とあるマンションの一室で首吊りの準備をし、最期の時を迎えようとしてる。
いつも帰ったら笑って出迎えてくれる両親も既に他界し、好きだった女性も目の前で車に轢かれて死んだ。伸ばした手が空を切り、引かれる直前の女性の笑顔が未だに脳裏にこびりつく。
そして、俺は大学を卒業してからやっと就職出来た所でさえも辞めさせられた。
理由は単純。
上司の失敗を擦り付けられ、すべてを自分のせいにされたから。
もう、何もする気にはならない。
来世は、失敗しない人生を歩みたい…。
自分の首に縄をかけ、台座から降りた。
「――――!!」
窒息によって、暗くなっていく視界の中で最後に見えたのは——
───────
インダストリアル7 メガラニカ。
俺は、不死鳥狩りと呼ばれる、ユニコーンガンダム3号機“フェネクス”の捕獲、及び撃墜作戦に参加した後、俺『ヨナ・バシュタ』は連邦軍によりユニコーンガンダム2号機“バンシィ・ノルン”及び 搭乗者 リディ・マーセナスの支援を命じられた。
搭乗機は残っていたジェガン。
そして、今。
自ら死のうとしている。
いつか、“不死鳥狩り“の時に破壊したあの赤いMA。
あのMAがまた開発され、それに乗った“シナンジュ”をユニコーンガンダム2機により撃墜した後、コロニーレーザーにより狙われていると1号機パイロットから連絡が入った。
凄まじい光がユニコーンガンダム2機と、ファンネルのようなもので貼られたサイコフィールドで対抗していた。
ここで近くの宙域で漂うように止まっていた機体が動く様になり、、“バンシィ“の後ろに盾を持ち、まだ抑えきれていないコロニーレーザーを抑える。
何故か。自分が入らなければこのコロニーレーザーは止められない予感がしたのだ。
「ジェガン!?なんで…!?」
「…ヨナ・バシュタ!?なにをしている!
下がれ!」
「…きっと自分がやらなければ、止まりません。」
きっと間違ったことはしていない。
これは未来が変わる戦いだ。
自分の命一つでどうにかなるのであれば……。
「そんな機体で……死ぬぞ!?」
「気にしなくていい、これには未来が掛かっている。
そんな気がする。だからお前達の可能性に掛ける。」
会話をしている間にもシールドは削れて行く。
「チッ……もう持たないのか……!
そこの『箱のカギ』とリディ少尉。
あとは頼んだ。
リタのような強化人間が作られない未来のため……に……」
シールドが完全に壊れ、全身でその熱量を受ける。
チャリ、とパイロットスーツの中からペンダントがこぼれ落ち、宙を漂う。
そのペンダントは真ん中から開き、中の写真を露わにした。
「あぁ、懐かしいな……リタ…」
最後まで言い切る前に、機体ごと爆散した。
間もなく機体ごと爆散した。
「そんな……バシュタ少佐!」
意識は爆発と共に消えた。
その時、遠い宇宙に黄金の不死鳥を見たような気がした。
目が覚めると暗い暗闇の中で漂っていた。
──あれ?俺は…一体
自殺した俺の記憶と、ヨナ•バシュタとしての記憶が混ざってよくわからなくなってきた…
まるで走馬灯のように頭の中をぐるぐると生前の記憶が駆け巡る。
とても気持ちが悪いし、頭が割れそうなほど、痛い
突然、何も無いところが光り、土下座した女性が出てきた。
「すいません!」
土下座の体制のまま、どういう事なのか説明してくれた。
「本当に申し訳ありませんでした……」
「あー大丈夫です。」
聞いた話によるとあの自殺をしたあと、自分がイレギュラーとして記憶を消す以外なんの処理もせずに輪廻転生をしてしまったらしい。
あの、コロニーレーザーに対して感じていた事はやはりあっていたようで、イレギュラー発生により起こったことらしい
「というわけですので、今回は転生したいランキング上位に位置するインフィニット・ストラトスの世界へ転生して頂きますね。よく聞く転生の特典はお楽しみで」
「え、あぁ、ありがとうございます?」
「それでは時間が無いのですぐに送りますね」
インフィニット・ストラトス…か。よく覚えてないな
だが、次の世界でもしも好きな人が出来たのなら、宇宙世紀で得られたこの経験を持って、守り抜く。
眠いでござる
色々改変しました!