二対の斬魄刀   作:タカ0610

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第1話

 二対の斬魄刀

 

 

 ここは北流魂街 霊力によって東西南北に四分割されている。 なぜ分割されているのか… それは死神候補を見つけやすくし、より多くの候補を死神になるための一つの基準である霊力が留魂街ごとに一定値以上あると南 それ以下は 西、次に 東、そして 北 と分けられている。 お気づきの方もいると思うが、北は霊力最弱の集まる流魂街 通称ゼロ地区 もう東流魂街以下となると霊力があろうとなかろうと霊力としては 無 に等しいことからゼロと呼ばれている。

 

 霊力も無いに等しく、お先真っ暗であるこの流魂街は日々喧嘩や強奪が繰り返されている。 霊力がないものだから拳が強いもの、ズル賢いものが生き残れる構図となっている。 もしこんな生活から脱却したいなら…希望があるとしたら 死神 になるしかない。北流魂街の南側にある大きな何十メートルもある巨大な門がそびえ立っている。

 

 その向こう側にあるのが 死神の世界 その門ををくぐることができれば虚と戦う死と隣り合わせではあるが、今の様な極貧生活は一転し、 華やかな生活が待っているだろう……… 可能性はゼロに限りなく近い。 他の流魂街なら死神候補に選ばれる可能性がある。 特に南流魂街は しかし、この北留魂街は悲しいかな… この街ができて数千年、死神候補 排出 は ゼロ なのである。だから夢を見る輩などは極少数 真面目に働くことを諦めその日暮らしの輩が多い。

 

 そんな中、北流魂街に住んでいる 高坂 柛 ( こうさか しん ) は、 霊力を持たないことに偏見を持つ事の無い 唯一 の友達である 恋次 と ルキア と町外れの森で山菜を採っていた。 恋次とルキアは西流魂街出身の人間 南に次ぐ霊力の持ち主だが、西と北を分けているこの森で迷子になっていた2人を助けたのが友達になるきっかけであった。

 

「 柛 会うの久々だなー 今日は数年に一度の定期検査だけど、こんなとこでオレ達と山菜取りなんかしてていいのかよ! 」

「 そうだぞ 死神もとい、候補ではあるが これはチャンスなのだぞ! みすみす逃していいのか? 私は、これかもお前と 一緒…… ぃたぃんだぞ…… 」

「 ルキア なんだって? 聞こえなかった そういえば 2人とも今回の検査で候補生になったんだよな おめでとう! 」

 

「 そんなことより山菜も、結構集まったから天ぷらにして食べよう! やべっ ヨダレ出てきた 」

「 はぁー この鈍感野郎 定期検査受けてみればいいのに 」 ぼそ…

「 そうだな 採れたてを揚げるなんて贅沢だな 早く帰るぞ! 腹減った 」

 

先程から話題上がっている 定期検査 とは死神候補を見つけるため年に一度行われる検査である。 しかし北のゼロ地区は 数千年候補生すらゼロなので やらなくても結果が分かっている様なものだ。 なので、他の地区とは違い 数年に一度 の定期検査が今回開催されている。 年々数を増しつつある虚を退治する上に、この検査にも人員を割かなくてはならないので 死神界は てんやわんやである。

 

 今年は北流魂街にも死神を派遣しなければならなく 死神界から派遣された人数は…… 2人 他の流魂街は何十人も死神を派遣されているのに北だけ2人は少ないと感じるだろう 只でさえ人員が足りないのに北に派遣したところで、ゼロ地区から死神候補など見つからないだろう 1人でいいのでは?

 というのが上の判断だが、バディー制度をとっているため仕方がなく2人派遣ということとなった。 その2人というのが11番隊所属の一角と弓親 である。

 

  「 はぁー なんでこの俺がゼロ地区で検査しなきゃならねーんだよ! 俺は毎年死神になったら面白そうだなーって奴見つけるのが楽しみでこの役を買って出てるってのに よりによって…… はぁ 」

「 こらこら 一角気を抜いてはいけないよ このゴミ溜めの中からいくら候補生を探しても ゴミ しか見つからないからって 本人達を目の前にしてその様なことを言っては失礼にあたるよ まったく… 」

 

「 いや、お前が一番酷いからな…… 腹黒弓親 ぼそ 」

「 えっ⁈ なんだって? 」

「 なんでもない 暇だなーって思ってさ…. 集まる輩も俺ら死神を生で見たい野次馬か 死神になる事を夢見るメルヘン野郎しかいないもんな… 検査やる意味あんのかよ 」

「 形式上だよ 一角 数年に一度でもやる事に意味がある 北だけ検査をやらないとなると不満にも繋がるし、暴動が起きない様にする為の一つの策だよ 」

 

