東方始天神   作:永夜 報

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 戦闘シーンがやっぱり難しいな。







8話 星と剣と始まりと神様と

 

 結論から言おう。

 

 どうやらやりすぎたようだ。

 

 漫画で見たことのあるような煙が立ち上り、反動で俺まで吹っ飛んだ。

 

「いてて・・・・やっぱやりすぎたか」

 

 まあ、この程度で天地がやられるわけはないと思うが。

ほら。

 

『とんでもないことしてくれましたね!なかなかにきっつい一撃でしたよ!』

 

 言葉とは全く裏腹に元気に戻ってくる天地に

もう一発ぐらいマスパをお見舞いしたくはなるがその気持ちは抑えておこう。

 

 しかし本当に丈夫な奴だ。

そのまま床で寝ててもよかったのに。

 

「やられたら、やり返してやりましょう!いきますよ!

神星魔法之壱!『ブレイジングスター』!!」

 

 ブレイジングスター!?魔理沙のラストスペルだったか?

 

 たしか、魔理沙は光をまとった突進だったはずだが・・・・。

天地が突進などをするとは考えにくい。

そして、なぜか天地は魔法陣を呼び出した。

 

 それでもって

その魔法陣を天地がたたくと・・・・。

 

 光を放つ本物の星をよびだした。

いや、サイズは星の中でも小さなものだろう。

だが十分に脅威たる大きさだ。

 

 それを10ぐらい呼び出すと・・・・・・なんと飛ばしてきた!

 

 

「なっ!?」

 

 当たったら死ぬんじゃないか!?あのレベルの大きさと物量じゃ!

 

 ・・・・・あいつ、完全に殺る気だ!

 

「ふふふふ・・・・!なかなか計算外でしたが大丈夫ですよぉ・・・・。

まだまだこれからです!!」

 

 ここからの戦闘で俺は死ねるかもしれん。

 

「畜生!これはあんまり使いたくなかったが・・・・・・!

全てを吹き飛ばす神の風よ!我が前にあるすべての障害を打ち払え!嵐龍『天風龍神』(らんりゅう てんふうりゅうじん )!!」

 

 天水龍神の風属性バージョンといえばわかりやすいか。

もちろん神の名を持つ風をなめてはいけない。

 

 ありとあらゆるモノを吹き飛ばし進もうとする風は星でさえも飲み込む。

現に天地が放った星の弾幕は俺の風に・・・・飲まれないか。

 

 流石にあの大きさじゃ、返せない。

 

 うーん?さっさと勝負決めたほうがいいのかな?

風が効いてないこともないしね。今がチャンスだからとどめを刺しに行こう。

 

「と、言うわけで天地さん。とどめを刺させてもらってもよろしいでしょうか?」

 

『出来るもんならやってみてくださいよ!』

 

 なら、遠慮なくッ!!

 

始剣「命霊之天剣」(しけん めいれいのあまつるぎ)

 

 俺がそうつぶやくと、俺の中にあった何かが手に宿ったのがわかった。

そのまま俺は手を上に振り上げる。するとまるで俺がもともと持っていたと思えるほど自然に剣が現れる。

 

『なかなか面白いスペルですね・・・・・・。

始力を纏った・・・いや、始力そのもので作られた剣?』

 

 何を言ってるんだ?始力?

・・・・・・そういえば俺の能力にそんなのもあったな。

『始力を操る程度の能力』だったか?

 

 勝てたら後で天地に聞いてみるか。

 

「しかしこの剣からは尋常じゃないくらいの力を感じるな・・・・・」

 

『なんてもんを創り出してくれたんですか?ほかの人に渡さないでくださいよ、ソレ』

 

 いわれなくても渡さんよ。 ・・・・・そろそろ、本気で行こうか。

 

「茶番はおしまい、ですね。

では、私も本気で行かせてもらいますよ!

 

未だ無き天の力持つ剣よ!ありとあらゆる穢れを払え!天剣『緋想の剣』!

 

続いて!

 

まだ見ぬ地の力放つ剣よ!ありとあらゆる邪悪を払え!地剣『蒼幻の剣』!

 

・・・・・ふふふ、二刀流ですよ」

 

 二本同時・・・・・!

 

 勝てるか!?

