第2話 霊異の御神籤・・・A Sacred Lot
どうも、名前つけられたての『始天輝 神琉』です。
なんか、目が見えない&動けない&声が出せない。
『アーアーアーアーア、聞こえてますね』
お、神様もどき。
『もどきやめてください。遅れましたが、私の名前は『
自分で言ってたろ・・・もどき。
『しつこいです。それよりまず,能力の使い方を教えましょう』
ああ、お願いします。
『念じるだけです』
念じる?
どこの超能力だよ。
まあやらないより取り合えずやってみようじゃないか。
んー・・・。
ほっ、と。
『あ、出来ましたね』
そんなんでいいのか。
『えっと、この能力は『境界を歪める程度の能力』みたいですね。
八雲紫の能力の進化といったところですかね?』
ふーん。
『じゃあ、その調子でどんどん能力を身につけてください。
ちょっとやることがあるんで』
やること?
ま、いいか。
どんどん能力を身につけていこう。
5分ほど後
大量の能力を身につけた。
多すぎるくらいだ。ま、もう少し自重すればよかった、と思うが。
取り合えず多すぎる能力は放っておいて。
「確かビックバン十分前といったな?」
『ええ、そろそろですね。あと3分と43秒くらいです』
普通にしゃべれるようになった、いや、した。
今は真っ白な、何もないだだっ広い空間の中にいる。
俺がさっき作った『境界を歪める程度の能力』の空間らしい。
『取り合えず自分の耐久性を限界まで上げてください。
ビックバンの力を測ったことがないんですが、
並の力じゃ耐えられないでしょう』
「ふーん。じゃあ・・・。」
先ほど手に入れた
『干渉されなくなる程度の能力』を起動する。
『準備できました?
それでは、ビッグクランチに境界をつないでください』
ok!
それじゃ行ってみよう!
世界とは名前だけだった。
その空間には何も存在しなかった。
生物、植物、鉱物・・・いや、
物質も、色さえも、音も、感覚も、何もない場所だったのだ。
『やっぱり、つまんない空間ですね』
いや、つまんないというか・・・
寂しすぎるし、辛すぎる。
こんな空間にずっといたら気が狂う。
『そうですね。貴方の精神の安寧と、私の退屈を紛らわすために、
そうだな、ちゃっちゃとやっちゃってくれたほうが・・・ん?
今なんて言った?
俺の耳がおかしくなければビックバンを起こすと聞こえたんだが?
『良かったですね。貴方の耳はとても正常ですね』
つまり、こいつは
宇宙誕生は自分のせいだと言っているのか。
うん。(元)一般人には理解できなそうだな。
『では、さっそく』
彼女が大きく息を吸い込み、目の前にトランプのような一枚の紙を出す。
その紙にまるで今、絵が描かれているかのように色彩が宿った。
そして今までで、初めて声を発する。
「始天『誕生の超爆発』ッ!!」
次の瞬間、世界に始まりが起きた。
全ての歴史は今刻まれ始めた!!
なんか・・・やばそう!?
『ああ、下手に動かないほうがいいですよ。
死ぬかもしれませんし、死ななくてもどっかに飛ばされるかもしれないですから』
そんなことをつぶやいている最中にも新しい紙を生み出し続けている天地。
あれ? その紙ってもしかすると・・・?
『ええ、後にスペルカードと名がつけられるものです』
そして彼女は2枚目をコールする。
「生星『ラブスター』ッ!!」
次の瞬間、星の生まれる世界、宇宙の基礎ができた。
そして、追い打ちをかけるように、
「誕命ッ、」
「『ライフヴォヤージュ』!!!」
世界を生んだ。
生命を生んだ。
始まりを生んだ。
これがどれだけの時を刻み、終わりが来ても、終わらない夢を、
始まってしまった物語。
もう止まらない。
それを知るものは未だ、