東方始天神   作:永夜 報

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 注意!

 閑話です!いつも通りの文章崩壊です!
キャラ崩壊がございます!

 無理な方はブラウザバック、オッケー!な方はどうぞお進みください!




 今回は語り手『ヘカーティア・ラピスラズリ』でございます。
それではどうぞごゆっくり・・・・・。



ヘカーティア・ラピスラズリちゃんの災難な半生

 

 私はなんだかよくわからない何かである。名前はまだない。

 

 どこで生まれたかとんと検討がつかぬわけでは無い。

少なくとも今は、この星で呆然としていたことだけは記憶して・・・・いや、進行形でそうである。

 

 私はこの星で始めて神様というものを見た・・・・・見ている。

後に聞くにそれは『輝始天之琉神』という神様中で最も性格の悪く自分勝手で、ついでに迷惑、獰悪かは知らない。

 

 そんな神様と私は出会ってしまったのだ!

 

 

 

 

 真面目に。そして時をちょっと戻そう。

 

 

 気がつくと、私はこの星にいたのだ。

目に写るのは何もない惑星上の地表。それから虚空に浮かぶ星々。

 

 その星々に何か形容しがたい――後にそれは仲間意識というらしい――感情を感じて、

私は頭を痛めた。

 

 そして私は今何を考えていたのかさえ忘れてしまう。

それほどまでに重要なことを理解してしまったのだ。

 

 一体全体()()()()はなんだ?

私が今の今まで使っていた単語がやっと自分の知らないものだと自覚する。

 

 単語とはなんだ?自覚とは?私とは?理解とは?虚空とは?星とは?

ありとあらゆる疑問が脳内を支配する。

 

 しかし。その疑問は一瞬で剝がされる。

単語とは言語を構成する最小単位。自覚とは自分のことをよく知るということ。

私とは一人称において基本。理解とは論理によって判断し納得すること。

虚空とは・・・・ということ。星とは・・・・ということ。

 

 しかし、回答においても次々と疑問が出てくる。

言語とは?自分とは?一人称とは?論理とは?納得とは?

 

 脳内から泉のように湧き出る疑問に、砕け散りそうな痛みと。

 

 

 その疑問になぜか答えの出せるこの記憶を恐ろしく感じて私はそこに立っているしかなかった。

 

 

 そこでどれだけ私は待っていたのだろう。

少なくとも湧き出る記憶が止まって、頭痛がすることがなくなってからであることは分かる。

それでも、どうすることもできず自分の中の記憶に怯えて動くこともできなかった。

 

 そんな時。

 

 私は彼らに出会ったのだ。

いや、出会っているのだ。

 

 

 

 

 

 そして、冒頭へ戻る。

 

 

 

 

 

 

 ・・・・・・。不安でいっぱいである。

当たり前だ。何者かもわからない自分。何だか分からない知識の数々。

目の前には得体のしれない怪しい生命体。

 

 この状況において不安にならないものなどいない。

ただ、気休めになることがあるとするなら自分と相手が似通った姿をしていることだけだろうか。

 

 姿、だ。片っぽは私とよく似ている・・・・・のかもしれない。

ローブを纏い、髪を長く伸ばしている。違うところは銀の髪色と、あとは靴を履いているか、いないか。

 

 そのぐらいだろうか。

しかし、もう片方側・・・・・男のほうだ。こいつは私の容姿とはかなり外れた。

 背は高く、黒髪黒目。ローブではなく脳内の知識によると制服と呼ばれるもののようだ。靴も履いている。

 

 ・・・・・・・。取り合えず何かを話しかけるしかないだろう。

そうしないと意思疎通が出来うるかどうかも、有用な出来事も得られない。

 

 

「あなたたちは一体・・・・・?」

 

 勇気をかなり振り絞って聞いてみる。

かなり声が震えていたが仕方のないことだ。

 

 これで意思疎通ができるのなら返答を返してくれるはず・・・・・!

 

 

 

 『「や っ ぱ り か」』

 

 

 

 は!?

 

 やっぱり!?私のことをこの人たちは知っている!?

しかもどうやら私より詳しいレベルで!?

 

 何か前の二人が話しているが、自分のことを知っている二人だとわかって様々なことを聞きたい。

第一に私とあなたたちとの関係はなんだ?

 

 

 そもそも私たちは誰なんだ?

