テイルズオブザワールド レディアントマイソロジー3 ─そして、僕の伝説─   作:夕影

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シリアスな場面が多かったので今回はギャグ回な閑話となっています+
まぁ一回『にじファン』にも投稿した話だけどねっ!←

因みにIF閑話は『もしかしたらあったかもしれない』お話です。

このお話には以下の成分が含まれているので、ご注意下さい。



※キャラクター崩壊←


※TS要素あり


※ストーリーの空気ぶっ壊し←←






IF閑話─男の子だった筈のキャラが実は女の子だったって分かった時、そのキャラが異様に可愛くみえるよね─

 

 

 

 

――今日は本当は平和な、平和な日である筈だった。

 

 

「――ねぇねぇ、ジェイドー。こんなん作ってみたんだけど~♪」

 

 

「――おやー、中々面白そうじゃないですか~♪」

 

 

「でしょ~♪だからこれを……――」

 

 

「ふむふむ、いいですねー♪では早速やりましょうか♪」

 

 

 

――『天災』二人がこんな事をしだすまでは……。

 

 

 

 

 

―――――――――――――

 

 

 

「――ん…んー…っ」

 

 

――部屋の窓から差し込んだ光に、寝ぼけながらも僕はゆっくりと目を覚ました。

 

 

「ふあぁ~…よく寝たけど……なんか怠いなぁー」

 

 

ぼやける目を擦りながらそんな事をぼやいてしまう。

確かに昨日は鍛錬に依頼もやったけど……ここまで寝起きが怠い事ってあったっけ…?

 

 

「…ヴォルトは…朝ご飯かな?…ちょうどいいし、着替えようか」

 

 

自分の身体の中にヴォルトが居ない事を認識し、取り敢えず服を着替えようと鏡の前に立った時だった。

 

 

「――へ…?」

 

 

鏡に映った姿に、思わずそんな声を上げて目が点になったのを感じた。

 

……そして……。

 

 

 

「―――――――ーっ!!」

 

 

…僕らしからぬ、悲鳴を上げた。

 

 

 

 

―――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

―――キャアァァァァァっ!!

 

 

 

 

『『『!?』』』

 

 

――食堂。そこで朝食をしていた全員が突然聞こえた悲鳴に手を止めた。

 

 

 

「…なんだ、今の悲鳴?」

 

 

「…女性っぽいけど…聞き覚えのあるような、ないような声…」

 

 

「…衛司の部屋の方から聞こえたような」

 

 

「…また衛司か…今度は一体誰を巻き込んだんだ?」

 

 

「……兎に角見に行こう。今はロックスが落ち着かせてるけど、カノンノとメリアがヤベェ」

 

 

 

その一言に、全員が視線を向けると…何か黒々しい物を纏ったカノンノとメリアをロックスが必死に落ち着かせようとしている姿が目に入った。

 

 

 

「……だな。取り敢えず、今日一日衛司が平和でいられる事を祈るか」

 

 

「……フラグだな、ヲイ」

 

 

 

――その会話を最後に、食堂にいるメンバーは衛司の部屋へと向かった。

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――

 

 

 

「――衛司ー、何かあったの?」

 

 

「――ぅ、うぅうー…ありまくり、です…」

 

 

――悲鳴を聞いてかけつけた全員が、衛司の部屋の前に集まり、アンジュが皆を代表して衛司の部屋の扉を叩いて聞くと…扉の向こうから、どこかいつもと違った衛司の返事が聞こえた。

 

 

「ありまくりって……一体何が――」

 

 

「――衛司、その前に……そこに誰か居るの?」

 

 

苦笑を浮かべてアンジュが聞き返そうとしたが、カノンノが先にそう問う。

 

 

「えっ……その…居ないには居ないんですけど…」

 

 

「……じゃあ入っても大丈夫…だよね……?」

 

 

「ちょ、今はまっ――」

 

 

 

衛司が言い切る前に、カノンノが部屋の扉を開ける。

扉が開き、そこにあったのは………。

――長い黒髪に、小柄ながらも女性を表せる体つきに…弱々しさを出しながらも美少女と言える顔をした少女が、ベッドの上で毛布で体を隠すようにしていた。

ただこの少女…顔つきをよくよく見ていくと……。

 

 

 

「…………え…衛司……?」

 

 

 

「……ぅ……うん……」

 

 

……皆が呆然とするなか、恐る恐るとカノンノが問いかけると、少女……《衛司》はゆっくりと頷いた。

 

