュウリってところみたいだ」

「ヤマト?それにクジュウリ?聞いた事が無い国だな…」

 

 少年はヤマトという名前を聞いた事が無いらしく首を傾げているが、自分も最近知ったばかりだし、初めて聞いた国の名前を聞いて自分がソコにいると知って戸惑うのも分かる気がする。

 少年にまだ聞きたい事が有る自分なのだが、後ろの方から殺気を感じたので自分は後ろを振り向くとソコには尻尾を鞭の様にしならせたクオンが立っていた…

 

「ハク、様子を見に来てみたら…まだ一つしか袋を運びおえていない上に呑気に立ち話していたなんて…」

「待てクオン!?落ち着け!自分はサボっていたんじゃない!?ただ、空から急に落ちてきては、顔面から思い切り地面に衝突したこの少年を心配していただけであって…決してサボっていた訳じゃないんだ!?」

「何を言っているのかな?ヒトが空から落ちてきて顔面から思い切り地面に衝突して生きているなんて有り得ないから!!言い訳としては見苦しいかな!!」

「いや本当!本当なんだ!!少年、君からもクオンに言ってくれないか!じゃないと、自分はクオンにヤられる!!?」

「えっ!?本当に俺はその人が言う様に空から落ちてきたんですよ。そしたら、地面に顔面から思い切り衝突しちゃって…痛い上に恥ずかしい話ですよ」

「君、そんな嘘は言わなくていいのよ。ハクの見苦しい言い訳に付き合う必要なんて無いから。だからハク…覚悟はいいかな!!」

「理不尽だぁぁぁっ!!?」

 

 自分が言った事はクオンには何一つ信じられないまま、自分はクオンの尻尾により顔面に万力の様な圧力を掛けられてしまい気を失ったのだった…

 

 

 

 

 

 やあ、沢田綱吉ことツナです…俺は今、先程本当の事しか言ってないハクっていう人がクオンという女性に尻尾で顔面を巻き付けられて、メキメキっていう音が聞こえた後にハクさんが倒れた後、俺はクオンさんに必死にハクさんと話していた事を一から話した結果、なんとかハクさんの言った事が真実だと分かってもらった後、クオンさんの案内も有ってハクさんとクオンさんが泊まっている宿の部屋にまで案内された。

 ついでにハクさんは気の毒な事に気絶して直ぐにクオンさんの尻尾で両頬を往復で叩かれて無理矢理起こされ、直ぐに仕事をやらされる事になった…その様子はまるで俺とリボーンの様だ…まあ、リボーンと比べれば大分優しいけどね。

 それにしても尻尾が有る人がいるって事はこの世界は…ハクさんがこの世界に日本が有る様で安心したって言ってた意味が分かった。おそらく、今俺がいる世界は俺がいた世界とは違う世界って事だ。ハクさんも多分、俺が知ってる世界にいた人間なんだろう。まあ、これは仮説に過ぎないから真実は解らないけど…

 俺が色々と考えているとクオンさんが俺に尋ねてきた。

 

「ねえ、君が言ってた事が本当だとすると君って…もしかして大いなる父(オンヴィタイカヤン)?」

「えっ、オンヴィタイ…何ですか、それ?」

「えっと、ごめん。これは(わたくし)達が勝手に呼んでいるだけなのかもしれないけど…かつて太古に世界を支配し、ヒトを創造したと言われる存在って言えばいいのかな。簡単に言うと君と同じ種族の者を表す言葉だと思えばいいかな?」

「俺と同じ種族の者?」

「君はハクと同じくこれ持ってないでしょ?」

 

 クオンさんがそう言いながら、自分の尻尾を見せてくるのでこの世界の人は俺とは違う種族だと言いたいのかな…それにしても太古に世界を支配し、ヒトを創造したって言う事はつまり…この世界にはハクさんと俺以外に人間はいないって事になるのかもしれない。

 

「もしかして、俺とハクさんの様な人間はこの世界にはいないって事になるんでしょうか?」

「ううん…それは正しくも有るんだけど、間違いでもあるかな…」

「それはどういう意味ですか?」

「今のところ、君に話していいのか解らないから、この事については必要と思った時に話すとするかな…」

 

 どうやら話せない事情が有るみたいだし、これ以上はこの世界に人間がいるかどうかの話はすべきじゃないな。そう思った俺は話題を変える為にクオンさんにハクさんの事について尋ねる事にした。

 

「ところでクオンさん、ハクさんは記憶喪失みたいですけど…ハクさんとは何処で出会ったんですか?」

「ハクと何処で出会ったかって?ハクはあの雪山で倒れていたところを保護したの」

 

 クオンさんが部屋の窓から見える山を指さしたので、おそらくあの雪山の中でハクさんとクオンさんは会ったのだろう。それにしても、よく雪山の中で倒れていて無事に済んだなハクさんは…もし、クオンさんに見付けられずにいたら死んでいたかもしれないし、運は良かった方だろうと俺は思った。

 

「ハクを最初に保護した時には少し目を離した隙に姿を消してはあの雪山に有る洞窟の中に移動していたんだけど、その時はタタリに襲われていたんだけど、ソコを何とか目眩ましを使って助ける事が出来たから良かったかな」

「タタリ?タタリって何ですか?」

「タタリは…簡単に話すと、赤くてどろどろした生き物って君には言った方がいいかな。タタリは他の生物を大きさに関係無く補食して消化する危険な存在だから気を付けた方がいいかな」

 

