テイルズオブザワールド レディアントマイソロジー3 ─そして、僕の伝説─   作:夕影

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今回は聖地ラングリース…に行くとでも思ったか?←


第五十話

 

 

 

 

 

――あのレディアントとの闘いから数日が経った。

レディアントから手に入れた侍服は、意外と動きやすかった。

 

何と言えばいいだろう…例えるならもう身体の一部?って言えるくらいの動きやすさだった。

 

メリアの方もメリアの方で、僕と同じみたいらしく、今では着ていた当初の恥ずかしさも消え、普通に過ごしている。

……ただメリア。あの格好でいつもみたいに抱きついてくるのは出来るだけ控えて欲しい。色々ヤヴァイから。

 

 

 

それともう一つ……今、カノンノが自分の中にある『記憶』を知る為に、メリアとヴァンさんを連れて聖地ラングリースへと向かった。

 

きっかけは以前、ロックスさんに見せてもらったカノンノが描いた『両親』の絵。彼女がまだ顔を知らない間に亡くなっているその両親を描けた事を、ロックスさんがカノンノ自身に告げ…カノンノは何故自分に描けたのか、自分の中の記憶に何があるのか。

ソレを知る為に…ドクメントの展開以外で危険ではあるがリスクが減る方法を行いに、世界樹が生み出すマナの渦巻く場所『ボルテックス』のあるラングリースに彼女達は向かった。

 

本当は僕もついて行きたかったけど、聖地ラングリースは並みのヒトにはかなり危険らしく、僕の場合だとドクメントに何らかの支障が起こりかねない、との事から同行の許可が降りなかった。

 

 

心配だけど…今はただ彼女達を信じるしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――

 

 

 

 

「――…オルタータ火山に異変?」

 

 

「えぇ…この依頼なんだけど…」

 

 

カノンノ達を見送った後、何か依頼を受けようとアンジュに聞くと、返ってきた言葉に小さく首を傾げながら僕はアンジュが手渡して来た依頼書を受け取った。

 

依頼書には『ある日突然、オルタータ火山の温度が上がって様子がおかしい。緊急に調査を願う』を書かれていた。

 

 

「オルタータ火山の温度が急に…どうしてまた?」

 

 

「私にも分からないわよ。…あそこには『キバ』があったからもしかしたらそれが関係してるかもしれないけど…」

 

僕の問いにアンジュは小さく首を横に振ってそう言葉を出す。

うーん…行ってみないと分からない、か…。

 

 

 

「…うん、僕が行ってみるよ。調査の依頼が来ている以上、行かない訳にはいけないからね」

 

 

「分かった。それじゃ、こっちは他の同行者を探してみるわ。…あと、一応もしもの為にセルシウスから何か強力な熱さから耐えれる物があるか聞いてみる」

 

 

 

アンジュの言葉に僕は頷くと、準備の為に自室へと向かった。

オルタータ火山…一体何があったんだろう…。

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

 

 

「――…うわっ…何これ…」

 

 

「…ひどい有り様ね…」

 

 

――あの後同行者はロッタ、ジュード、レイアに決まり、僕達はオルタータ火山に着いた。

オルタータ火山に入って少し進んだ所で、目前に広がった光景に僕達は思わずそんな声を出した。

 

それは…温度の変化によるものか、以前まで平然としていた魔物達が焼け焦げたり、干からびたりして死んでいる姿であった。

 

 

「……いくらなんでも、この温度の上がり方はおかしいよ」

 

 

「…私たちもセルシウスからもらった道具が無かったら、こんなになってたかもしれないんだ…」

 

 

倒れている魔物を確認しながら呟くジュードに、レイアはセルシウスから貰った所持者を高温から守る道具…『セルシウスの吐息』を見てそう言った。

 

 

……前にロイド達が持っていった『セルシウスの涙』といい、今回の『セルシウスの吐息』といい…こんなに貴重なアイテム簡単に貰ってていいのかな、僕達…。

 

 

 

 

 

 

 

「…でも…まだそれなりに熱さを感じるわね」

 

 

「……うん。長く居たら流石に『セルシウスの吐息』も保ちそうにないし、速く探索をしてみよう」

 

 

 

 

ロッタの言うとおり、多少なりとも『セルシウスの吐息』で暑さは防げているが、それでもよほどの高温なのかまだそれなりの暑さを感じる。

下手したら本当に『セルシウスの吐息』が意味を無くしてしまうかもしれない。

 

 