 

『『『えぇえぇぇぇぇっ!?』』』

 

 

そしてそれを合図に…皆の驚愕が、バンエルティア号を揺らしたのだった。

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

「――えっと…それで、一体なにがあったの…?」

 

 

――その後、一旦ホールに集まると、いまだに驚いたままのアンジュが衛司にそう問いかけた。

 

 

「――うぅん…それが僕にも分からないんだ。…ただ目が覚めたらこうなってて…」

 

 

 

アンジュの問いに少しオドオドとしながらも言葉を返す衛司。

 

 

「…分からないわね。…昨日衛司と一緒に依頼に行った人は何か感じなかった?」

 

 

「…いんや、何にも。普通にモンスターの攻撃を食らうことも、なんかの罠に引っ掛かる事もなかったしな」

 

 

アンジュの言葉に、衛司の依頼に同行した一人であるアルヴィンが手を横に振って応えた。

 

 

 

「……ますます分からないわね。原因が分からない以上…下手したらこのまま一生衛司はこの姿かもしれないし…」

 

 

「えぇっ!?そ、そんなのやだよぉっ!」

 

 

「まぁ落ち着けって。俺達が原因突き止めてなんとか元に戻してやるから、な?」

 

 

出された言葉に、驚いて思わず涙目になってしまう衛司を、近くにいたアルヴィンが落ち着かせようと頭を撫でそう言った。

 

 

「……ほ、本当…?」

 

 

「………っ!」

 

 

――ただ如何せん、それが駄目であった。

今の衛司は、衛司と考えなければ言うなれば『守ってオーラ』を醸し出す弱々しげな美少女である。

そんな美少女が、涙目で身長差故に見上げるようなかたちで此方を見ると……行き着く結果は一つ。

 

 

 

 

「――…うぱぁっ!!」

 

 

『『『アルヴィイィィィンっ!!』』』

 

 

「……へ……?」

 

 

 

――突如、鼻から出血し出して倒れたアルヴィンに皆の声が上がった。出血させた当の本人は何がなにやら分からず首を傾げたが。

 

 

 

 

 

 

 

そんな中、慌てた様子で倒れたアルヴィンにジュードが駆け寄った。

 

 

「あ、アルヴィン!しっかりして!!」

 

 

「ぁ…あぁ…優、等生…か…」

 

 

「っ…くそ…なんて出血なんだ…僕の治癒功が効かない…!?」

 

 

必死にジュードが血を止めようとするが、アルヴィンの出血(鼻血)は止まらない。

 

 

「…な…なぁ……優等生…」

 

 

「アルヴィン…喋っちゃ駄目だよアルヴィン!!」

 

 

震えながら片手を動かし、何か喋ろうとするアルヴィンをジュードが止める。しかし…アルヴィンはゆっくりと片手を動かして……

 

 

「……ギャップ萌えって…いいよ、な……?」

 

 

そう、片手で親指を立て満足そうな笑みと言うと……動いていた手が力無く落ちた。

 

 

「アルヴィン…?アルヴィン…!アルヴィイィィィンっ!!」

 

 

 

「……いや、気を失っただけなんだけどね」

 

 

未だにネタを続けるジュードに冷静なツッコミをアンジュが入れた。

 

 

「……それしても離れてみてたけど…凄い威力ね」

 

 

「…うん、私女だけど『いいなぁ』とか思っちゃった」

 

 

「あの…皆何なのこれ…?」

 

 

ホールに集まったほぼ全員が鼻の頭を抑えると行った現状に、衛司はもう首を傾げてそう言葉を出すしかなかった。

 

 

「…こうなると本格的に原因を探らないと……このままだと、アドリビトムの皆が出血多量になりかねないわね…」

 

 

「…だな。しかし原因って言ってもなぁ……」

 

 

「――ねぇ、その事なんだけど……」

 

 

 

 

鼻の頭を抑えながらも真剣な表情のアンジュの言葉に皆が頭を抱えようとしたなか、一人、リタが手を上げて言葉を出した。

 

 

「……?どうしたの、リタ?」

 

 

「いや、多分……ていうかほぼ確定に近いんだけど……私原因知ってるわ」

 

 

 

リタのその一言に、皆は真剣な表情で話を聞き始めた。

 

 

 

 

 

―――――――――――――

 

 

 

「――さて、何か言いたい事はあるかしら、二人共?」

 

