しかしながら続きは書きたい……とんだ矛盾だ。
努力し、時間を割って、一度お勉強に励んでみては?と脳内に存在してるターニャがそんな事を言っている。
妄想はやめておけ、屍原少佐殿。
今回の短編(言い張る)は、つまらない報告回です。
身に染める程、下手くそな文章なのは、相変わらずです。
「報告は、以上であります!」
「ふむ、まさか単騎で2個中隊を潰すとは…いやはや、流石シハラ少佐だ、実に見事であった」
己のコーヒータイムを堪能する前に、上官への報告が最優先事項とみなされてる。いつも思うのだが、この流れは、オレの人生の中で、最もつまらないひと時なのかもしれない。だが『ホウレンソウ』がいかに大事か、身に染める程よく理解している。
「恐縮であります、少将殿!自分、軍人としての役目を果たしたまでであります!」
軍人である自分は、上の命令通り動けばいい、なら報告と連絡のみで済ませるではないか?提議は、ともかくだ。相談、などというものは、果たして我々の上司に申し出られるのか、今でも不明だ。
本音を言うのならば、我が帝国のためではなく、
だが、上官に向かって、反逆とも言われる思想など伝えられる筈もない。故に、オレはただただ国を思う軍人を演じ、規律正しい態度を身に着ける。
「君は我が帝国にとって、欠けてはならぬ、優秀な人材だ。胸を張るがよい!」
「はっ!ありがたきお言葉、感謝致します!」
オレの言葉に、アーリル少将は仕方ないと言う風に、苦笑いを浮かべる。しかしそれに動じてはいけない。仮にも、相手は上官だ、簡単に動揺する軍人など、訓練の足りていない
けれど、なぜ、上官はその反応をしたのだ。この場で、あの言葉を告げたのちに、引き続き、次の仕事に関しての内容を伝える。そういう流れになるのは、常識ではないのだろうか?
まあ、オレは軍人、己の考えがあろうがなかろうが、上官の命令は絶対とも言える。なら、今は深く考えないでおこう。
「長らく引き止めて悪かったな、もう、行っていいぞ」
「はっ!では、失礼いたします!」
頭の中ではすでにコーヒーの事しか考えておらんが、基本の礼儀をきっちりとこなす。部屋を後にする前に、しっかりと敬礼を取った。向こうはなにやら、機嫌が良く、満足したかのような笑みを浮かべる。
ああ、なんとなく、嫌な予感がする。気のせいだろうか?これで評価が上がり、ターニャとは別々の戦場に出されたら、堪ったもんじゃないな。
できれば、オレの思い違いであって欲しい。
しかし、どうも引っかかるな。上官は笑みを浮かべているというのに、心なしか、僅かに顔を引きずっているように見えた。さすがに、これはただの
アーリル少将=報告回のためだけに登場した、上官の一人。名前に深い意味はない、思いつきで付けさせてもらった。すまないな、少将殿。
気になった、少将殿反応。そして、少将殿は最後、顔を引きずっていた、一体なにを考えていたのだろう?
あまり、深く考えないでおこう。気にしたところで、いい結果にはならん。
さて、コーヒータイムを楽しめるとしようじゃないか。
では、ごきげんよう、帝国市民諸君。