東方始天神   作:永夜 報

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 それでは本編へ!





9話 紺色の女神

 ヘカーティア・ラピスラズリ。

 

 東方project15作目の東方紺珠伝において、stage7・・・まあ、EX面だ、に登場する女神さんだ。

 

 確か原作では一番強い設定だったような気がする。

まあ、能力とかも考えると本当に強い・・・・・はずなのだがな。

 

 

「そうなると、貴方たちが私の母親と父親ということになるわね」

 

「俺はそれは何かおかしいと思う」

 

『偶然ですね、神琉君。珍しく意見が一致しました』

 

 

 

 俺はこの惑星、パンデモニウムを創った。それに、かなり無理やりやらされたが、月も創った。

そして、天地。こいつは地球を創った。

 

 ヘカーティアの能力は『三つの身体を持つ程度の能力』。

三つの身体にはそれぞれ役割があり、地球は青色の髪になり、月は黄色の髪になり、異界は赤の髪のヘカーティアとなる。

 

 ここまではよろしいだろうか。

 

 つまり、三つの星を創ったのは俺たちなのでその星達を司る自分は俺たちが創ったということになり

それで俺たちが親になる・・・・とヘカーティアは主張しているのだ。

 

 おかしい。何かおかしいぞ。

言ってることは真実しかないんだが納得できないし、いろいろとまずそうなんだよ、原作介入的な意味で。

 

『貴方はいいんですよ、どうせ原作にバリバリ介入するんですから。

問題は私ですよ、私。あんまり存在を知られたくないんですよ、この前言ったでしょう』

 

 天地は自分の存在を知られたことに、怒りを抱いているのか?

いつになく不機嫌そうだ。

 

「私なら大丈夫よ、母さん。

誰にも母さんのことは言わないわ・・・・・たぶん」

 

『かっ、母さん!?私がですか!?』

 

 天地が母親・・・・・似合わないなぁ。

こいつは母親じゃなくて・・・・めんどくさい姉貴みたいな感じだ。

 

『似合わない・・・・・ひどいこと言いますね』

 

「まあ、私も似合わないと思うわ。それより今私が喋ってる言葉とかいろいろ聞きたいことがあるんだけれどもいいかしら?」

 

「ああ、何でも聞いてくれ」

 

「まず、貴方たちは一体どういう存在なの?それで私は一体どういう存在なの?

そもそもここはどこなの?」

 

 質問攻めだな。まあ仕方ない。今のヘカーティアには情報が全くと言っていいほどない。

こういう時は教えてあげるのが先輩としての役目だろうか。

 

「オーケー、答えるよ。俺は神様・・・・じゃねえや、神様もどきの始天輝 神琉っていうんだ。ま、よろしく」

 

『私は天地といいます。なんか肩書とかはないですね』

 

 俺は握手を求めて手を差し出したんだが、ヘカーティアは無視してくれた。

・・・・・・握手という習慣を知らなかったんだろう。そうなんだろう。

 

「握手はいいから、早く質問に答えてくれないかしら?私は一体誰なの?」

 

 酷い、さっきからヘカーティアの態度が酷い。 

 

 まあ、仕方ないので説明してやる。

 

「長くなるがいいか?お前の名前はヘカーティア・ラピスラズリ。なんやかんやで強い神様。終わり」

 

『説明に飽きてるじゃないですか!全然長くないですし!』

 

 えー、だって長いんだもーん。後は頼んだ天地君よ。

・・・・・しかし、俺の知ってるヘカーティアはなんだかよくわからない飄々とした態度の謎めいた神様だったような気がするんだが、今のこいつは余裕なんてかけらもなさそうだ。生まれたばかりであるからだろうか。

 

 天地の説明をさっさと聞き流しながらいくつかの不可解な点を考えてみる。

まず、今ヘカーティアが誕生した理由。他の神様は生まれていないのに、ヘカーティアだけが生まれた理由。

 

 次に、あいつが俺の知識を持っていない理由。

持っている理由ではなく持っていない理由だ。

 

 そこそこに考え込んでいると、どうやら天地の解説は終わったようだ。

俺は先ほど考察したいくつかの疑問を天地に聞いてみた。

 

『おそらくですが、前者は貴方の知識のせいです』

 

 ・・・・・・・どうやらまた、俺のせいのようだ。

 

『貴方はヘカーティアの元ネタ、ヘカテーの出てくるギリシア神話を完全に理解していますか?してないでしょう!そのせいでこんな奇妙なねじれが起きてしまった!ああ、また歴史の修復が面倒臭くなる!』

 

 困るのは天地だけか。ならいいや。

で、後者は?