 

 

 そういうことを私は聞きたい。

 

 

 

 

 

 

 

「オーケー、答えるよ。俺は神様・・・・じゃねえや、神様もどきの始天輝 神琉っていうんだ。

ま、よろしく」

 

 男のほうは近くで見ると、私とはかなり違った容姿をしていた。

始天輝神琉。輝く始まる天。神の宝珠。漢字的にはそういう意味だろうか。

前述のとおり黒髪で黒目。鋭くはない目つきだが、意志を感じる瞳。

 

 ヘカーティアはまだわかっていなかったかその瞳に意志が映るなら、

それは『ヘカーティア・ラピスラズリに対する憧れと出会えた感動』だろう。

 

 

 それに反するように佇むのは、どこか厄介ごとをしょい込んだかのような金色の目をした

少女だった。

 

『私は天地といいます。なんか肩書とかはないですね』

 

天地。そのまま地面と空。全世界、という意味か。

 

 神琉が手を指し出して握手を求めてくるがあいにくそんな気分ではない。

だって、自分のことも分からないのだから。

 

「握手はいいから、早く質問に答えてくれないかしら?私は一体誰なの?」

 

 神琉が微妙な表情をしているが特に気にしない。

もっと重要なことだから。

 

「長くなるがいいか?お前の名前はヘカーティア・ラピスラズリ。なんやかんやで強い神様。終わり」

 

 短い!分かりやすいがまだ足りない!

もっと詳しく教えてくれ!

 

『説明に飽きてるじゃないですか!全然長くないですし!』

 

 私の表情を見て天地が助け舟を出してくれた。

そのまま神琉の説明の後を続ける。

 

『あなたの名前はヘカーティア・ラピスラズリですね。

種族は神様。ここまでは正解です。』

 

 ヘカーティア?どういう意味だ?

ラピスラズリっていうのは瑠璃っていう意味だったはずだが・・・・・。

 

『ヘカーティアは貴方の名前で神様の名前でもあります。

後にあなたはとある神話で、ヘカテーと名乗りますがそういうことです』

 

 心まで読めるのか・・・・・。しかも発言からして未来も見えるみたいだ。

天地はたぶんこの世界で最も強く厄介だと思う。

 

『・・・・・・聞こえてますよ?まあいいですが。

それで、貴方の能力についてです。自分の能力がわかりますか?』

 

 自分の能力?さあ、全くわからない。

 

『?自分の能力がわからないですか・・・・・。

まあ、いいでしょう。貴方の能力は『三つの身体を持つ程度の能力』です。』

 

 三つの・・・・・身体?

一体どういう意味だ?そのままストレートに体を三つ持っているということか?

 

『そんなもんです。

正確には月、地球、異界の三つの世界分の身体を持っているということですね』

 

 地球、月、異界・・・・・。

身体によって精神も違うのか?それならかなり不便そうだが・・・・・。

 

『自分の能力に不便もクソもないと思いますが・・・・・。

あ、精神も身体によって違うそうです。ただ、記憶と意志は共有してるみたいなので良かったですね』

 

 別によくない。まあ、いい。

そんなことより私の記憶についてが最大の疑問だ。一体この記憶はなんだ?

 

『ああ、その記憶はそこの神琉君のものが大半です。

恨むなら彼を恨んでください。』

 

 ・・・・・あいつのせいかよ。

これなら恨まれても仕方ないか。

 

『あと、貴方の持っている力は二種類あります。

神様として持っている神力。そして生まれたちの特性である魔力。

この二つを貴方はとても強く持っています・・・・・・・・』

 

 

 天地の説明はかなり続いたが、長いので割愛しよう。

 

 

 

 

『・・・・・まあ、そうですね。アイデンティティーは大切だと思いますし・・・・・』

 

 アイデンティティー?いきなり天地は何を・・・・。

 

「と、言うわけでヘカ、これを着てくれ!」

 

 そういって神琉が自分の手に服を呼び出す。

・・・・・ん?服を呼び出す?

 

 この服を作っていたにせよ、もともと私が生まれることはお見通しってこと?

・・・・・まさか。そんなことが出来るはずがない。

 

 そう思うことにする。

 

 

 まさか、準備していたのではなく今作ったのだと分かった時には卒倒するかもしれないが。

 

 

 

「何を言っているの、貴方は?そもそもこのTシャツいったい何よ?

・・・・うぇるかむ、へる?意味が分からないわ。・・・・・ヘカって私のこと?」

 

 意味が分からない大量の装飾と言葉の書かれたTシャツと、スカートを渡された。

これを着ろ、ということか?

 

 正直に言って似合わないような気がするが・・・・・。

 

『まあ、着てやってくださいよ、ヘカーティア。

この人は頭がおかしいのです、私は理解することをやめました』

 

 何ッ!?

 

 助けを求める目を天地に向けたら何故か着ろと言われた。クソ。

 

 と、なるとだ。この場に私の味方は自分一人のみというわけだ。

 

 ここはやんわり、相手の心を傷つけないように断るのが得策だろう。

そう考え、自分の知っている言語をどうにか。

 

「うーん、でも、・・・・・・と、父さん。このTシャツさあ」

 

 慎重に並べて。

 

「結構・・・・・へn・・!」

 

 おっと、危ない。口が滑りかけた。

 

 

「・・・ユニークだよ、ね?」

 

「だから着せようとしてるんだろ!!!変なTシャツだから着せようとしてるんじゃないか!さあ早く!」

 

 

 前言撤回!

