東方始天神   作:永夜 報

11 / 21
 え?タイトルが意味わからん?



 すまない。私もノリでつけたから、詳しくはわからん。


 ただ、『アイリス』だ。

 終わって、始まって。

 そんな意味がある(中二)。


 それでは本編へどうぞ!





11話 軽快な恋のメロディ、そして始まり

 

 あれから二百日くらいたっただろうか。

俺は年甲斐にもなく、遠足の前の小学生のような気分で天地がまた現れるのを待っていた。

 

 仕方のないことだろう。だって、この130億年以上の時の中で待ちわびていた出来事なのだから。

本当の本当に待っていたんだ。これでかなり予定とは外れそうだが、東方の国へとたどり着くことが――

 

『ハーイ!お待たせしました神琉君!』

 

 ・・・・・クソッ!いい時に出てきやがって!

せっかくいい感じに決めようとしてたのに!大事な時に直ぐどっか行く癖によ!!

 

『・・・・なんかすみません。でも、日本神話の始まりですよ?

テンション上がりません?・・・・上がりません?』

 

 今上がってるのは怒りのボルテージだよ、まったく!

・・・・で。今出てきたってことはなんか用事があるんだろう?

無かったら蹴り飛ばすぞ?

 

『それは定型文なんですか?聞いたことありますね』

 

「そのセリフも聞いたことあるぜ」

 

『?そうですか?まあ、百億年くらい生きてたら似たような会話が続くくらいありそうですがね』

 

 そんなことよりっ!早く要件を言えって!

 

『はあ。なら要件を言いますね。日本神話が開始します』

 

 ・・・・・はあ。

 

『あ、あれ?神琉君?あんまり嬉しくなさそうですけど・・・?』

 

 天地が納得いかないらしいが・・・・

 

 あったりまえだろ!!

 

「そりゃそうだ!何が悲しくて日本神話の中の神様にならなきゃいけないんだよ!

それも、最初の最初の神様によ!」

 

 そもそも、どういう感じで日本神話に介入するんだ?

伊弉冉・伊弉諾を除いた神代七世を総称する?だっけ。

どういうことだよ?

 

『簡単ですよ。貴方を世界に介入させようとすると不具合が起こります。

と、いうわけで綺麗に貴方を入れるために世界のほうを貴方にあわせてみました。

つまり、神様10柱分を貴方に乗っけるんです。貴方はその分の力を持ってますしね』

 

 神様10柱分ってのは・・・・

 

「始まりの神、国之常立神(くにのとこたちのかみ)。雲の神、豊雲野神(とよぐもぬのかみ)。大地の対神、宇比邇神(うひぢにのかみ)須比智邇神(すひぢにのかみ)。命伸の対神、角杙神(つぬぐみのかみ)活杙神(いくぐいのかみ)。凝固の対神、意富斗能地神(おおとのじのかみ) 大斗乃弁神(おおとのべのかみ)。完成の対神、淤母陀琉神(おもだるのかみ)阿夜訶志古泥神(あやかしこねのかみ)で、全部か?それなら、別天津神(ことあまつかみ)はどうなる?」

 

 別天津神。それは、神代七世と並ぶもう一つの神様たちの始まり。

神代七世よりも前で、概念の象徴の神様たち。

至高の神、創造の双神、活力の神、天の神。

 

 

 こっちのほうが俺の象徴するものっぽい気はするけど・・・・。

 

『その方々は既に誕生してます。

大陸が出来た時すぐに隠れちゃったんですよね』

 

 なんだと!?

既に日本神話は始まっていたのか!?

何で言ってくれなかった、天地よ!

 

『いや、言ったらめんどくさそうなことになりそうですし予想通りめんどくさいですから』

 

 ・・・・。

酷すぎやしませんかね?何度も言うようだが130億年以上待ってるんだから

テンションが上がっちゃったりするのは仕方のないことなんだよ。

 

『はいはい、そうですか。

まあ、そんな訳で貴方が伊邪那岐、伊邪那美をまとめてあげてくださいということです。

本当にそれだけです』

 

 ・・・え?

俺の仕事、それだけ?

ちょっと地面まとめて、固めて、雲創って、完成?

 

『はい。それだけです。

あ、前与えた「輝始天之琉神」という名ですが、あんまり使わないでください。

重要な時だったり、神事だったら別ですが基本的には「始天輝 神琉」として生きてください』

 

 分かった! 

 

『あと!』

 

 まだ、何かあるのか?

もうそろそろ地上に降り立ちたくてたまんねえんだが・・・・・。

 

『すみません。長ったらしくなりますが聞いていただきましょう。

貴方の求めた答えもなくはないのですので。

この地球――以外にも一応ありますが――には、大きく分けて4つの力があります。

人が使い、妖を退ける、霊力。

妖が操り、異を呼び寄せる、妖力。

魔導の者が行使し、干渉する、魔力。

最後に神が持ち、威厳と力を象徴する神力。』

 

 四つの力?

地上に降り立ってからのことか?

話が早いような気はするが・・・・・。

 

『すみません、神琉君。地上にいるときには私は貴方と会話が出来ないので今話しているのです。

それで、力についてのことですが・・・・・』

 

 

 

 

 なぜ?

