東方始天神   作:永夜 報

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一個の話でここまで長くできたらいいんだけどな。








7話 雌雄を決せよ!~Magic battle!

 

 地球が出来た。

それはいいんだ。

 

 問題があるとするなら今の地球は、生物の住むことのできない環境ってことなんだ。

 

 要するに昔の『境界をゆがめる程度の能力』の中にいることの変わりは何もない、ということだ。

 

 地球を創った意味が全くないじゃないか!

 

 

 つまり、暇で暇で仕方ないんです。

 

 

 

 

 うーん、なにしよ。

 

 

 

 

「こうなったら、地球に魔法で爆弾でも落とすか」

 

『やめてください!そんなことしたら生命が生まれなくなります!』

 

 お、天地が出てきた。

てかお前いっつもどっから現れてるんだよ?

気づいたらそこにいるの怖いからやめてくれませんか?

 

『嫌です。そもそもこれ以外の移動手段がないんです。

それと地球に爆弾とかあほみたいなこと実行しないでくださいよ?

そんなことされたらもっと忙しくなるじゃないですか』

 

「そうじゃん!お前歴史の修復でなんちゃらこうちゃらとか言ってなかったっけ?」

 

『ひと段落したんですよ、まだまだ時間はかかりそうですけどね』

 

 ふーん。

てか、お前何のために来たんだよ?

別に今の俺の言葉を聞いて止めに来たわけでもないだろ?

 

『いや、止めに来たんですが・・・・。

あ、なら丁度いいです!』

 

 丁度いい?

何が?俺にはすごくイヤーな予感がプンプンぷんぷんするんだが・・・・。

 

「丁度いいってどういう事だ?」

 

『いえ、神琉君は暇してたんですよね?』

 

「ああ、暇してる、暇してる」

 

 さて。

さっきまでイヤーな予感を抱いていた神琉君はなんでこんな返答をしてしまったのか

後の2億年ぐらいずーっと後悔し続けます。

 

『なら、ちょっとばかり頼みごとをしてもよろしいですか?』

 

「嫌だ」

 

 本当に嫌な予感がする。

冗談じゃなくやばいかもしれない。

 

『えー神琉君暇してるんでしょー?

話だけでも聞いてくださいよー』

 

「・・・・・・聞くだけだぞ?」

 

 

『月創って下さい』

 

「断る!」

 

 

『えー!何でですか!?

今の神琉君の力なら1000万年くらいで出来ると思いますけど』

 

「1000万年だろうが1000年だろうが嫌なもんは嫌だ!」

 

 大体俺なんかに月なんか創らせたら、重大な欠陥とかできそうじゃないか?

この前のパンデモニウムは自分で創ろうと思った惑星だからよかったが、

月ってのは地球のいろんなことに対しても影響してるんだろ?

 

 そんなんを俺に作らせる訳がわからん!

 

『お願いしますよぉぉ~。

どんな魔改造してもいいですし、要塞作ってもいいですから』

 

「そんなのあっても嫌だし、そもそも俺に創らせる理由はなんだ?」

 

 暫くの沈黙。

 

『・・・・・・・・・未来の貴方のために、とでも言っておきましょうか』

 

 

 ・・・・思ったよりそれらしい理由だった!!

なんか真剣味あるよ!?

何?俺が月創ることってそんな重要なことなの!?

 

『それでは創ってくれるんですよね?』

 

「あ、ああ。まあ仕方ねえな」

 

『ありがとうございます!

・・・・これで未来がまた一つ・・・・・』

 

「ん?何か言った?」

 

『いえ、別に』

 

 嘘だ。

今、こいつ未来がまた一つだとかなんとか言っていたぞ。

 

 未来視が出来る奴の言葉は下手に信じることも疑うこともできないんだよな。

 

 きついぜ。

 

「・・・・・・・さあ、月でも創るか」

 

『・・・・・・・お願いしますね』

 

 

 そして前述のとおり創るのに2億年の歳月がかかり、

結局神琉君を苦しませたのに何一つ偽りはない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから2億と4000万年ほど後。

 

 

「ああああぁぁ!やーっと終わったぁあ!」

 

『お疲れ様です・・・・ってこのやり取りどっかでやりませんでしたっけ』

 

 そんなことあったっけ?

