インフィニット・ストラトス 黄金の不死鳥   作:PHENEX

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戦闘描写が主人公視点です。
主人公視点の戦闘描写は正直初めてなので、なにかわかりにくいところとかあったら教えてくだちい


episode08

ピットにISスーツを着用しながら待機していた。

今日は織斑との試合である。

 

昨日は簪さんと一緒に織斑対オルコット嬢との試合を見た。

ある程度、織斑の武装について知れた。

試合の結果はオルコットの勝利。

油断せず、近接武器しか持たない織斑に対し確実に距離をとって遠距離攻撃に徹していた。

 

ピットの入口が開き、織斑先生が入ってきた。

 

「待たせてしまってすまない。これを返す。」

 

そう言って渡されたのは昨日渡した“フェネクス”

 

「結局資料以上のことは分からなかった。一体何が発動条件なのか…まぁいい。時間を取らせて悪かったな。試合、頑張れよ」

 

「はい、ありがとうございます。」

 

そう言って立ち去って行った。

弟の対戦相手なのに応援の言葉を聞けるとは思わなかった。

 

『桜月くん、アリーナに出てください。』

 

山田先生からの指示が届き、フェネクスを展開した。

 

「桜月 榛也、フェネクス出る!」

 

アリーナに飛び出るとそこには織斑のIS、白式の姿があった。

 

『試合開始です!』

 

すぐに試合が始まった。案外すぐに仕掛けてくるかと思ったが、織斑は動かなかった。

 

「……昨日はすいませんでした。」

 

謝る割にはとても顔が謝るような顔をしているとは思えませんが…

きっと織斑先生あたり謝るように言われたのだろう。

 

「気にするな。妹の不手際だ。」

 

「…なんで、奏にあんな態度をとったんですか?」

 

「以前に言ったような覚えがあるが、妹がこちらと関わろうとしないだけだ。」

 

「奏に聞きました。貴方はいつも素っ気ない態度ばかりとって、奏を無視していたって。ちゃんとお婆さんからも聞きました。」

 

織斑は顔に怒りを浮かべてこちらを睨みつけている。

そも、祖母は既に他界しているし、素っ気ない態度をされているのはこちらなんだが…

いや、恐らく電話の相手は叔母か…?

 

「だから、これからは俺が奏を守ります。このISで。」

 

守る?なんの実力もなくて、1週間ずっとISについての勉強や操作じゃなくて、剣道していたような奴が?

 

「いいから来い。そのふざけた考え諸共叩き潰してやる!」

 

「ッ!はァァァ!!」

 

織斑は加速しながら上段に剣を構えた。

それもそのまま振り下ろしてくる。

それを紙一重で避け、そのまま蹴りつける。

 

「避けたっ?うぐっ!」

 

「動きが単調すぎる。」

 

織斑はすぐに体制を立て直し、“雪片弐型”を構えた。

 

「“零落白夜”ッ!

これですぐに終わらせる!」

 

まるで必殺技のように叫ぶ織斑。

そのまま刀身から白い光を収束させ、突撃をしてくる。

 

「すぐに終わるのは」

 

[NT-D]

 

「どちらかな?」

 

突撃をしてくる織斑の袈裟斬りを避け、バズーカを使ってゼロ距離で引き金を引く。

驚きの声とともに織斑は爆煙に包まれた。

その隙にデストロイモードに移行する。

 

「また、変身した…?」

 

煙が晴れてこちらの姿を確認した織斑は呆然としていた。

その顔をめがけてバズーカを3連射する。

 

「あ、あぶねぇ!」

 

流石に織斑はこれを避け、大きく右に避けた。

バズーカの弾に意識が向き、その隙に懐に潜り込む。その時一緒にバズーカを投げ捨てビームマグナムを持つ。

 

「なっ、いつの間に…ガッ!」

 

まず、右腕のトンファーを強く突き刺し衝撃を与える。

衝撃によってよろめいたら左腕のトンファーを発信し、顔面に向かって突き出す。

 

「うわッ!」

 

戦闘に慣れていない織斑は咄嗟に顔を庇った。

 

そこに、ランドセルから引き抜いたビームサーベルとビームトンファーを合わせて大型ビームサーベルになったものを、そのまま下から大きく切り上げる。

 

 

「まだ、まだ終わってな…」

 

「いや、終わりだよ。」

 

体制を立て直す前に接近しつつ、“アームドアーマーDE”を左右の腕に移動。砲口のほうを向けて、白式の装甲に突き立てる。同時にビームマグナムの銃口を突きつけた。

 

「は、早…」

 

「終わりだな。

この程度で守るなんてどの口が言うんだ…」

 

引き金を、引いた。

 

 

『し、試合終了!

勝者、桜月 榛也!

試合時間1分34秒!』

 

呆然としている織斑を尻目にピットに戻った。

 

 

 

その後、部屋に戻る途中に簪さんに会い、今日のことを色々話した。

何故か、織斑を倒したことに対して自分の事のように喜んでいた。

そして今日も今日とて夕飯に誘った。

OKだった。

 

 

 

─────

 

 

翌日、朝から職員室にお邪魔して、代表を辞退して教室に入った。

すでに登校していたクラスメイトたちは一斉に静まりこちらを見て、反対側の教室の入り口を見た

反対側の教室の入り口にはどこかで見たような黒髪の少女が立っていた。

 

 

「えっと、今来たみたいだよ!」

 

「ありがとうございました。

 

桜月榛也さんですね?私、佐藤愛子と申します。

いきなりで申し訳ないのですが、

結んでいた婚約を破棄させていただきます。貴方のような不潔な人より織斑さんの方がいいですわ。」

 

朝からいきなり何を言い出すんだ。

それとやっぱり婚約者だったか。

 

「私は構いませんが…。

その件はそちらの御両所様から私の親に通してください。」

 

「両親からは許可は頂いてますわ。

本当に好きな人が出来たらなかったことにしていいと。」

 

「そうですか。ならばご自由にどうぞ。」

 

そうやってぶっきらぼうに言い放つとあちらは少し怒った顔になった。

 

「そうですか!ではこちらの勝手にさせていただきます!」

 

足音を少し大きめに響かせながら元婚約者は去っていった。

親が決めたことだから別に気にしてはいないが、後々めんどくさいことになりそうだな。

 

「づっきー、婚約解消されちゃったけどいいの〜?」

 

と、何やらのんびりした声で話しかけられた。少しマイナスイオンを感じる。

声の方に顔を向けた。

 

「君は、布仏さんでしたか?

別にいいんですよ。親が決めたことだから気にしてません。」

 

顔を向けた先にいたのはのほほんとした雰囲気を出す女子生徒、布仏さんだった。最初は少し困惑した顔をしていたが、次第にいつも他の友人といる時と同じような、のほほんとした顔に戻って来た。

 

「ならいいんだけど〜」

 

そのまま布仏さんは友達の元に戻って行った。

 

「…なんだったんだ…?」

 

 

────────

 

 

「という訳で、桜月くんとオルコットさんが辞退したため、クラス代表は織斑くんに決まりました!一繋がりでいいですね!」

 

と、ホームルームが始まってすぐ。

昨日と一昨日のクラス代表戦の結果織斑がクラス代表になった。

どうやらオルコットも辞退したようだ。

 

「え、俺負けたのに!?俺だってやりたくはないです!」

 

「黙れ織斑。敗者に拒否する権利はない。勝者に従え。」

 

サラッと織斑が罵倒されてクラス代表は決まった。




最近デスティニーインパルス作りました。真っ黒に染めてストレスが発散出来ました。
次はフルアーマーplanBフェネクスですな…

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