 

 ・・・・・近づきたくねえな。

 

『来ないのであればこちらから』

 

 こっちくんなよ!?

せっかく距離を取ろうとしていたのに!

 

 あの双振りよりは俺の剣のほうが長い。

だから距離をとれば有利になると思ったんだが・・・・。

 お見通しかよっ!

 

『緋想の剣ッ!すべてを薙ぎ払え!』

 

 天地が緋想の剣を一振りすると、空間がなくなる感覚がした。

 

 あれ?もともとの効果は相手の気質を見極め、弱点を突く剣だったはずだが?

あんなにチートだったか!?

 

『これがもともとの効果なんですよ。時間がたつにつれ力が薄れてきた、それがあの剣です。

そんなことより、考え事をしている暇はないでしょう!?ほらッ!』

 

 天地がもう一振りの剣をふるうと、次は大地が割れる。

割れた大地は俺のほうを狙って動く。

 

 しまっ・・・・!?

 

 油断した俺を狙って大地が俺の足をからめとる。

そのまま俺の足を砕き、飲み込む。

 

 ぐっ・・・・・!?そうだ、そんな場合じゃなかった!

全力で天地から距離を取り、足を確認する。

 人間なら致命傷であると思うほど足が砕かれていた。

自分の持つ力のすべてを足に廻して必死に回復させる。

 

 ・・・・再生できたが、まだ回復を始めてから5秒もたってないぞ?

嬉しいが自分が本当に人間をやめてることを感じてなかなかに複雑だ。

 

 まあ、いいか。考え事をするなと先ほど学んだからな。

目の前のあいつを倒してやらなきゃあな!

 

 俺は自分の剣を天地に向けて啖呵を切る。

 

「やってくれたなぁ!天地!」

 

 

 自分を追い込むために。勝利の準備を始めるために。

 

 

「なかなかに苦しかった!今の一撃は!」

 

 なかなか、ではない。正直に死ぬほど痛かった。

一瞬で再生したからよかったが、もしかするとあそこで負けていたかもしれない。

 

 そこで拾った命を俺は放り投げてやろうか!

 

『それはそれは嬉しい一言ですね。

ですが、まだまだ負ける気ではないですよね?』

 

 当たり前だ。ここで負けれるものか。

 

「なあ、天地。

俺がこの程度だと思っているか?まさか。

多分お前は俺を過大評価してると思うんだがな?」

 

『・・・・・・・・YESですね。

貴方はこの程度ではないと私は感じています』

 

 やはりか。

 

 

ならば、・・・・・・良しッ!!

 

「なら、これが俺の本気だァアア!!受け取れェ!!!」

 

 こんな能力使うとは思ってなかったがな・・・・。

 

 

 俺が持っているもっとも強大で恐ろしく、なのにこれがなければ始まらなかったものの一つ。

 

『ビックバンを起こす程度の能力』。

 

 出力を調整すればいいだろうッ!!!

まずは5パーセント程度で!!

 

 持っていた剣を放り投げて、自分の持ちうる力全てを使い全力で近づく。

 

 

「ビックバン!出力小!」

 

 

 小さな魔法にその力を込めて、天地に向かって放つ!

 

 

『なッ!?ビックバン!?』

 

 ちょっとした爆発音が響き渡るがそんなに強そうではない。

これぐらいに加減して使えばいいかな?

 

 で、天地に対してだが。

 

 反応は予想外のようだ!

決まったか!?・・・・あ、フラグ。

 

『うぅ・・・・。いててて。まだまだ戦えますね』

 

 くう!決まんなかったか!

 

『もーう許しませんよ神琉君!

ここからは一方的に私のターンです』

 

 やべえ!?本気で怒ってる!?

 

「霊異魔法之壱!『夢想封印』!」

 

 うげえ!まさかあんなんまで使ってくるとは・・・・!?