まあ、そんなことより俺の創った月見てくれよ!

 

『まぁ、いいんじゃないですか?』

 

「なぜ疑問形なんだ!?心配になるだろ!?」

 

 これで重大な欠陥があるとか言われてたらもっと嫌だがな!

 

『大丈夫・・・・・です!』

 

 その間はなんだ!?

マジで心配になるからやめろよ!

 

『ほんとに大丈夫ですから心配しないでくださいよ!』

 

 ならいいんだが・・・・・これで地球に月が落ちてくるとかは嫌だかんな!

 

『あはは・・わかってますよ。・・・・・・・・それで神琉君に一つ頼みごとがあってですね・・・・・

あ、今度は貴方にも得はありますよ』

 

「こ と わ る!!・・・・・さっきのに得は無かったのか」

 

『いや、そんなことはないんですが・・・・・。

いえ、ちょっと決闘をしようかなと考えまして』

 

「決闘?なんでそんなもんを今しようと思ったんだよ?」

 

 決闘なんてする理由がわからないんだが・・・・・・

天地の悪戯っぽい顔を見ていると面白そうな予感がする。

 

『簡単です。ああ、でもあなたはこの言葉を知らないんでしたね』

 

「言葉?」

 

 天地は心底嬉しそうな声で・・・・・。

 

 

『魔法決戦!ですよ!

もっと簡単にいうと「fight it out!」ってことですね!』

 

 

 

 

 

 

 

「だからなんで今更魔法合戦なんてするんだよ!・・・・・ま、面白そうではあるが」

 

 彼女が言った魔法決戦とは要約して

何でもありの本気弾幕・・・・の魔法のみバージョンっていうものだ。

 

 約5メートル先の天地がそれに答えを返す。

 

『いいじゃないですか、楽しそうで』

 

 今、俺らは『境界をゆがめる程度の能力』で創った空間内に少し離れて立っている。

・・・・・あれだ。西部劇の決闘みたいなのをやりたいらしい。

 

 

『では、やりましょう』

 

「了解!・・5秒でいいか?」

 

『いいでしょう。貴方からどうぞ』

 

 不思議と緊張感が空間内にいっぱいになる。

・・・・・・・・たぶん今言うことはないと思うがあの毛玉みたいなんが転がっているのは

いったいどういうことなんだろう。

天地を見てみるが特に何にも感じていないようだ。

・・・・・・・気にしてはいけないのか、アレ。

 

「・・・・・5!」

 

「・・・・・4!」

 

 なんか天地の顔が見たことないくらいワクワクしてるじゃねえか。

声自体あんまり聞いたことないしな・・・・やっぱりいい声だな。

 

「3!!」

 

「2!!」

 

 

 取り合えず今は・・・!

 

 

 目の前のmagic battle!(魔法決戦!)に勝つことを考えようぜ!!

 

 「「1!!」」

 

 

 

 ゼロ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「クリムゾンファイア!」

 

「フェニックスバーン!!」

 

 

 奇しくも初撃は同じ火の属性だったようだ。

炎同士がぶつかり合い、周りにとんでもない熱気を発する。

 

 

 飛び火の弾幕が飛んでくるので簡単な水魔術で消化する。

 

「次行きます!!グリーン・ジ・アース!」

 

 ・・・早いッ!?

まさかこんなに二枚目を使うのが早いなんて・・・!?

 

 炎をまとった大地が俺の方へと動いてくる。

このままじゃやられる!

 

「・・・・・ウインドウォール!」

 

 風の壁を創り、火を消してみる。

・・・・・よし!成功だ!

風にあおられて先ほどまで大地を包んでいた炎は消えた。

 

 しかし、大地はまだ動き続けている。結局つぶされそうだな。

ならば・・・・・・!

 

「ワダツミウェーブ!!」

 

 大きな波を出して大地を押し戻す!

