東方始天神   作:永夜 報

3 / 21
3話 遥か138億年の彼方を目指して

 

 

 

 

「しかし、何すればいいんだ?」

 

今、俺はあの自分で作り出した白い空間にいる。

 

正直なところ、記憶じゃ130億年ぐらい先の出来事なんだよな。

 

『ふぅ、疲れた・・・そうです、あなたの生きていた時代まで、あと138億年ほどあります。』

 

 

・・・何して過ごそ。

130億年もぼーーっとしてたらボケそうだな。

 

『修行するとか、寝るとかそういうんじゃないんですか?』

 

「なんか違くね?あの、せっかく東方の世界におりたったってのに、

こう、あのふれ合い?がないってのは悲しい・・・かなぁ?」

 

天地は少し考えた様子を見せて、

 

『ま、仕方ないんで我慢してくださいね』

 

やっぱり酷いな。

 

「でも、何かして生きていかなきゃいけないだろ」

 

『自分で考えて下さい』

 

なんか冷たいな。

 

『私には一つ用事があるんですよ。

では、あと138億年頑張ってください。

で、これを』

 

そう言って天地が差し出したのは

先ほどまで自分の腕につけていた腕輪だった。

 

「ん?これって・・・」

 

 

『これは天の腕輪ですね。

天を使う程度の能力を使うことが出来るようになります。

あとトランシーバーみたいに、私と会話したりとかも』

 

便利・・・なんだろうな。

 

『ああ、それでは私は少し用事があるので、

何か用があったらその腕輪で呼んでください。それでは』

 

「おいちょっと待て!?まだ聞きたいことがたくさんッ!?」

 

だが、自分の願いもむなしく天地は消えてしまった。

「・・・なかなか面白い状況においてくれたな。クソ野郎・・・!」

 

 

 

 

 

東国までは遥か遠い時間が。

 

だが、彼はけっしてあきらめはしない。

 

その先に遥かな幻想が待っていると信じて。

 

 

 

 

そして一人俺は残されてしまった。ああ。

 

「うーん。

どうにかして能力の把握と封印をしなきゃいけないだろうか」

 

取り合えず創造する程度の能力で、探知する程度の能力と封印する程度の能力を

手に入れ、

能力の整理を開始する。

 

 

 

 

 

「はぁ。

まさかこんなにも能力を作っていたとは。

我ながら怖いような気がする」

 

自分はどうやら様々な能力の上位互換を手に入れていたようだ。

 

八雲紫の能力の派生である『境界をゆがめる程度の能力』を

筆頭に、

『魔導回廊を支配する程度の能力』とか、

『時間軸を抜ける程度の能力』とか、

『記憶を整理する程度の能力』だとか。

 

取り合えず使えそうな能力以外は浅い封印を施しておく。

 

あと、東方キャラに全く依存しないタイプの能力もそこそこあった。

 

代表例で行くと、『始力を操る程度の能力』とか。

始力というのが全く分からない。

 

あと、『超爆発を起こす程度の能力』と。

かなり、物騒な能力である。

 

要するにチートということである。

今、この能力たちのことを考えるのはかなり面倒くさそうだ。

 

 

ほっとこ。

 

 

 

じゃあ、地球が誕生するまでのあと100億年ぐらいは何をして過ごそうか。

 

 

それこそ寝て過ごすか、修行するかの二択じゃ・・・あ。

 

「もしかすると能力を使っていろいろできるかもなぁ」

 

境界をゆがめる程度の能力で現代のものを持ってくるとか。

それが出来たら、もしかすると・・・。

 

「やってやろうじゃんか、面白そうだ。

幸い時間はたっぷりあるしな」

 

こうして彼の無駄で、長い研究と修行は始まったのである。

 

 

 

 

 

 

「なんか、こう・・・・

すごい魔法使えるようにしてみようかな?

マスタースパーク!!みたいな!」

 

『お好きにどうぞ』

 

「あっ!

天地どこ行ってやがった!」

 

『えへへへへ。

ちょっと用事があってですね。

それではまた』

 

「あっ!次はどこ行くんだ!

待ちやがれおい!」

 

 

 

 

 

 

東国まであと128億年ぐらい。

 

 

 

 

 

 

 




次回からは文字数も増やしていきたいです。

次は魔法のお話!







▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。