 赤くてどろどろした生き物って…まるでRPGに出てくるスライムみたいなヤツだと思えばいいのか?まあ、スライムと同じ様に考えちゃいけないかもしれないけどね…

 

「それでタタリからハクを助けた後、ハクと話し合ったんだけど…そこで知ったんだ、彼が記憶喪失で自分の名前すら覚えていなかった事をね…」

「自分の名前すら…じゃあ、ハクっていう名前は…」

「そう、それは(わたくし)が名付けた名前。その名前は伝承にまでうたわれし御方の名からいただいたモノなの。だから、ハクという名前はちょっと神聖なモノかな」

「そうですか。じゃあ、クオンさんはハクさんの名付け親ってところですか」

「そうだね。名付け親と同時に保護者だしね」

「保護者って…ハクさんはどう考えてもクオンさんより年上かと思うんですけど…」

「だって、記憶喪失なんだよ。この世界で生きていく為の知識が全く無いんだよ。その為には私が保護者になって、ハクが一人でも生きていける様にしないとダメかと思うかな。ハクが自立出来るまでは私がハクの保護者かな」

「確かに記憶が無いと生きていく為の知識とかも無いと考えられますね。だから、仕事をやらせているんですか?」

「そう。敢えて厳しくしてハクが嫌がろうとも仕事をやらせて、自立出来る様にしないといけないと思っての考えかな」

 

 本当にクオンさんはハクさんの事を思っているんだな。ハクさんは知らないだろうけど、クオンさんはハクさんの事を思って敢えて厳しくしてるだけで、ハクさんに生きる為の知識を与えようと懸命に考えているんだな。本当にリボーンとは大違いだ。

 リボーンは俺の事を思ってやっていると思えば、ただの八つ当たりに付き合わされただけだったり、暇という理由で俺で遊ぶ様なヤツだしな…正直言ってクオンさんの様に厳しくとも優しさを見せる心遣いが有ればいいのになって思う!

 

「まあ、こんなものかな。保護して分かった事はハクってめんどくさがりで仕事をやらせると直ぐに楽して終わらせようと考えるし、力が無さすぎて子供すら出来る仕事が出来ない程だし、色々と手を差し伸べないといけないところが有るけど、私はハクが自立出来るまで保護者として面倒を見続ける気でいるかな」

「本当に凄いですねクオンさんは!それよりハクさんってそんなにめんどくさがりなんですか…それに力が無いんですか…」

「そうなのよ。めんどくさがりな性格はともかく、ハクは本当に力が無くてね…先ほどハクにやらせている仕事の内容を見て分かる様に収穫した穀物が詰まった袋を倉に運ぶ簡単な仕事なのに…それにすら音を挙げる程に力が無いの…」

「二年くらい前の俺より重症ですね…俺もそこらのお爺ちゃんより握力が低い事が有りましたしね…」

「それは本当なのかな…それはそれで心配なんだけど…まあ、二年くらい前の話みたいだし今は違うんだよね?」

「はい、今は同じ年齢の女子の握力の平均より下にはなりました」

「君ももうちょっと頑張ろうかな…ハクは力が無い代わりに頭は良いみたいでこの間はこの村の動かなくなった水車を直しちゃったしね。まあ、それはその時に頼んだ仕事を楽に終わらせる為にやった事なんだけどね…」

「それって凄いんじゃないですか?水車って思ったより複雑だと思いますし、そういう方面の仕事が向いているんじゃ?」

「君もそう思う?やっぱり、ハクはそういう仕事の方が向いているのかな」

 

 楽する為とは言えど、水車を一人で直せるハクさんの頭の良さは確かなモノだと思える。でも、頭を使う仕事ってどういうのだろう…

 

「それより君はどうするの?君の話が本当なら、君は違う世界からこの世界に来たんでしょ?これからどうする気なのかな?」

「そうですね…違う世界に来てしまった以上は元の世界に帰れるのか怪しくなってきましたし、何とかこの世界で生きていける様に最低限の知識だけは得ないといけないと考えています」

「ハクと違って君はちゃんと自分で生きていく為の努力はするって事かな?じゃあ、私と一緒に来てみない?ハクを自立させる事を優先してしまうと思うけど、それでも良ければ私が君の力になれる事が有れば頼ってほしいかな」

「えっ、いいんですか!?それならお願いします。俺がこの世界で生きていく為にもこの世界の事を知らないといけないと思うので、色々と教えてください!よろしくお願いします、クオンさん!」

「うん、任せてほしいかな。そういえば大事な事を聞き忘れていたけど、君の名前は?」

 

 そういえばハクさんとクオンさんの二人の名前を知っておいて、俺の名前を二人が知らないでいるのはおかしいな。二人が呼びあっている時に名前を知ったから俺は二人を名前で呼んでいたけど、二人は俺の名前を知らないままだからクオンさんは俺を君って呼んでいたし、俺は最初から名乗っておくべきだったと思いつつもクオンさんに自分の名前を教えた。

 

「俺の名前は沢田綱吉。俺の世界ではツナって呼ばれていたのでそう呼んでください!」




 尚、この後に仕事を終えたハクが部屋に戻ったら直ぐにツナはハクにも自分の名前を教えました。その後、ハクはツナに呼び捨てでいいと言われたので次回からツナはハクを呼び捨てで呼びます。
 それとツナの世界とハク達の住む世界は全く違う世界だという設定ですので、ツナの世界はハク達の世界の過去という訳ではないので、ハク達の世界に7³や死ぬ気の炎などは有りません。

 次回はウコンとマロロ登場回です。ギギリ退治にまで行けるかどうかは私の執筆次第です。

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