これも成功!大地は消えていき、残った波が天地の方へ押し寄せられるが・・・・。

 

「まだまだ甘いですよ!・・・カグツチフレイム!」

 

 天地の放った火がそれを押さえつけて、消して見せる。

そのまま放った火を消しこちらに向かって語り掛ける。

 

『ふっふっふ・・・。

その程度ですか、神琉君。まだまだ修行が足りませんねぇ』

 

 イラッ。あいつ調子乗りすぎじゃないか?

てか、技の名前が中二病じみてるぞ。大丈夫か?

 

『うわあああ!神琉君とどっこいどっこいですよぉ!!

あんまり差はないですよ!なんですか!クリムゾンファイアってw』

 

「・・・・・・・フェニックスバーンよかマシだろ」

 

「うっ・・・・・うるさいですよ!!水晶魔法之壱『破片』(クリスタルブレイク!)!!」

 

 なっ!?唐突だな!?

 

 天地が叫んだ瞬間、水晶の魔法陣が宙に浮かんで。

 

 

 割れた。

かと思うと、一瞬で地面へと刺さる弾幕に変化する。

 

「・・・・くっ・・・・!きっ、きっつい・・・・!」

 

 魔法陣から飛び出る水晶の破片は減る様子を全く見せずに、俺のほうへ飛んでくる。

 

 どうする!全くこの破片弾幕をよけきれる気がしない!

破片を全部排除できれば・・・そうだ!

 

 

 

 まずは後ろに跳躍して・・・・水の魔法で破片を流す!!

 

「まさかここでスペル一号を創ることになるとは・・・・・ま、いいか」

 

 イメージするのは・・・・・すべてを飲み込む、波の龍!

 

「荒れ狂い、ただすべてを流せ、水の天龍!流龍『天水龍神』(るりゅうてんすいりゅうじん)!」

 

 俺が唱えたスペルは水で作られた龍の姿をとった。

その龍が高く咆哮すると、天水龍神は水の形となって

刺さった破片を流し、刺さろうとしていた破片までもを飲み込み、

果ては天地までを飲み込んだ。

 

「やった!イメージだけでここまで行くとは!」

 

「ふっふっふ・・・・。やっぱりまだまだ甘いです!!水晶魔法之弐『反射』(クリスタルリフレクター!)!」

 

 はっ!?

 

 そう天地が叫んだ瞬間。

追加で、水晶の弾幕が降ってくる。

 

「くっそぉ!またか!?」

 

 またこの弾幕をよけるのかよ!

まだ天水龍神で刺さった破片を流せるのが救いだが・・・・。

 

「今回はそれだけじゃありませんよ!リフレクター!」

 

 うわ、なにする気だこいつ!?

何と次は光が水晶に反射してきた!

 

「水晶に加えて光もよけろと!?無理に決まってるだろ!?天水龍神!もっと大きく暴れろ!!」

 

 俺の言葉により天水龍神はもっと強く動き出すが・・・・!

 

「っぐ・・・・!光の反射相手だとやっぱり無理があるか・・!」

 

 水は透けているから結局光の弾幕はよけなくてはいけない。

そろそろ限界かもしれんな・・・。

 

 俺は勝負を決めるために一枚のスペルカードを用意する。

 

「よう、天地!そろそろきついから決めさせてもらうぜ!!」

 

『どんとこいです!』

 

 なら遠慮なく・・・・・!

 

 

 行かせて、もらおうかっ・・・・・・・!!!

 

 

 

 

 

「閃光魔法之壱ィイイ!!!」

 

 

 

 それは、

 

 

 

 

 

 

 普通の魔法使い(霧雨魔理沙)の十八番。

 

 

 最大火力の高威力閃光!

 

 

 

 

「『マスタースパーク』ッ!!!!」

 

 

 

 

 次の瞬間。

世界が光に包まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

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 ふう。

 

 まさかあれほどまでに高威力とは予想してなかったですね。

 

 彼は私のウソに気づいたでしょうか。

 

 私は未来視などできないことを。

 

 未来視ではなく。

 

 

 

 

 

 未来確定だということに。

 

 

 

 

 

 





 ハイ!!

 かなり好き勝手に書いてみました。


 題名とかスペル名とかです。


 あと、天地の視点がちょっとだけ入りました。


 あと、二話くらいで神代以前編は終わらせたいな。





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