こいつは心を根元から叩き折ってやらなくてはいけないッ!

 

 どうやら、神琉は自分の着せようとしているTシャツが変であると自覚があり、

その上で私にこのTシャツを着せようとしていると!

 

 許さん!

こうなったからには天地・・・母さんに、助けを求める!

 

「うわーぁん!やっぱりこいつ確信犯か!助けてよ、天地母さん!」

 

『理解してない側からするとほんとに貴方おかしな人ですね』

 

 

 

 ・・・・・・理解していない側?どういう意味だ?

 

 

 

 結局、問答の末ヘカーティアが服を着ることになったのを皆さんは知っているはず。

 

 

 

 

「うう・・・結局着せられたのは、なんで?ほんとに」

 

 理解の及ばないことだが着せられた。

もう二度と着てやるもんか。

 

『まあ、似合ってますよ・・・・』

 

 似合っているはずがない。どんな立派な人間が着ても似合わないと思う。

 

「・・・・・・二度と着ない」

 

 こんなTシャツ二度と着てやるものか。

少なくともあと五億年ぐらいは。

 

 そんなことを考えていると、いきなり二人が騒ぎ始めた。

 

 中国の古代文明?純狐?何の話だ、一体。

私には理解できない次元の話を、彼らは話している。

 

 すると、いきなり天地が

『もしかしたら時間が狂うかもしれません!ちょっと歴史を修復してきます!』と叫んで身を隠してしまった。

 

 ・・・・・え?

神琉といっしょ?こいつと?

この私が知りうるすべての中で、もっとも狂人に近いこいつと?

 

 取り合えず、慰め兼状況把握を彼に投げかける。

 

「結局今のやり取りはなんだったの?・・・・・父さん」

 

「大人の事情っていう都合のいい何かでごまかさせてもらおう。てか、もう父さん呼びで確定なんだね」

 

 

 おっと、まともな答えが返ってきた。

 

 

 

 

 

 そこからは様々なことを教えてもらった。

神力、魔力の使い方を筆頭に、弾幕というものの張り方、料理なるものの仕方、、暇つぶしの遊戯について。

 

 私はこの神琉という人を勘違いしているのかもしれない。

そう考えるほどに『始天輝 神琉』とは意味が分からなかった。

 

 父として、知識を教えてくれるまさに『父親』そのもの。

 

 友人として、軽口をたたきあえる関係。

 

 そして数年かけてやっと理解した。

 

 

 とても簡単かつ馬鹿らしい答え。

 

 

 

 彼は――――――

 

 

  とても気まぐれであった。

 

 

 

 

 

 

 

 そして私は数十年の後、彼と別れた。

 

 

 別れたのちにに天地とも会うことが出来た。

 

 

 そして様々な星を回って旅をした。

 

 目をつぶさんばかりに光り輝く、星。

 

 毒々しい色合いをした、星。

 

 面白い模様のついた、星。

 

 宝石のように透明な、星。

 

 

 これらを彼女らが作ったと考えると、この星々は私の兄弟か。

そう思うと親近感を抱くようにまでなる。

 

 そんなことを考えながら私は旅をつづけた。

 

 数億年の余り。

 

 

 そして――――。

 

 

 

 

 

 

 「・・・・・・・・。」

 

 

 とうとうローブがボロボロになってしまった。

 

 未だに生命と呼べるものには出会っていない。

その前にこのローブが朽ちるのが先だろう。

 

 自分のローブを見下ろすともう穴だらけであった。

 

「・・・・・・・・・・・はあ。でも、仕方ないか」

 

 

 ローブから、『あのTシャツ』をとりだし着替える。

 

 ・・・・・・・かなり体も大きくなったはずなのにサイズがぴったりなのはどういうことだろうか?

 

 

 ・・・・・・すごく不本意だが、気分が一転したような気がする。

不本意だが。

 

 

 

 

 

 

 そうして彼女はまた、旅を続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 そして彼女が、復讐の女神と、星条旗の妖精と出会うのはもっともっと後、そしてまた別のお話。

 

 

 

 

 

 

 

 





 ・・・・・・こんなキャラじゃなかったはず。
キャラ暴走の一途をたどってます。やばいです。


 投稿が遅れても気にしないでください。それでは。

 4月18日 追記

『琉』という漢字について、作中でも書きましたが、宝石の意味があります。
その宝石とは『瑠璃』。
つまり、ラピスラズリの事です。
偶然でしたが調べて分かったのでここに書いておきます。


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