・・・・・なぜそれを今まで話さなかった?

俺は疑問に思ったがまあ、口には出さないでおいた。

 天地は力の説明を続けているが、俺の耳には入ってこない。

何とか、記憶の能力で覚えようとしているって所だ。

 

 やっぱり、天地には謎が多すぎる。

こいつは一体何者なんだ?

見た目だけなら、ただの少女。

気迫も何も纏っているわけでもなく、強大な力を持っているようにも見えない。

 

 中身も、数日話しただけならどんな者も「少し大人びた少女」という評価を下すだろう。

誰だってそうだろう。俺でも、そう答える。

 

 だが。

数百億年一緒にいた俺ならわかる。異質だ。

見た目だけならただの少女。その言葉を覆したりなどしない。

 

 でも。

俺はみたことがないんだ。

()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 彼女が浮かべるのは、自然体で美しい笑顔。

しかしその実、全てが虚飾(うつろ)

 

 あいつは誰にも心を開かない。

こうであればとかそういうものの類にも絶対に。

 

 彼女は自分を教えない。

自分のことを人に教えない。

過去にも考えたことがあるが、俺は天地のことを一片たりとも知らない。

 

 あいつは何も・・・・・・。

 

 

 あは。

 

 

 少し笑って俺はため息をついた。

そしてもう一度考えてみる。

 

 なんだよ。あいつの表情は虚飾?

 

 笑ってしまいそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 ()()()()()()()()()()()()()

 

 いつか、虚飾(偽り)を壊してやるって。

 

 その意識におぼれて意志とは正反対に虚ろに日常を重ねていたはずだろ?

 

 俺は誰かに自分を教えたか?

教えることの出来るほどに心を開いたものがいたか?

 

 彼女の瞳に、彼女の顔に、彼女の言葉に。

 

 あの時に(超爆発のその前に)ナニを重ねた?

 

 自分の虚ろな瞳を、顔を、言葉を。

 

 重ねた。

 

 

 ああ。

 

 いつの間にか、昔がおぼろになっていたな。

 

 そう思って、138億年の前の前に意識を戻し・・・・・・。

 

 

 

「・・・・神琉君!?神琉君!?」

 

 あれ?俺は何を?

天地の能力についての話を・・・・・。

 

『しっかり聞いてました?』

 

「あ、ああ。聞いてた」

 

 天地の疑るような視線から顔を背け、耳が記憶したことを脳に叩き込む。

 

 能力の使い方、能力はセーブして使え、さもなくば人をも殺す。

一瞬で多量の情報が入ってきたから頭が痛くなるが、別にいい。

 

 てか、この内容。

 

「縛りプレーで生きろ・・・・ってことだろ?

それぐらいなら余裕余裕!」

 

 正直なところこの程度の縛りなら想定している。

 

 と、言うよりもこれぐらいじゃなきゃ。

 

 

 楽しく生きてらんないぜ!

 

 

『はあ。その威勢がいつまでもつか・・・・・』

 

 なっ!?いきなり不穏な一言やめろよ!?

つーか、お前小物っぽい発言多いんだよ!?

降参すれば許すとか完全にフラグたててるじゃんか!?

 

 実績があると不安になるんだよっ!

 

『そこまで言わなくたっていいでしょう!?

好きで言ってるわけじゃないんですから!?』

 

 じゃ、なんで言ってるんだよ?

そう聞きたくなったが、別に知りたくもないのでいい。

 

 でもな。

 

 こいつとこうやって騒げるのも、これでラストかもしれないんだよな。

なら、目いっぱい騒いでおこうか!

 

 

 

 

 

        『まったく、心配させて。

                    貴方が記憶を掘り起こす必要などないでしょう』

 

 

 

 

 俺たちが騒ぎ、歌い、踊り。

 

 その終焉は突然だった。

 

 

 じゃらんじゃらんじゃらん。

 

 

 唐突に狂ったようにウエディングベルが鳴り響いたんだ。

 

 その音を俺たちは聞いて終焉を知った。

 

 

 そして始まりを、な。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

              『それでは頼みましたよ』

 

 

            「任しとけって。次に会うのは?」

 

 

             『いつだっていいでしょう?

              私たちは不滅なんですから』

 

 

                「それもそうだな」

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・行ってきます」

 

 

「・・・・・・・行ってらっしゃい、神琉君」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そうして、神代の前のちょっとした話は終わった。

 

 

 二人は別れ、そしてまたいつか出会う・・・・とだけ言っておきましょう。

 

 

 

 さて、ここからは神代の時代。

 

 人の代わりに、神様、妖、その他諸々が闊歩する古の時代。

 

 

 そこで始神はどう生きるのか?

 

 

 

 

 

 東国まで、あと3億年。

 

 

 日本神話まで、あと、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 0日。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 ノリで書き上げましたので短い、訳わかんね、なんだこれ、です。

 一応、今話に伏線はないです!・・・・たぶん。

 暗いシーンを入れたのは、私が書きたくなったからです。唐突でしょ?

 これで神代以前は終了!

 閑話を入れるかどうかは私の気力次第!

 それでは、また次に。





▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。