テイルズオブザワールド レディアントマイソロジー3 ─そして、僕の伝説─   作:夕影

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今回から数話は『フォレスト』に投稿した分です+
後、『にじファン』以来の方もいるので今回から後書きに補足的なものもつけたりします←


第四十八話

 

 

 

 

「――…衛司…お願い」

 

 

――あれから数日、メリアは無事に復帰する事が出来た。

いまだに様子見である所もあるが、依頼が出来るくらい、至って普通にメリアは復活していた。

そして今…僕はそのメリアに頭を下げてお願いされていた。

どうしてこうなってるかと言うと…彼女にとある依頼の同行をお願いされたのだ。

 

その依頼とは……

 

 

「…ディセンダーにとって最強の武具…『レディアント』との決闘か…」

 

 

そう…レディアントとの決闘だった。

本来、レディアントとの闘いはディセンダーと意志を持ったレディアントとの一対一の決闘なのだが…どうやら今回はジュディスとニアタの話に寄ると男性用と女性用…その二つが闘いを挑んでくるらしいのだ。

 

それでその話を聞いたアンジュが、『自分にとって信頼を置き、共に戦える人を連れて行きなさい』と言い、メリアは僕の元にやってきたのだ。

 

 

 

「…駄目…かな…?」

 

 

「いや、別に駄目って訳じゃないけど…そんな大事な役、本当に僕で構わないの?」

 

 

少し俯いて言うメリアに少し頬を掻くと僕はそう言葉を出した。

事実、レディアントとの決闘は言わば、ディセンダーの力を見せ、納得させなければいけないのだ。

そんな大事な相方役を…本当に僕で構わないのだろうか?

僕の問いにメリアは顔を上げると小さく頷いた。

 

 

「…当たり前…。衛司は私にとって…一番信頼出来る存在…大切な人…だから…駄目…?」

 

 

 

僕を真っ直ぐと見てそう言い、『…駄目…?』の部分でどこか不安そうな表情で小さく首を傾げるメリア。

 

ぅ…分かってはいたけど、こういうのされたら余計断れないよなー…。

いや、まぁ…断る気もなかったけど。

 

 

「分かったよ、メリア。…君の力になれるよう、精一杯頑張るよ」

 

 

「…ん…っ!」

 

 

僕の返答にメリアは嬉しそうに頷いた。

本当…僕って扱われやすいなぁ…。

 

 

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

――あれから準備等を済ませ、僕とメリアはジュディスとニアタから聞いた『忍者』のレディアントが居るという、『ブラウニー坑道』の下層に向けて歩いていた。

 

 

ブラウニー坑道の下層のモンスターはスケルトンとかゾンビとかスピードが遅いタイプだから、スピード重視のメリアと協力すると簡単に倒せる敵達だけど…まだ中々レディアントは見つからない。

 

 

やっぱりまだ下層の方に居るのかな…。

……それにしても。

 

 

「……ねぇ、メリア…」

 

 

「……ん…?」

 

 

 

「どうして…急にレディアントなんて…?」

 

 

坑道を歩きながら隣りを歩くメリアに僕はそう、思っていた事を問い掛けた。

 

ニアタから聞いた話だけど彼女…メリアはディセンダーとしては珍しい部類らしい。

というのも、ニアタが今まで別の世界で見て来たディセンダー達の多くは…見るもの全てが珍しく、興味を持って見ているらしい。

ただメリアは少し違い、自分が本当に興味を持った物以外は全て平等に見ているのだ。

悪く言えば…彼女は自分が本当に興味を持った物以外、全てに『無関心』なのだ。

 

 

そんな彼女がどうして、今急にレディアントに興味を持ったのか僕は気になった。

 

 

そんな僕の問いに、メリアは立ち止まり、僕の方を真っ直ぐと見て口を開いた。

 

 

 

 

「……私…砂漠でラザリスと話してた時…実は…ラザリスに勝てないと思った…」

 

 

「え…?」

 