僕達は頷くと奥へと向けて歩き出した。

 

 

―――――――――――――

 

 

 

 

 

 

「……ふぅ…此処も異常無し、か」

 

 

「…そうみたいだね。…まだ先に進まないといけないのかな」

 

 

――大分下層に進んだ所。僕は周りを見回してそう言うと、ジュードは片手で額の汗を拭ってそう言った。

 

下層に進むにつれて温度が上がっていっており、僕達が持っている『セルシウスの吐息』も徐々に効力が下がっていっている。

 

因みにロッタとレイアは既に僕達の後ろの方で『暑い』を連呼している。

 

 

「…はぁ…下層に進むにつれて熱さが増してるって事は、少なくとも原因に近付いてるって事なんだろうけど……中々辛いね…」

 

「そうだね…。…まだ先みたいだけど…これからまだ大分進まないといけなくなるなら、一旦戻った方がいいかもしれないね…」

 

 

まだ続くであろう下層への道を見て僕はそう言うと、ジュードは同じように下層への道を見た後そう言ってきた。

 

…確かにこの熱さがまだ上がるなら一旦戻った方がいいかもしれないし…後ろからのロッタとレイアの『暑い』コールがハンパない。

 

うーん…ジュードの言うように戻るべきかな…。

 

 

『(……主…何か…嫌な予感がします…)』

 

 

「え…ヴォルト…?」

 

 

考えていると不意に僕の中にいるヴォルトがそう言った。

嫌な予感って……。

 

 

――その時だった。

 

 

 

 

『――ウォオォォォォっ!』

 

 

「「「「!?」」」」

 

 

ヴォルトに聞こうとした時、突然奥の方から何かの雄叫びが響いた。

今の……一体…っ!?

 

 

「ど、どうするの!?ジュードっ!?」

 

 

「落ち着いて、レイア。…とにかく、行ってみるしかないよね」

 

 

「…そうね。もしかしたらこの熱さの原因かもしれないし……魔物だったら叩き潰してやるわ」

 

 

「あははは……兎に角、ジュードの言うように行ってみよう」

 

 

ヤケに不気味な笑みを浮かべるロッタに苦笑いして皆にそう言うと、僕達は下層に向けて走り出した。

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

「――あ、あれって…っ!」

 

 

「……成る程……ヴォルトが言ってた『嫌な感じ』って…そういう事か」

 

 

「まぁた……面倒毎になったわね」

 

 

――オルタータ火山の下層の広まった場所。そこに…僕とロッタとジュードが以前見た光景と同じものがあった。

 

 

 

「…な…何、アレ……っ!?」

 

 

そこにいたモノを見て、レイアが驚いた様子で僕達に聞いてくる。

まぁ、当然と言えば当然か…。

 

――何故なら…そこにいたモノは…人間の上半身の姿をし、赤い炎を身に纏い、触れる全てを燃やすような熱を出す、…ヴォルトの時と違い、その身体の一部を『結晶化』させた……『火』を司る大精霊。

 

 

『(――……主…彼を…助けてあげてください)』

 

 

「…勿論だよ、ヴォルト。…レイア、兎に角戦闘準備。皆…彼を止めるよっ!」

 

 

「「「うん!(ええっ!/わ、分かったっ!)」」」

 

 

 

 

『――ウオォオォオォォォォっ!』

 

 

 

――『ジルディア』に浸食された火の大精霊……『イフリート』との闘いが始まった…。

 

 

 

 




以上、第五十話、如何だったでしょうか?

無理やり過ぎるかなー…今回…←




『聖地ラングリース』
よくよく思い返せばラングリース…あそこではカノンノが肉体と精神が離れてしまいましたよね?
もしそんな所にドクメントボロボロの衛司が行ってしまうと…まぁ、分かりますよね?
てな訳で今回は衛司アウトという事になりました。
……まぁ色々無理やりだけどな←←


『イフリートの暴走』
という訳で、今回はオリジナルで衛司君にはイフリート退治に行ってもらいました←←

…うん、色々後悔してるよ←

パーティーについては特に何も考えてないっていう←


因みに当初はこのイフリートの他に、ブラウニー坑道でシャドウ、ルナ戦とか考えてましたが、こっちの方がいいかなー、とイフリート戦となりました。

あ、別に契約とか考えてないんで、えぇ←←←


イフリート『!?』



という訳で次回は暴走イフリート戦となります。
感想、ご意見等、皆様良ければ宜しくお願いします+


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