 

「――はははー…話を聞いてもらえれば嬉しいですね」

 

 

「――そ、そうよねー。話を聞いてもらえればねー」

 

 

――それから数分後のホール。

皆が集まっている中心には良い笑顔のアンジュ、苦笑の衛司…それに綺麗に縄で捕まったジェイドとハロルドであった。

いつもならこういう状況は飄々としながら抜け出す二人だが、流石にこの大人数では無理だったらしい。

 

 

「…分かりました、話を聞きましょう。それで…どうして衛司はこうなったのかしら…?」

 

 

「そうですねー。…言うなればハロルドの作った薬ですかね」

 

 

「…薬……?」

 

 

「そそ、薬。その名も、『カ・エールS』!材料とかは教えれないけど…飲めばその飲んだ人の性別を変えれるの。で、ちょーど、実験体として爆睡してた衛司に飲ませてみたら思いのほか大・成・功☆どう、凄いっしょ♪」

 

 

アンジュの問いに、反省の色なくむしろ『こんなん作ったんだけど凄くね!?』みたいな勢いで説明をするジェイドとハロルドに、皆が諦めたような溜め息を吐いた。

 

 

「そ、それはそれとして……結局僕ってどうなるんですか…?まさか一生……」

 

 

「ううん、それはないわ。流石にそんなんなら私も勝手に飲ませたりするわけないしー。多分今日一日過ごしたら明日にでも戻ってるっしょ」

 

 

「そ、そっか……良かったぁ……」

 

 

ハロルドの返答に、安心した息を漏らす衛司。

アンジュもその様子を見て一安心すると、ジェイドとハロルドに目を移した。

 

 

「二人とも、今回はこれで済んだから良かったけど……次からは人が眠っている間に薬を飲ます、とかそういうのは止めて下さいね」

 

 

「「えー…」」

 

 

「や め て く だ さ い ね ♪」

 

 

「「はい」」

 

 

 

 

――こうしてこの日一日、衛司は女性として過ごしたのだが……ほぼ女性陣のおもちゃにされたのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

――『オマケその①』

 

 

 

「うぅー……しんどいなぁ」

 

 

「ほらほら衛司。今日一日だけなんだし、元気だそうよ」

 

 

「いやだって…女の子になった、って何だか恥ずかしいし…なんか肩が重いし…」

 

 

『『!?』』

 

 

「あら、そういえば…結構なサイズよね…」

 

 

「…そうですね…服越しでも見ればC、Dくらいはあるんじゃ…」

 

 

『『!!?』』

 

 

「…ここまで女性に近づけさせるなんて…凄いわねハロルド」

 

「うぅー…肩が重いー…」

 

 

『『衛司に負けた…男なのに負けた……』』

 

 

『『胸なんて飾り胸なんて飾り胸なんて飾り胸なんて飾り胸なんて飾り胸なんて飾り…………』』

 

 

 

 

 

 

―――『オマケその②』

 

 

「えへへ、それでねー…」

 

 

「……そう、なんだ……」

 

 

 

「……本当、凄いわね。ハロルドの薬」

 

 

「えぇ……本人無自覚で徐々に言葉や行動が女に近付いてるもの」

 

 

「…あれにいつも通り平然と接してるメリアも凄いわ」

 

 

「…カノンノなんて数分で貧血起こしたのに」

 

 

「…やっぱりメリアって、そんなの関係なく衛司が好きなのね」

 

 

「……でもそろそろ止めないといけないわね」

 

 

「?どうして…?」

 

 

「…だって鼻血を堪えながらもメリアが、罠に掛かった獲物を狙う獣みたいな目をしているもの」

 

 

『『『衛司、逃げてぇーっ!!』』』

 

 

 

―――『オマケその③』

 

 

「――いかんな…俺とした事が寝坊など…」

 

 

「――ぁ、リヒターさん!おはようございますっ!」

 

 

「……?あ、あぁ…おはよう…(誰…だ…?)」

 

 

「えへへ…寝坊しちゃったみたいですけど、今日も一日頑張って下さいね♪」

 

 

「――……っ!?」

 

 

 

「……あら、リヒター?どうしたの…鼻血を出しながら呆然と立ち尽くして…あぁ、成る程。リヒター、彼女…いえ、彼は――」

 

 

「――可憐だ」

 

 

 

「……ゑ?」

 

 

 

 

 

 





とんだギャグ回だよっ!←


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