元島国人の短編   作:屍原

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歴史に疎いくせに、リサーチしたくないという名の怠惰。
しかしながら続きは書きたい……とんだ矛盾だ。
努力し、時間を割って、一度お勉強に励んでみては?と脳内に存在してるターニャがそんな事を言っている。

妄想はやめておけ、屍原少佐殿。


今回の短編(言い張る)は、つまらない報告回です。
身に染める程、下手くそな文章なのは、相変わらずです。


元島国人の独白 ③

「報告は、以上であります!」

「ふむ、まさか単騎で2個中隊を潰すとは…いやはや、流石シハラ少佐だ、実に見事であった」

  己のコーヒータイムを堪能する前に、上官への報告が最優先事項とみなされてる。いつも思うのだが、この流れは、オレの人生の中で、最もつまらないひと時なのかもしれない。だが『ホウレンソウ』がいかに大事か、身に染める程よく理解している。

 

「恐縮であります、少将殿!自分、軍人としての役目を果たしたまでであります!」

 

  軍人である自分は、上の命令通り動けばいい、なら報告と連絡のみで済ませるではないか?提議は、ともかくだ。相談、などというものは、果たして我々の上司に申し出られるのか、今でも不明だ。

 

  本音を言うのならば、我が帝国のためではなく、妖精(ターニャ)の居る帝国に忠誠を捧げてる。もし、我が帝国に忠誠を捧げ、軍人として忠義を示している事が、彼女のためになるのなら、オレは、この命を犠牲にしても、惜しまないだろう。

 

  だが、上官に向かって、反逆とも言われる思想など伝えられる筈もない。故に、オレはただただ国を思う軍人を演じ、規律正しい態度を身に着ける。

 

「君は我が帝国にとって、欠けてはならぬ、優秀な人材だ。胸を張るがよい!」

「はっ!ありがたきお言葉、感謝致します!」

 

  オレの言葉に、アーリル少将は仕方ないと言う風に、苦笑いを浮かべる。しかしそれに動じてはいけない。仮にも、相手は上官だ、簡単に動揺する軍人など、訓練の足りていない新兵(蛆虫)と同等だ。

 

  けれど、なぜ、上官はその反応をしたのだ。この場で、あの言葉を告げたのちに、引き続き、次の仕事に関しての内容を伝える。そういう流れになるのは、常識ではないのだろうか?

 

  まあ、オレは軍人、己の考えがあろうがなかろうが、上官の命令は絶対とも言える。なら、今は深く考えないでおこう。

 

 

 

 

「長らく引き止めて悪かったな、もう、行っていいぞ」

「はっ!では、失礼いたします!」

 

  頭の中ではすでにコーヒーの事しか考えておらんが、基本の礼儀をきっちりとこなす。部屋を後にする前に、しっかりと敬礼を取った。向こうはなにやら、機嫌が良く、満足したかのような笑みを浮かべる。

 

  ああ、なんとなく、嫌な予感がする。気のせいだろうか?これで評価が上がり、ターニャとは別々の戦場に出されたら、堪ったもんじゃないな。

 

  できれば、オレの思い違いであって欲しい。

 

  しかし、どうも引っかかるな。上官は笑みを浮かべているというのに、心なしか、僅かに顔を引きずっているように見えた。さすがに、これはただの見間違い(誤解)だろう。

 




アーリル少将=報告回のためだけに登場した、上官の一人。名前に深い意味はない、思いつきで付けさせてもらった。すまないな、少将殿。



気になった、少将殿反応。そして、少将殿は最後、顔を引きずっていた、一体なにを考えていたのだろう?
あまり、深く考えないでおこう。気にしたところで、いい結果にはならん。
さて、コーヒータイムを楽しめるとしようじゃないか。

では、ごきげんよう、帝国市民諸君。

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