七色の光弾が俺を追尾する。

 

「もひとつ!境界魔法之壱!『二重黒死蝶』!」

 

 次は蝶の形を模した弾幕が、俺の周りへと置かれる。

 

「とどめです!蓬莱魔法之壱『ブリリアントドラゴンバレッタ』!」

 

 光り輝くレーザーが俺の逃げ場を封じる。

どの方向を見ても弾、弾、弾。

 

 

 

 

『ふ。これで終わりですね、神琉君。

今なら降参したら許してあげましょうか?』

 

「うわ、小物くっさ」

 

『謝っても許しませんよ、絶対に』

 

 うわー、怒らせたー。

 

 

 

 

 真面目に言おう。

 

 

 

 

 ・・・・・・こりゃ、万事休すだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんてね。

 

 

 

 

「ふう。では天地。逆転の1枚を使わせてもらおう」

 

『へ?』

 

 

「『生命の共鳴』!!」

 

 瞬間。生命に共鳴して、周りに弾幕が放たれる。

ここにいる生命は、俺と天地の二人・・・・なはずだが。

 

 予想通りか。

 

 先ほど俺が放り投げ、地面に突き刺さっている剣からも、生命の共鳴が起きているのだ。

 

 天地の言っていた始力。これについて全くわかってはいないのだが、俺の生み出した力なら生命力があってもおかしくはないと思ったんだ。

 結果はこれだ。

どうやら剣から地面に対してもずっと始力を送り続けていたらしい。

ありとあらゆる方向から弾幕が放たれていく。

 

『あわわわわわ!?いったいこれは!?』

 

 天地のことを放って、刺さっている剣を取りに行く。

 

 弾幕なんて気にしてなどいられない!!

剣に向かって手を伸ばす。

 

 良し!掴んだ!

 

「さーて、天地さんよぉ!とどめ(ラストスペル)といこうじゃねえか!」

 

 喰らえ!これが今の俺の魔法の限界!

 

 

 

 

「始天魔法『         』!!」

 

 

 

 

 俺はこれに名前を付けられなかった。

どうしても、だ。

 名前をつけたら終わってしまうような気がしたから。

 

 これに名前が付けられるのは、いつのことだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

『ああ!負けました!負けました!悔しい!』

 

 さっきから天地がうるさい。

負けたならもっと静かにできないのだろうか。

 

「まあ、楽しかったぜ。お前の敗因は小物臭いセリフのせいだと思うが」

 

『うるさいですよ!もう・・・・・?アレ?』

 

「どうした?天地?」

 

 なんか異常事態だろうか?

 

『いえ、生命の反応を感じたんです。

おかしいな、まだ生命なんて生まれないはずなんですが・・・・・』

 

 生命が生まれた!?

人間!?人間なのか!?

 

『いえ、人間ではありません。

地球でもないこの星は・・・・・・あ』

 

 あ?

どうかしたのか?

 

『星の名前を言ってみましょうか?』

 

 天地が微妙な笑いを浮かべているんだが、これは一体どういうこと・・・・あ。

 

 

 恐らくその星の名は・・・・・

 

 魔星、パンデモニウム。

 

 

 生まれた生命は、三界の女神、ヘカーティア・ラピスラズリ。

 

 

「行ってみるか・・・・・・」

 

『そうしましょう・・・・・・』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あなたたちは一体・・・・?」

 

『「や っ ぱ り か」』

 

 

 そこにいたのは、ヘカーティア・ラピスラズリその人だった。

ただし、ちょっと小さめでまだ少女ではないくらいの大きさのだが。

 

 神様なはずなのに神力を全く感じない。

魔星の影響だろうか?

 

 確か、ヘカーティアの能力は『三つの身体を持つ程度の能力』。

 

 地球、月、異界の三つ分なので、この星を異界とすると、生まれていてもおかしくはない。

生まれたばかりのはずなのに、言葉を話せているのはなぜだろうか?

 

『貴方が作ったこの星と月と私が作った地球。

私たちの記憶を継いでいると考えられますね・・・・一部でしょうが。

全部継がれていたら、私の知識やあなたの原作知識などが流失します。まずいですよ、そんなことがあったら』

 

 うー。

原作キャラには会えたがこんなことになるなんてな。

 

 もしかすると、俺はかなりの影響力を持っているのか?

そうなると人との付き合い方を考えないとな・・・・・・。

 

 

 ああ、まだまだ時間はかかりそうだ。

 

 

 

 

 

 東国まであと42億年。

 

 

 

 

 

 

 





ヘカテちゃん登場!

戦闘シーンが読みにくくてすいませんでした!




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