 

『・・・・・・おおよそ考えてるでしょう。

貴方はこの世界において異物ではないのですが、貴方の前世は・・・・・』

 

 もし、ヘカーティアが原作知識を持ってしまったら、崩壊が始まるかもしれない。

そうならないように俺の前世をなかったことにし、ヘカーティアにわたる情報を制限した。そういうことだろう。

 

 しかし聞きたいことがまた増えた。

それは、『世界とはいったいどういうものか?』ということだ。

今までのことから考えるに、何かのシステムがあるのだろうがまったくどういうシステムかが分からない。

 

 まあ、天地に聞けばわかるか。

 

 そういえばヘカーティアは何してるんだろう?

そう思って顔をあげてみると、目の中にヘカーティアの姿が飛び込んできた。

 

 背は小さく、肩らへんまで伸ばした赤い髪の少女。周りには三つの星が浮かんでいる。

・・・・どっからどう見てもヘカーティアだが一番の特徴が足りない。

 

 服装が天地と同じようなローブなんだ。

ヘカーティアの特徴であるはずの、Tシャツがないんだ!

 

 これじゃあ面白くないな!そうだろ、天地?

 

『・・・・・まあ、そうですね。アイデンティティーは大切だと思いますし・・・・・』

 

「と、言うわけでヘカ、これを着てくれ!」

 

 俺は今までの集大成、『錬金術を操る程度の能力』を使用する!

能力で記憶の中にある変n・・・ゲフンゲフン、特徴的なTシャツを時空間を操る程度の能力を使ってコンマ単位で作成する!

それにチェックの柄のスカートも同時に!

 

 ・・・・・・俗にいう、能力の無駄遣いである。

 

『神琉君。今のスピードはどうあがいても物理限界を超えてましたけど・・・・?』

 

「気にするな!生命誕生以前なら何をやってもいいと開き直ったやつがいるらしい!」

 

『いや、誰ですか?』

 

 知らん!

そんなことより、ヘカさっさと着てくれないか!?それで俺は初めて東方キャラと出会えたことになるから!

 

「何を言っているの、貴方は?そもそもこのTシャツいったい何よ?

・・・・うぇるかむ、へる?意味が分からないわ。・・・・・ヘカって私のこと?」

 

 うー。そんな簡単には着てくれないってか。

 

『まあ、着てやってくださいよ、ヘカーティア。

この人は頭がおかしいのです、私は理解することをやめました』

 

 おお!

まったくうれしくないおまけ付きで天地が援護射撃してくれた!

 

 さあ、天地もこう言ってくれてることだし着たほうがいいんじゃないか!?

 

「うーん、でも、・・・・・・と、父さん。このTシャツさあ」

 

 Tシャツさあ?

 

 

「結構・・・・・へn・・・ユニークだよ、ね?」

 

「だから着せようとしてるんだろ!!!変なTシャツだから着せようとしてるんじゃないか!さあ早く!」

 

「うわーぁん!やっぱりこいつ確信犯か!助けてよ、天地母さん!」

 

『理解してない側からするとほんとに貴方おかしな人ですね』

 

 

 

 なんやかんやで。

 

 

 

「うう・・・結局着せられたのは、なんで?ほんとに」

 

『まあ、似合ってますよ・・・・』

 

 いや、どう見たって似合ってるだろ。

これこそがヘカーティア・ラピスラズリ、って感じだと思うんだが!

 

『原作のことを分かってる側からすればそうでしょうが・・・・・・。本人からすると迷惑極まりないでしょうね』

 

 ヘカーティアのほうを見るともうローブだった。

・・・・・・・・そんなに嫌か!?

 

 まあ、無理して着てもらうこともないか。いや、着てほしいけどね!

トラウマになられたりしたら元も子もないしね。

 

「・・・・・・・・二度と着ない」

 

 普通にトラウマにしてたよ!

