元島国人の短編   作:屍原

6 / 8
ライヒに栄光あれ。

…一度言ってみたかっただけです、悪しからず(?)

今回の話は、やや支離滅裂かもしれない。
後日、修正するかもしれない。
かもしれない……


元島国人の新たなる独白

  やぁやぁ、帝国市民諸君、お久しぶりです。シハラ少佐です。こうやって挨拶するのも、随分前だった気がするな。

 

  唐突で申し訳ないが、諸君は『普通』というのは、どうやって認識してるだろうか?大衆に合わせて、己も群れの中に入り込む。群衆に溶け込み、己の考えを捨て去る。これが、世間が思っている『普通(生態)』だ。しかし、本当にコレが、我々が欲しがっていた普通だっただろうか?生きる意味も持たず、思考する能力を放棄し、ただ命令や指示に従う、機械や人形のようになる人生。

 

  これぞ、我々が認識し、実行してる『普通(義務)』なのだ。

 

  だが、仕方あるまい。我々は、国のために働いている、国に忠誠を誓っている。国に逆らえば、普通など、とうに失っている。戦争を続ければ続けるほど、我々は普通からかけ離れていく。普通から遠ざければ、遠ざけるほど、『異常(狂気)』に近付くのだ。

 

  ……正直なところ、最近はこういった、結論に至らない疑問を続けている。結果に辿りつけない思考に囚われるくらいなら、さっさとこの戦争を終わらせたい。

 

「次の作戦より、第203航空魔導大隊の補助を担当せよ…?」

 

  参謀本部の奴らは一体何を考えてるんだ?素で問い詰めたい、切実に。いや、彼女と一緒の戦場に行けるのは、とてもありがたいのだが。何故に、大隊の補佐?あの大隊は、彼女は厳選し、極めて地獄に等しい訓練を施した大隊、オレが居なくともうまくやれるはずだ。なのに、補佐をしろと、命令を出すのか?

 

  参謀本部の奴らは、今度こそ狂ったのか?もしやあいつら、本心では戦争を望んでいるのか?それ程までに、今までの思考回路とまったく違う。ああ、面倒くさい、仕事とは言え、実に面倒くさい、そしてややこしい。仕方ない、仕事は仕事だ、きっちりこなしてこその帝国軍人、仕方ない。

 

「……ライヒに栄光あれ」

  彼女が常に呟いていた言葉を、真似してみる。もう一つ付け加えてみる。

 

 

 

  存在X(死神)に災いあれ。

 

 

 

 

 

  通達には、彼女の大隊に連絡せよ、とも書かれているので、止むを得ず、渋々と第203航空魔導大隊が所属してる勤務室へ足を運ぶ。正直、行きたくない。これ以上、珍獣扱いされるのはやめて頂きたい。特に、参謀本部の奴らに『狂人』扱いされてるような眼差し。本当は、あまり気にした事ないが、よく飽きずにやれるな、とは思う。だがしかし、彼女と一緒に並ぶと、余計に注目される。オレはいいとして、これ以上彼女に影響を与えるのは、ごめんだ。

 

  一体いつになったら、彼らはターニャの望みに気づくだろうか?あの、ささやかな、切実(後方)の願いを……恐らく、彼らが知るとしても、まだまださきの事だろう。頭は切れるのに、時として崩壊的なのは、間違いない。

 

  ああ、考えてる内に、着いてしまった。203魔導大隊と刻まれてる表札を視界に入れ、心の中で盛大なため息を吐く。さあ、ご対面と行くとしよう、新たなる大隊。

 

「失礼、シハラ少佐だ」

 

  部屋の中から、慌ただしいと表現するような、(書類)の音が聞こえた。

 

  よろしい、嫌な予感しかしない。

 




言わせたいセリフを言わせ、やらせたかった事をやらせた。
完全に自分の欲望の塊じゃないか。
まあ、いいか。

不定期更新の始まり。
…なんとなく、いい響き?(ない)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。