 

「あの時のラザリス…寂しそうだったけど…でもね…そんなラザリスを見てる半分で…私…あそこまで自分の世界の為に戦えるラザリスが…怖いって思った…」

 

 

「…メリア…」

 

 

「…私だって…世界のために闘おうって思ってるけど…今の私じゃ…多分、ラザリスに勝てないって思った…。…だから…私、レディアントと闘おうと思った…。…戦って、もっと強くなって…もっと、自分の世界の事を知って…ラザリスと向き合おうって思った…」

 

 

僕の方を真っ直ぐと見ながらそう、自分の想いを告げるメリア。

…強く、か。

 

僕はメリアの言葉を聞き、小さく一度頷くと、そっと手を伸ばしてメリアの頭を撫でた。

 

 

 

 

 

 

「…そっか…分かった、メリア。…君の力になれるかわからないけど…君が望むなら…僕はなんだって手伝うよ」

 

 

「…衛司……ありがとう…」

 

 

 

頭を撫でながら真っ直ぐとメリアを見て言葉を告げると、メリアは嬉しげに小さく頷いてそう言うと、僕に手を伸ばして抱きついてきた。

 

…彼女は確かにディセンダーと呼ばれる特別な存在かもしれない。

だけど彼女はディセンダーであると同時に…一人の少女で、一人のヒトなのだ。

 

だから…僕はディセンダーである彼女の力になれるかは分からないけど…せめてこの一人の少女の支えになりたい、と思っている。

 

抱きついて僕の胸元に顔を埋める彼女の頭を、僕はゆっくりと静かに撫で続けた。

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

 

「――…あれは……」

 

 

「――……レディアント…」

 

 

――あの後少しして再び下層に向けて歩き…以前、バルバトスと戦った塩水晶がある場所に着いた。そしてその…以前バルバトスが立っていた塩水晶の前には、赤と黒を主にした忍者を彷彿とした服…『レディアント』の男性用と女性用を着た人型の人工精霊が…『二人』が立っていた。

向こうも僕達に気付いたのか、まるで機械のような動きで僕達の方を向いてきた。

 

 

「…あれに勝てば、レディアントが手にはいるのかな」

 

 

「…ん…多分…」

 

 

「よし…なら…頑張って二人でアレを倒そう」

 

 

「……ん…っ!」

 

 

二体のレディアントを見てから僕がそう言うとメリアは小さく頷く。

そして僕達は戦闘に入る為、それぞれ武器を構えた…その時であった。

 

 

 

「な…っ!?」

 

 

「……え……?」

 

 

僕達が武器を構え、少しした瞬間…僕の方を見ていた男性型のレディアントが突如…まるで粘土のように形が変わり始めたのだ。

そしてそのままようやく人型の形に戻ったと思うとそこに立ったレディアントの姿は…二本の刀のような剣を持ち、侍を彷彿とさせる服装を身に纏ったものであった。

 

 

「なっ…これって…一体…っ!?」

 

 

「……分からない…けど……来るっ!」

 

 

突然の出来事に混乱する僕達に、二体のレディアントは武器を手に、此方に襲い掛かってきた。

 

よく分からないけど……今は戦わないと…っ!!

 

 

 

――こうして、レディアントを巡る闘いは始まった。

 

 

 

 





以上、第四十八話、如何だったでしょうか?
まぁぐだぐだですよね☆←


【メリア】
嘘みたいだろ、これ、サブヒロインなんだぜ?←

メリア出すと不思議とヒロイン力がハンパない事になってしまう件←
カノンノェ…←


【レディアント魔改造】
今回のオリ展開です。

無理やり感?
ハッ、当の昔にわかってるよ←←

レディアント魔改造については多分この後も色々やっちゃうと思います、えぇ←


次回はこのままレディアント戦となります+
これから更新速度で遅くなってしまいますが…今後も良ければこの作品を宜しくお願いします+

感想、ご意見等良ければ宜しくお願いします+

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