これが原作崩壊ってやつか・・・・・。おそろしすぎるな。

 

『こんなしょぼい原作崩壊は今までなかったと思いますけどね』

 

 結構重要だと思うけどな。

そういえばヘカーティアが誕生したなら、他の神様もそろそろ出てくるんじゃ・・・・・?

 

『・・・・・・・東方世界において、神話に関係するキャラクターって他に何かいましたっけ?』

 

 神話?・・・・・えっと、思い出そう。

 

「永琳や神奈子の出てくる日本神話、ヘカーティアの出てくるギリシア神話、・・・・このぐらいかな?」

 

『一個忘れてるじゃないですかぁあああ!!!!中国の古代文明の下り!!!』

 

 中国の古代文明?

 

 なんとなくヘカーティアを見てみる。

ヘカーティア・・・・紺珠伝・・・・・黒幕・・・・・あ。

 

「もしかして、純狐さんのことですか!?」

 

『正解ですよ!全く!』

 

「ねえ、何の話をしているの?」

 

 ヘカ!その疑問はもっともだが今はちょっとやばいかもしれない!

 

『もしかしたら時間が狂うかもしれません!ちょっと歴史を修復してきます!』

 

 天地はそう言って姿を消してしまった。

 

 ・・・・・・・え、これどうすんの?

 

後には何一つとして理解できなかったヘカーティアと、俺が残されましたとさ。

 

 

 

「結局今のやり取りはなんだったの?・・・・・父さん」

 

「大人の事情っていう都合のいい何かでごまかさせてもらおう。てか、もう父さん呼びで確定なんだね」

 

 

 やることがないな。

取り合えずヘカーティアに能力と魔力の使い方と、それから神様の持つ神力についての使い方も教える。

 

 あと弾幕の張り方とか、普通に地球の知識とかいろいろ教えてみた。

 

 天地は一回も帰ってこなかった。申し訳ない!

 

 

 そして数十年の後。

 

 

 

「まあ、父さん。いろいろ教えてくれてありがとうね」

 

「いや、ちょくちょく会いに来るよ?」

 

 俺はまた放浪の日々に出ることにした。

てか、地球を見に行ってくる。

 

 境界をゆがめる程度の能力を使えば一瞬なんだが、それじゃつまんないということで

ヘカの独り立ちもかねて、この星を離れることにした。

 

「困ったら地球に来れば大丈夫だと思うから。じゃあ元気で」

 

「それじゃあまたいつか会いましょ、父さん」

 

 取り合えず宇宙空間に出てみる。

・・・・・ちなみにずっとローブで変Tは着てくれなかった。残念。

 

 へカーティアは適当な星に行ったようだ。

あいついろんな星に好き勝手ワープできるってことだもんな。便利な能力だよな。

 

『貴方もっといい能力持ってるじゃないですか。・・・・このやり取りしましたね、いつか。』

 

「うわっ!天地!?いつの間に!」

 

 気が付くと後ろに天地がたっていた。

 

『いま、ヘカーティアを見送ってきたんですよ。

・・・・・これから何するんです?』

 

 うーん、何しようか。

 

 寝るか。

 

『そんなことでいいんですか?いや、私に関係ありませんけど』

 

 でも、生物生まれるまであと結構すぐだろう?

ならその間ぐらい休んでおいてもいいと思うんだが。

 

『あと30億年以上ありますけどすぐというならすぐなんでしょう』

 

 じゃあ、お休み!

 

『はいはい、おやすみなさい』

 

 

 そのまま俺の意識は闇へと沈んでいく・・・・・。

 

 結構疲れたなぁ・・・・・。

 

 

 

 そういえばここ宇宙空間だったが大丈夫だろうか。

 

 

 

 

 

 やっと標を彼は見つけた。

その標は図らずとも彼が作っていたのだ。

 

 その標は東方を真っすぐに指している。

 

 いざ行けよ、始神。

 

 

 東国まであと41億年。

 

 

 日本神話まであと38億年。

 

 

 未だ先は長く。

 

 

 

 

 

 

 




はい!前書きに書かせてもらった通りです!本当にありがとうございます!

これからも頑張っていきますのでよろしくお願いします!


四月一日 設定ミスで一か所訂正




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