 

 ドカーン 街中で破壊音がした

 

 

「 なんだ⁈ なんか事件でもあったのか? いやこの霊圧… 虚か 行くぞ! 」

「 まぁ、いいんじゃない? ここはゼロ地区だし 虚にとっては餌の宝庫だね 」

「 なにが いいんじゃない? だよ 」

「 だって 虚達はゴミの削減に手助けをしてくれてるんです 偶には虚も役に立つもんですね 」 ニヤッ

「 んな御託はいいから早く行くぞ! 」

2人の死神は現場へと向かった。

 

 恋次が柛とルキアを守ろうと虚に立ち向かったが、赤子の様に遊ばれ近くの民家へと吹き飛ばされた。

残った2人だがルキアは虚に怯えて、その場を動こうとしない 柛は大切な友達を守るために一歩前に出てルキアを背で守る形をとった

そんな場面を見た一角達

すぐさま一角は帯刀していた斬魄刀を柛に向かって放り投げた

 

「 ちょっと 一角 何しているんだよ!

「 いいから 面白そうじゃん? 虚相手に素手では不公平だろ? そんなことより隠れるぞ! 」

「 まったく… 君と居て退屈しないよ! 」 ニヤッ

突如空から降ってきた刀 元い一角が放り投げた斬魄刀であるが、 柛は辺りを見回すが誰も居らず、素手で戦うと恋次の二の舞いとなるのでルキアをを守るためにも刀を手にとり抜刀し虚に立ち向かう。

 

柛にとって初めての戦闘だった 先手必勝 相手の懐へ飛び込んだ 虚はそれを読んでいたかのように右ストレート それにビビった柛は腰が引けた それが功を奏したのかスライディングの姿勢となり攻撃を避ける形となった 避ける際に刀を振り上げ虚の右腕きりおとした。

 

「 やったぞ! いける 」

 

柛の捨て身の覚悟で挑んだ結果だったが、安堵したことで隙ができてしまった。 虚は痛みはあるものの 残った左腕で柛をなぎ払った。 勢いよく壁にぶつかり受け身を取り損ねた

「 ぐはっっ 」

血を吹き出し 今まで経験したことのない激痛にのたうち回る。 残るルキアは未だその場を動けず

 

「 次は 女… お前の番だぞ! グヘヘ 」

ルキアは、虚 怖さにぺたんとその場に座ってしまった。 柛は刀を杖代わりにし何とか立ち上がった

「ルキア逃げるんだ! 早くしろ! 」

 

ルキアはあわあわしているだけで柛の声がルキアの耳に届いていない様だ。

 

「おい 化物! まだだ まだ俺はやれるぞ! 」 吹き飛ばされてもボロボロになっても ルキア を守ろうと立ち上がった。

「 ふん 次は一思いに潰してやるよ 」

そういい虚は標的をルキアから再度 柛へと変更した。

 

 守ると決めたものは何がなんでも守る 今の柛を支えるのはこの精神力だけ… ボロボロの身体では攻撃を避けることはできないだろう 狙うはカウンター それしかない 霊力を持たない俺は治癒も鬼道も使えないだから身体を粉にして戦うしか道はない。

 虚は先程の柛の攻撃を意識したのかストレートでなくフックを選択した。 最後の力を振り絞り刀を虚の顔目がけて投げつけた。 見事刀は虚の心臓である仮面に命中した。 これで虚は倒せたのだが 虚の左フックの勢いはそのままなので柛はモロにそれをくらい吹っ飛んだ 吹っ飛んだ先は一角達が隠れていた所だったので仕方なく一角は柛を受け取った。 虚は消滅し ルキアは無傷だった。 戦果としては上々である。

 

 

「  坊主お疲れさん! 面白かったぜ 」

そう言い 気を失った柛を抱き抱えた。

「 き、貴様ら 柛をどこへ連れて行く気だ ! その格好は死神だな なぜ助けに来なかったのだ! そのせいで恋次と柛は… こんなに傷だらけになったのだぞ! 」

ルキアは泣きならがそう訴えてきた。

 

そんな言葉を無視し、弓親へ

 

「  面白いもの見させてもらったからサービスで四番隊の卯ノ花さんのとこに連れて行ってやるよ! 弓親はそこの女と赤髪を連れてきてくれ 」

「 それではお嬢さん付いてきてもらうよ 」

 

 

 そうして死神2人と子供3人は 治療班の元へと向かった。

 

 

 

 

 




初めての投稿で手探り状態の文で申し訳ありません。
読んで頂いた方から ご指摘していただき少しは改善できたかな とも思います。 気になる点などあれば この小説を良くしていきたいので 教えて下さい。 よろしくお願いします。

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